王子になって、夢を語り、それを実現しつづけること
それがヒメ会員3000人コミュニティの育て方

平舘美木社長

-3000人もの女性の組織を束ねていく秘訣を教えてください。

ヒメクラブはプチセレブ層を集めています。
彼女たちはファッションリーダー、そして女の子は自分が主役です。主役のまわりに主役は集まりません。 主役を集めてトレンドをしかけていきたかったので、私は裏方。
私はヒメたちに、「かわいい、すごいって褒めてくれる王子様」って言われているんです。

会員のヒメが3000人、そして私は女王様ではなく、王子様

モノを買うと見せたくなる、何か成功した、仕事でうまくいったら私に話したくなる。
彼氏だと「あっ、そう、でもそんなの必要ないんじゃない?」とかいわれちゃう。
私はオシャレだね、かわいいねって。
でも能力も見出してあげる。あなたはビューティが得意だから、ってスポットライトを当てて、グループインタビューなどに参加してもらい、商品ができあがったら、あなたの声でこの商品が生まれたのよー!って言って褒めてあげる。

組織を束ねる人は、組織の人を認めてあげて、チャンスをあげなくちゃいけないんですよ。
私はやりたいということにはチャンスとプレッシャーを与えます。私が全部責任をとるから、失敗してもいいからやりなさいって。人って、“私できるかもしれない”っていうステージを与えられないままだと悲しいものですよね。
いい上司っていうのは、できないだろうなと思っても、尻拭いをする覚悟で仕事やチャンスを渡してしまう。上司は責任をとるためにいるんです。 私はすごくいい上司ふたりに育てられましたから。

-そのお話、聞かせてください。

わたしは中学生のときに編集者になると決めて、それを目指して生きてきたんです。
OLを経験した後、出版社に入りました。ですが、アシスタントで編集の仕事全然させてもらえなかった。
そこの事業部長Hさんがその上司のひとりでした。
こんなことをやりたいという考えを常に伝え、私は編集者にずーっとなりたかったから、やらせてくれ!と頑張っていたら、あるとき編集部への異動の会議があって、「平舘、俺を信じろ」って、会議室にいっちゃったんです。そのあと4時間戻ってこなかった。
その会議で「私を編集部に異動させる」っていったら、当時の編集者は全員、あんなOLあがりにできるわけない、迷惑だって、無責任なことを言うなって吊るし上げられちゃったらしいんです。でも私と約束しちゃったから、異動させるまでは戻れないって思ったみたいで。その時、私のもうひとり尊敬している上司Nさんが「僕が責任持って平舘を編集に育てますから。やる気があるやつには仕事をやらせたい」って言ってくれたそうです。

そして彼のところで編集になったとき、もちろんなんにも仕事がわからなかった。なのに、いきなり特集ページを持たされて、全然助けてくれなかったんです。
とにかく見よう見真似で取材に行き、でも何をすればいいかわからない。カメラマンさんとライターさんが、「平舘さん、まず行ったら名刺を出して、企画の意図と雑誌のコンセプトを伝え、どういうページに載るのかと、ラフを見せて説明するのよ」って。
取材を終えて、助けてくれなかった上司に腹がたって、でも私はやればできるって自信満々で帰ったんですよ。そうしたら、彼がちょうど電話をしていて。実は私にベテランのカメラマンをつけていて、何もできない私がいくから、すべて教えるようにって事前に言ってあったみたいで、ありがとうございましたって電話をしているのを聞いてしまったんです。
その後、一緒にお寿司を食べに行ったら「お寿司特上ね」って注文してくれて「今日、なんで特上なの?」って聞いたら、「こいつがひとりで全部取材できたんだよ」って。

 

それから2年で巻頭ページを担当するまでに。その頃の私は、「キムタクのインタビューは私がやる!」とかワガママばかり言っていました。Nさんは楽しい仕事だけを私にやらせて、面倒なのは自分がやって。仕事って楽しいって思わせるために、目立つ仕事を私に与えて、そして、褒めて褒めて育ててくれたんですよ。
すごいのは、そのふたりから、私がこういう話を聞いたのはかなり後だったってこと。普通なら、これだけ苦労したんだから、頑張れよって言いますよ。でも何も言わなくて、仕事の辛さじゃなくて楽しさを覚えさせるために、やりたいような仕事をさせて、フォローを全部その人たちがした。

平舘美木社長

本当はその人たちのサポートがあって達成できたことを、あたかも私がひとりで達成したかのようにスポットライトを当ててくれたんです。
私はそういう上司に育てられたんです。だから、どうしたらやる気を引き出せるか、人を動かせるかっていうのを覚えたのは、その経験がすべてです。

-OL経験も、ヒメクラブを組織していることに生きていますか?

私は一般職もOLもやり、変わりたいんだ、マスコミに行きたいんだって転職をして、夢をかなえていったから、彼女たちの葛藤がすごくわかる。
5時に、早く帰れるけれども、自分が満たされていなかったりとか、スポットライトが当たらない自分とか、そいういう不安との引き換えだと思うんです。
この子たちは自分とは違うって思ったら、人は組織できないですよ。辞めたら補充しようって思っていたり、会員数が増えればいい、コマが増えればいいと思っていたら人はついてこないので。

-退会者もすごく少ないとか?

