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第16回:キッチンオフィス【クックパッド株式会社】

(2007/2/6 火曜日)

キッチンオフィス
【クックパッド株式会社】

日本最大の料理レシピサイトを運営するクックパッド
オフィスのエントランスはシステムキッチン

キッチンオフィス【クックパッド株式会社】

キッチンオフィス【クックパッド株式会社】

クックパッド株式会社
所在地/東京都港区北青山2-7-26 メゾン青山2F
設立/平成9年10月1日
従業員数/16名(男女比(4:6)
資本金/2825万円/
http://cookpad.com/

19万品以上の料理レシピを掲載するユーザ投稿型料理レシピサイト「クックパッド」の運営を主要事業とする。食材ごとのレシピ検索や、つくりましたフォトレポート、旬の食材を使ったレシピ特集などの機能・コーナーを持ち、主婦やOLに人気のサイトとなっている。「100万人が選んだ大絶賛お菓子」((株)角川SSC 発行)や「100万人が選んだ大絶賛パスタ」(同)など出版事業も手がける。

―2006年12月に引越しをされたばかりですね。引越しを機に「キッチンのあるオフィス」をつくった経緯を教えてください。

本社の移転を決めた際に社内のヒアリングを実施したところ、一番リクエストが多かったのが「キッチン」だったんですよ。

キッチンが欲しい理由の第1位は「自分たちが料理をしたい」。クックパッドで働いているんだから料理ぐらいしたい、昼ごはんをさっとつくりたい、そのためにキッチンが欲しいということでした。第2位は試作や撮影のため。実際にレシピカードや書籍に掲載するレシピは一部であり、何品もの試作を重ねた結果選ばれたものです。これまでは外部のキッチンスタジオなどで試作や撮影をおこなっていましたが、外に出ると1日がかりになってしまうわけです。最近その回数も増えてきて、社内からも「社内で試作や撮影ができたら便利だよね」という声があがっていました。そして第3位は「そもそもクックパッドにキッチンがないことがおかしい」。お客様からも「キッチンないんですか?」と聞かれることが多いですしね。一番の理由が料理をしたいということだったので、飾り物ではなく実用性の高いキッチンをつくったというわけです。

―では、この引越しは“キッチンありき”だったということですか?

いいえ、この物件に決めたとき、キッチンをつくるかどうかはフィフティ・フィフティだったんですよ。物件選びの一番の条件は「駅から近いこと」でした。ここの場所はホームまで約3分。外に出る営業にとっても、お客さんにとっても、出入りしやすい場所にしたかったんです。あとは予算を見て決定しましたね。うちでは2年で償却することを前提にして、イニシャルコストと家賃を計算しています。通勤時間なども計算に入れ人件費としてのコストも加味しましたね。駅から遠いと無駄な時間が出てきますから。

実際にキッチンをつくることができる物件というのはほとんどありません。排気、排水、給水の問題があるし、場所によっては飲食を経営するのと同じくらいの保証金が必要になったり、とキッチンをつくろうとすると条件が悪くなります。たまたま縁があり、駅からも近かったこの物件をとりあえず契約、その後、ここが排水や排気の問題もクリアできることがわかり、工事の金銭的な負荷もかからない構造だったという偶然も重なって、キッチンが実現したわけです。

キッチンオフィス【クックパッド株式会社】

―エントランスに突如キッチンが現われるという造りもユニークですよね。

デザイン事務所からもいろいろな案をいただきましたが、クックパッドなんだから、キッチンがメインにあってもいいじゃないかと考えて今の形になりました。実際に使うことを考えると調理に必要なスペースを確保したい、そして撮影もしたい、そうなるとオープンにしたほうがよかった。結果、全64坪中、キッチン含むエントランス部分が約20坪を占めることになりました。

事業もそうですが、オフィスも結局は力の入れどころ。
かけられるコストやスペースの量は限られているので、それをどう分配するか、どこに集中させるか

クックパッドだからキッチンでいいじゃないって。執務室は狭くなりますが、そこはバランスです。

―採用戦略上、プロモーション上は有利になっていますか?

もちろん。採用にもそうだし、お客さまにも。お客様はキッチンがあるだけで見てみたいと来てくれますし、1回来てくれれば駅からも都心からも近いから立ち寄りやすい。取材も多いですね。

―実際に働いているスタッフの満足度は?

評判はいいですよ。クックパッドでは、毎月、行きたいお店を探してきてみんなで食べに行く、会社主催の「うまいもの会」をやっています。引っ越してからは、その代わりにこのキッチンを使って料理大会をやりました。年末はみやじ豚をつかった部対抗の「豚対決」。楽しかったしおいしかった。第2弾には「男対決」を予定しています。引っ越し祝いには寿司職人を呼んで、寿司を握ってもらったりもしましたね。キッチンを生かして十分に楽しんでいます。

しっかり使って、キレイに汚れていくぐらいがいいと思っています。使うことを大前提としているので、裏の見えないスペースに収納を十分に確保していますし。お客さまが来るときでも料理をしているのはOKです。引越しから約1ヶ月が経ち落ち着いてきて、今はちょうど、日常的に料理ができるように、制度などソフトウエアやオペーレーションの部分を考えているところです。

キッチンオフィス【クックパッド株式会社】

―クックパッドとしてこれからの展望を教えてください。

料理は主観ですから、「料理はこうあるべき」というのはあまり発信せずに、多様性を許容できる場を提供していきたいと思います。このキッチン自体を場として提供するとしたら、209万人いるクックパッドユーザーの中から一部しか呼べない。閉鎖的にはしたくないと思っていますから、難しいところです。

でも、その人たちが料理ができるお店みたいのはやってもいいですね。料理する人も予約制、食べる人も予約制。人気になってきたら定期的に毎月、毎週、そして独立していく、ライブハウスみたいな場所貸しのお店はやりたいと思っています。今は何千万円もかけて店をつくり、リスクをもってはじめるか、あるいはやらないか、その間がない。普通の生活があって、その上でみんなにももっと食べてもらいたいっていう向上心がある人が活躍できるような場所があっても面白いですよね。

リアルとかネットとかは関係なく、料理が楽しくなる仕組みを提供すること、それを社会に埋め込んでいくこと、そして普及させるために事業として成り立たせること、それがクックパッドの仕事だと思っています。

代表取締役 佐野陽光(さの あきみつ)氏

クックパッド株式会社
代表取締役
佐野陽光(さの あきみつ)

1997年9月に慶應義塾大学環境情報学部卒業。「毎日の料理を楽しみにすることで心からの笑顔を増やしたい」そんな思いから同年10月に同社の前身である(有)コインを創業。クックパッドを日本最大の料理サイトへと成長させ現在に至る。


秘書の森





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