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HOMEコラムの泉【レジュメ編】 行政法(その5)

コラムの泉

【レジュメ編】 行政法(その5)


カテゴリ
その他 > 資格取得
最終更新日
2006年05月18日 06:44
著者
太田誠行政書士事務所 さん
ポイント
926,232ポイント
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****************************************      ★★★ 新・行政書士試験 一発合格! Vol. ’06-23 ★★            【レジュメ編】 行政法(その5) **************************************** ■■■ 行政手続法の内容 ■■■ 申請に対する処分 ■■■ 行政手続法の一部改正 ■■■ 『条文から学ぶ行政救済法』 ■■■ お願い ■■■ 編集後記 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ■■■ 行政手続法の内容 ■■ 総則 ■ 目的等 処分、行政指導及び届出に関する手続並びに命令等を定める手続に関し、共通する事項 を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって国 民の権利・利益の保護に資すること(1条) → 「国民」には外国人、外国法人も含まれる。 ・対象としている行政作用:処分、行政指導、届出、命令等のみ(行政計画策定手続、  行政契約手続等は対象となっていない。) ・透明性:行政上の意思決定について、その内容及び過程が国民にとって明らかである  ことをいう。 ■ 一般法 処分、行政指導及び届出に関する手続並びに命令等を定める手続に関し、この法律に規 定する事項について、他の法律に特別の定めがある場合は、その定めるところによる (1条2項) 。 → 行政手続法は一般法であり、特別法がある場合には、その定めが優先する。 ■ 適用除外 ・3条1項、2項、3項、4条を参照。 ・個別法で行政手続法の適用を除外しているものがあり、また、個別法に定めがあるの  は適用除外に限らず、聴聞手続又は弁明の機会の付与の手続をとるべき場合の区分の  特例が定められていることもある。 (例)この法律の規定により収用委員会がする処分(第六十四条の規定により会長又は    指名委員がする処分を含む。)については、行政手続法第二章及び第三章の規定    は、適用しない(土地収用法128条の2)。 ■■ 用語の定義 ■ 法令 法律、法律に基づく命令(告示を含む。)、条例及び地方公共団体の執行機関の規則 (規程を含む。)(2条1号) ・執行機関の規則(規程を含む。):普通地方公共団体の長が定める規則、普通地方公  共団体の委員会が定める規則その他の規程(地方自治法138条の4第2項) ■ 処分 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(2条2号) 【1】処分の例 (1)行政書士となる資格を有する者からの申請に基づいて日本行政書士連合会が行う    登録(行政書士法6条、6条の2)→ 行政手続法2章の申請に対する処分に該    当 (2)母体保護法14条に基づいて、都道府県医師会が、人工妊娠中絶を行うことがで    きる医師を指定すること→ 行政手続法2条2号の「処分」に該当 【2】例外事例 (1)国会の両院または一院の議決によってされる処分(例:衆議院の議員の除名処分    →形式的には「公権力の行使」)→ 行政手続法3条1項1号により、本法2章    から4章までの適用はない。 (2)弁護士が所属弁護士に対して行う処分(例:弁護士会が所属する弁護士に対して    行う懲戒処分→形式的には「公権力の行使」)→ 行政手続法2章及び3章の適    用はない(弁護士法43条の2)。 ■ 申請 法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する 処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が 諾否の応答をすべきこととされているもの(2条3号) (1)「法令に基づき」:この法令は、2条1号で定義された法令に限られる(それ以    外のものに基づく申請は、行政手続法の対象外)。 (2)行政手続法2条3号の「申請」の定義に該当するのであれば、実定法上、申請と    いう用語が使われていなくても、本法でいう申請に該当する。 (例)婚姻の届出(民法739条1項、740条)は、行政手続法2条3号の申請に該    当し、2章の適用を受けることになるが、戸籍法117条の5の規定により、行政    手続法は適用されない。 (3)行政手続法2条3号の申請をなしうる者は、法人格を有する者に限られる訳で    はなく、個別の法律において、行政手続能力を認められている者については、    行政手続法上もそれを前提として手続的保護を与える趣旨と解することができ    る。 ■ 不利益処分 行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、 又はその権利を制限する処分(2条4号) (1)特定の者を名あて人とするものなので、不特定多数を名あて人とする一般処分    は不利益処分の対象からは除外されることになる。 (2)「特定の者」は、法人格を有する者に限らない。 ■ 事実行為−不利益処分の例外(1) 事実上の行為及び事実上の行為をするに当たりその範囲、時期等を明らかにするため に法令上必要とされている手続としての処分(2条4号但書イ) (例)行政代執行法に基づいて行われる代執行という事実行為、同法上の戒告、即時    執行(強制)、土地収用法35条に基づく立入り、同法12条に基づく立入り    は、事実上の行為であり、不利益処分から除かれる。 ■ 拒否処分等−不利益処分の例外(2) 申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を 名あて人としてされる処分(2条4号但書ロ) (1)申請に対する処分については、行政手続法2章(申請に対する処分に関する手続    規定)の適用を受ける。 (2)形式的には申請の拒否であるが、実質的には既存の許認可等の更新が前提とされ    ており、申請の拒否が許認可等の撤回と同視しうる場合もある。 ●● 最高裁判例「テレビジョン放送局の開設に関する予備免許処分・同免許申請棄却    処分並びにこれが異議申立棄却決定取消請求」(民集22巻13号3254頁) 【理由】いずれも再免許であって、形式上たんなる期間の更新にすぎないものとは異な     るが、右に「再免許」と称するものも、なお、本件の予備免許および本免許を     前提とするものであつて、当初の免許期間の満了とともに免許の効力が完全に     喪失され、再免許において、従前とはまつたく別個無関係に、新たな免許が発     効し、まつたく新たな免許期間が開始するものと解するのは相当でない。 (3)申請に基づいて、当該申請をした者を名あて人としてされる処分も不利益処分で    はない。 (4)第三者に対して不利益処分がなされた場合には、「当該申請をした者を名あて人    としてされる処分」に該当しないため、行政手続法3章の適用を受けることにな    る。 ■ 同意に基づく処分−不利益処分の例外(3) 名あて人となるべき者の同意の下にすることとされている処分(2条4号但書ハ) (1)名あて人となるべき者の同意が、法律上、処分要件とされている場合のみを念頭    においている。 (例)文化財保護法32条の2第1項 → 名あて人の同意があっても、法律上の処分要件とされていない場合には、不利益処   分の例外にはならない(本来行われるべき行政手続法に定められた手続きが必要)。 (2)初回の違反行為の際に始末書をとり、その中で、再度違反行為を行ったときはい    かなる処分を受けても異存はない旨を約束させることが行政実務上行われている    が、この場合も、同意に基づく処分とはならず、原則として3章の不利益処分の    手続をとる必要がある。 ■ 届出に基づく処分−不利益処分の例外(4) 許認可等の効力を失わせる処分であって、当該許認可等の基礎となった事実が消滅した 旨の届出があったことを理由としてされるもの(2条4号但書ニ) (例)土地収用法30条1項、測量法55条の9第1項 ■ 行政機関 イ 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関若しくは内閣の所轄に置かれる機関、宮内 庁、内閣府設置法第四十九条第一項若しくは第二項に規定する機関、国家行政組織法第 三条第二項に規定する機関、会計検査院若しくはこれらに置かれる機関又はこれらの機 関の職員であって法律上独立に権限を行使することを認められた職員 ロ 地方公共団体の機関(議会を除く。)(2条5号) (ア)国会、裁判所、内閣、地方議会は「行政機関」の定義からは除外される。 (イ)「法律の規定に基づき内閣に置かれる機関」として、内閣官房、安全保障会議、    内閣法制局がある。 (ウ)「法律の規定に基づき内閣の所轄に置かれる機関」として、内閣府、人事院があ    る。 (エ)「国家行政組織法第三条第二項に規定する機関」には、総務省、財務省等の10    省、公害等調整委員会、中央労働委員会等の4委員会、消防庁、国税庁等の13 庁    がある。 (オ)「法律上独立に権限を行使することを認められた職員」の例として、海上保安    官、労働基準監督官等がある。 ■ 行政指導 行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定 の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該 当しないもの(2条6号) (1)「特定の者」→ 不特定一般に向かって行われるものは行政指導に含まれない。 (例)石油消費量の節減の呼びかけ:国民に対する呼びかけの場合には、行政指導にな    らないが、石油化学会社に自粛を求める場合には、相手方が特定されているの    で、行政指導になる。 (2)「作為不作為を求める」→ 単なる情報提供、教示は行政指導に含まれない。 (3)行政指導は、行政機関が行うものに限定される。 ■ 届出 行政庁に対し一定の事項の通知をする行為(申請に該当するものを除く。)