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行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第179号/2011/6/15>■
1.はじめに
2.「
会社法務編/中小企業・
ベンチャー経営者&
起業予定者のための“
会社法”等のポイント(123)」
3.編集後記
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1.はじめに
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こんにちは。
行政書士の津留信康です。
来月は、
司法書士、知財検定、8月は、
社労士、10月は、宅建、
そして、11月は、
行政書士・・・と、
いよいよ法律系の国家資格・検定(※)の受験シーズンとなります。
受験予定の方々は、ご準備どうぞ怠りなきよう・・・
※)
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-246a.html
それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
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2.「
会社法務編─中小企業・
ベンチャー経営者&
起業予定者のための“
会社法”等のポイント(123)」
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★本稿では、「平成22年度
司法書士試験問題」の解説を通じて、
“
会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
第17回は、「
合名会社または
合資会社の
登記」に関する問題です。
※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
ご了承ください。
■
合名会社または
合資会社の
登記に関する次の記述のうち、
誤っているものはどれか(午後─第34問)。
1.
合資会社の業務を執行しない有限責任社員の持分の一部の譲渡
による変更の
登記の申請書には、
定款に別段の定めがある場合を除き、
その譲渡につき総社員の同意があったことを証する書面
を添付しなければならない。
□正解: ×
□解説
合資会社の業務を執行しない有限責任社員は、
定款に別段の定めがある場合を除き、
業務を執行する社員の全員の承諾があるときは、
その持分の全部または一部を他人に譲渡することができます(
会社法585条2項・4項)。
よって、本肢の
登記の申請書に、
持分の一部の譲渡につき総社員の同意があったことを証する書面
の添付は不要です。
2.
定款の定めに基づく社員の
互選により、
業務執行社員3人のうち1人を代表社員と定めている
合名会社において、
当該代表社員が死亡した場合には、
他の業務執行社員が当然に
合名会社を代表することにはならず、
改めて、社員の
互選により、後任の代表社員を定め、
変更の
登記の申請をしなければならない。
□正解: 〇
□解説
本肢の場合((
会社法599条1項・3項)において、
当該代表社員が死亡しても、
他の業務執行社員が当然に
合名会社を代表することにはならず、
改めて、社員の
互選により、後任の代表社員を定め、
変更の
登記の申請をしなければなりません(先例)。
3.
合資会社の有限責任社員の出資の価額の減少による変更の
登記の申請書には、
定款に別段の定めがある場合を除き、
総社員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。
□正解: 〇
□解説
合資会社は、
定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって、
定款の変更をすることができます(
会社法576条1項6号、637条)。
よって、本肢の
登記の申請書には、総社員の同意があったことを証する書面
を添付しなければなりません(商業
登記法111条で準用する93条)。
4.
合名会社の社員の持分の
差押えによる当該社員の退社の
登記の申請書には、
当該持分に係る差押命令書ならびに
当該
合名会社および当該社員あての退社予告書であって
事業年度の終了時の6ヶ月前までに退社の予告をした事実が判明するもの等の
当該社員の退社の事実を証する書面の添付を要しない。
□正解: ×
□解説
社員の持分を
差し押さえた
債権者は、
事業年度の終了時において当該社員を退社させることができ、
この場合、当該
債権者は、6ヶ月前までに、持分会社および当該社員に、
その予告をしなければなりません(
会社法609条1項)。
よって、本肢の
登記の申請書には、
当該持分に係る差押命令書ならびに
当該
合名会社および当該社員あての退社予告書であって
事業年度の終了時の6ヶ月前までに退社の予告をした事実が判明するもの等の
当該社員の退社の事実を証する書面を添付しなければなりません。
5.社員の死亡によりその
相続人が当該社員の持分を承継する旨
を
定款で定めている
合資会社の社員が死亡した場合には、
遺産分割協議により当該社員の
相続人のうちの1人
を社員の持分を承継する者と定めたときであっても、
相続人であって社員以外の者すべてを社員とする変更の
登記
の申請をしなければならない。
□正解: 〇
□解説
合資会社は、その社員が死亡した場合または
合併により消滅した場合における
当該社員の
相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨
を
定款で定めることができます(
会社法608条1項)。
しかし、本肢の場合、当該
定款の定めに従い、
死亡した社員の持分を承継するのは、
相続人のうちの1人ではなく、
相続人全員となりますので、
相続人であって社員以外の者すべてを社員とする変更の
登記
の申請をしなければなりません(先例)。
★次号の内容は、未定です。
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3.編集後記
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★継続した支援で、東北にパワーを送りましょう!
※)
http://m-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-8820.html
■本号は、いかがでしたか?
