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解雇は経営者の都合で自由に行うことが出来るのでしょうか?

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   平成18年3月30日

   知った日から利益を生み出す社会保険労務管理

                          第62号
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みなさん、こんにちは。
『利益を生み出す社労士』のコエヅカです(^o^)丿


今回から解雇の話をします。


解雇は経営者の都合で自由に行うことが出来るのでしょうか?


民法契約自由の原則からは、自由に出来そうですが、判例上は、「客観的で
合理的な理由がない」と解雇権の濫用として、解雇が無効になります。


これを解雇権濫用の法理と呼んでいます。


平成16年1月1日に労働基準法が改正され、「解雇は、客観的に合理的な理
由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用した
ものとして無効とする」(労働基準法第18条の2)と規定されました。


この規定は、従来の判例上の取扱いを条文上明らかにしたものです。


経営上の必要から解雇したい従業員(正社員、パート社員、アルバイト社員、
契約社員、嘱託社員等)がいる場合でも、従来の判例を踏まえて解雇しないと、
従業員より訴えられて、民事上の多額の賠償金を支払わなければなりません。


裁判で敗訴すると賠償金を支払うだけでなく、社会的な信用もなくなり、経営
上大きな損害をもたらします。


解雇が裁判で有効か無効か判断されるのは一律ではありません。それぞれの事
例における具体的な事情、企業規模(配置転換が可能か否か)、新卒か中途採
用による専門職採用か等個別の事情により判断が分かれます。


過去の判例をみる場合、無効・有効の結果のみで判断するのではなく、その結
論を出すに至った経緯を十分斟酌し、有効になりそうか、無効になりそうか判
断することが大切です。


【解雇とは】


解雇とは、使用者の一方的な意思表示による労働契約の解約を言います。


解雇に関する規定は、一般法である民法では2週間前に雇用契約を一方的に解
約することが出来ることになっています。

しかし、経営者より弱い労働者を保護するため、特別法である労働基準法によ
り、30日前に労働者に通告することなっており、特別法は一般法に優先して
適用されるため、労働者を解雇するためには、使用者は30日以上前に労働者
に通告することが必要なのです。


【解雇の種類】


解雇には、次の3種類があります。


1.普通解雇


普通解雇とは、就業規則に定めのある解雇事由に相当する事実があって行われ
る解雇をいいます。


2.整理解雇


整理解雇とは、普通解雇のうち、会社の経営上の理由により人員削減が必要な
場合に行われる解雇をいいます。


整理解雇の4要件


整理解雇は、原則として下記の4要件を満たすことが必要です。


(1)企業が客観的に高度の経営危機にあり、解雇による人員削減が必要やむ
を得ないこと。(人員削減の必要性)


(2)解雇を回避するために具体的な措置を講ずる努力が十分になされたこと。
(解雇回避努力)


(3)解雇の基準及びその適用(被解雇者の選定)が合理的であること。(人
選の合理性)


(4)人員整理の必要性と内容について労働者に対し誠実に説明を行い、かつ
十分に協議して納得を得るよう努力を尽くしたこと。(労働者に対する説明協
議)


3.懲戒解雇


懲戒解雇とは就業規則上の最も重い懲戒処分が科されて行われる解雇のこと
をいいます。


普通解雇の場合は30日前に予告するか平均賃金の30日分の予告手当を支払
わなければなりませんが、懲戒解雇は即時に解雇するのが普通です。また退職
金を全額不支給にしたり、減額支給することもあります。


また、解雇予告なしに即時解雇するためには、労働基準監督署長に「解雇予告
除外認定許可」を申請し、許可を受ける必要があります。


※上記のように、解雇を行うには就業規則上の根拠が必要となりますので、常
時10人未満の事業所を含め、就業規則を作成し、解雇事由を明記しておくこ
とがトラブルを避けるポイントの一つです。


使用者側は、上記解雇理由を基礎づける具体的事実を用意する必要がありま
す。


次回も、解雇の続きを説明をします。


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【編集後記】


1.改正高年齢者雇用安定法が4月1日より施行されます。貴社では、対応は
お済でしょうか?「高年齢者雇用確保措置」を実施していないと、下記のリス
クが発生します。


2.ハローワークで求人が受付てもらえない可能性があります。


3.60歳の定年に到達した従業員より雇用の延長を求められれば、拒むこと
が出来ません。無理に排除すると従業員より地位保全の仮処分の訴えがなされ
る可能性があります。


4.65歳までの安定した雇用延長が義務付けられていますので、元従業員
65歳までにそれまでの賃金賞与退職金相当の損害賠償金を求めて債務
履行で訴えた場合、敗訴し多額の賠償金を支払う義務が生ずる可能性がありま
す。


5.これらのリスクを回避するためにも、「高年齢者雇用確保措置」未対応の
企業様は至急対応をご検討下さい。対応のご相談は下記までメールをお願いし
ます。


info@osaka-sr.com


最後までお読み頂き、ありがとうございました。コエヅカでした。

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