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労働時間に関する徹底対策(第10回)~移動時間~

==============================2005.11.5 vol.11==

    なんとかしよう!労働基準法なんか怖くないぞ~!!  【第11号】

                     労働基準法徹底対策室
                     http://www.seki-office.com

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◆INDEX◆

(1)ご挨拶
(2)労働時間に関する徹底対策(第10回)~移動時間~
(3)編集後記

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(1)ご挨拶

こんにちは!
社会保険労務士の関です。

UFJではすでにクリスマスツリーが飾られたとのこと。

年賀状の受付も始まっているらしい。
(早すぎひんか?まだ2ヶ月もあるのに…)

みなさん!これからの秋を満喫しましょう。

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(2)労働時間に関する徹底対策(第10回)~移動時間~

事例[10]
「当社は本社が大阪にあるが
 月に数回、新幹線で広島まで出張してもらうことになっている。

 広島での労働時間は通常通りだから
 当然出張の日は朝早くから移動しないといけないな。

 でも移動時間中に眠ったりもできるんだから労働時間にはならないだろう。

 そして帰りは必ず本社に寄るように指示している。
 先方からの書類を届けてもらうためだ。

 もちろん行きと同じ理由で労働時間にはしていないよ。」

この事例の考え方はどうでしょうか?

前号でも申し上げたように、労働時間とは
労働者使用者の指揮命令下にある時間と考えられます。

出張はもちろん会社の指示ですので、通常の労働時間所定労働時間)は
それが移動時間であってもまぎれもなく労働時間です。

問題は所定労働時間外の移動時間が
労働時間にあたるのかということになります。

自宅から会社までの通勤時間はもちろん労働時間ではありません。
会社の指揮命令下にはありませんからね。

また、自宅から現場(通常の就業場所以外)へ直行するような場合も
同じ意味で現場での就労開始からが労働時間になります。

事例[10]のように
遠方でかなりの時間を要する場合であっても

これらと同様「通勤の延長」として考えられ
移動中に特別の指示がない限り
労働時間ではないということになります。

事例[10]の場合
少なくとも「行き」に関しては労働時間ではないので問題ありません。

しかし、注意しなければならないことが2点あります。

1点目は労働基準法第15条に定められている労働条件の明示です。
就業場所」は書面の交付により労働者に明示しなけれがなりません。

[労基法 第15条第1項]
使用者労働者採用するときは賃金労働時間その他労働条件
書面などにより明示しなければならない。

書面の交付による明示事項
 1、労働契約の期間
 2、就業の場所及び従事すべき業務
 3、始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間休日
   休暇、交替制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項
 4、賃金の決定、計算、支払の方法、賃金の締め切り、支払の時期に関する事項
 5、退職に関する事項(解雇の事由を含む)

つまり、出張がある場合はその旨を就業規則労働契約書に
記載しておく必要があるということです。(明示事項2)

もう1点は出張中は、所定労働時間の就労だということですが
タイムカードも押せず、休憩などの労働時間管理が難しい場合が
多いですね。

そんな時は、以前ご説明した「みなし労働時間制」(労基法 第38条の2)
を適用するといいと思います。

これも就業規則に「出張時は原則として所定労働時間労働したものとみなす。」
というような記載が必要になります。(明示事項3)

さて、今回の事例に戻りましょう。

「行き」の移動時間は労働時間ではありませんが「帰り」はどうでしょうか?
もちろん[行き」と同様に「通勤時間の延長」と考えられます。
また、眠ることもできますし、休憩時間に準じた考え方もできます。

しかし、「帰り」は会社に戻ることが強制されています。
書類を届ける義務があり、使用者の指揮命令下にあると考えられます。
この場合は労働時間になりますので賃金の支払いが必要です。

別の例でみますと自宅から現場へ直行直帰をする場合
自宅と現場の移動時間は「通勤時間」となります。

しかし、いったん会社に寄って会社の車で現場に行き
帰りも会社に車を返しに戻ってくるような場合は自宅から会社までが通勤時間であって
会社と現場の移動時間は労働時間になります。

会社に寄ることでそれ以降は会社の指揮命令下にあると判断されます。
ご注意ください。

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(3)編集後記

今日は最高の秋晴れでしたね!
絶好のゴルフ日和でたくさんの方がゴルフを楽しんだことと思います。
(やりたいのか?)

次回からは変形労働時間制についてお話ししていきます。

ご期待ください。

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社会保険労務士 行政書士 関昇事務所
〒550-0011
大阪市西区阿波座1-5-2 第四富士ビル6階
TEL:06-6543-8040
FAX:06-6543-8041
e-mail: info@seki-office.com
HP : http://www.seki-office.com

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 http://www.mag2.com/m/0000144877.htm

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