2010年5月1日号 (no. 574)
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本日のテーマ【
出来高払いで「一定額の
賃金の保障」とはいくらなの?】
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出来高払いなのに
賃金保障。
労働基準法では、
出来高払いや
請負で仕事をする人であっても、一定額の
賃金を保証しなければならないことは知っている方もいるかと思います。
条文では、12条と27条に書かれています。
ただ、27条では「一定額の
賃金」と書いているが、一定額とはどの程度なのかが疑問を抱くところです。
12条1項には、「、、、出来高払制その他の
請負制によって定められた場合においては、
賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の100分の60」と書かれていますので、これで計算できるとも思えます。
確かに、100分の60という数字による基準があるので、
出来高払いや
請負の際の
賃金処理には問題ないと思える。しかし、100分の60という数字は相対数字であって、何らかの基準となる絶対数字がなければ計算を完了できません。つまり、100分の60だけでは、何の数字の100分の60なのかが分からないので単独では意味を成さないわけです。
もし、月額15万円とか月額18万円というように絶対値で基準があれば、あえて解釈を加えることもないのですが、現実には100分の60という相対値で基準が与えられているため、計算の元となる数字は一体何なのかが問題となるわけです。
■
労働基準法12条と27条が根拠だが、相対値で
賃金を保障できるの?
12条に基づき、素直に考えて、「
算定すべき事由の発生した日以前3箇月間にその
労働者に対し支払われた
賃金の総額(12条)」を「
賃金の総額をその期間中に労働した日数(12条1項)」で除した金額の60%という式で計算してみる。なお、本来の
平均賃金は、3ヶ月分の
賃金を"総日数"で除するが、
出来高払いや
請負の場合は総日数ではなく"期間中に労働した日数"を分母に使えるので、そのようにする。
例えば、
算定日以前3ヶ月に支払われた
賃金総額が63万円で、労働した日数が60日だとすると、63÷60=1.05なので、
日給は10,500円。その金額の60%なのだから、6,300円。これが一定額の保障ラインということになる。
1日6,300円なのだから、極端に低いわけではないが、かと言って高いわけでもない。これを高いと判断するか低いと判断するかは人それぞれだが、焦点はこの金額で一定額の保障になるかどうかという点にある。
もし、
算定日以前3ヶ月に支払われた
賃金総額が42万円で、労働した日数が60日だとするとどうか。
勤務日数は多いが、
勤務時間が短ければこのような条件になることもあるだろう。42÷60=0.7なので、
日給は7,000円。その金額の60%なのだから、4,200円。さて、これで一定額の保障ラインになるだろうか。
もちろん、
勤務日数は多くても
勤務時間が短いので、妥当な水準かもしれない。
しかし、上記の2例は固定的な時間スケジュールで働くことを想定しているが、
出来高払いや
請負で働く人は、勤務スケジュールを自分で決めやすいはずなので、もっと計算結果は変動的になるだろう。
労働基準法的には、
出来高払いであれ
請負であれ、ベースとなる時給を設定し、成果部分はその上に載せるという
賃金構成になるので、実際に完全成果
報酬型で働くことは無理がある。1時間仕事をすれば、成果はどうであれ、時間拘束に対する
賃金を用意しなければいけなくなる。
時間に対する
賃金を確保するように求められてしまうと、成果型で仕事をする選択肢を選べなくなるのではないかと思う。12条と27条は、人の働き方を制限しているのではないでしょうか。
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メールマガジン【本では読めない
労務管理の"ミソ"】のご紹介
内容の一例・・・
『定額
残業代で
残業代は減らせるのか』
『15分未満の
勤務時間は切り捨て?』
『4週4日以外の
変形休日制度もある』
『長時間残業を減らす方法は2つある』
『管理職は週休3日が理想』
『日曜日=
法定休日と思い込んではいけない』
『
半日有給休暇と
半日欠勤の組み合わせはダメ?』
『寸志は
賃金or贈り物?』
『ケータイは仕事道具か遊び道具か』
など、その他盛りだくさんのテーマでお送りしています。
本に書いていそうなんだけど、書いていない。
そんな内容が満載。
【本では読めない
労務管理の"ミソ"】
▽ ▽ <登録はこちら> ▽ ▽
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カードを使わないタイムカード Clockperiod のご紹介です。
タイムカードを使うときに負担なのは、専用の打刻機を用意しなければいけないし、
新しい紙のカードを毎月作らないといけない。さらに、カードを見ながら、電卓や
表計算ソフトで
勤務時間を集計しないといけない。
しかも、給与の締め日から支給日までの短期間で集計作業をしないといけないので、
作業する人にとっては
勤務時間の集計は悩みのタネですよね。
そんな悩みをどうやって解決するか。
そこで、電子タイムカードの Clockperiod が登場です。
Clockperiod は、紙のカードと打刻機を使わない電子タイムカードですから、
打刻機を用意しなくても
勤務時間を記録できますし、給与計算のためにカードを
集める必要はありません。さらに、毎月、新しい紙のカードに社員全員の名前を
書いてカードストッカーに入れることもなくなります。
始業や終業、
時間外勤務や
休日勤務の出勤時間を自動的に集計できれば勤怠集計
の作業は随分とラクになるはず。
Clockperiodは、出退勤の時刻をタイムカード無しで記録できます。タイムカード
や
出勤簿で
勤務時間を管理している企業にオススメです。
さらに、タイムカードのコピーをメールで送信して社員ごとに保存することができ
ますので、個人別に毎月の勤務記録を取り置くことができます。
また、勤務記録の改ざんや不正な打刻を把握できるログ機能もあります。
▽ ▽ < Clockperiodの利用はこちら > ▽ ▽
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残業で悩んでいませんか?
