| コージー: | 新しい制度を導入するのって難しいな。 | |
| カオリ: | そうだね。 | |
| コージー: | 特に給与に関わる評価制度は特に悩む。 | |
| カオリ: | 最近はユニークな評価制度を導入している企業も増えたよね。360度評価を導入するところも多いみたい。 あ、今年に入って360度評価を導入した会社を知ってるわ。他にも多くの面白い制度を持っているから紹介するよ。 |
Six Members Feedback:シックス・メンバーズ・フィードバック(360度評価制度)
【株式会社ライブレボリューション】
評価の全権を社員に与える
昇給年4回!オリジナルの360度評価制度

| 用意する物: | 世の中の制度を書籍や人づてに研究 |
|---|---|
| つくりかた : | 1)企業理念を明確にする 2)企業理念への理解度を評価できる給与体系を立案 3)管理コストの削減のため、イントラネットを構築 |

株式会社ライブレボリューション
所在地/東京都港区三田3-5-27 三田ツインビル西館 18F
設立/2000年8月
従業員数/40名
資本金/2億5,494万円
http://www.live-revolution.co.jp/
モバイルマーケティング、広告効果測定ツール「 AD Counter」の提供など、モバイル広告代理店事業、メールメディア事業を主要事業とする。経営者向けのメールマガジン「プレジデントビジョン」社長の社長による社長のためのHTMLメールマガジンは読者数15万人を有する。2006年12月にオフィスを三田に移転。
―2006年4月から新しい給与体系を導入されたそうですね。その仕組みを教えてください。
会社の経営陣が評価をするのではなく、メンバー同士が評価をして給与が決まる、オリジナルの360度評価です。「ライブレボリューション」の革命(レボリューション)は「主権の移動」を指しているんです。今回の360度評価というのは、給与体系の民主化ですね。
年に4回、ひとりの人を6人が評価します。飲み会を想定したときに、全員と話ができるのは6人、もしくは7人まで。だから6人程度を適した人数と考えました。
評価の基準は売上数字などではありません。各メンバーが「この人はこれくらいのパフォーマンスだと思う」と15段階で主観的に決めています。そもそも営業担当にはノルマを設けていないので、目標の何パーセント達成とかは関係ないんです。
お金だけのつながりで成り立っている会社は弱いもの、真に強い会社をつくろうと思ったら価値観を共有し、その価値観を徹底的に実践しなければいけないと思います。そのためには、価値観の実践と給与が連動していなければなりません。
会社の掲げる価値観を守って欲しい、だから、守れば給与があがる仕組みを導入しました。
ライブレボリューションには「LR HEART」という価値観があります。この360度評価では、LR HEARTに関連する全72項目を4段階で評価させます。たとえば「挨拶をしていますか?」「敬語で話していますか?」
評価は主観で決めてもらいます。結局のところ、主観の集合が「客観」ですから。
株価がその良い例。株主がたくさん市場に入ってきて、みんな思い思いに主観に従って株を買います。それが集まって株価になるわけですよね。

―なぜこのような仕組みを導入なされたのでしょうか。
360度評価の導入以前は、役職手当もありましたし、営業に対しては、売り上げた営業利益の10%を2ヶ月後に還元するというインセンティブ制度を取り入れていました。しかし組織が大きくなり、営業以外の職種の人も増えてくると、メンバーからのクレームも出てきたんです。
会社の組織が大きくなると合わなくなる制度があることを、旧給与体系を通して知りましたね。
給与体系をつくりなおすことを決めてから半年間、役員は毎朝8時に出社して会議を続けました。片っ端から本を読んで、人に聞いて、調べて・・・それでもいい制度が一向に出てこない。こっちは立つけど、こっちは立たずという案ばかりでした。
そしてふと閃いたのが、今の制度。閃いてからは早かったですよ。5日ぐらいでべースができあがりましたから。以前の給与制度は失敗だったかもしれません。しかし現在の制度は、その失敗経験のおかげで生まれたものといえます。
―給与制度が変わり、社内は変化しましたか?
劇的なパラダイム変化が起きました。
数字だけで評価される場合には、極端な話、人の手伝いをしてはいけないんですよ。人の手伝いをするということは、その分だけ自分の仕事の時間が減る、つまり成果を出せなくなる。個々人がバラバラに勝負をすることになります。10人いても10の成果しか出せない。理想を言うなら、本来組織というものは10人で20の成果を出さなければなりません。
今の給与体系の場合は、ひとりで仕事をしていたら、周りの6人は何もやってもらっていないのですから、高く評価するわけがない。逆に言えば、周りの人に役立つように動くしか、意味をなさないのです。営業で半分しか成果が出せなくても、周りに協力して周りの売上が倍になれば、その人の評価は高くなります。以前は人事、経理とそれぞれの職種に応じて評価すべきスキルセットもつくっていたんですよ。でも、それでは部署が増えるたびにつくらなきゃいけなくなる。それは無理です。
「何ができるかよりも、周りの役に立っているか」これを評価することにしました。
そして改善して欲しいのに、良い点数をつけていたら一向に改善されませんよね。だから、結局はみんなしっかりと評価をつけるんですよ。
経営というのは、一人ひとりがノルマを達成するか否かが問題ではなく、みんなで掲げた目標が全社で達成できればいいのです。人はいい時もあれば悪い時もある。ある人が伸びても、ある人はダメな時もある。
平均を見極めた上で全社として目標を立てて、それを全員に割り振るわけです。従来の会社のように全員が個々の目標を達成しないと会社全体の目標も達成できないような目標は、その設定自体に問題があります。
それに今流行りの目標管理型評価制度にしてしまうと、各人が目標を低めに提出してきますし、それを大幅に超えるような成績を出してしまうと翌年の目標が高くなってしまいますので、結局目標のラインで止めてしまうわけです。ラインを大幅に超えることなく、超えそうになると自ら目標を落としてしまうんです。これでは業績が大幅に伸びるわけがありませんね。
メンバーには「自分のペースでやってください」と言っています。個々は「目標」を意識しなくてもいい。足したものが結果として会社の目標に合致する、足しても全社目標に到達しないようならそれでも構わない。一人ひとりの目標数字を増やすのではなく、メンバーの人数を増やすことによって全体の数字を上げる。そのように経営するのが、当社の経営陣の仕事であり、これが僕の経営の哲学です。