次号の発行は、2011/7/1(金)を予定しております。
■編集責任者:
行政書士 津留信康
□津留
行政書士事務所
http://www.n-tsuru.com
□当事務所へのご連絡は、
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■当メルマガの発行は、「まぐまぐ(
http://www.mag2.com/)」を利用しており、
購読の解除は、「
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■当メールマガジンの無断転載等を禁じます。
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■行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第179号/2011/6/15>■
1.はじめに
2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
起業予定者のための“会社法”等のポイント(123)」
3.編集後記
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1.はじめに
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こんにちは。行政書士の津留信康です。
来月は、司法書士、知財検定、8月は、社労士、10月は、宅建、
そして、11月は、行政書士・・・と、
いよいよ法律系の国家資格・検定(※)の受験シーズンとなります。
受験予定の方々は、ご準備どうぞ怠りなきよう・・・
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それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
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起業予定者のための“会社法”等のポイント(123)」
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★本稿では、「平成22年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
“会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
第17回は、「合名会社または合資会社の登記」に関する問題です。
※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
ご了承ください。
■合名会社または合資会社の登記に関する次の記述のうち、
誤っているものはどれか(午後─第34問)。
1.合資会社の業務を執行しない有限責任社員の持分の一部の譲渡
による変更の登記の申請書には、定款に別段の定めがある場合を除き、
その譲渡につき総社員の同意があったことを証する書面
を添付しなければならない。
□正解: ×
□解説
合資会社の業務を執行しない有限責任社員は、
定款に別段の定めがある場合を除き、
業務を執行する社員の全員の承諾があるときは、
その持分の全部または一部を他人に譲渡することができます(会社法585条2項・4項)。
よって、本肢の登記の申請書に、
持分の一部の譲渡につき総社員の同意があったことを証する書面
の添付は不要です。
2.定款の定めに基づく社員の互選により、
業務執行社員3人のうち1人を代表社員と定めている合名会社において、
当該代表社員が死亡した場合には、
他の業務執行社員が当然に合名会社を代表することにはならず、
改めて、社員の互選により、後任の代表社員を定め、
変更の登記の申請をしなければならない。
□正解: 〇
□解説
本肢の場合((会社法599条1項・3項)において、
当該代表社員が死亡しても、
他の業務執行社員が当然に合名会社を代表することにはならず、
改めて、社員の互選により、後任の代表社員を定め、
変更の登記の申請をしなければなりません(先例)。
3.合資会社の有限責任社員の出資の価額の減少による変更の登記の申請書には、
定款に別段の定めがある場合を除き、
総社員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。
□正解: 〇
□解説
合資会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって、
定款の変更をすることができます(会社法576条1項6号、637条)。
よって、本肢の登記の申請書には、総社員の同意があったことを証する書面
を添付しなければなりません(商業登記法111条で準用する93条)。
4.合名会社の社員の持分の差押えによる当該社員の退社の登記の申請書には、
当該持分に係る差押命令書ならびに
当該合名会社および当該社員あての退社予告書であって
事業年度の終了時の6ヶ月前までに退社の予告をした事実が判明するもの等の
当該社員の退社の事実を証する書面の添付を要しない。
□正解: ×
□解説
社員の持分を差し押さえた債権者は、
事業年度の終了時において当該社員を退社させることができ、
この場合、当該債権者は、6ヶ月前までに、持分会社および当該社員に、
その予告をしなければなりません(会社法609条1項)。
よって、本肢の登記の申請書には、
当該持分に係る差押命令書ならびに
当該合名会社および当該社員あての退社予告書であって
事業年度の終了時の6ヶ月前までに退社の予告をした事実が判明するもの等の
当該社員の退社の事実を証する書面を添付しなければなりません。
5.社員の死亡によりその相続人が当該社員の持分を承継する旨
を定款で定めている合資会社の社員が死亡した場合には、
遺産分割協議により当該社員の相続人のうちの1人
を社員の持分を承継する者と定めたときであっても、
相続人であって社員以外の者すべてを社員とする変更の登記
の申請をしなければならない。
□正解: 〇
□解説
合資会社は、その社員が死亡した場合または合併により消滅した場合における
当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨
を定款で定めることができます(会社法608条1項)。
しかし、本肢の場合、当該定款の定めに従い、
死亡した社員の持分を承継するのは、
相続人のうちの1人ではなく、相続人全員となりますので、
相続人であって社員以外の者すべてを社員とする変更の登記
の申請をしなければなりません(先例)。
★次号の内容は、未定です。
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3.編集後記
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★継続した支援で、東北にパワーを送りましょう!
※)
http://m-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-8820.html
■本号は、いかがでしたか?
次号の発行は、2011/7/1(金)を予定しております。
■編集責任者:行政書士 津留信康
□津留行政書士事務所
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