「長時間の残業が続いている」
「
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」
こういう悩み、よくありますよね。
ニュースでも未払い
残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。
法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、
割増賃金が必要になります。
とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?
毎日8時間の時間制限があると、柔軟に
勤務時間を配分できませんよね。
例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。
仕事に合わせて、ある日は
勤務時間を短く、ある日は
勤務時間を長くできれば、便利ですよね。
でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。
「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。
『残業管理のアメと罠』
http://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm20160308HT
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本日のテーマ【出来高払いで「一定額の賃金の保障」とはいくらなの?】
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■出来高払いなのに賃金保障。
労働基準法では、出来高払いや請負で仕事をする人であっても、一定額の賃金を保証しなければならないことは知っている方もいるかと思います。
条文では、12条と27条に書かれています。
ただ、27条では「一定額の賃金」と書いているが、一定額とはどの程度なのかが疑問を抱くところです。
12条1項には、「、、、出来高払制その他の請負制によって定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の100分の60」と書かれていますので、これで計算できるとも思えます。
確かに、100分の60という数字による基準があるので、出来高払いや請負の際の賃金処理には問題ないと思える。しかし、100分の60という数字は相対数字であって、何らかの基準となる絶対数字がなければ計算を完了できません。つまり、100分の60だけでは、何の数字の100分の60なのかが分からないので単独では意味を成さないわけです。
もし、月額15万円とか月額18万円というように絶対値で基準があれば、あえて解釈を加えることもないのですが、現実には100分の60という相対値で基準が与えられているため、計算の元となる数字は一体何なのかが問題となるわけです。
■労働基準法12条と27条が根拠だが、相対値で賃金を保障できるの?
12条に基づき、素直に考えて、「算定すべき事由の発生した日以前3箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額(12条)」を「賃金の総額をその期間中に労働した日数(12条1項)」で除した金額の60%という式で計算してみる。なお、本来の平均賃金は、3ヶ月分の賃金を"総日数"で除するが、出来高払いや請負の場合は総日数ではなく"期間中に労働した日数"を分母に使えるので、そのようにする。
例えば、算定日以前3ヶ月に支払われた賃金総額が63万円で、労働した日数が60日だとすると、63÷60=1.05なので、日給は10,500円。その金額の60%なのだから、6,300円。これが一定額の保障ラインということになる。
1日6,300円なのだから、極端に低いわけではないが、かと言って高いわけでもない。これを高いと判断するか低いと判断するかは人それぞれだが、焦点はこの金額で一定額の保障になるかどうかという点にある。
もし、算定日以前3ヶ月に支払われた賃金総額が42万円で、労働した日数が60日だとするとどうか。勤務日数は多いが、勤務時間が短ければこのような条件になることもあるだろう。42÷60=0.7なので、日給は7,000円。その金額の60%なのだから、4,200円。さて、これで一定額の保障ラインになるだろうか。
もちろん、勤務日数は多くても勤務時間が短いので、妥当な水準かもしれない。
しかし、上記の2例は固定的な時間スケジュールで働くことを想定しているが、出来高払いや請負で働く人は、勤務スケジュールを自分で決めやすいはずなので、もっと計算結果は変動的になるだろう。
労働基準法的には、出来高払いであれ請負であれ、ベースとなる時給を設定し、成果部分はその上に載せるという賃金構成になるので、実際に完全成果報酬型で働くことは無理がある。1時間仕事をすれば、成果はどうであれ、時間拘束に対する賃金を用意しなければいけなくなる。
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や出勤簿で勤務時間を管理している企業にオススメです。
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こういう悩み、よくありますよね。
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