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いわゆる”雇止め”に関する基準

こんにちは 社会保険労務士の三木です。

すっかり涼しくなり、虫の声が賑やかなこの頃です。

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有期労働契約(期間を定めて締結された労働契約)については、契約更新の繰り返しにより、一定期間雇用を継続したにもかかわらず、突然、契約更新をせずに期間満了をもって退職させる等の、いわゆる「雇止め」をめぐるトラブルが「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」が設置された後も依然多く発生し、大きな社会問題となっています。

そこで今回は、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」を改めて掲載させていただきます。(平成15年10月22日厚生労働大臣告示第357号)

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「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」

Ⅰ 契約締結時の明示事項等(第1条関係)

使用者は、有期契約労働者に対して、契約の締結時にその契約の更新の有無を明示しなければなりません。
使用者が、有期労働契約を更新する場合があると明示したときは、労働 者に対して、契約を更新する場合又はしない場合の判断の基準を明示しなければなりません。
使用者は、有期労働契約の締結後に①又は②について変更する場合には、労働者に対して、速やかにその内容を明示しなければなりません。

更新の有無の明示
 明示すべき「更新の有無」の具体的な内容については、例えば下記の例を参考にしてください。
・ 自動的に更新する
・ 更新する場合があり得る
・ 契約の更新はしない 
等を明示することが考えられます。

判断の基準の明示
 明示すべき「判断の基準」の具体的な内容については、例えば下記の例を参考にしてください。
・ 契約期間満了時の業務量により判断する
・ 労働者の勤務成績、態度により判断する
・ 労働者の能力により判断する
・ 会社の経営状況により判断する
・ 従事している業務の進捗状況により判断する 
等を明示することが考えられます。

★その他留意すべき事項
これらの事項については、トラブルを未然に防止する観点から、使用者から労働者に対して書面により明示することが望ましいものです。上記及びにつき意思表示の内容を変更する場合も同様です。また、これらが労働契約の一部となっている場合には、その変更には当該労働者の同意が必要となります。

Ⅱ 雇止めの予告(第2条関係)

使用者は、契約締結時に、その契約を更新する旨明示していた有期労働契約(締結している労働者を1年以上継続して雇用している場合に限ります。)を更新しない場合には、少なくとも契約の期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければなりません。

★ここでの対象となる有期労働契約は、
①1年以下の契約期間労働契約が更新または反復更新され、最初に労働契約を締結してから継続して通算1年を超える場合
②1年を超える契約期間労働契約を締結している場合
です。
★なお、30日未満の契約期間労働契約の更新を繰り返して1年を超えた場合の雇止めに関しては、30日前までにその予告をするのが不可能な場合であっても、本条の趣旨に照らし、使用者はできる限り速やかにその予告をしなければなりません。

Ⅲ 雇止めの理由の明示(第3条関係)

使用者は、雇止めの予告後に労働者が雇止めの理由について証明書を請求した場合は、遅滞なくこれを交付しなければなりません。
また、雇止めの後に労働者から請求された場合も同様です。

★雇止めの理由を明示
明示すべき「雇止めの理由」は、契約期間の満了とは別の理由とすることが必要です。例えば下記の例を参考にしてください。
・ 前回の契約更新時に、本契約を更新しないことが合意されていたため
・ 契約締結当初から更新回数の上限を設けており、本契約は当該上限に係るものであるため
・ 担当していた業務が終了・中止したため
・ 事業縮小のため
・ 業務を遂行する能力が十分ではないと認められるため
・ 職務命令に対する違反行為を行ったこと、無断欠勤をしたこと等勤務不良のため 
等を明示することが考えられます。

Ⅳ 契約期間についての配慮(第4条関係)

使用者は、契約を1回以上更新し、1年以上継続して雇用している有期契約労働者との契約を更新しようとする場合は、契約の実態及びその労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするよう努めなければなりません。

契約期間の上限は原則3年(一定の場合に上限は5年)です。
本条における「労働契約の実態」とは、たとえば、有期労働契約の反復更新を繰り返した後、雇止めをした場合であっても、裁判において当該雇止めをした場合であっても、業務の都合上、必然的に労働契約の期間が一定の期間に限定され、それ以上の長期の期間では契約を締結できないような実態を指します。

(参考)労働契約期間について
有期労働契約を締結する場合、その期間の長さについて、労働基準法第14条は次のように定めています。
(原則)上限3年
 ただし、有期労働契約(特例3に定めるものを除き、その期間が一年を超えるものに限ります。)を締結した労働者(下記特例1又は2に該当する労働者は除きます。)は、労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができます〔この措置は、政府が、改正労働基準法の施行後3年を経過した後に、その施行の状況を勘案しつつ検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるまでの間の暫定措置です。〕。
(特例1)
専門的な知識、技術又は経験(以下「専門的知識等」という。)であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る。)との間に締結される労働契約  上限5年
(特例2)
満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約 上限5年
(特例3)
一定の事業の完了に必要な期間を定める労働契約
有期の建設工事等 その期間

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【免責条項】

記事の内容には万全を期しておりますが、記載内容によって生じる
損害につきましては責任を負いかねますのでご承知おきください。

三木経営労務管理事務所

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