であって、 法令により直接に当該通知が義務付けられているもの(自己の期待する一定の法律上の 効果を発生させるためには当該通知をすべきこととされているものを含む。)(2条7 号) (1)「申請」は諾否の応答を求めるものであるのに対し、「届出」に対する拒否処分    は存在しない。 (2)届出の規定の中には、届出を義務づけているものだけでなく、届出をするかどう    かは任意であるが、届出をするとメリットがある、あるいは届出をすることであ    るデメリットを防止できるというシステムをとっているものがある。この場合    も、その適正な処理の必要性が大きいことから、行政手続法上の届出に含まれる。 (3)法令により直接に当該通知を義務づけられたものを対象としているため、処分に    より通知を義務づけられたものは含まない。 (4)同号の定義に該当すれば、実定法上の名称が「届出」以外のものであっても、行    政手続法上の「届出」となる(例:外国人登録法3条1項)。 ■ 命令等 2条1項8号 イ 内閣又は行政機関が定める法律に基づく命令(処分の要件を定める告示を含む。)   又は規則 ・内閣:内閣は行政機関の定義(2条5号イ)に含まれていないため、「内閣又は行政  機関が定める」と規定されている。 ・規則:地方公共団体の機関が定めるもの(会計検査院規則、公正取引委員会規則等は  「法律に基づく命令」に該当)。 ロ 内閣又は行政機関が定める審査基準(申請により求められた許認可等をその法令の   定めに従って判断するために必要とされる基準をいう。) ハ 内閣又は行政機関が定める処分基準(不利益処分をするかどうか又はどのような不   利益処分とするかについてその法令の定めに従って判断するために必要とされる基   準をいう。) → ロ及びハについては、行政庁が作成するものに限られず、例えば、地方支分部局の   長が処分庁であるが、その基準を主務大臣が通達で示している場合も、審査基準・   処分基準に含まれることとなる。 ニ 内閣又は行政機関が定める行政指導指針(同一の行政目的を実現するため一定の条   件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときにこれらの行政指導に共   通してその内容となるべき事項をいう。) ■■ 適用除外 ■ 本来の行政権の行使とはやや異質な手続 第三条 次に掲げる処分及び行政指導については、次章から第四章までの規定は、適用 しない。 一 国会の両院若しくは一院又は議会の議決によってされる処分 二 裁判所若しくは裁判官の裁判により、又は裁判の執行としてされる処分 三 国会の両院若しくは一院若しくは議会の議決を経て、又はこれらの同意若しくは承 認を得た上でされるべきものとされている処分 四 検査官会議で決すべきものとされている処分及び会計検査の際にされる行政指導 (1)国会、裁判所等が行う処分は、処分の定義(2条2号)からすると、行政手続法    の適用対象に含まれることになるが(「公権力の行使」に当たるため)、処分を    行う主体が特殊であるため、その手続にも独自の性格が認められるので、適用除    外とされた。 ★ 「処分」のみが対象。国会、裁判所は行政機関に含まれないため(2条5号)、行   政指導は規定されていない。なお、会計検査院は、法改正で含まれることになって   いる。 ■ 刑事手続としての性格を持つもの 第三条 五 刑事事件に関する法令に基づいて検察官、検察事務官又は司法警察職員がする処分 及び行政指導 六 国税又は地方税の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含 む。)に基づいて国税庁長官、国税局長、税務署長、収税官吏、税関長、税関職員又は 徴税吏員(他の法令の規定に基づいてこれらの職員の職務を行う者を含む。)がする処 分及び行政指導並びに証券取引又は金融先物取引の犯則事件に関する法令に基づいて証 券取引等監視委員会、その職員(当該法令においてその職員とみなされる者を含 む。)、財務局長又は財務支局長がする処分及び行政指導 (1)これらは、行政手続というよりも、本来刑事手続に近いものであることから、適    用除外とされている。 (2)平成17年4月の独禁法改正で導入された犯則調査については、独禁法117条で行政    手続法2章から4章の規定の適用が除外されている。 ■ 特別の規律で律せられる関係が認められる手続 処分主体とその名あて人との関係の特殊性のゆえに適用除外とされる例 第三条 七 学校、講習所、訓練所又は研修所において、教育、講習、訓練又は研修の目的を達 成するために、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこれらの保護者、講習生、訓練 生又は研修生に対してされる処分及び行政指導 八 刑務所、少年刑務所、拘置所、留置場(警視庁、道府県警察本部(方面本部を含 む。)又は警察署に置かれる人を留置するための施設をいう。)、海上保安庁の留置 場(管区海上保安本部、管区海上保安本部の事務所又は海上保安庁の船舶に置かれる人 を留置するための施設をいう。)