<36回>
コンピテンシー「適時決断力」の磨き方
===================================
人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れと
なり、成果に結び付けられない人が実に多いのです。
多くの企業では「
成果主義人事制度」に加速度的に移行しています。これの是々非
々は後でするとして、成果の低い、あるいは出せない人にとっては悲劇になるかも知
れません。
コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ・
管理者・社員の皆様、そして求職中の
離職者の方や就職を目指す学生さんにも是非と
もお読みいただきたいと思います。
===================================
■忙しい人はとりあえず流し読みして下さい。後でゆっくり読み直していただくと理
解が一層深まります。(
コンピテンシー宣教師より)■
<今回のメニュー>
=================================
【1】職場の世相を川柳に載せて!
【2】
コンピテンシー「適時決断力」の磨き方
【3】編集後記
=================================
【1】職場の世相を川柳に載せて!
飲み食いは、即決即断稟議なし!
稟議制度が根強く残っている企業は今でも多いようです。主管者が
稟議書に案件を
記載し、提案書を添付し、関係部署から
役員、社長に回付し、承認をもらって実行に
移す制度ですね。判子を押す欄が沢山あって回覧が終わり、承認が得られて実行に移
すまでかなりの時間がかかります。
「あの人が判子を押しているから自分も押そう、押さないわけにはいかない」とい
うことで、責任を分散する制度です。5万~10万のものを買うにもいちいち
稟議書
を回している企業まで見かけます。
Agile(機敏さ)とスピードが益々求められている時代にこんなことをやっていて
は取り残されると思うのですが、古き時代の因習を引き継いでいるのです。
【2】
コンピテンシー「適時決断力」の磨き方
「適時決断力」は、意思決定に関する行動科学分野の
コンピテンシーです。情報収
集力や情報の加工力、そして情報の活用力が求められます。急に“決断せよ”と迫ら
れても決断しかねることが往々にしてありますから、常日頃から整理した情報を用意
しておき、今だというタイミングを逃さず決断することが重要です。
したがってこれは、職位が上位になればなるほど重要な
コンピテンシーということ
になります。
以前に「慎重さ」なる
コンピテンシーについて解説しました。慎重さは裏を返すと
優柔不断にもなりかねないことも解説しました。
慎重さも勿論大切ですが、決めるべきときはきっちり意思決定を下すことが重要で
す。
1.
コンピテンシー「適時決断力」の
定義付けは?
例えば、「多少不十分な情報やスケジュールであっても素早く決断する」というの
はいかがでしょうか。判断するのに十分な前提条件が整っているに越したことはあり
ません。しかし、そのような中で決断をするということはめったになく、むしろ不十
分な条件の中で決断することが多いというのが実情です。
2.どんな行動基準が考えられるか
例えば「難しい問題や課題に対しても臨機応変に決断する」というのはいかがでし
ょうか。“臨機応変”とは、機に臨み変に応じて適切な手段を採ることを言います。
したがって一度決めたら絶対に撤回したり、決定した内容を変えてはならないという
ことではありません。前提条件が変化したり、判断が間違っていたと気づいたならば
変えればいいのです。
一番いけないのは、ぎりぎりになってから重い腰を上げてやった決断が間違ってい
たときです。もう手遅れですから。
例えば、「自分なりの判断基準を持って決断する」というのはいかがでしょうか。
「6:4だったらやると決めよう」。「4:6だったらリスク回避の方策を見つけて
からやると決断しよう」というようにです。
子は親の背中を見て育つように、部下は上司の背中を見て育つといいます。決断力
のない上司の下では仕事のできる人ほど嫌気がさします。辞めていくかもしれません。
そうすると適時決断力のない、“長いものには巻かれろ”式の部下ばかりが残ります。
特に部下を持つ上司は「適時決断力」なる
コンピテンシーを磨く必要があります。
是非「適時決断力」のブラッシュアップに取り組んで見ましょう。
【3】編集後記
味の素の江頭邦雄社長は、日経ビジネスの編集長インタビューで、「自分は早く決
断するほうだ」とおっしゃっています。ホーネンコーポレーションと共同持ち株会社
を作ったとき、事業統合に合意するまでわずか5分だったそうです。また冷凍食品の
フレックを日本酸素から買収するときも金額の交渉から買収までたった10分だった
そうです。
事前に十分な情報をインプットしておき、この条件さえ満たされればゴーすると決
めていたのでしょう。交渉のテーブルについてから情報集めに入ったのでは、とても
その場で決断はできませんね。教訓にしたいと思います。
次回に続く
次回は、
コンピテンシー「目標
達成志向」の磨き方を解説します。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
発行責任者:さいたま市中央区上落合8丁目1-20-304
彩愛コンサルピア代表 下山明央
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【メルマガ】
コンピテンシーを磨けば仕事のできる人になれる
⇒
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<36回>コンピテンシー「適時決断力」の磨き方
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人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れと
なり、成果に結び付けられない人が実に多いのです。
多くの企業では「成果主義人事制度」に加速度的に移行しています。これの是々非
々は後でするとして、成果の低い、あるいは出せない人にとっては悲劇になるかも知
れません。
コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ・
管理者・社員の皆様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す学生さんにも是非と
もお読みいただきたいと思います。
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■忙しい人はとりあえず流し読みして下さい。後でゆっくり読み直していただくと理
解が一層深まります。(コンピテンシー宣教師より)■
<今回のメニュー>
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【1】職場の世相を川柳に載せて!
