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賃金「全額払い」の原則 ☆☆☆
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労働基準法は、
「
賃金は、通貨で、直接
労働者に、その全額を支払わなければならない」
(労基24条1項本文)と定めています。
ただし、「法令に別段の定めがある場合又は当該
事業場の
労働者の過半数で
組織する
労働組合があるときはその
労働組合、
労働者の過半数で組織する
労働組合がないときは
労働者の過半数を代表する者との書面による協定が
ある場合においては、
賃金の一都を控除して支払うことができる」とされて
います。
「法令に別段の定めがある場合」
とは、
給与所得税の源泉徴収、
社会保険料の控除などです。
それ以外にも、
全額払いの原則については、
労使協定によって例外の道が
設定されているというわけです。(この
労使協定のことを「
賃金控除協定」
または「二四協定」と呼びます)が、これは、「購買代金、社宅、寮
その他の福利、厚生施設の
費用、社内
預金、組合費等、事理明白なものに
ついてのみ、
労使協定によって
賃金から控除することを認める趣旨である」
とされています。
===================================================================
●
賃金債権との
相殺
===================================================================
1.前借金
相殺の禁止
労働基準法17条では
使用者が前借金について
賃金と
相殺することを
禁止しています。
2.その他の
債権との
相殺の禁止
17条以外に
相殺禁止の規定はありませんが、
労働基準法24条1項の
全額払いの原則は,
使用者による、
労働者に対する
債権を自働
債権として
賃金債権を受働
債権とする
相殺をも一般的に禁止しているものと解されて
います。
これは、自働
債権が
労働者の
不法行為による
損害賠償請求権の場合で
あっても変わりません。
ただし、この
相殺禁止には、いくつかの例外があります。
例外(1)合意
相殺:
使用者と
労働者との合意のうえでの
賃金債権の
相殺
この場合について、最高裁は,
労働者の自由意思に基づくと認め
うる合理的な理由が客観的に存在すれば合意
相殺も適法であると
判断しています。
(2)調整的
相殺:
賃金の計算期間の途中で
賃金が支払われる場合、
その後に欠勤日があると、欠勤日の貸金を支払わない企業では
賃金の
過払いが生じ、翌月の
賃金から
過払い分を差し引いて
支払うことがあります。
こうした「調整的
相殺」(貸金
債権と過払
賃金についての
不当利得返還
請求権との
相殺)について、最高裁は、【1】
過払いの時期と
相殺の時期が
接着しており、【2】額が多額にわたらず、かつ、【3】
労働者への予告を
行うなど、
労働者の経済生活の安定を脅かすおそれがない場合には、
実質的には
賃金の清算であるから、
全額払いの原則には違反しないとして
います。
===================================================================
●
賃金債権の放棄
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労働者が
賃金債権を放棄した場合には、客観的にみてそれが自由意思により
なされたものであると認められる合理的理由が存在すれば、
使用者がその
賃金を支払わなくとも
全額払いの原則には違反しないと解されています。
(弁護士 緒方義行
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労働基準法は、
「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」
(労基24条1項本文)と定めています。
ただし、「法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で
組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する
労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定が
ある場合においては、賃金の一都を控除して支払うことができる」とされて
います。
「法令に別段の定めがある場合」
とは、給与所得税の源泉徴収、社会保険料の控除などです。
それ以外にも、全額払いの原則については、労使協定によって例外の道が
設定されているというわけです。(この労使協定のことを「賃金控除協定」
または「二四協定」と呼びます)が、これは、「購買代金、社宅、寮
その他の福利、厚生施設の費用、社内預金、組合費等、事理明白なものに
ついてのみ、労使協定によって賃金から控除することを認める趣旨である」
とされています。
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● 賃金債権との相殺
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1.前借金相殺の禁止
労働基準法17条では使用者が前借金について賃金と相殺することを
禁止しています。
2.その他の債権との相殺の禁止
17条以外に相殺禁止の規定はありませんが、労働基準法24条1項の
全額払いの原則は,使用者による、労働者に対する債権を自働債権として
賃金債権を受働債権とする相殺をも一般的に禁止しているものと解されて
います。
これは、自働債権が労働者の不法行為による損害賠償請求権の場合で
あっても変わりません。
ただし、この相殺禁止には、いくつかの例外があります。
例外(1)合意相殺:使用者と労働者との合意のうえでの賃金債権の相殺
この場合について、最高裁は,労働者の自由意思に基づくと認め
うる合理的な理由が客観的に存在すれば合意相殺も適法であると
判断しています。
(2)調整的相殺:賃金の計算期間の途中で賃金が支払われる場合、
その後に欠勤日があると、欠勤日の貸金を支払わない企業では
賃金の過払いが生じ、翌月の賃金から過払い分を差し引いて
支払うことがあります。
こうした「調整的相殺」(貸金債権と過払賃金についての不当利得返還
請求権との相殺)について、最高裁は、【1】過払いの時期と相殺の時期が
接着しており、【2】額が多額にわたらず、かつ、【3】労働者への予告を
行うなど、労働者の経済生活の安定を脅かすおそれがない場合には、
実質的には賃金の清算であるから、全額払いの原則には違反しないとして
います。
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● 賃金債権の放棄
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労働者が賃金債権を放棄した場合には、客観的にみてそれが自由意思により
なされたものであると認められる合理的理由が存在すれば、使用者がその
賃金を支払わなくとも全額払いの原則には違反しないと解されています。
(弁護士 緒方義行
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「人」の問題として考えています。
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