、少年院少年鑑別所又は婦人補導院において、収容 の目的を達成するためにされる処分及び行政指導 九 公務員(国家公務員法第二条第一項 に規定する国家公務員及び地方公務員法第三条 第一項 に規定する地方公務員をいう。以下同じ。)又は公務員であった者に対してその 職務又は身分に関してされる処分及び行政指導 十 外国人の出入国、難民の認定又は帰化に関する処分及び行政指導 (1)公務員(3条1項9号)には、内閣総理大臣、国務大臣、人事官及び検査官、国    会議員、裁判官等及び地方議会議員、委員会(審議会等を含む)の構成員の職で    臨時又は非常勤のもの等も含まれる。 (2)司法修習生、道路交通法108条の4の定める指定講習機関の役員又は職員等    は、3条1項9号の適用は受けない。 (3)公務員のみならず、公務員であった者も含まれる(例:公務員であった者に対す    る退職手当の返納命令(国家公務員退職手当法12条の2第1項参照))。ま    た、国家公務員法100条1項により、公務員は退職後も守秘義務が課されるた    め、守秘義務との関係で退職後に行政指導を行うこともありうる。 (4)「外国人の出入国、難民の認定又は帰化に関する処分及び行政指導」(10号)    は、国家主権の問題であり、そもそも外国人は出入国、難民の認定又は帰化に関    する実定法上の権利を有しないと一般的に解されているため、手続についても、    行政手続法をそのまま適用することは必ずしも妥当ではないと考えられたため、    適用除外とされた。    しかし、外国人が全部行政手続法の適用対象から外れているわけではなく、一般    的には外国人の法人自然人行政手続法の対象となるが、出入国、難民の認定    又は帰化に関する処分及び行政指導に限って適用除外とされている。 ■ 処分の性質上、行政手続法の適用になじまない手続 第三条 十一 専ら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分 十二 相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的として法令の規定に基づいてさ れる裁定その他の処分(その双方を名あて人とするものに限る。)及び行政指導 十三 公衆衛生、環境保全、防疫、保安その他の公益にかかわる事象が発生し又は発生 する可能性のある現場において警察官若しくは海上保安官又はこれらの公益を確保する ために行使すべき権限を法律上直接に与えられたその他の職員によってされる処分及び 行政指導 十四 報告又は物件の提出を命ずる処分その他その職務の遂行上必要な情報の収集を直 接の目的としてされる処分及び行政指導 十五 審査請求異議申立てその他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の 処分 十六 前号に規定する処分の手続又は第三章に規定する聴聞若しくは弁明の機会の付与 の手続その他の意見陳述のための手続において法令に基づいてされる処分及び行政指導 (1)11号:人の学識技能という一般的に客観的評価になじみにくいものについて、    試験・検定委員の専門技術的裁量に大幅に依存してなされるという判断過程の特    殊性を斟酌したため、適用除外とされた。 (2)12号:三面構造に伴う特殊性があり、行政庁・行政機関と処分・行政指導の名    あて人との二面構造を基本的前提とし行政手続法の規定をそのまま適用すること    は必ずしも適切ではないと考えられたため、適用除外とされた。 → 損失補償について行政庁が判断を示す場合は、補償義務を負う行政主体の機関とし   てではなく、第三者として裁決、裁定を行う場合が多いが、こうしたものは12号   により、行政手続法2章から4章までの適用が除外されることになる。 (3)13号:現場で職員が臨機応変に対応する必要があるため、かかる特殊性に配慮    した手続を個別法において定める方が適切であると考えられたため、適用除外と    された。 (4)14号:行政調査としての性格を持つものであり、行政庁の意思決定の準備的行    為であることから、通常の処分、行政指導とは異なる特色があり、個別の法律に    手続的規制を委ねることとなった。 (5)15条:事後的救済手続であり、行政不服審査法が成立していることから、行政    手続法の適用除外とされた。 (6)16条:最終処分に至る手続の過程における中間的処分及び行政指導であり、こ    れについてまで手続的規制をかけることは、手続を煩瑣にし、遅延を招来する恐    れがあるため、適用除外とされた。 ■ 命令の性質上、意見公募手続等の適用になじまない手続 行政主体の組織内部又は行政主体組織間の関係についての命令であるため、意見公募手 続等の規定の適用になじまないものは4条2項で除外されるため、3条2項で適用除外 にされているものはそれ以外のものになる。 第三条2 一 法律の施行期日について定める政令 二 恩赦に関する命令 三 命令又は規則を定める行為が処分に該当する場合における当該命令又は規則 四 法律の規定に基づき施設、区間、地域その他これらに類するものを指定する命令又 は規則 五 公務員の給与、勤務時間その他の勤務条件について定める命令等 六 審査基準、処分基準又は行政指導指針であって、法令の規定により若しくは慣行と して、又は命令等を定める機関の判断により公にされるもの以外のもの ■ 地方公共団体の機関が行う手続 第三条3 地方公共団体の機関がする処分(その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているも のに限る。)