| コージー: | 組織がもっとよくなるためにはこうしたらいい、このサービスはココを変えたらもっとよくなるのに・・って、 会社で働いていると考えること、いっぱいあるよね。カオリはそういう自分の意見、まわりに発信してる? |
| カオリ: | 伝えるようにしてるよ。組織が小さい時はさ、一般的な表現だけどオープンだよね。 でも規模が大きくなっていくと、人も増えるし、上司や社長との距離も離れるし、 自分の意見はこうです!って発言しづらくなるのかもしれないな。 |
| コージー: | その時は、どうしたらみんなが意見を堂々と発言できて働きやすい環境をつくれるんだろう? |
| カオリ: | それを促すような制度をつくるのもひとつ? |
| コージー: | そうだ!システムや理念でそういう風土をつくっていう会社があるんだ! |
アイデアバンク制度 【デジパ株式会社】
自立した社員が集うインターネットコンサルティング企業
社員の声を吸い上げてボトムアップで制度をつくる

| 用意する物: | 社員全員が書き込めるイントラネット |
|---|---|
| つくりかた : | 1)イントラネットを構築する 2)自発的な発言が活発になる組織風土をつくる |
| ポイント: | 頻繁に書き込めるようにブログにするのがベター |
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デジパ株式会社
所在地/東京都港区赤坂2-3-4 ランディック赤坂9F
設立/2000年4月
従業員数/23名(男15名・女8名 )
・・・マネージャー2名・リーダー3名・一般社員16名・契約社員2名・アルバイト0名
資本金/2000万円
http://digiper.com/
2000年2月「デジタルハイパーバランス株式会社」設立
2003年7月「デジパ株式会社」に社名変更
ウェブのプロモーション企画・デザイン、SEM、インターネット広告など、様々な企業のニーズに合わせ、企画を提案するインターネットコンサルティング企業
-アイデアバンク制度について教えてください。
郷氏:アイデアバンク制度は、社員、アルバイトに関わらず、自社の新サービスを提案するための制度です。思いついたら即発言をしてもらえるように、社内のイントラネットに“アイデアバンク”専用のブログを設けています。
‐もし可能なら、見せていただけますか?
(“アイデアバンク”ブログを拝見)
‐ずいぶん頻繁に書き込みがされていますね。週に2,3個は新しいアイデアが提案されている!まさにアイデアの貯蔵庫(バンク)!提案に対して、他の社員からのコメントも多いですね。
郷氏:現在、4月に入った新卒を含めて23名のスタッフがいますが、みんなどんどん書き込んでいますね。
普通の会社だと若い社員が上に気を遣って、不満を抱え込んでしまう傾向があります。が、デジパには「黙っていないで言う」という文化がありますから。でも上司が時間を取れないこともあるでしょう?そのために、いつでも発言ができるようにとイントラネットにブログをつくり、誰でも自由に書き込みができて、自由にそれに対して応答できる体制をつくったんですよ。
アイデアバンクに書き込まれたアイデアは、みんなで精査します。有益なアイデアに対してはプロジェクトを立てて実際にサービス化の方向へと進んでいきます。

-実際、サービスになったものはありますか?
郷氏:デジログというアクセス解析サービスがありますが、それはアイデアバンクから生まれたものです。
渡部氏:アクセス解析のデータって、数字が並んでいるだけのものですよね。クライアントはそのデータを見て、そこから改めて考える必要があるわけです。弊社はSEOの企業でもありますから、分析の仕方を、クライアントに説明していました。同じことを何度も何度も。面倒ですし・・・。そこで、最初からわかりやすく、目で見てすぐわかるように自動でグラフをつくったり、説明をすべて先に書いておりたり、印刷がすぐに出来るようにしたり、誰が見ても、どのサイトからきて、どのサイトに遷移したとかがわかるようにしたり、そういう状況をつくればいいじゃないか、そういう意見がアイデアバンクに出たのが始まりです。
そして、ログ解析後の複雑なレポートをつくる制作作業を見ていると、毎回すごく時間がかかっている。じゃあ、レポート印刷までを可能にすればいいじゃないかと。いっそのこと送るのも手間なので、クライアントがブラウザで直接見てわかるデザインにすればいいじゃないかと。わかりやすく詳しい情報を先に載せておけば、コンサルティングをしにクライアントのところにいった時に、この分析のところで時間をとられないので、すぐにその先のステップに話を進めることが出来るじゃないかと。
そういう思考で、手間の掛かることを自動化して、効率化を図って生まれたのが“デジログ”です。
-なるほど。実際に日頃の業務をやられている中でこうあったらいいなというものをどんどん溜めていける場所がアイデアバンクなんですね。今ではすっかり定着しているようですが、この制度はいつから導入を?
