| カオリ: | 社員にとって、とても魅力的な休暇制度を見つけたんだけど!有休で4日間以上しっかり休むと、10万円支給されるんだって。 |
| コージー: | なに!?その制度。そんなおいしい制度だったら、みんな有休とるよね。 |
| カオリ: | 会社としてはメリットがあるのかなぁ。なんでそんな制度導入したんだろう・・・? |
アニバーサリー休暇制度【株式会社リクルートエージェント】
有給休暇の取得率が急上昇!
有休取得でお小遣い10万円がもらえるおトクな休暇制度

| 用意する物: | 申請書 支給金 |
|---|---|
| つくりかた : | 1)有給休暇の取得率アップを目標とする 2)思わず取得したくなる制度案を人事で検討 3)ルールを明確化して公布 |

株式会社リクルートエージェント
所在地/東京都千代田区霞が関3-2-5霞が関ビル10階
設立/1977年11月28日
従業員数/1,146名
資本金/6億4,335万円
http://www.r-agent.co.jp/
1997年4月に(株)日本リクルートセンター(現(株)リクルート)の人材斡旋準備室としてスタートし、同年11月に(株)人材情報センターを設立。その後、分社、合併を経て、1998年にリクルートエイブリックに社名変更。2006年4月に現在のリクルートエージェントに社名を変更した。主要事業は人材紹介事業。
−アニバーサリー休暇制度とはどのような制度なのでしょうか?
藤田氏:期初の4月1日に在籍する勤続1年以上の社員を対象とした休暇制度です。その期中に連続して4日間以上の有給休暇を取得することを条件に、10万円を支給します。
「アニバーサリー」と名がついているわけですから、誕生日でも、結婚記念日でも、その人にとっての「アニバーサリー」を決めていただきます。つまり取得1ヶ月以上前に申請し、計画的に取得してもらうことがルール。急に来週から1週間休みたいから「アニバーサリー休暇」とするのはルール違反です。どのように過ごすか申請書を提出する義務はありますが、その内容によって取得の可否が決まることはありません。そして申請受理後、その月の給与と一緒に手当として10万円を振り込みます。もしも4日のうち1日でも出勤したならば休暇取得とは見なされないため、10万円はいったん返金しなければなりません。
−有休の上にお小遣いまでもらえるなんて、社員にとっては非常にお得な制度ですね。この制度導入の狙いはどこにありますか?
藤田氏:導入にはいくつかの背景があります。
まずひとつめは事業内容と関連しています。我々の事業は転職支援です。転職を希望する個人をサポートする側面と求人企業に対して採用のお手伝いをしていくという側面があります。つまり我々は日々、さまざまな会社の求人情報に接しながら仕事をしていくわけです。ですから我々の労働環境が悪く、給与が安く、休みがとれないと、社員のモチベーションが低下し、転職支援という仕事をしながら、自らの転職情報を収集するという笑い話にもならないことが、起こってしまうこともありえるのです。
もうひとつは、職種によっては勤務時間帯が不規則になりがちであること。転職を考える個人の方にアドバイスをする“キャリアアドバイザー”という仕事がありますが、彼らは、仕事を持っている方とコンタクトをとることになり、夜遅く、または土日に面談をおこなうことも多く、休みも勤務時間も不規則になる傾向があります。そして転職の相談も企業様からの求人ニーズも次から次へと入ってきますから、年中継続して動くことになります。
転職のサポートをする我々自身が健康であり、前向きに仕事に取り組んでなければ、いいサービスを提供はできないと考えています。ですから、年に1回ぐらいは計画的に休みをとって思いきりリフレッシュをして充電してもらいたいという意図もこの制度にはありますね。
そして、年間の実働時間を減らし、2400時間以下を守っていこうという全社的な動きも背景にあります。有休の消化率を上げることは人事的な課題のひとつになっていました。営業ありきの会社ですから、「有休をとってください」と言っても「はい」と素直に簡単にはとらないでしょう。休んで業績があがらず、評価が低くなるぐらいなら、休まず頑張ったほういいというような思惑が出てくるでしょうから。
サービス業だから、働いたほうがいい、と労働時間が延びていくことは従業員にとってハッピーではありません。ですから、いかに有休の取得を促進していくか。そのためには取らなければ損だと思うくらいの仕組みでなければなりませんでした。
−実際に導入以前と比べて、有休の消化率に変化はありましたか?

