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成長し続ける企業に!サービス業専門
社労士日記(第557号)
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おはようございます。
メルマガ発行者のこまつじゅんいちです。
このメルマガは
サービス業特に飲食店経営者及び店長
売上が上がらないとお悩みの経営者
労務管理の難しさを感じている
人事担当者
同業の
社労士さん
へ向けてこまつが自由に書きたいこと書いているメルマガです。
テーマは
「
従業員のやる気と売上は本当に連動している」
です。
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◎お客様の売上アップのため!サービス業専門
社労士日記
のバックナンバー・配信停止はこちら
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http://archive.mag2.com/0000250571/index.html
小松潤一
社会保険労務士事務所
http://www.style-neo.jp http://www.style-neo.com
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目次
■はじめに
■部長 こまじゅんいち4
■最後に
--------------------------------------------------------------------
■はじめに
リストラは思っている以上に大変な業務です。
それも同時に数人解雇する場合にはありとあらゆることを
考慮していかなければいけません。
某企業で1つの事業部が大きな赤字を抱えていたため
その事業部全員10人を解雇することを決定して解雇しました。
ところがその他の事業部で人員の不足が出ていたために
採用活動を行っていたことで問題になりました。
採用する位なら解雇したらまずいだろと
結局
整理解雇の4要件の
1、
整理解雇の必要性が本当にあること
2、
整理解雇を避けるための努力を会社が尽くしていること
の2つの要件を満たしていないということで解雇自体無効と
裁判で負けてしまったのです。
そんなこんなでリストラには大変な業務なんです。
簡単に考えてはいけません。
今日もそんな話
--------------------------------------------------------------------
■部長 こまじゅんいち4
(実際にあった話をもとにした作り話です)
従業員のリストラを進めていたこまは
裁判は負けてしまいました。
訴えた
従業員はこま部長に対し言いました。
「お前だって俺と同じ
従業員じゃないか?お前だって次にリストラされるかもしれないのに
なんで会社の味方をするんだ!会社がこんな状態になったのは俺だけのせいでなく
経営者がきちんとしていなかったからだろ!!!」
こまは悩みました。
そんなことわかっているのです。
リストラが終了したらつぎはこまがリストラされるかもしれません。
リストラが進んでも会社は倒産してしまうかもしれないのです。
そんなことはわかっているのです。
「そんなこと言っても誰かがこの仕事をしないと・・・・」
続きです。
こま部長
「俺はこの会社が好きなんだよ。就職難の時に俺みたいな人材を
採用してくれた会社
今の奥さんと知り合えた会社が好きなんだよ。
だからこの会社が好きで消滅しまうことは本当に嫌なんだよ。
もしリストラが終わったら俺もみんなをリストラした責任を取って
辞めるつもりで・・・
誰かがやらなければ・・・・」
こま部長は顧問
社労士さんと再度リストラについての計画を練り直します。
整理解雇の4要件
1、
整理解雇の必要性が本当にあること
2、
整理解雇を避けるための努力を会社が尽くしていること
3、対象者の選定に合理性があること
4、
労働者側との間で十分な協議が尽くされていること
解雇を避けるための努力と
従業員との話し合いをきちんとすることにしたのです。
まずしたのが経営陣や上位役職者の
賃金カットです。
すでにある程度の
賃金カットは進んでいましたが
さらなるカットを進めます。
経営陣は多少自分の
報酬が削られることに抵抗を示しましたが
それもやむを得ないと本来の
役員報酬の90%カットに同意してくれました。
こま部長も自分の給与を大幅にカットすることを決めます。
もともと
月給で50万円位もらっていましたが
その他の部長も含めて30%を進めました。
他の部長からはかなりの抵抗を受けましたが経営陣が90%ものカットを
したこともあって納得する以外にはありませんでした。
そしてその削減した人件費を利用して希望
退職を募ることにしました。
【今
退職してくれる
従業員には、
退職金として50万円円出します。
退職してくれる
従業員は11月30日までに
人事部宛に
退職の
希望を出して下さい!!!
あと
失業保険も解雇扱いなのですぐに出ます】
一定の効果が出ましたがまだまだ不足しています。
そこで派遣社員の
契約の打ち切り、
契約社員の
雇用延長の取り消しなども
進めました。
それから再度希望
退職を募りました。
【今
退職してくれる
従業員には、
退職金として30万円円出します。
退職してくれる
従業員は11月30日までに
人事部宛に
退職の
希望を出して下さい!!!