郷氏:1年半ぐらい前からですね。最初は社員5人ぐらいから始めたんですが、社員が15人ぐらいになった頃から組織内での意思伝達のスピードが鈍くなったんですね。組織の一体感も薄くなったんです。その頃、アイデアバンクに対しても一時期は書き込みが落ち込んだんですよ。
それは築いてきた社内風土が薄らいできたからで、その問題をクリアするために、働く上での社員が共通の認識をもつ必要があるだろうということになりました。そこで生まれてきたのがデジパ社員の「7つの原則」。
-「7つの原則」とは何ですか?
郷氏:世界で大成功を収めたリーダー1000人にインタビューをしてまとめたものの引用ですが、ビジネスを成功に導くもっとも重要な原則です。
渡部氏:会社がうまく回っていない。その原因をつきつめているとき、この原則をスピリュアルトレーナーに教えてもらったんです。リーダーみんなが、これだ!と思ったんですよ。ごくごく当たり前な人間の根本についてかかれているだけ。ですが、社員が楽しく働いていないなという不安もこの原則に立ち返れば、これを共有すれば、すべてうまく行くと思ったわけです。
7つの原則
1:常に真実を語ること(うそをつかない)
2:自分のかかわるあらゆる活動に対して、常に100%の責任を取ること
3:自分と結んだ合意、他人と結んだ合意を誠実に守ること
4:決して人の陰口を利かないこと
5:毎日創造的に考える時間をとって、それを聖なる時間とすること
6:実行リストを作り、1日中いつでも更新すること
7:問題解決のため、関係者全員と明瞭なコミュニケーションをとること。
渡部氏:デジパは入社時にこの原則に合意しないと入社できないんですよ。うそをついちゃダメですとか、人の陰口に耳を傾けてはいけないですとか、みんなそれに同意をできるという前提のもとにいるので真っ正直なんです。
あとはその上で会社のビジョンを共有が出来るかどうか。原則に合意できなくなれば辞めるしかないんですよね。
この原則のポイントは、社員一人ひとりが自立できるかどうかだけ。自分がやるべきことを自分の責任で自分の判断でおこなう。他人に依存しない。人のせいにしない。陰口とか文句というのは依存でしかないんですよ。自立している人であれば、全部自分の責任と考えることができる。たとえ社長に対してでも、意見があるときも遠慮なしですよ 笑
-社員が皆自立した人間であるから意見も自発的にどんどん出てくるわけですね。
この体制を維持するために何かやっていることはありますか?
郷氏:今日も朝会社のビジョンを共有できるかできないか、つまり自分の人生と会社の人生が重なるところを見出せるか見出せないか、それについてのミーティング(MTG)を3時間ほどやったんです。
リーダー6名と4名ほどの社員とが一緒に原則に基づいて話し合っていきます。自分と会社の価値観や目指す方向において、交わる部分を再確認します。確認できればそこに全力を注げばいいわけですよね。まったく交わらないのであれば、一緒に歩んでもお互いに不幸なだけなので、違う道を探した方が良いという結論にもなることもあります。そこまで正直に語り合う場です。
-そのMTGは制度化して定期的に行なわれているんですか?
郷氏:人は立ち返らないと忘れてしまいます。だから、会社の雰囲気やモチベーションが下がり始めたタイミングでおこないます。半年に1回ぐらいでしょうか。また、リーダー同士でもやるんですよ。熱海とかで集中して。

‐この他に社内風土づくりと意識統一のためにおこなわれていることは?
郷氏:CREDO(クレド)というものを配っています。世界的に有名なホテルチェーン、リッツ・カールトンも全スタッフに配って共有しているそうですが、社訓的なものが書かれているカードです。常に携帯していつでも見られるように、行動指標となるように社員全員に持たせています。
-なるほど。クレドは、仕事のあらゆる場面でとるべき具体的な行動指針を示したものですね。
郷氏:これも会社の雰囲気にもどかしさを感じた頃から導入したものです。みんなの意志に頼っているだけではダメだと気づき、意識統一のツールの一つとして導入しました。今また大きな変革を起こそうと思っているので、新しいCREDOに作り直す予定です。これは不動のものではなくて、次のステップにあがれば随時つくり変えていきます。
-アイデアバンクをはじめ、つくっただけではなく実際に機能していますね。形だけで終わらない制度をつくるためのポイントは?
