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経営・
労務管理ビジネス用語の
あれっ! これ、どうだった?!
第31回 職務怠慢な社員を即時解雇できるか?
(その1)
<第39号> 平成22年11月29日(月)
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発行人のプロフィル⇒
http://www.ho-wiki06.com
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こんにちは!
メルマガ初訪問の皆さま、ありがとうございます。
1週間のご無沙汰でした。
亥年のアラ還、小野寺です。
さて今回は、ある
使用者から自社の社員のことで
相談された件を取り上げます。
よく遅刻はするし、1週間の
無断欠勤はするし、仕事にも
熱心でなく、私用外出も多く、上司の再三の注意も
効果なしという
問題社員がいるが、この社員を
即時解雇できないか、という内容でした。
そこで今回は、職務怠慢な社員と即時解雇の可否について
考えてみます。
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労務管理に関する基礎的解説サイト
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◆◆ 解雇に関する自由と制限 ◆◆
○ 解雇とは、
使用者から
労働者に対する
労働契約の一方的解除のことですが、
旧来から
使用者は、いつでも自由に解雇できるものと
されていました。
それは、
民法第627条を根拠としていたものです。
つまり、この条文によれば、
期間の定めのない
雇用契約(正社員等)の場合については、
使用者は正当な理由を示さなくても、
予告期間を置いて「解雇する」と告知すれば
雇用契約を終了できると解することが可能であり
戦後の下級審判例は、「
使用者の解雇の自由」を
肯定するものも多かったと言われています。
○ しかし、昭和50年4月25日の最高裁判決(「日本
食塩製造事件」)において、
使用者の解雇権行使に関して
「
使用者の解雇権行使も、それが客観的に合理的な
理由を欠き、社会通念上相当として是認することができない
場合には、
権利の濫用として無効になると解するのが
相当である。」との判断が示されたのです。
このため、その後の解雇関連の訴訟では、
この判示が判断の基準となっており、そのことは
平成20年3月1日付で新設施行された
労働契約法にも
そのまま条文化されております(同法第16条)。
従って、近年右肩上がりで増大している
個別労働関係紛争に係る解雇や
懲戒処分関係の事案について、
この条文を基に判断されることになります。
◆◆ 解雇の制限とルール ◆◆
○ この
解雇権濫用法理をわきまえ、クリアーした上で
解雇する場合、
労働基準法(以下「労基法」という。)には
解雇の制限とルールが定められています。
まず
解雇制限については、労基法第19条に2点、
挙げられています。
1.
労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために
休業する期間及びその後30日間。
ただし、業務外の私傷病による休業期間については、
解雇の制限はありません。
2.
産前産後の女性が労基法第65条の規定により
休業する期間及びその後30日間。
以上の2つのケースの場合は、解雇してはならないと
されています。
○ ただし、これらの場合でも、次のようなときは
解雇の制限は解除されることになります。
1.業務上傷病により療養している
労働者が
療養開始後3年を経過しても負傷又は疾病が治癒しない場合に
使用者が
平均賃金の1200日分を支払う事により
解除する事ができます。これを
打切補償といいます。
ただし、実際には業務上の災害補償は
労災保険によって
行われることが多いと思いますが、その場合には、
療養開始後3年を経過した日又は同日後に
傷病補償年金を受ける事となる場合には、上記の
打切補償を支払ったものとみなされ(
労災保険法第19条)
解雇制限が解除されることになります。
2.天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が
不可能となった場合も、
解雇制限が解除となります。
ただし、この場合は、個々の具体的事由に基づいて
所轄労基署長の認定を受ける必要があります。
なお、「その他やむを得ない事由」とは、
天災事変に準ずる程度に不可抗力に基づくものであり、
かつ、突発的な事由の意であり、解釈例規には
次の例が示されています。
●
事業場が火災により焼失した場合。ただし、事業主の
故意又は重大な過失に基づく場合は除きます。
● 震災に伴う工場、
事業場の倒壊、類焼等により