―360度評価の具体的な実施方法を教えてください。
イントラネットの中に360度評価のシステムを構築しています。
3ヵ月ごと年に4回、評価がありますが、評価者と被評家者は毎回入れ替わります。被評家者の名前は伏せています。評価点数はすべて本人に公開、給与のアップ額も本人のみ閲覧可能です。
ひとりを評価するのにかかる時間は10分程度。平均6名の評価をすることになるので1時間程度ですべて終わりますね。
当社の評価制度には大きくふたつの評価軸があります。ひとつは『LR HEART』をどれくらい守れているかを評価するという軸、もうひとつは、その人の仕事のパフォーマンスの程度を評価するという軸です。このふたつの軸の平均点と掛け値(昇給額に換算するための数値)から自動的に昇給額が算出されます。
中でもユニークなのはパフォーマンスの平均点は、6人の単純平均ではないことがあげられます。被評価者6人の一票の重みは同じではありません。LR HEARTの価値観に関連した項目の評価が高い人ほど、一票の重みを高くしています。googleのページランクと同じ仕組みです。このようにしている理由は、『LR HEART』の価値観を理解している人ほど、相手のパフォーマンス評価をより正確に評価できると考えるからです。
また各項目には点数とともに、コメントをつけられるようになっています。役員は全メンバー分を見ることができます。そうすると、ある社員はトイレから出てきたときに手を拭いていないとか、僕らには絶対にわからないようなことがわかる(笑)。その人の「人となり」が非常によくわかるんです。
評価は全部自動集計になっていて、集計した翌日にはWEB上ですべて閲覧できるようになっています。全自動化により、僕たちの管理業務は激減したのも事実です。それまでかかっていた経営陣の人事評価に関する管理コスト・管理時間がいっさいなくなりました。あの「また人事評価の季節か」といった憂鬱な気分からも開放されましたし、「この評価は納得できない」と恨まれることもなくなりましたしね(笑)。ですから、年4回の昇給も可能となったわけです。そしてこの給与体系は何万人になっても、どこにどういう風に社が分散したとしても、機能していくと確信が持てました。
株式会社ライブレボリューション
増永 寛之社長 特別インタビュー記事を読む

株式会社ライブレボリューション
代表取締役
増永 寛之(ますなが ひろゆき):
1974年生まれ。早稲田大学大学院を修了後、1999年4月大和証券株式会社入社。退職後、2000年8月に株式会社ライブレボリューションを設立する。
自身のブログ「プレジデントブログ」では生い立ちから、日々考えたことを綴っている。最近は1日1規程をテーマに更なる規程の充実に力を入れている。
[コラム]ライブレボリューションのユニーク制度あれこれ
―今日、お伺いしたときに、受付のところにウェルカムカードがありました。ありがとうございます。あれもオリジナルですよね?

リッツカールトンに行った時、部屋にあって感動したんです。客室向けではなく、会社の受付の来訪カードという点では当社が先だったので、リッツカールトンの方がご来社したとき驚いていましたよ。他にも来訪者向けにはドリンクメニューを用意していますし、「おもてなしの心」を大切にしています。
また「感謝の心」も重要だと考えています。それを示すひとつの形として、リーダーや取締役は毎日メンバーの机を拭きます。トイレ掃除も毎日一番最初に出社した人がやっています。
―完全禁煙会社とお聞きしましたが、いつから?
2005年の8月からです。最初から完全禁煙にしたかった。
この制度を導入する前に、喫煙者の一人ひとりと面談をしました。今はみんなやめましたね。この制度を導入してからは喫煙習慣がある人を一切採用していません。禁煙にしたことで、社外からの評価があがりました。採用においても、新卒の間で評判になっているようですよ。