郷氏:社員からの提案をもとにつくることです。これもやはり社員が自立しているかどうか、それが前提です。
自立していれば会社に依存することなく、自分たちが楽しく働くために、本当に欲しい制度をつくっていこうという気持ちになります。
みずからがつくった制度であれば、活用するのは当たり前ですよね。
制度のみならず、ほとんどの会社のことは、上から言われておこなうトップダウン型ではなく、下から要望があがるボトムアップ型で決まっていくのがデジパのスタイルです。

デジパ株式会社
プランナー:渡部 忠(わたなべ ただし)
デジパ創業当初から活躍。アパレル業界からインターネット業界へと転進された経歴がある。葉山在住。毎日湘南の風景を写真に収めるクリエイターの一面も。(写真上)
ウェブコンサルティング事業部
チーフ:郷 哲平(ごう てっぺい)
創業まもないデジパに入社後、会社の発展に尽力。1年でリーダーに昇格。コンサル事業部チーフのほか採用チームも兼任している。(写真下)
コージーレポートデジパの面白制度あれこれ
今回インタビューにお伺いしたデジパさんには他にも面白い制度がたくさんありました。ここではその中でも注目したい面白制度を紹介します。
■スーパーフレックス制度
“リーダー”以上の人が対象となる制度。
フレックス制度を導入する企業の大半は、コアタイムを11時〜16時などに設定しています。しかし、この「スーパーフレックス制度」はコアタイムがありません!好きな時間に来ていもいい、さらには会社に来なくてもいい。つまり、出社義務をなくし、終日自宅就業も許可しています。
「僕は葉山に住んでいますが、昼の2時ぐらいに会社に来ることもあれば、1日家で仕事をしていたりすることもありますよ。」(渡部氏)
-仕事に支障が出たりしないのかと心配になりますが・・・。
「時間の管理ができてクライアントに迷惑をかけなければ大丈夫だと思います。今後は全社員に導入していきたいと考えています。全員が自立していれば可能だし、そうなって欲しいです。もし実現すれば、結局オフィス自体がいらなくなるかもしれないね、って社長ともよく話しているんですよ(笑)。 社員全員にノートPCを支給して、WEBカメラをつけて仕事をすればそれでいいとか。もちろん会うことも大事です!」(渡部氏)
※「リーダー」とは・・・?
同社には大きく分けて5つの職級があります。その5つはマネージャー職(M)、リーダー職(L)、社員(S)、契約社員(SA)、アルバイト(A)。さらにそれぞれには1〜3の段階があります。例えばM1とか、M2とかという具合。リーダー以上というのはマネージャー職、M1、M2、M3、リーダー職L1、L2、L3を指します。
■昇給機会年間12回
国内の企業では、昇給や査定の機会は年に2、3回が標準でしょう。しかし「昇給機会年間12回」、この制度はその名の通り、職級が上がるチャンスが毎月あるという制度です。社員の評価を的確に行なうことを目的とし、半年ではなく適宜行なっていこうという姿勢を示すための制度です。一昨年の新卒社員がすでにリーダー職になっていたり、年4回も昇級した社員もいるとのこと。
※昇給方法は・・・?
毎月決まった日に査定があるわけではありません。全社員が、あらゆる場面の出来事に対し「コミットメント」つまり目標設定をして達成する約束をします。その達成の度合いによって昇級が決まります。同社の場合は、単に目標達成できるかできないかだけが判断の基準ではありません。
「職級が下がることは今まではありません。責任って言葉がありますが、日本だと責任をとるというと、辞めるとか、降格とかいう話に結びつきやすいんですけど、英語で言うと責任=「レスポンシビリティ」です。「レスポンス」の「アビリティ」、つまり応答能力です。
たとえ目標を達成できなくても、じゃあできなかったらどうすればいいかを判断できる人が責任を取れる人と考えます。ですので目標が達成できないからといって降格という話ではなく、しっかり責任を取れれば降格の必要はないんですね。」(郷氏)
■インセンティブ休暇・インセンティブ旅行
「インセンティブ休暇」は半期ごとの全社売上目標を達成したとき、3日間のインセンティブ休暇が付与される制度。「インセンティブ旅行」は全社売上の年間目標を達成したとき、利益を研修旅行費用として社内イベント費にあてる制度。また、個々の目標も4半期に1回立てていてその目標が3ヶ月かからずに達成できれば残りの日数は休暇とすることもできるそうです!
※目標決めが重要・・・?
「3ヶ月に1回社長含め目標決めをします。社長からのトップダウンだと言われておしまいになってしまいますが、デジパではまず各自、各プロジェクトで目標を決めます。そこで合意形成をした上で、社長が全社の合意形成をみて、会社全体の目標を修正する流れで決定します。ボトムアップで合意形成し、会社の収益を上方修正したいがために、みんなの目標設定をそこに合わせるということは絶対にしないですね。」(渡部氏)
制度も目標もすべてボトムアップで決められていく。デジパはまさに”自立した人”の集まった会社でした。