事業の継続が不可能となった場合。
○ 以上の
解雇制限にも該当せず、実際に解雇する場合の
解雇のルールから次号で触れたいと思います。
★☆★☆★☆★【ひとくち教養講座】★☆★☆★☆★
よく日本語は難しいといいます。
そこで、間違いやすい日本語について考えてみましょう。
次の文章のうち、どちらが正しいでしょうか
■A 飛行機に「塔乗」する。
■B. 飛行機に「搭乗」する。
答えは、編集後記で。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
~~~~~[[今日あった昔の歴史─11/29]]~~~~~
●1875年の今日、京都市に同志社英学校(同志社大学の前身)
が開学する。
●1890年の今日、大日本帝国憲法施行。これにより第1回
帝国議会が開会される。
●1973年の今日、大洋デパート火災。死者104人、負傷者
108人。デパート火災最大の惨事。
●1980年の今日、川崎市で金属バット両親殺害事件発生。
●1985年の今日、過激派による国電同時多発ゲリラ事件、
首都圏・大阪ほかで発生。600万人に影響。
●1987年の今日、大韓航空機爆破事件発生。
⇒ 詳細をご覧になりたい方は
http://blog.ho-wiki06.com をクリックし
ブログから該当日をご覧ください。
●2003年の今日、イラクで日本人外交官射殺事件起こる。
~~~~~~[[今日の主なバースデー]]~~~~~~
○井伊直弼(江戸幕府の大老:1815)
○ジョン・A・フレミング(物理学者:1849)
○田中絹代(女優:1909)
○勝新太郎(俳優:1931)
○ジャック・シラク(仏大統領:1932)
○舛添要一(参議院議員:1948)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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■■ 編集後記 ■■
きょうも最後までお読みいただきありがとうございます。
さて、どちらが正しいか分かりましたか?
答えは「B」です。
この文意の「トウジョウ」とは、飛行機などに乗り込む事を
意味しています。
「塔」とは、卒塔婆(ソトバ)の略であり、また、高く
そびえ立つ建造物のことを意味しています。
一方、「搭」とは「のる、のせる」という意味であり
搭乗とは、飛行機や船に乗り込むことであり、搭載とは
飛行機などに荷物を積み込むことを意味しています。
字形が良く似ているために、間違いやすい熟語です。
では、また次号でお会いしましょう。
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労務管理ビジネス用語の
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亥年のアラ還、小野寺です。
さて今回は、ある使用者から自社の社員のことで
相談された件を取り上げます。
よく遅刻はするし、1週間の無断欠勤はするし、仕事にも
熱心でなく、私用外出も多く、上司の再三の注意も
効果なしという問題社員がいるが、この社員を
即時解雇できないか、という内容でした。
そこで今回は、職務怠慢な社員と即時解雇の可否について
考えてみます。
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◆◆ 解雇に関する自由と制限 ◆◆
○ 解雇とは、使用者から労働者に対する
労働契約の一方的解除のことですが、
旧来から使用者は、いつでも自由に解雇できるものと
されていました。
それは、民法第627条を根拠としていたものです。
つまり、この条文によれば、
期間の定めのない雇用契約(正社員等)の場合については、
使用者は正当な理由を示さなくても、
予告期間を置いて「解雇する」と告知すれば
雇用契約を終了できると解することが可能であり
戦後の下級審判例は、「使用者の解雇の自由」を
肯定するものも多かったと言われています。
○ しかし、昭和50年4月25日の最高裁判決(「日本
食塩製造事件」)において、使用者の解雇権行使に関して
「使用者の解雇権行使も、それが客観的に合理的な
理由を欠き、社会通念上相当として是認することができない
場合には、権利の濫用として無効になると解するのが
相当である。」との判断が示されたのです。
このため、その後の解雇関連の訴訟では、
この判示が判断の基準となっており、そのことは
平成20年3月1日付で新設施行された労働契約法にも
そのまま条文化されております(同法第16条)。
従って、近年右肩上がりで増大している
個別労働関係紛争に係る解雇や懲戒処分関係の事案について、
この条文を基に判断されることになります。
◆◆ 解雇の制限とルール ◆◆
○ この解雇権濫用法理をわきまえ、クリアーした上で
解雇する場合、労働基準法(以下「労基法」という。)には
