| コージー: | かおり、自分でブログやネットサービス運営してる? |
| カオリ: | やりたいなと思っているんだけど、サーバーの契約とかドメインとったり、面倒じゃない? |
| コージー: | そう。いろいろな手続きや料金の支払いがあるからね。 サーバーホスティングサービスをやっているpaperboy&co.では、それを会社でサポートしてくれるらしいよ。 |
ペパ研【株式会社paperboy&co.】
自社の事業を生かした福利厚生制度の発展系
個人のWEBサービスを会社がサポートする仕組みでクリエイターの育成を目指す

| 用意する物: | 申請書 サーバー・ドメイン・SSL証明書など |
|---|---|
| つくりかた : | 1)ペパ研への申請書を用意 2)会議で申請受理の可否とランクを決定 3)ランクに応じてサーバーレンタル費用やドメイン料金などを会社で負担 |

株式会社paperboy&co.
所在地/東京都渋谷区桜丘町26−1セルリアンタワー12階
設立/2003年1月10日
従業員数/81名・・・デザイナー10名、プログラマー20名含む
資本金/7445万円
http://paperboy.co.jp/
サーバーホスティングを主要事業として、女性やネット初心者からクリエイターまでをターゲットに、個人向けのオンラインサービスを展開する。レンタルサーバーサービス「ロリポップ」やレンタルウェブログ「JUGEM」、ソーシャルネットワーキングサービス「キヌガサ」など。そして、「ペパ研」と同時期には、自社の過去のブログテンプレートのPhotoShopDataを提供する「ペパ展」をリリース。
−昨年11月にリリースされた、社員がプライベートでつくったWEBサービスを支援する「ペパ研」について教えてください。
家入氏:まず、各自が「ペパ研」参加への申請をおこないます。そして事業部長クラスを集めたプレゼンの場で「これをやりたい!」とアピールをします。
企画が通ればこのように・・・・(※クリックで画像を拡大します)
松・竹・梅・・とランクが決まります。松の上は事業化、そして梅の下は種、その下は・・・名前のとおり地獄です。ここはもう目も当てられない・・・。
ペパ研では、必ずしも事業化を目標とする必要はないんですよ。そのサービスを続けていく上で、自分がメリットを享受できるちょうどいいランクを目指せばいい。だから申請の時には希望のランクを明記します。
−この制度導入のきっかけは?
家入氏:ペーパーボーイは個人向けレンタルサーバーサービスを主な事業としています。うちの理念は 『より多くの人々へ もっと簡単に もっとおもしろく もっとリーズナブルに 自己表現や情報発信する喜びを提供し、支援する』 ことですから、なるべく安く、使いやすくというのを意識してサービスは提供しています。
月額263円〜という低価格がウリのナウでヤングなレンタルサーバー「ロリポップ」や、ヘビーユーザー向け大容量のレンタルサーバー「チカッパ!」、クリエイター向けホスティングサービス「heteml」、そして、低価格ドメイン取得サービス「ムームードメイン」など。
そこで、「ペパ研」をスタートする前は、福利厚生の一環として社員が個人的につくったサービスでの利用の場合にも、これらのサーバーとドメインを無料で提供していたんですよ。サービスに申し込んだ上で申告してくださいって。
僕も昔は、サーバーを借りて、ドメインをとって自分でサービスをやっていたけれど、当時はドメインも高かったし、サーバーも月数千円はしました。うちの社員もつくったはいい、だけど最後にドメインが・・・、サーバーが・・・・という理由で公開することなく、お蔵入りして、自己満足に終わってしまうケースが多いのではないかと考えていました。
その部分を会社として支援してあげれば、もっと個人での新規開発やサービス運営を積極的におこなっていけるんじゃないかと思って、この部分の支援内容を明確にして制度にしたのがペパ研です。
制度化した今は、福利厚生の時よりも支援の幅が広がっていますね。サーバーは専用サーバーをレンタルできますし、サーバーやドメインに加えてSSLの証明書の取得など、金銭的負担のかかる他の部分も支援しています。

ペーパーボーイはみんながクリエイターであってほしいし、
最強のクリエイター集団になりたい
ペパ研を導入したときは、プログラマーやデザイナーという職種以外の人も、いい機会だから勉強しようかなとか、みんな制度を利用しようと問い合わせも多かったんですよ。ペパ研によって、クリエイターを支援する、育てるということを具体的に活動として表すことができました。
うちの会社はインフラ周りなど対企業の有料サービスの提供もしていますから、通常はどうしてもそちらの業務が優先になります。だから、このような制度でクリエイティブを発揮する場や、つくったものを吸い上げる場をつくっていかないと。
−自社のサービスの強みを福利厚生として還元することでスタートして、それよりパワーアップさせて制度化。ペパ研のサービスになった場合、ランクによっては金銭的なバックアップはもちろん、「業務中にやってもいい」とのことですが、その条件は?
家入氏:企画が通ってペパ研のプロジェクトになった場合は、毎月、PVや会員数など定量的な報告、自分がどのようなノウハウを得て、それをどのように事業や会社に還元できるかという定性的な報告をしてもらいます。
このサービスを運営することによって培った各自のノウハウをどのように会社にフィードバックできるかというところを評価します。もちろん、仕事以外でもつくる場所をもたせることで、クリエイターのモチベーションをあげたいと思っています。
−事業化というランクがありますが、実際に事業化したサービスはありますか?
家入氏:先日リリースした、「3ミリ」。これは携帯で撮った動画をメール添付して送信するとブログに貼り付けることができるブログパーツで、最初はペパ研で申請されたんだけど、会社としてのサービスになりました。