あと
失業保険も解雇扱いなのですぐに出ます】
退職金の金額は減らさざるを得なくなっていました。
会社のお金がだんだんと底をつきそうになっているのです。
このままではあと2ヶ月間で不渡りを出し倒産するでしょう。
あと100人リストラが出来れば国が公的資金を注入し
さらに金融機関がある程度の借金を帳消しにしてもらえる
段取りとなっているので何とかリストラを進める決意をしたのですが
従業員の
モチベーションが下がっていることから会社の売り上げが予測よりも
さらに大きく落ち込んできたのです。
当たり前と言えば当たり前です。
従業員がどんどん解雇されている環境で
「次は俺が解雇されるかもしれない!!」
という恐怖の中で頑張って働こうと思う
従業員は少ないのです。
よく考えればわかったことです。解雇が進む中で仕事に対する
モチベーションが上がってくる
はずがありません。
これは大人数の解雇だけでなく、たった1名のリストラをしたことでも起きうる話です。
こま部長は心の中でしまったと思いました。
2ヶ月間は会社に体力があったのも試算をしてみるともう1ヶ月間しか持ちません。
経営陣の中には責任を取らず逃げる人材も出始めました。
経営陣が逃げ出すことから
こま部長は決断を行います。
自分が責任を持とう!!
【全社員へ!!】
こま部長は全社員に対してメールを打ちました。
全社員へ!!
当社のおける環境は非常に厳しい状態となっていることは皆さんも知っているとおりです。
今までコスト削減をはじめ数々の対策を立ててきましたがついにあと1ヶ月間しか存続できる体力が
当社にはありません。
私自身この会社には大変感謝しています。
就職難に
採用してくれたこと
たくさんの友人と知り合えたこと
皆さんと切磋琢磨して頑張ってこれたこと
それももうおしまいです。
このお世話になった会社を私はどうしても残したいと思っていましたが
これが最後です。
今日皆さんの中から100名
退職をしていただけなければ
来月には全員倒産により
退職することとなります。
どうかこの会社を救ってください。
私もこのリストラが終わった後に
退職をします。
あと99名の方が
退職していただければこの会社は存続できるのです。
どうかこの会社を救ってください。
人事部長 こまじゅんいち
このメールを受け取った
従業員は
「俺は実家が事業を営んでいて就職先があるので優先的に辞めるよ」
とか
「もう少しで私は結婚するのでちょっと早いけど私が
退職します」
とか
中には
「こま部長の会社に対しての気持ちが伝わってきました。
ぼくが
退職するのでどうかこま部長はそのまま会社に残って
みんなのためにこれからも頑張ってください!」
希望
退職者が100名を超えました。
約1年かけたリストラ計画は終了したのです。
公的資金が注入され
金融機関が借金を放棄してくれて
会社は財政的に倒産の危機を回避できたのです。
100人の
退職処理を終わらせたこま部長は自らも会社を辞めるべく
手続きを開始します。
そんな時に借金を帳消しにしてくれた金融機関から次のような打診がありました。
金融機関
「こま部長の今までの活動を評価してもしよろしければこのまま会社に残って
代表者としてやっていただけないでしょうか?
これからは公的資金の返済や色々な業務が残っています。今の経営陣は責任を
取らずに一度は逃げた方ばかりです。
そんな人にこの会社は任せておけません。ぜひ!!!!!」
こま部長
「しかし。私はこの数年で数百名の
従業員をリストラしました。その責任を
取らなければ辞めていった
従業員に対してしめしがつきません。」
金融機関
「しかしあなた以外にこの会社を任せれる人は存在していません。
今残っている
従業員もリストラされた元
従業員もみんなあなたを
待っているのです。
みんなの気持ちも考えてください」
それから1年後
こま部長は社長になっていました。
社長 こまじゅんいち はこれからも
従業員のため会社のため
毎日会社の立て直しに奮闘していくのでしょう。
おしまい
良かったら感想下さい
info@style-neo.jp
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■最後に
解雇しなければ会社が倒産します。
しかし
従業員も生活があります。
50代などの
従業員は就職先もなかなか見つからないのが現状です。
そうは言っても会社が倒産してはもともこもありません。
会社が傾いた責任は全
従業員にありますがまずは経営者が責任を取らなければ
部下である
従業員に責任を押し付けることは問題です。
解雇する前にこれでもかこれでもかという解雇を避けるために対策を続けて
それでも駄目だということで初めて解雇することが可能となってくるのです。
解雇を簡単に考えてはいけません。
倒産しかけの企業であっても会社を訴えてくることだって
あるのです。