いま3000人で主婦もOLも大学生もいます。 でも4年間やっていて退会者は30人以下。絶対やめないコミュニティです。辞める理由も旦那様の転勤でアドレスが使えなくなる、会社のPCでやっていたら見つかってしまったとか。でも「ヒメクラブの今後を私はずっと応援していきます」というメールがきたりします。
私は彼女たちにフィードバックもしているし、一緒に夢を追いかけています。

-フィードバックとはどのような形で行なっていらっしゃるんですか?

お金ではありません。気持ちとやる気と労力で動かしている組織です。 女の子はお金では動かないんですよ。 私最初の300人ぐらいまで、誕生日にバースデーカードを手書きで全員に送っていたんです。

永久的に人がついてくるような組織をつくっていくには、どんどんワクワクさせることを提供していくような事業を展開していくこと、夢をかなえていくこと、それを前衛に見せ続けていくことです

-Hime&Companyの本社サロンはヒメのお城という位置づけ。それも夢を叶えたことのひとつですか?

夢がかなったふたつめです。もともとは神田のベンチャーオフィスにいたんです。

青山のサロン

VIP会員約350名(2006年3月現在)だけが入れるサロン。会員は月曜以外、自由にサンプル品など新商品が所狭しと並ぶ。会員は月曜以外、商品を好きなだけ試すことが可能。ヒメたちは直筆&実名入りで使用した感想をコメント用紙に残す。

その頃、ひとりの子が「美木さんは、きっと成功したら青山におうちを買って住めるね。私なんて玉の輿にのれるかわからないし、青山のおうちなんて、絶対住めないよ」って言ったんです。
だから「だったら私がみんなのお部屋を青山につくっちゃう。私が成功したら、青山にヒメクラブのお城をつくる。そこにはみんなが自由に使える化粧品があるの。みんなデパート行った時に、端から端まで買いたいと思わない?それを可能にしてあげる」って約束したんです。それをかなえたのがココ。

企業とのグループインタビュー「夜会」だって最初はおにぎり食べながら会議室でやったんですよ。そのとき「私にはお金がないけど企画力がある、だからみんなに高級レストランでご飯を食べさせてあげる。私を信じて待ってなさい」って。
今では、レストランとタイアップしたり、クライアント企業がフレンチの高級レストランの飲食費をもってくれて、そこでグループインタビューやっています。これがひとつめでした。 そしてこれから叶える夢はお城型デパート。 そしてヒメパニック。

-ヒメパニック?それはなんですか?

まず3年後ぐらいにお城型デパートを建てよう!って言っています。ファッションフロア、コスメフロア、レストランフロアって。 それが叶ったときに、ヒメクラブのトレンドセッターに、メールが行くんですよ。お城型デパートが建つことになったから、会社に辞表を出して来なさいって。
世の中から大量に、すごく仕事ができる宣伝とか、プレスとか、受付とかが一斉に消えるその日がヒメパニック。
人事何百社大慌てにしようって。「だからヒメクラブのみんなは日々意識して生きていてね。ファッションが好き、グルメが好き、あなたはどんなビジネスモデルをヒメクラブに持ってくるのか、どんなポジションで働いて、何ができるのか、いつか私がお城型デパートを建てるから。300人をメール1本でヘッドハンティングして、同じ日に辞表を出そう」

-そのあとは?

次にみんなでやるのは、ラスベガスにお城型ホテルをウォルトディズニーの出資で建てたいねって。そして私はそのサクセスストーリーを、以前から目指していた脚本家のデビュー作にしてハリウッド映画化しようって。
お城型デパートが建っちゃったらできると思いますよ。
みんなでそういう夢を描いています。やっぱり夢を語れる上司じゃないとついてきません。

うちはグループインタビューをぶっちぎる人はいません。というのも、それがお城型デパートを建てるための資金になることを知っているから。城の資金のために、自分が関わらなくちゃって、うちの会員は全員株主みたいに思っているんですよ。いつかヒメ会員全員に第三者割り当て増資をして、みんなで株主になろうって言っています。もちろんHime&Companyの株主総会には総会屋が来るんじゃなくて、JJスナップ隊やTVのファッションチェックが来るはずです!

うちの会社のビジョンは
「玉の輿以外のサクセスストーリーを世の中に生み出して、
普通の女の子に夢とパワーを与えること」

城型デパートが建って、苦労をしていたとしても、華やかさとハッピーな感じを会社として常に出していたい。楽しいことで成功していったら、本当の意味での女性起業家ブームも来るかもしれないですね。
もちろん起業だけがすべてではありません。スタッフとしてデパートの中で面白い売り場をつくれるのも、きっと女の子の能力ですから。

-最後に。 もしも、城型デパートが建っちゃったら、バーゲン半休はどうしましょう??

その日は働かなくちゃいけないですね 笑
ルールも規模が大きくなったら変わるかもしれません。
おそらく社員の年齢、性別、配置によっても変わっていくものだと思います。

ウィンドウを閉じる