−松竹梅の上は・・・“事業化”となっていますね?ここ名前はないのかな?
佐藤氏:・・・。
家入氏:なら、天竺かな?
佐藤氏:“天竺”、ですね(笑)。3ミリは“天竺”です。
今、“松”のものの中にも、これから申請されるものの中からも“天竺”が生まれるかもしれません。
トップダウンでつくるサービスとボトムアップ、つまり現場レベルで考えて生まれるサービスはまた異なります。我々としてはサービスをいくつも立ち上げていきたいと考えているので、ペパ研もそのきっかけとして活用していきたいですね。
−実際に制度として機能しているし、制度化のメリットは大きかった?
家入氏:「ペパ研」と銘打ったことによって、うちの会社がいろいろなことをやっているという外向きのブランディングにもなっています。『「ペパ研」をやっている』と出すことで、クリエーターの人たちに興味をもってもらうこともできると思います。
でも実際にはまだはじまったばかりで制度自体が未熟ですから、今後いろいろな方向に発展させていきたいと思っています。運用してわかった問題点もまだまだ・・・。
−今あがっている問題点とは?
家入氏:うちの会社はサービスごとに事業部制をとっています。職種ごとに分けたほうがノウハウは共有しやすいかもしれませんが、自分のサービスに愛着を持って取り組んで欲しいから。
しかし、事業部制ゆえに問題があるんですね。ペパ研で“松”と認定された制度は『勤務時間中にやっても怒られない』ことになっているんです。事業部から見れば、仕事中にそれをやっているコストはどうなるんだという問題が出てきました。
そうして労働規則ゆえにも同様の問題が生じています。
うちは裁量労働時間制ではなく、定時出勤・定時退社の労働規則にのっとっています。裁量労働であれば、やることをやっていれば、他のことをやってもいいかもしれない。でも定時がある場合、これもその時間中にやった分のコストはどこが持つという話になるのです。
あとは権利の問題。
ペパ研に入っているサービスは個人に著作権等の権利が帰属するのか?もしそうであるなら、その社員が勝手にサービスを売却することは許されるのか?それまでペーパーボーイとしては、ずっとそのサービスを支援してきたにもかかわらず。重要なところですよね。
これらの問題を解決するために、事業部長、総務担当者、ペパ研参加者たち、みんなでこの制度をどうしていきたいかという会議を行なっているところです。
佐藤氏:自分たちで会社としてどのような制度にしていけるのかを話合うことにも意義があります。よりよく制度を運営していける形を考えるのも制度として面白いのかもしれません。
ペパ研という仕組み自体が、ペパ研のひとつです
家入氏:ペーパーボーイという会社は何をやってもいい、やってはいけないことはないんです。この会社に入ったからには、自分自身が不満を持ったなら、会社を変えていけばいい。ペパ研を中心に、各サービスやブランディング、他の制度などについても有志が集まってミーティングを行なう、そのような活動が頻繁に見られるようになってきました。
−他にも最近、御社ならではの制度ができていますか?
家入氏:最近、力をいれて早急に制度化を試みているのが“介護育児制度”。
ペーパーボーイは結婚して子どもがいる社員がものすごく多いんですね。東京であれば半分は既婚者です。
たとえば奥さんと子どもが風邪で寝込んでいる、授業参観、出産など、父親が早く帰らなきゃいけない日もある。僕自身も子どもがいますから、わかるんですよ。そんなとき僕だったら帰りやすいけど、他の社員とかだったらなかなか言い出しづらいところもあるでしょ(笑)。
今までは柔軟に対応してきましたが、制度として確立していないと、こういうことはできるのかを知らない社員や、言い出せない社員もいるのが事実ですから、明確にしようと就業規則にも載せていく予定です。
もともと僕自身、これまれは社内の仕組みづくりにはあまり興味がなかったんですよ。サービスで勝負をすべきという想いが強くて。
でも最近は、やはりクリエイティブを伸ばすオフィス環境や制度をつくることもトップは考えていくかなければいけないのかなと思っています。
−最後に質問です。家入さんの個人的なサービスである「BOOKLOG」や「ORE24ティッカー」や「ゴブリンと僕。と内臓。」なども、ペパ研に入っていますが、これらから申請予定のものは?
家入氏:思い出インマイブック・・・切ない系のサービスやりたいですね。内容は、今はまだ秘密です(笑)。

株式会社paperboy&co. 代表取締役社長
家入 一真(いえいり かずま)
1978年12月28日生まれ。福岡県出身。デザイン専門学校、コンピューターシステム開発企業を経て、2001年10月、同社の前身となる「合資会社マダメ企画」を設立。個人向けホスティングサービス事業をスタートする。2003年に「有限会社paperboy&co.」を設立。自身のブログでは日々の出来事や新サービスを紹介。

株式会社paperboy&co. 取締役経営企画室長
佐藤 健太郎(さとう けんたろう)
1981年1月10日生まれ。鹿児島県出身。同社の立ち上げ時より在籍。大学在学中に、家入社長の誘いを受け、同社に入社。サポート・マーケティング・広報などの部署を立ち上げ、現在は経営企画担当。「ペパ研」制度の生みの親。