【2】コンピテンシー「適時決断力」の磨き方
【3】編集後記
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【1】職場の世相を川柳に載せて!
飲み食いは、即決即断稟議なし!
稟議制度が根強く残っている企業は今でも多いようです。主管者が稟議書に案件を
記載し、提案書を添付し、関係部署から役員、社長に回付し、承認をもらって実行に
移す制度ですね。判子を押す欄が沢山あって回覧が終わり、承認が得られて実行に移
すまでかなりの時間がかかります。
「あの人が判子を押しているから自分も押そう、押さないわけにはいかない」とい
うことで、責任を分散する制度です。5万~10万のものを買うにもいちいち稟議書
を回している企業まで見かけます。
Agile(機敏さ)とスピードが益々求められている時代にこんなことをやっていて
は取り残されると思うのですが、古き時代の因習を引き継いでいるのです。
【2】コンピテンシー「適時決断力」の磨き方
「適時決断力」は、意思決定に関する行動科学分野のコンピテンシーです。情報収
集力や情報の加工力、そして情報の活用力が求められます。急に“決断せよ”と迫ら
れても決断しかねることが往々にしてありますから、常日頃から整理した情報を用意
しておき、今だというタイミングを逃さず決断することが重要です。
したがってこれは、職位が上位になればなるほど重要なコンピテンシーということ
になります。
以前に「慎重さ」なるコンピテンシーについて解説しました。慎重さは裏を返すと
優柔不断にもなりかねないことも解説しました。
慎重さも勿論大切ですが、決めるべきときはきっちり意思決定を下すことが重要で
す。
1.コンピテンシー「適時決断力」の定義付けは?
例えば、「多少不十分な情報やスケジュールであっても素早く決断する」というの
はいかがでしょうか。判断するのに十分な前提条件が整っているに越したことはあり
ません。しかし、そのような中で決断をするということはめったになく、むしろ不十
分な条件の中で決断することが多いというのが実情です。
2.どんな行動基準が考えられるか
例えば「難しい問題や課題に対しても臨機応変に決断する」というのはいかがでし
ょうか。“臨機応変”とは、機に臨み変に応じて適切な手段を採ることを言います。
したがって一度決めたら絶対に撤回したり、決定した内容を変えてはならないという
ことではありません。前提条件が変化したり、判断が間違っていたと気づいたならば
変えればいいのです。
一番いけないのは、ぎりぎりになってから重い腰を上げてやった決断が間違ってい
たときです。もう手遅れですから。
例えば、「自分なりの判断基準を持って決断する」というのはいかがでしょうか。
「6:4だったらやると決めよう」。「4:6だったらリスク回避の方策を見つけて
からやると決断しよう」というようにです。
子は親の背中を見て育つように、部下は上司の背中を見て育つといいます。決断力
のない上司の下では仕事のできる人ほど嫌気がさします。辞めていくかもしれません。
そうすると適時決断力のない、“長いものには巻かれろ”式の部下ばかりが残ります。
特に部下を持つ上司は「適時決断力」なるコンピテンシーを磨く必要があります。
是非「適時決断力」のブラッシュアップに取り組んで見ましょう。
【3】編集後記
味の素の江頭邦雄社長は、日経ビジネスの編集長インタビューで、「自分は早く決
断するほうだ」とおっしゃっています。ホーネンコーポレーションと共同持ち株会社
を作ったとき、事業統合に合意するまでわずか5分だったそうです。また冷凍食品の
フレックを日本酸素から買収するときも金額の交渉から買収までたった10分だった
そうです。
事前に十分な情報をインプットしておき、この条件さえ満たされればゴーすると決
めていたのでしょう。交渉のテーブルについてから情報集めに入ったのでは、とても
その場で決断はできませんね。教訓にしたいと思います。
次回に続く
次回は、コンピテンシー「目標達成志向」の磨き方を解説します。
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発行責任者:さいたま市中央区上落合8丁目1-20-304
彩愛コンサルピア代表 下山明央
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