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社員の経営への参画意識が強い会社を生む

     ◆◆コンピテンシーを磨けば仕事のできる人になれる◆◆

     <第244回>トップは社員に経営参画意識を植え付けよ!

    ==■「社員の経営への参画意識が強い会社を生む」■==

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人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れ
となり、成果に結び付けられない人が実に多いのです。

仕事のできる人とできない人の決定的な違いは「行動特性の差」に現れます。コ
ンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ・
管理者・社員の皆様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す学生さんにも是
非ともお読みいただきたいと思います。

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<今回のメニュー>
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【1】提案しただけで500円、社員のアイディアを引き出す未来工業!
【2】お客の立場で「してほしいことは全部やれ」というハンズマン!
【3】サトーの藤田東久夫氏直伝の「三行提報」で売上げ3倍増の山田養蜂場!
【4】編集後記

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社長がいて役員がいる。そして多くの案件は役員会などで議論されて社長が決裁
する。そして実行に移されていくのが普通の会社だ。多くの会社では社員は「歯
車」に過ぎない。提案制度などが仕組みとして定着している会社もあるが形骸化
していてあまり有効に機能していないのが実情ではないだろうか。

岐阜県輪之内町に未来工業という中堅メーカーがある。年間休日140日でしかも
残業はゼロだ。配電盤などの住設部品メーカーだが、シェアは70%近くを握っ
ているという。創業者で現相談役の山田昭男氏78歳は異色の経営者、しかもド
ケチ経営者として知られている。だがドケチの側面にスポットを当てるのは間
違いである。

宮崎県都城市に本社を置くホームセンターハンズマンも異色の経営で躍進してい
る。九州に9店舗を持ち、年商210億円を叩き出し、15年連続増収を果たして
いる。二代目の大薗誠司社長は「社員のみなさんがお客の立場ならこうしてほし
いということは全部やりなさい」といつも訓示している。お客の求めに応じてス
タッフは店内を走る、走る、走る。お客はみんな囲い込まれていくのだ。

バーコードプリンターで有名なのがサトーだ。サトーの二代目社長を務めた藤田
東久夫氏(現相談役)は三行半の提案制度(三行提報と言う)を定着させ、これ
が業績向上の原動力になっている。最近流行の“つぶやき”を採り入れたもので
「つぶやき経営」と言ってもよい。藤田東久夫氏は各地で講演会を開催し三行提
報の普及を図っている。藤田氏直伝の三行提報を導入して社員を経営に参画させ、
業績を向上させているのが山田養蜂場だ。

そこで、今回は未来工業の山田昭男氏、ハンズマンの大園誠司社長、山田養蜂場
の山田英生社長を例に「社員の経営への参画意識」なるコンピテンシーの重要さ
に迫ってみる。



【1】提案しただけで500円、社員のアイディアを引き出す未来工業!

「休みが多いと社員が不安になり、働いている間の生産性が高まる」と言うのが
山田昭男氏の持論である。社員は常に仕事に疑問を持つ癖を叩き込まれている。
提案しただけで500円がもらえる。審査の結果等級が決まれば等級に応じて本来
報奨金が出る仕組みだ。

知的財産権、工業所有権は4千件を超えている。例えば事務部門などでは電話の
応対で仕事が中断され、仕事の効率が阻害されるばかりかミスも出る。電話当番
を決め、交代で全ての電話に受け答えしてもらう。答えられない内容の場合は、
「何時に、詳しい担当のものがこちらから電話いたします」となる。他の人は仕
事に専念できるから効率も上がりミスも少なくなるというわけだ。提案の積み重
ねが経営への参画意識を高めている。

いろいろな提案は業務改善から新商品のアイディアにも及ぶ。同業の多くが赤字
に苦しむ中、平成22年3月期の経常利益は17億円で経常利益率は7%近かっ
た。

国内ばかりでなく海外からも工場見学者が押しかける。以前は無料で受け入れて
いたが今は一人2千円を徴収している。案内人、説明員の人件費がバカにならな
いからだ。それでも見学者は減らない。異色の経営ノウハウを学びたいからだ。

平成23年2月には約800人の社員を連れてエジプト旅行を計画しているそうだ。
山田昭男氏は単なるドケチとはわけが違う。使うべきところにはドーンと使うか
らすごい。



【2】お客の立場で「してほしいことは全部やれ」というハンズマン!

例えばハンズマンの都城市吉尾店では20万アイテムもの商品を扱っている。お
客の要望があれば取り扱うのが原則だ。だからドンドンアイテム数が増え続ける。
ハンズマンにきたお客を手ぶらで帰してはならない。もし手ぶらで帰してしまっ
たらその段階で負けだ。

お客が手ぶらで帰るのは品物がないだけでなく、あるのに探せないという要因も
大きい。そこで探しやすさを徹底的に追求した一目で分かるディスプレーを実現
している。しかも陳列棚にはいくつもの呼び出しボタンを設置してあり、スタッ
フがお客の元へ走っていく。

ネジだけほしいというお客には製品を分解してネジ一本でも売ってあげる。そん
なことをしては儲かるものも儲からないと誰もが思う。だが大薗社長の考えは違
う。たとえ製品一台分解してしまって売り物にならなくとも勝ち得たお客の信頼
を金額換算すれば安いものだと平然と答える。口コミでいいうわさが商圏全体に
広まっていく効果は大きい。

社員は笑顔、笑顔。そして店内を走る、走る。給料だって同業に負けてはいない。
業界日本一の給料を目指すと大園社長は社員に約束しているのだ。社員は経営に
参画している意識が高いからお客に尽くす。顧客満足(CS)が高いのは当たり
前だ。



【3】サトーの藤田東久夫氏直伝の「三行提報」で売上げ3倍増の山田養蜂場!

サトーの藤田東久夫氏の「三行提報」のセミナーに山田養蜂場の山田英生社長が
参加して感銘を受けた。早速「三行提報」を導入した。例えば女子社員から「世
間ではしょうがを食材にした食品、とりわけ健康食品が売れています。わが社の
ハチミツのしょうが漬はもっと売れるはずです」と「三行提報」に書いた。山田
社長は「大々的に宣伝して下さい」と販促強化のゴーサインを出した。

宣伝の予算を従来の倍も出してもらえた彼女は各媒体を使って積極的に宣伝活動
をした結果、前年の3倍以上も売れるようになったという。

「三行提報」を出した彼女はもとより、山田養蜂場の社員には経営に参画してい
る意識が高まってきた。参画意識が高まればモチベーションは倍加する。社員が
活性化されて組織も活性化されるモデルだ。



【4】編集後記

今回紹介した三人の経営者は社員に対する「経営への参画意識」なるコンピテン
シーを発揮している。参画意識を高める方法は他にもあるだろう。

だが、提案して、ゴーサインが出て、自ら実行に加わって、業績に貢献するとい
う仕事のサイクルが達成感、やりがいを倍化させてくれるのだ。



次回に続く


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