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経営・
労務管理ビジネス用語の
あれっ! これ、どうだった?!
第63回
年次有給休暇制度に関するQ&A(その6)
Q10.2か月
契約の
雇用を何回か更新し
6か月経過したら年休を付与すべきか?
Q11.当日の朝に申請された年休も
認めなければならないか?
<第83号> 平成23年12月19日(月)
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http://www.ho-wiki06.com
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こんにちは!
メルマガ初訪問の皆さま、ありがとうございます。
1週間のご無沙汰でした。
亥年のアラ還、小野寺です。
本日も年休に係るQ&Aとして解説します。
Q10.2か月
契約の
雇用を何回か更新し6か月経過したら
年休を付与すべきか?
○
年休付与の法定要件は、(1)6か月間の継続勤務と、
(2)その間の
全労働日の8割以上出勤(勤務)の2点と
なっています(労基法第39条第1項)。
この質問の場合は(1)の継続勤務に関わっている問題です。
「継続勤務」という文言は、出勤を意味するようにも
考えられますが、年休発生の第二要件として
出勤率が
規定されていることを勘案しますと、
第一要件としての継続勤務は出勤を意味するのではなく、
労働契約の存続期間、つまり
事業場における「在籍期間」を
意味するものと解されます。
従って、例えば
労働組合の専従者としての専従期間や
長期療養等のため
休職している期間も
いずれも
事業場に在籍していることから継続勤務期間として
取り扱わなければなりません。
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労務管理全般について体系的に学びたいという方に是非!
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◆◆ 短期間の
雇用契約の更新と継続勤務 ◆◆
○ 本条の継続勤務の捉え方については、
形式的にのみ判断すべきものではなく、勤務の実態に即し
実質的に判断すべきものと解されています。
質問の2か月の短期
契約者の
雇用契約を更新し、事実上、
6か月以上使用している場合は、
契約更新は単なる形式にとどまり、実質的には労働関係が
継続している、実態からみて引き続き使用されていると
認められる場合は継続勤務に該当する(昭63.3.14基発
第150号)と示しています。
○ また日雇の場合も上記に準じて考えるものとされているが、
多くの場合多かれ少なかれ
休日以外の日に事実上、
就労しない日があり、
これによって継続勤務の事実が中断するかどうかが
問題となるが、もっぱら同一
事業場の業務に従事していれば
休日以外に欠勤その他就労しない日が多少あったとしても
継続勤務の事実は中断されないと解されています。
また、
休日以外の日に
労働者が当該
事業場に出勤せず、
他の
事業場で働いていた場合は労働の継続は中断されますが
休日又は
労働者の意思と関係なく就労できなかった日に
他の
事業場で就労したとしても、これだけによっては
労働の継続は中断されないと解されます。
○ 特に、年休の請求資格があるか否かが問題となるような
6か月以上の長期間にわたって事実上使用されている
場合については、
ある月の
勤務日数が常用
労働者の1か月
稼働日数である
21~22日を下回ることがあっても、
それが
労働者自らが進んで他の
事業場に就労したためのもので
ない限り、継続勤務の事実は中断されないと考えられます。
○ 短期
契約労働者の場合について、
契約更新をする場合に
直ちに更新せず、数日の間隔を置いてから
契約を更新している
事業場もあるようですが、
このような場合に継続勤務の事実が中断したとみられるか
否かの判定に当たっては、日雇と同様の見解が当てはまり、
さらには
契約更新時に間隔を置くことが年休の付与義務を
免れるための脱法的意図でなされているものかどうかも考慮し、
法令の適正な運用が測られるべきとしています。
この点に関連して解釈例規では、「公共事業に従事している
一般職の日日雇い入れられる非常勤職員」が、
「
会計年度末に
退職し、約10日間の離職期間があった後、
次
会計年度の当初に特別職の職員として
採用された」場合に
ついて、
前後を通じて同一の公共事業に
雇用されている限り、
その職員の労働関係は、実質的に継続していると認めて
います(昭36.11.27基収第5115号)。
また、いわゆる競争事業
従業員について、おおむね毎月
就労すべき日が存すること、かつ
雇用保険法に基づく
日雇労働求職者給付金の支給を受ける等、
継続勤務を否定する事実が存しない場合に、継続勤務と
解されるとの解釈例規もあります(平元.3.10基収第140号)。
○ 以上から考えますと、日雇並びに短期
契約労働者であっても
雇用契約の更新をして6か月経過した場合には
法所定の年休を付与しなければなりません。(なお、第二要件の
出勤率は充たしていることは当然ですが・・・・)(了)
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
Q11.当日の朝に申請された年休も認めなければ
ならないか?