及び行政指導、地方公共団体の機関に対する届出(第2条第七号の通知の 根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)並びに地方公共団体の機 関が命令等を定める行為については、2章から6章までの規定は適用しない。 (1)地方公共団体の機関が行う処分であっても、法律に基づく処分であれば、行政手    続法が適用される(例:墓地、埋葬等に関する法律10条1項に基づき都道府県    知事が行う墓地、納骨堂又は火葬場の経営の許可等)。 → 条例又は規則に基づく処分および届出については、2章から6章の規定が適用され   ない。 (2)法律で、「都道府県の規則により定めることができる」と規定されている場合    は、単に規則による規制が可能なことを示したに過ぎないとみるべきではなく、    法律を根拠規定とし、地域の特性に応じた配慮をある程度可能にするために、規    則による規制を行わせることとしたものとみるべきである。 ■ 固有の資格 第四条 国の機関又は地方公共団体若しくはその機関に対する処分(これらの機関又は 団体がその固有の資格において当該処分の名あて人となるものに限る。)及び行政指導 並びにこれらの機関又は団体がする届出(これらの機関又は団体がその固有の資格にお いてすべきこととされているものに限る。)については、この法律の規定は、適用しな い。 (1)固有の資格:行政不服審査法57条4項にいう「固有の資格」と同義であり、一    般私人では立ちえず、国の機関又は地方公共団体若しくはその機関であるからこ    そ立ちうる特別の立場(例:地方公共団体の地方債の起債の許可申請)。 (2)一般私人と国又は地方公共団体のいずれもある行為を行うことが認められている    が、国又は地方公共団体については特例が定められている場合は、一般私人が処    分の名あて人になるのが原則であり、国が名あて人となるケースについて特別の    定めを置いているに過ぎないから、国が名あて人であっても固有の資格とはいえ    ない(例:市営バス事業の認可申請)。 (3)逆に、一般私人もある行為を行いうるが、国又は地方公共団体が当該行為を行う    のが原則の場合には、固有の資格とみてよい(例:水道法6条1項)。 ★ 処分と届出については、「固有の資格」という限定がついているが、行政指導につ   いてはこの限定がない。 ■ 独立行政法人、国立大学法人、大学共同利用機関法人、日本司法支援センター、特   殊法人、認可法人、指定検査機関 第四条2 次の各号のいずれかに該当する法人に対する処分であって、当該法人の監督に関する法 律の特別の規定に基づいてされるもの(当該法人の解散を命じ、若しくは設立に関する 認可を取り消す処分又は当該法人役員若しくは当該法人の業務に従事する者の解任を 命ずる処分を除く。)については、次章及び第三章の規定は、適用しない。 一  法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設 立された法人 二  特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政庁の認可を要する法人のう ち、その行う業務が国又は地方公共団体の行政運営と密接な関連を有するものとして政 令で定める法人 第四条3 行政庁が法律の規定に基づく試験、検査、検定、登録その他の行政上の事務について当 該法律に基づきその全部又は一部を行わせる者を指定した場合において、その指定を受 けた者(その者が法人である場合にあっては、その役員)又は職員その他の者が当該事 務に従事することに関し公務に従事する職員とみなされるときは、その指定を受けた者 に対し当該法律に基づいて当該事務に関し監督上される処分(当該指定を取り消す処 分、その指定を受けた者が法人である場合におけるその役員解任を命ずる処分又はそ の指定を受けた者の当該事務に従事する者の解任を命ずる処分を除く。)については、 次章及び第三章の規定は、適用しない。 (1)独立行政法人、国立大学法人、大学共同利用機関法人、日本司法支援センター、    特殊法人、認可法人、指定検査機関に対する処分の全てが適用除外となるわけで    はなく、「当該法人の監督に関する法律の特別の規定に基づいてされるもの」、    「当該法律に基づいて当該事務に関し監督上される処分」に限って適用除外とな    る。 (2)「当該法人の監督に関する法律の特別の規定に基づいてされるもの」であって    も、「当該法人の解散を命じ、若しくは設立に関する認可を取り消す処分又は当    該法人役員若しくは当該法人の業務に従事する者の解任を命ずる処分」は適用    除外の対象から除かれているため、3章の不利益処分の規定を適用することとな    る。 (3)4条2項2号の法人には、日本行政書士会連合会も含まれる(行政手続法施行令    1条)。 (4)4条3項の指定検査機関といえるためには、指定という処分により、行政代行的    性格を付与されていることが必要であり、いわゆる民間委託契約により、行政事    務を代行するものは、指定検査機関ではない。 ■ 行政組織内部又は行政主体相互間の関係であるため、意見公募手続等の規定の適用   除外となる場合 第四条4 次に掲げる命令等を定める行為については、第六章の規定は、適用しない。 一 国又は地方公共団体の機関の設置、所掌事務の範囲その他の組織について定める命 令等 二 皇室典範第二十六条の皇統譜について定める命令等 三 公務員の礼式、服制、研修、教育訓練、表彰及び報償並びに公務員の間における競 争試験について定める命令等 四 国又は地方公共団体の予算、決算及び会計について定める命令等(入札の参加者の 資格、入札保証金その他の国又は地方公共団体の契約の相手方又は相手方になろうとす る者に係る事項を定める命令等を除く。)並びに国又は地方公共団体の財産及び物品の 管理について定める命令等(国又は地方公共団体が財産及び物品を貸し付け、交換し、 売り払い、譲与し、信託し、若しくは出資の目的とし、又はこれらに私権を設定するこ とについて定める命令等であって、これらの行為の相手方又は相手方になろうとする者 に係る事項を定めるものを除く。) 五 会計検査について定める命令等 六 国の機関相互間の関係について定める命令等並びに地方自治法第二編第十一章に規 定する国と普通地方公共団体との関係及び普通地方公共団体相互間の関係その他の国と 地方公共団体との関係及び地方公共団体相互間の関係について定める命令等(第一項の 規定によりこの法律の規定を適用しないこととされる処分に係る命令等を含む。) 七 第二項各号に規定する法人役員及び職員、業務の範囲、財務及び会計その他の組 織、運営及び管理について定める命令等(これらの法人に対する処分であって、これら の法人の解散を命じ、若しくは設立に関する認可を取り消す処分又はこれらの法人の役 員若しくはこれらの法人の業務に従事する者の解任を命ずる処分に係る命令等を除く。) (1)広い意味での行政組織内部又は行政主体相互間の関係についての命令であって、    直接に国民の権利義務とかかわらないものについて6章の規定の適用を除外して    いる。 (2)7号:「第二項各号」と規定されているので、4条3項の指定検査機関の役員及    び職員、業務の範囲、財務及び会計その他の組織、運営及び管理について定める    命令は適用除外とはされていない。 ■■■ 申請に対する処分 ■ 審査基準 第五条 行政庁は、審査基準を定めるものとする。 2 行政庁は、審査基準を定めるに当たっては、当該許認可等の性質に照らしてできる 限り具体的なものとしなければならない。 3 行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、法令により当該申請の提出先とさ れている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしてお かなければならない。 (1)審査基準:申請により求められた許認可等をするかについて法令に従って判断す    るために必要とされる基準(2条8号ロ) ★ 従前、定義規定は5条1項で定義されていたが、平成18年4月1日の改正法の施行に   より、2条8号ロに移された。 ★ 「法令に従って判断するために必要とされる基準」であるため、法令自体に定めら   れている許認可等の基準は、審査基準には含まれない。 ★ 「審査基準を定めるものとする」と規定されているのは、法令自体に許認可等の基   準が十分に規定されて、審査基準を作成する必要がない場合もあるためであり、1   項は単なる訓示規定ではなく、審査基準の作成を義務付けたものと解される。 ★ 審査基準は行政規則の性格を有する(→ 行政機関が策定する一般的な法規範であ   って、国民の権利義務に関係する法規の性質を有さない。)。 (2)「公にしておかなければならない」:秘密扱いにはしないということ。単に発表    しただけでは不十分であって、常時閲覧等が可能な状態に保つことが必要である    が、積極的な周知義務はない。そのため、作成しても、官報等に掲載する必要は    ない。 ★ 申請をする者の要求により開示する(=秘密扱いにしない)ことでも可。 ★ なお、「公表」(36条)とは、事実を広く知らせることをいう。 ■ 標準処理期間 第六条 行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまで に通常要すべき標準的な期間(法令により当該行政庁と異なる機関が当該申請の提出先 とされている場合は、併せて、当該申請が当該提出先とされている機関の事務所に到達 してから当該行政庁の事務所に到達するまでに通常要すべき標準的な期間)を定めるよ う努めるとともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関 の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。 (1)作成は努力義務であるが、作成したときには、公にする義務がある。 (2)標準処理期間は、「相当の期間」(行政事件訴訟法3条5項)とは必ずしも一致    しない。 ★ 「行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内に何らかの処分又は裁決をすべ   きであるにかかわらず、これをしないことについての違法の確認を求める」不作為   の違法確認の訴えは、裁判所が判断するものであるため。 → 標準処理期間を経過しても、直ちに「相当の期間」を経過したとはいえない(その   逆の場合もあり得る。)。 ■ 申請に対する審査、応答 第七条 行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始 しなければならず、かつ、申請書の記載事項に不備がないこと、申請書に必要な書類が 添付されていること、申請をすることができる期間内にされたものであることその他の 法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、申請を した者(以下「申請者」という。)に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、 又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない。 (1)「受理」の概念は採られていない。 ★ 行政庁の事務所に物理的に到達すれば足り、申請書に受領印が押印されることは必   要ではない(→ ただし、実務上は、後日の証左として、複数部数を提出し、その   一部に受領印の押印を受け、これを保存するのが一般的である。)。 → 申請書の到達により、行政庁には審査義務が発生する。 (2)申請の形式上の要件に適合しない申請 補正を求めても、許認可等を拒否しても可 → 行政不服審査法の場合には、「その補正を命じなければならない」(21条)。 ■ 理由の提示 第八条 行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請 者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。ただし、法令に定められ た許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確 に定められている場合であって、当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又 は添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは、申請者の求めがあったときに これを示せば足りる。 2 前項本文に規定する処分を書面でするときは、同項の理由は、書面により示さなけ ればならない。 (1)許認可等を拒否する処分 不適法な許認可等の申請を拒否する場合と、申請は適法ではあるものの、許認可等の申 請を拒否する場合がある。 → いずれの場合にも、理由の提示は必要。 ★ 許認可等を拒否する処分の場合のみ(第三者には不利益であっても、名宛人には利   益となる場合は対象外)。 (2)理由の提示の方法 ・原則:処分=書面&理由=書面 ・例外:処分=書面&理由=口頭でも可(1項但書の場合) ★ 処分が口頭の場合について明文の規定はないが、理由は口頭でも可。 ★ 「その他の申請の内容」は、行政手続オンライン化法に基づくオンライン申請の場   合を想定したもの。 ●● 最高裁判例「一般旅券発給拒否処分取消等」(民集第39巻1号1頁) 【要旨】一般旅券発給拒否処分の通知書に、発給拒否の理由として、「旅券法一三条一     項五号に該当する。」と記載されているだけで、同号適用の基礎となった事実     関係が具体的に示されていない場合には、理由付記として不備であって、右処     分は違法である。 【理由】旅券法が右のように一般旅券発給拒否通知書に拒否の理由を付記すべきものと     しているのは、一般旅券の発給を拒否すれば、憲法二二条二項で国民に保障さ     れた基本的人権である外国旅行の自由を制限することになるため、拒否事由の     有無についての外務大臣の判断の慎重と公正妥当を担保してその恣意を抑制す     るとともに、拒否の理由を申請者に知らせることによって、その不服申立てに     便宜を与える趣旨に出たものというべきである。 ★ 単に処分の根拠条文を示すだけでは不十分である。 ★ 審査基準は公にしなければならないが、拒否処分の理由の提示の際に、その根拠と   なった審査基準まで示すことは求められていない(そうすべきではあるが)。 ■ 情報の提供 第九条 行政庁は、申請者の求めに応じ、当該申請に係る審査の進行状況及び当該申請 に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならない。 2 行政庁は、申請をしようとする者又は申請者の求めに応じ、申請書の記載及び添付 書類に関する事項その他の申請に必要な情報の提供に努めなければならない。 (1)努力義務 申請者からの求めがない場合、行政庁は、積極的に情報提供する義務はない。 ■ 公聴会の開催等 第十条 行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきこ とが当該法令において許認可等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、 公聴会の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設ける よう努めなければならない。 (1)努力義務 ・「申請者以外の者」は、行政事件訴訟法に定められた取消訴訟の原告適格を有する者  に限定されず、原告適格が否定される者も含まれる場合がある(例:公共料金の認可  申請の場合の一般消費者)。 ■ 複数の行政庁が関与する処分 第十一条 行政庁は、申請の処理をするに当たり、他の行政庁において同一の申請者か らされた関連する申請が審査中であることをもって自らすべき許認可等をするかどうか についての審査又は判断を殊更に遅延させるようなことをしてはならない。 2 一の申請又は同一の申請者からされた相互に関連する複数の申請に対する処分につ いて複数の行政庁が関与する場合においては、当該複数の行政庁は、必要に応じ、相互 に連絡をとり、当該申請者からの説明の聴取を共同して行う等により審査の促進に努め るものとする。 ■■■ 行政手続法の一部改正 会社法商法)の大改正の影に隠れていた感もありますが、行政手続法が改正されてい ます。しかも、今年4月1日から施行されています。改正の中心として、命令等を定め る場合の一般原則が定められるとともに、命令等を定める機関に対する意見公募(パブ リック・コメント)手続が定められました。 なお、改正法の概要および新旧対照表については、以下をご参照下さい。  http://www.soumu.go.jp/menu_04/s_hourei/gaiyo/050629_17h73_1.pdf  http://www.soumu.go.jp/menu_04/s_hourei/pdf/050629_17h73_4.pdf ■■■ 『条文から学ぶ行政救済法』 この5月に『条文から学ぶ行政救済法』(高木光他著、有斐閣、約300頁、2500円〔税 別〕)が出版されました。上記に述べた行政手続法の一部改正についても、説明が加え られています。これは行政法の参考書としてお勧めです。その理由は次のとおりです。 まず、行政書士試験の「行政法」を構成する行政手続法行政不服審査法、行政事件訴 訟法、国家賠償法および損失補償法を網羅していることです。行政法の場合には、条文 だけからでは、その内容が判然としないことが多いため、法学試験化した行政書士試験 向け参考書としては最適です。 つぎに、これまでも行政手続法と行政事件訴訟法については、適当な参考書がいろいろ ありましたが、行政不服審査法国家賠償法および損失補償法については、大部なコン メンタールしかなかったので、これらの法律を確実な得点源として押さえるためには、 とても助かります。 第3に、これら5つの法令について、条文毎に解説が加えられています。法律の理解に 条文を知ることは不可欠ですが、条文の字面だけでは、その意味を十分に理解できない ことも多々あることから、法学として理解するには、こうした参考書は最適です。 第4に、条文毎に関連する判例が掲載されています。法学の学習にあたって判例の重要 性は説明するまでもありませんが、約300もの判例が掲載されていることはとても心強い 限りです。 第5に、 この参考書のレベルですが、法科大学院生の自習用テキストとして書かれてい ます。自習用であること、相当のレベルの参考書であること(ただし、実際には、比較 的読みやすく、法科大学院生用というイメージから受ける先入観ほどの難しさは感じら れません。)は、法学試験化した行政書士試験には大事なポイントになるものと思われ ます。 ■■■ お願い   継続して発刊するためには読者の皆様のご支援が何よりの活力になります。ご意見、ア ドバイス、ご批判その他何でも結構です。内容、頻度、対象の追加や変更等について も、どうぞ何なりと e-mail@ohta-shoshi.com までお寄せください。 質問は、このメールマガジンの趣旨の範囲内のものであれば、大歓迎です。ただし、多 少時間を要する場合があります。 ■■■ 編集後記  今回から、行政法の個別法に入ります。今回および次回は行政手続法を予定しています 。以下、行政不服審査法行政不服審査法国家賠償法と続く予定です。 これまでは行政法総論で、(やや)抽象的であって、理解し難い部分も多々あったこと と思いますが、これからは、条文と判例がサポートしてくれます。なお、総論のどの部 分と関係するのかを個別に関連付けると、行政法の理解がなお一層深まります。 ***************************************  マガジンタイトル:新・行政書士試験 一発合格!  発行者:行政書士 太田誠   東京都行政書士会所属(府中支部)  発行者Web:http://www.ohta-shoshi.com  発行者メールアドレス:e-mail@ohta-shoshi.com  発行協力「まぐまぐ」:http://www.mag2.com/  登録または解除はこちらから:http://www.ohta-shoshi.com/melmaga.html ***************************************

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