こんにちは。特定社会保険労務士の田中です。
年末調整は順調に進んでいらっしゃいますか?
社員から提出された扶養控除等申告書に
妻(配偶者)が扶養親族として記入されている場合、
その申告が正しいかどうかチェックしなければなりません。
この時に妻に収入(所得)がある場合は、
健康保険と所得税では扶養の範囲が異なります。
健康保険の扶養家族として健康保険証を持っていても、
年末調整では扶養控除等申告書に記載できない場合や、
また、その逆もありますのでご注意ください。
健康保険と所得税での扶養の違いは次の通りです。
1.健康保険での扶養家族
・年間収入 130万円未満(こちらは「未満」です)
・収入には、遺族年金・障害年金・失業給付も含む
・内縁関係の人も対象となる。
・年収の捉え方 その月の月収×12か月
つまり、現在から将来に向かっての1年分
ある意味で、「予想値」となります。
【 事例1 健康保険で扶養・所得税で扶養ではないケース 】
その年の10月までは、社員として月収30万円で働いていた。
11月からは、パートになり、月収8万円となった。
この場合の年収は、30万円×10ヶ月+8万円×2ヶ月=316万円
となり、103万円を超えているので所得税では扶養になりません。
しかし、健康保険では将来に向かってその収入を計算するので、
現在の月収 8万円×12ヶ月=96万円 となります。
つまり、この場合は健康保険の扶養になれます。
2.所得税での扶養親族
・年間収入 103万円以下(こちらは「以下」です)
・収入には、遺族年金・障害年金・失業給付は含まない。
・内縁関係の人は対象とならない。
・年収の捉え方 その年の1月~12月に得た実際の収入
【 事例2 所得税で扶養・健康保険で扶養ではないケース 】
その年の10月までは、専業主婦だった。
11月から就職して、月収25万円となった。
この場合の年収は、25万円×2ヶ月=50万円
となり、年収103万円以下なので所得税の扶養になれます。。
しかし、健康保険では将来に向かってその収入を計算するので、
現在の月収 25万円×12ヶ月=300万円 となります。
つまり、この場合は健康保険の扶養にはなれません。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
次回は大学生のアルバイトを雇っている時などに、
気を付けて頂きたい『勤労学生』についてお知らせする予定です。
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