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解雇の判断

━━☆━━━━━━━━━━━━━━━ 解雇の判断 ━━━━━━━━━━━━━━━━━
         
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┏┏    ◇ 遅刻・欠勤の多い者
┏┏    ◇ 突然出社しなくなった者 
┏┏    ◇ 能力不足は解雇事由に該当するのか   
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                遅刻・欠勤の多い者
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●目安は出勤率8割未満
出勤不良が理由で解雇を考える場合、当然ながらその遅刻・欠勤の理由が重要です。
私傷病による労務不能ならば休職扱いを考えるべきだからです。
診断書を提出させ、長期化するようであれば休職の手続きに入ります。

出勤率の目安としては8割未満の者についてのみ検討されることになります。
なぜ8割に満たないのか、無断欠勤や虚偽の報告があるかどうかも考慮されることになります。
あくまで目安ですから、8割以上だから解雇はできないというように一律で考えるのではな
く、欠勤日数と理由を総合的に勘案して対応することが大切です。

その都度、できる限り事前に理由を届けさせ、場合によっては指導改善を求めます。
遅刻や欠勤の理由を報告させる仕組みが無くては個々人の状況の把握もできません。会社によ
ってはそういった提出を一切求めないというところもありますが、しかしそのような状況を放
置しておくことは、知らず知らずのうちに会社の風紀を乱すことにもなりかねません。
遅刻しても無言でそのまま仕事に入る。遅刻の理由も言わない、誰も聞かない。よく遅刻する
者はだいたい決まっていますから、そのうちそれが常態化する。周りの者は最初のうちこそ不
快に思うがそのうち何も感じなくなる…。そんな職場が環境が良いといえるでしょうか。

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                突然出社しなくなった者 
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無断欠勤の目安は14日
連絡があるまで在籍のままにしておくのか、それとも解雇するべきなのか。

無断欠勤が2週間以上続けば、その労働者は会社への在籍意識が無いと考えるのが一般的だと
思います。それは、就業規則の解雇事由に
無断欠勤が14日以上に及んだときは、そのまま労働契約が解消する」
と定めている会社が多いことからも察せられます。

連絡が取れない場合はなおさらです。

労働基準法第20条は、解雇30日前の予告、または30日分の賃金支払(解雇予告手当)の支払いを
義務付けていますが、「労働者責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合」には、労働基
準監督署に申請することで、解雇予告の除外認定を受けられると定めています。
除外認定の基準は通達(昭和23・11・11基発1637号)で示されていて、その中に
『(ホ)原則として2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合』
というのがあります。明文で示された例示事項は、いわば官庁お墨付きの懲戒解雇事由とみな
せ無くもありませんが、そのあとには
「…の如くであるが、必ずしも上の個々の例示に拘泥することなく、総合的かつ実質的に判断
すること」
ときます。ですから上記の通達の場合でも、欠勤が2週間に及べば、機械的に処理できるわけ
ではありません。「出勤の督促にもかかわらず」出勤しないという状況が必要です。

●どうしても連絡が取れない場合の「公示送達
行方不明の社員を解雇するには、民法97条の2の「公示送達」によって、解雇の意思表示
行うことができます。
具体的には、社員の最後の住所地を管轄する簡易裁判所に申し立てを行い、裁判所の掲示板に
掲示するほか、掲示したことについて官報および新聞に少なくとも1回掲載し、最後に掲載し
た日から2週間が経過すれば、社員に会社の解雇の意思表示が到達したものとみなされます。

公示送達によって解雇する場合にも、所轄の労働基準監督署長から解雇予告の除外認定を受け
ない場合には、社員に解雇の意思表示が到達したとみなされる日(この場合、官報および新聞
に最後に掲載した日から2週間が経過した日)の翌日から起算して30日目の日を解雇日と指定
するか、30日分の解雇予告手当を供託するか、どちらかの手続きが必要です。

この方法はしかしあまり一般的ではありませんし、労力もかかります。

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             能力不足は解雇事由に該当するのか
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●入社時の契約内容によって
つまり、その能力不足が、労働契約上の『債務履行』にあたるのかどうか、契約違反を構成
するほどの程度なのか、で異なります。

例えばヘッドハンティングによって営業部長として雇用契約を結んだ地位特定者の場合、その
役職に応じた能力を見込まれて採用されたはずであり、契約内容には当然、職務を遂行する具
体的能力と適性が入っていることになります。
具体的には労働契約時に年間1億円の売り上げを前提に採用されたにもかかわらず、1000万円
しか実績が上がらなかった場合は、目標の10%しか達成しておらず、債務履行に値します。
特別な市場環境の急変などの考慮事情が無い限り、解雇もやむを得ないかもしれません。

一方、たたき上げの営業部長で、15年勤務、一般社員から徐々に昇進し部長になったような者
の場合は、そもそも地位特定者として採用されたわけではありませんので、能力不足を理由に
解雇することはできません。
降格や配置転換の措置はとれますが、雇用を確保する義務が会社にはあるといえます。

一般労働者の場合も同様の理由から、入社時に売上目標などが特定されているような特殊な場
合でない限り、能力不足だけで解雇するのは、下手をすると解雇権の濫用とみなされてしまう
可能性も出てきます。


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名無し

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