解雇の制限とルールが定められています。
まず解雇制限については、労基法第19条に2点、
挙げられています。
1.労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために
休業する期間及びその後30日間。
ただし、業務外の私傷病による休業期間については、
解雇の制限はありません。
2.産前産後の女性が労基法第65条の規定により
休業する期間及びその後30日間。
以上の2つのケースの場合は、解雇してはならないと
されています。
○ ただし、これらの場合でも、次のようなときは
解雇の制限は解除されることになります。
1.業務上傷病により療養している労働者が
療養開始後3年を経過しても負傷又は疾病が治癒しない場合に
使用者が平均賃金の1200日分を支払う事により
解除する事ができます。これを打切補償といいます。
ただし、実際には業務上の災害補償は労災保険によって
行われることが多いと思いますが、その場合には、
療養開始後3年を経過した日又は同日後に
傷病補償年金を受ける事となる場合には、上記の
打切補償を支払ったものとみなされ(労災保険法第19条)
解雇制限が解除されることになります。
2.天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が
不可能となった場合も、解雇制限が解除となります。
ただし、この場合は、個々の具体的事由に基づいて
所轄労基署長の認定を受ける必要があります。
なお、「その他やむを得ない事由」とは、
天災事変に準ずる程度に不可抗力に基づくものであり、
かつ、突発的な事由の意であり、解釈例規には
次の例が示されています。
● 事業場が火災により焼失した場合。ただし、事業主の
故意又は重大な過失に基づく場合は除きます。
● 震災に伴う工場、事業場の倒壊、類焼等により
事業の継続が不可能となった場合。
○ 以上の解雇制限にも該当せず、実際に解雇する場合の
解雇のルールから次号で触れたいと思います。
★☆★☆★☆★【ひとくち教養講座】★☆★☆★☆★
よく日本語は難しいといいます。
そこで、間違いやすい日本語について考えてみましょう。
次の文章のうち、どちらが正しいでしょうか
■A 飛行機に「塔乗」する。
■B. 飛行機に「搭乗」する。
答えは、編集後記で。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
~~~~~[[今日あった昔の歴史─11/29]]~~~~~
●1875年の今日、京都市に同志社英学校(同志社大学の前身)
が開学する。
●1890年の今日、大日本帝国憲法施行。これにより第1回
帝国議会が開会される。
●1973年の今日、大洋デパート火災。死者104人、負傷者
108人。デパート火災最大の惨事。
●1980年の今日、川崎市で金属バット両親殺害事件発生。
●1985年の今日、過激派による国電同時多発ゲリラ事件、
首都圏・大阪ほかで発生。600万人に影響。
●1987年の今日、大韓航空機爆破事件発生。
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●2003年の今日、イラクで日本人外交官射殺事件起こる。
~~~~~~[[今日の主なバースデー]]~~~~~~
○井伊直弼(江戸幕府の大老:1815)
○ジョン・A・フレミング(物理学者:1849)
○田中絹代(女優:1909)
○勝新太郎(俳優:1931)
○ジャック・シラク(仏大統領:1932)
○舛添要一(参議院議員:1948)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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■■ 編集後記 ■■
きょうも最後までお読みいただきありがとうございます。
さて、どちらが正しいか分かりましたか?
答えは「B」です。
この文意の「トウジョウ」とは、飛行機などに乗り込む事を
意味しています。
「塔」とは、卒塔婆(ソトバ)の略であり、また、高く
そびえ立つ建造物のことを意味しています。
一方、「搭」とは「のる、のせる」という意味であり
搭乗とは、飛行機や船に乗り込むことであり、搭載とは
飛行機などに荷物を積み込むことを意味しています。
字形が良く似ているために、間違いやすい熟語です。
では、また次号でお会いしましょう。
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★発行責任者 小野寺 弘
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★発行システム:『まぐまぐ』
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