会社が訴えられたら裁判に勝っても負けてもお金がかかってしまうのです。
解雇する前にたくさんの対策を
ちなみに今日までのお話は
整理解雇のお話で
能力が低い方を解雇する場合には別の手順が必要になってきます。
あと
従業員が悪さをした際の
懲戒解雇も別の手順が必要になってきます。
解雇の内容によって色々なことを考えなくてはいけません。
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創造人材
株式会社
小松潤一
社会保険労務士事務所
小松潤一
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おはようございます。
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売上が上がらないとお悩みの経営者
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目次
■はじめに
■部長 こまじゅんいち4
■最後に
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■はじめに
リストラは思っている以上に大変な業務です。
それも同時に数人解雇する場合にはありとあらゆることを
考慮していかなければいけません。
某企業で1つの事業部が大きな赤字を抱えていたため
その事業部全員10人を解雇することを決定して解雇しました。
ところがその他の事業部で人員の不足が出ていたために
採用活動を行っていたことで問題になりました。
採用する位なら解雇したらまずいだろと
結局整理解雇の4要件の
1、整理解雇の必要性が本当にあること
2、整理解雇を避けるための努力を会社が尽くしていること
の2つの要件を満たしていないということで解雇自体無効と
裁判で負けてしまったのです。
そんなこんなでリストラには大変な業務なんです。
簡単に考えてはいけません。
今日もそんな話
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■部長 こまじゅんいち4
(実際にあった話をもとにした作り話です)
従業員のリストラを進めていたこまは
裁判は負けてしまいました。
訴えた従業員はこま部長に対し言いました。
「お前だって俺と同じ従業員じゃないか?お前だって次にリストラされるかもしれないのに
なんで会社の味方をするんだ!会社がこんな状態になったのは俺だけのせいでなく
経営者がきちんとしていなかったからだろ!!!」
こまは悩みました。
そんなことわかっているのです。
リストラが終了したらつぎはこまがリストラされるかもしれません。
リストラが進んでも会社は倒産してしまうかもしれないのです。
そんなことはわかっているのです。
「そんなこと言っても誰かがこの仕事をしないと・・・・」
続きです。
こま部長
「俺はこの会社が好きなんだよ。就職難の時に俺みたいな人材を採用してくれた会社
今の奥さんと知り合えた会社が好きなんだよ。
だからこの会社が好きで消滅しまうことは本当に嫌なんだよ。
もしリストラが終わったら俺もみんなをリストラした責任を取って
辞めるつもりで・・・
誰かがやらなければ・・・・」
こま部長は顧問社労士さんと再度リストラについての計画を練り直します。
整理解雇の4要件
1、整理解雇の必要性が本当にあること
2、整理解雇を避けるための努力を会社が尽くしていること
3、対象者の選定に合理性があること
4、労働者側との間で十分な協議が尽くされていること
解雇を避けるための努力と従業員との話し合いをきちんとすることにしたのです。
まずしたのが経営陣や上位役職者の賃金カットです。
すでにある程度の賃金カットは進んでいましたが
さらなるカットを進めます。
経営陣は多少自分の報酬が削られることに抵抗を示しましたが
それもやむを得ないと本来の役員報酬の90%カットに同意してくれました。
こま部長も自分の給与を大幅にカットすることを決めます。
もともと月給で50万円位もらっていましたが
その他の部長も含めて30%を進めました。
他の部長からはかなりの抵抗を受けましたが経営陣が90%ものカットを
したこともあって納得する以外にはありませんでした。
そしてその削減した人件費を利用して希望退職を募ることにしました。
【今退職してくれる従業員には、退職金として50万円円出します。
退職してくれる従業員は11月30日までに人事部宛に退職の
希望を出して下さい!!!
あと失業保険も解雇扱いなのですぐに出ます】
一定の効果が出ましたがまだまだ不足しています。
そこで派遣社員の契約の打ち切り、契約社員の雇用延長の取り消しなども
進めました。
それから再度希望退職を募りました。
【今退職してくれる従業員には、退職金として30万円円出します。
退職してくれる従業員は11月30日までに人事部宛に退職の
希望を出して下さい!!!
