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36協定の特別条項はなるべく使わないように。



2010年3月8日号 (no. 520)
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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【36協定特別条項はなるべく使わないように】
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36協定特別条項で限度時間を超える。



ご存知のように、法定時間の限度を超えて勤務したり、法定休日に勤務するためには36協定が必要ですね。

法定労働時間を超えた勤務や法定休日の勤務は法律違反ですから、協定を利用することで、その違法状態を解消するのが36協定の仕組みです。

ただ、36協定があるとしても、際限なく時間外勤務法定休日勤務が可能になるわけではなく、ある程度の「限度」というものがあります。


労働基準法36条2項では、

「厚生労働大臣は、労働時間の延長を適正なものとするため、前項の協定で定める労働時間の延長の限度その他の必要な事項について、労働者の福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して基準を定めることができる」

と決めており、36協定には「限度時間」という制約があります。

ゆえに、たとえ36協定を締結して、時間外勤務休日勤務の手当をキチンと支給していても、限度時間を超える勤務はできないのですね。

ただ、36協定に、限度時間を超えるための特別条項を付加していると、一定の条件を満たせば、限度時間を超えて時間外勤務休日勤務が可能になります。






■「臨時的」と判断する基準は? 「特別の事情」を判断する基準は?



確かに、36協定に、限度時間を超えるための特別条項を付加していれば、限度時間を超えた「特別延長時間」まで勤務することが可能になります。

しかし、これには条件が設定されています。


「臨時的」かつ「特別の事情がある」ときは、限度時間を超えた特別延長時間まで勤務することが可能なのですね。

ここで気になるのが、「臨時的」という条件と「特別の事情」という条件です。

中には、「特別条項付きの36協定ならば、限度時間を気にしなくてもよい」かのように誤解している方もときにいらっしゃいますが、これは誤りです。

「臨時的」という条件と「特別の事情」という条件がありますので、特別条項付きの36協定は万能ではありません。


上記の2つの条件について示すと、

>>「臨時的なもの」
通達では、「業務上やむを得ない、業務の都合上必要、という程度の理由では、特別時間まで勤務することはできない」とのことです。なぜならば、業務上の理由は、恒常的に発生する事情であって、臨時的な事情とは言えないからです。

ただ、業務上の理由で限度時間を超えることができないのですから、ほとんどの場合、36協定特別条項を利用できないのではないでしょうか。限度時間を超える場合というのは、業務上の理由によるものでしょうから。


>>「特別の事情」
「具体的に、どのような事情が発生すれば特別の事情と判断するのかを事前に決めることが必要」とのこと。

ただ、特別の事情を列挙することは容易ではないはずです。

上記と同じように、業務上の事情ではダメなのでしょうから、業務外の事情でなければいけないはず。

例えば、天災事変のような事情でしょうか。会社が地震で倒壊したとか。ただ、会社が壊れたら、仕事は中断されるかもしれませんが。



考えてみると、「臨時的」、「特別の事情」という2つの基準を、どのように現場で当てはめるかという判断は難しいですね。定性的かつ主観的に判断せざるを得ない要素ですから、反証されやすいでしょうね。

たとえ特別条項が含まれている36協定であっても、常に特別条項の効果を発揮させ続けることはできません。つまり、特別条項付き36協定を締結していても、毎月毎月、限度時間を超えて時間外勤務をするのはダメなのですね。


あくまで、"臨時的"であり、"特別の事情があるときだけ"限度時間を超えても良いというのが、特別条項付き36協定なのです。

限度時間を定めた意義が失われない範囲で、限度時間を超えることを例外的に認めているのですね


理屈をこねれば、「臨時的では無い」と反論することはできるでしょうし、「特別の事情というほどの事情はない」と反論することも難しくはなさそうです。

後になって、ひっくり返されて、36条に違反していると指摘されたりするかもしれません。


ゆえに、36協定特別条項は、なるべく使うことを回避するべきだと私は考えます。

言葉で作られた定性的な基準に依存すると、後から判断を変えられてしまうかもしれませんから。







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