藤田氏:かなり増えていると思います。私自身も、以前は年間の有休を4、5日程度しか使っていませんでしたが、このような制度があれば、それにプラスして4日とることになりますので。アニバーサリー休暇制度の取得状況は、導入初年度の資格対象者が303名で、そのうち取得した者は278名。91.7%が権利行使をしています。
鶴巻さん:圧倒的に家族旅行が多いでしょうか。中にはオリンピックフリークでトリノに行ったという女性や、W杯のブラジル戦めがけてドイツに行った男性もいますよ。私は友人とハワイ旅行をしてきましたね。
藤田氏:私はリフレッシュ休暇と重なったのですが、両方とることはできない決まりがあるためリフレッシュ休暇を使いました。
リフレッシュ休暇の場合、勤続何年で数日の休暇と手当てがセットになっている企業さんも多いですね。うちの場合も、セットになっていて、従業員で勤続3年ごとに取得することができます。
アニバーサリー休暇制度は執行役員も対象になっています。
現在の課題点をあげるとするなら、駆け込みで期末に集中することでしょうか。会社としては決算間近に多くの人が休むのは仕事への支障が懸念されますので、もう少し分散をさせたいとは考えています。
鶴巻さん:弊社にはもうひとつ、GIB制度という制度があります。、その制度の取得可能時期が9月までなので、期の前半はそちらに偏るんですね。そこでアニバーサリー休暇は10月以降の取得が多くなります。
−GIB制度とは?
藤田氏:Goal In Bonusの略称でGIBと名づけられた制度です。もともとはグループのリクルートで導入されていまして、弊社でも継続して導入しています。

年間で、部門が定めた目標を達成するとインセンティブが支給される制度です。4半期ごとに目標をクリアすると5万円が支給され、、会社が通期で利益目標をクリアした場合には対象者全員にプラス5万円が支給されます。すべての目標を達成すれば年間で25万円となります。しかし、このインセンティブ支給ルールがユニークで「9月末までに4名以上で1泊以上の旅行に行くこと」という条件があります。この条件さえクリアすれば、旅行先はラスベガスでも国内の温泉1泊2日でも。休みたくない人は都内のホテルに1泊でも。そこであまったお金はお小遣いになります。
この制度の目的は、組織で共通の目的の達成を目指し、一体感を醸成することにあります。昔は会社で3,4の旅行コースを指定し割り振っていましたが、従業員も増えましたので、業務への支障をきたさない範囲ということで、現在の運営方法になっています。ひとりで旅行に行くのでは、本来の主旨から外れてしまうため、4人以上という制限を設けています。
鶴巻さん:所属部署など関係なく、普段は接触の少ない部署のメンバーと一緒にいくこともありますし、行きたい場所はあるのに、自分のまわりにはそこに行きたい人がいないという場合には、グループウェアで呼びかけてメンバーを募ることもありますね。たとえば「アフリカ行きたい人、ご連絡を!」とか。
行かない人は半額支給となるので、ほとんどの人が行っています。GIBは勤続年数も関係ありません。
−どちらの制度も、それ相応なコストがかかっていると思いますが、その部分はどのようにお考えですか?
人がすべてですから、リフレッシュできて、モチベーションが上がるのであれば、それは顧客への価値につながっていきます
ですから、アニバーサリー休暇にかかる分は高いコストとは考えていません。2泊3日の外部研修や教育を受けさせるコストと感覚的にはさほど変わらないでしょう。そのコストで、従業員が自分自身でリフレッシュできて、また一から業務に邁進してもらえるのであれば、それなりの価値がありますよ。

株式会社リクルートエージェント 事業戦略支援ユニット
人事部 部長
藤田克也(ふじた かつや)
1990年4月入社。営業、キャリアアドバイザー、神戸支社長、名古屋支社長などを経て、
06年4月より現職。

株式会社リクルートエージェント 事業戦略支援ユニット
ブランドマネジメントオフィス 社外広報グループ
鶴巻 百合子(つるまき ゆりこ)
コピーライター、農業を経て、1997年よりリクルートエージェントの社外広報を担当。