あと失業保険も解雇扱いなのですぐに出ます】
退職金の金額は減らさざるを得なくなっていました。
会社のお金がだんだんと底をつきそうになっているのです。
このままではあと2ヶ月間で不渡りを出し倒産するでしょう。
あと100人リストラが出来れば国が公的資金を注入し
さらに金融機関がある程度の借金を帳消しにしてもらえる
段取りとなっているので何とかリストラを進める決意をしたのですが
従業員のモチベーションが下がっていることから会社の売り上げが予測よりも
さらに大きく落ち込んできたのです。
当たり前と言えば当たり前です。従業員がどんどん解雇されている環境で
「次は俺が解雇されるかもしれない!!」
という恐怖の中で頑張って働こうと思う従業員は少ないのです。
よく考えればわかったことです。解雇が進む中で仕事に対するモチベーションが上がってくる
はずがありません。
これは大人数の解雇だけでなく、たった1名のリストラをしたことでも起きうる話です。
こま部長は心の中でしまったと思いました。
2ヶ月間は会社に体力があったのも試算をしてみるともう1ヶ月間しか持ちません。
経営陣の中には責任を取らず逃げる人材も出始めました。
経営陣が逃げ出すことから
こま部長は決断を行います。
自分が責任を持とう!!
【全社員へ!!】
こま部長は全社員に対してメールを打ちました。
全社員へ!!
当社のおける環境は非常に厳しい状態となっていることは皆さんも知っているとおりです。
今までコスト削減をはじめ数々の対策を立ててきましたがついにあと1ヶ月間しか存続できる体力が
当社にはありません。
私自身この会社には大変感謝しています。
就職難に採用してくれたこと
たくさんの友人と知り合えたこと
皆さんと切磋琢磨して頑張ってこれたこと
それももうおしまいです。
このお世話になった会社を私はどうしても残したいと思っていましたが
これが最後です。
今日皆さんの中から100名退職をしていただけなければ
来月には全員倒産により退職することとなります。
どうかこの会社を救ってください。
私もこのリストラが終わった後に退職をします。
あと99名の方が退職していただければこの会社は存続できるのです。
どうかこの会社を救ってください。
人事部長 こまじゅんいち
このメールを受け取った従業員は
「俺は実家が事業を営んでいて就職先があるので優先的に辞めるよ」
とか
「もう少しで私は結婚するのでちょっと早いけど私が退職します」
とか
中には
「こま部長の会社に対しての気持ちが伝わってきました。
ぼくが退職するのでどうかこま部長はそのまま会社に残って
みんなのためにこれからも頑張ってください!」
希望退職者が100名を超えました。
約1年かけたリストラ計画は終了したのです。
公的資金が注入され
金融機関が借金を放棄してくれて
会社は財政的に倒産の危機を回避できたのです。
100人の退職処理を終わらせたこま部長は自らも会社を辞めるべく
手続きを開始します。
そんな時に借金を帳消しにしてくれた金融機関から次のような打診がありました。
金融機関
「こま部長の今までの活動を評価してもしよろしければこのまま会社に残って
代表者としてやっていただけないでしょうか?
これからは公的資金の返済や色々な業務が残っています。今の経営陣は責任を
取らずに一度は逃げた方ばかりです。
そんな人にこの会社は任せておけません。ぜひ!!!!!」
こま部長
「しかし。私はこの数年で数百名の従業員をリストラしました。その責任を
取らなければ辞めていった従業員に対してしめしがつきません。」
金融機関
「しかしあなた以外にこの会社を任せれる人は存在していません。
今残っている従業員もリストラされた元従業員もみんなあなたを
待っているのです。
みんなの気持ちも考えてください」
それから1年後
こま部長は社長になっていました。
社長 こまじゅんいち はこれからも従業員のため会社のため
毎日会社の立て直しに奮闘していくのでしょう。
おしまい
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解雇しなければ会社が倒産します。
しかし従業員も生活があります。
50代などの従業員は就職先もなかなか見つからないのが現状です。
そうは言っても会社が倒産してはもともこもありません。
会社が傾いた責任は全従業員にありますがまずは経営者が責任を取らなければ
部下である従業員に責任を押し付けることは問題です。
解雇する前にこれでもかこれでもかという解雇を避けるために対策を続けて
それでも駄目だということで初めて解雇することが可能となってくるのです。
解雇を簡単に考えてはいけません。
倒産しかけの企業であっても会社を訴えてくることだって
あるのです。
会社が訴えられたら裁判に勝っても負けてもお金がかかってしまうのです。
解雇する前にたくさんの対策を
ちなみに今日までのお話は整理解雇のお話で
能力が低い方を解雇する場合には別の手順が必要になってきます。
あと従業員が悪さをした際の懲戒解雇も別の手順が必要になってきます。
解雇の内容によって色々なことを考えなくてはいけません。
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