○ 結論して言いますと、原則として
時季変更権行使の判断が
不可能な当日の朝の年休申請は認めず、欠勤扱いとすることは
可能です。
ただし、病気やケガ等の止むを得ない場合も考えられる
ことから、
就業規則等にその旨を明確に規定し、
年休取得を認め、事後速やかに手続処理すること等の
工夫も必要と考えられます。
○ 年休は、労基法第39条で定める一定の要件を充たす
ことにより、勤続年数に応じた日数が付与されるものであり、
これは週の
所定労働日数の少ないパートタイマー等で
あっても一定の要件を満たせば、
それぞれの勤続年数と
所定労働日数に応じた日数の
年休が付与されることになっています。
そして、その取得時季についても
労働者に
時季指定権を与え
使用者は
労働者が指定する時期に出来る限り
年休が取得できるように配慮すべきものとしています。
○ ただし、
使用者においても
労働者が指定した年休の
請求日が「事業の正常な運営を妨げる場合」には、
他の日に変更できる
時季変更権を認めています。
一般に
事業場の
就業規則等で、年休取得の手続として
年休取得の申出あるいは年休申請書を
取得日の前日もしくは前々日の終業時までに担当部署に
提出するように定めていることが多いのですが、
これは、
時季変更権行使を判断する時間的余裕の
必要性からのことと言えます。
従って、当日の朝に年休の申出があった場合、
使用者において
時季変更権行使の判断が不可能となることから
年休申請は認めずに欠勤扱いとしたとしても
直ちに違法とは言えません。
○ また、年休の付与単位の面から考えてみますと、
労基法では、年休は「労働日」つまり「1日」を単位として
付与されます。
そして、労働日とは
暦日計算によるものとされ、
原則として午前0時から午後12時までの24時間を
「1労働日」としています(昭63.3.14
基発第150号)。
そこで年休を取得した場合はその日の労働義務が
免除されますが、
時間的にみると、
事業場の始業時刻から年休が
始まるのではなく、
暦日計算によって
その日の午前0時から休暇が始まり、
使用者は午前0時からの
24時間の休息を与えることによって「1労働日」の
年休を与えたことになります。
このことからも、年休申請がその日の始業時刻前で
あったとしても、すでに午前0時を過ぎているため
「労働日」が始まってからの事後の申請であることになり
この点からも欠勤扱いとすることには合理性があります。
この点に関連して本メルマガ第81号のQ6の最後に引用した
最高裁の判決を再度、参考として記載しておきます。
○ 年休の
時季指定が、例えば当日の所定
就業時間の
直前に行われた場合に、
使用者の時季変更が、休暇の途中又は事後に行使された
事案について最高裁は、次のように判示しています。
「
労働者の
年次有給休暇の請求(
時季指定)に対する
使用者の
時季変更権の行使が、
労働者の指定した休暇期間が開始し又は経過した後に
された場合であっても、
労働者の休暇の請求自体が、その指定した休暇期間の始期に
きわめて接近してされたため
使用者において
時季変更権を
行使する時間的余裕がなかったようなときには、
それが事前になされなかったことのゆえに直ちに
不適法となるものではなく、
客観的に右変更権を行使しうる事由が存し、かつ、その行使が
遅滞なくされたものである場合には、
適法な
時季変更権の行使があったものとして、その効力を
認めるのが相当である。」(「此花電報電話局事件」昭57.3.18
最高裁第一小法廷判決)としています。
◆◆
労働者の便宜上、病気等の場合の特例も大事 ◆◆
○ ただし、病気やケガなど、止むを得ない理由で、
当該
労働者が出勤の予定でいたが、発熱と懈怠感のため
出勤しても仕事にならないと判断し、当日の朝に年休の申出を
することも日常的に起こり得ることです。
そういう場合にまで厳格に対処することは、
労働者の反発と不信を生むことにもなりかねません。
従って、
就業規則等において原則としては認めないこととして
止むを得ない場合で
使用者が認めた時に限り年休を認め
事後速やかに手続処理する旨の規定を設けておくことも
必要な措置と考えるものです。(了)
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■■ 編集後記 ■■
きょうも最後までお読みいただきありがとうございます。
最初にご報告させていただきますが、
本メルマガは今月一杯(12月26日付通算第84号)で
終了することになりました。
長期間のご愛読、大変にありがとうございました。
詳細は、最終号で述べさせていただきます。
○ 先日、障害者
雇用人数が過去最高になったとの
厚労省の発表がありました。
すなわち、企業で働いている障害者の人数が過去最高の
36万6199人(本年6月1日時点)になったのです。
障害者
雇用率は全体で1.65%となったとともに、
1.8%の法定
雇用義務を満たしている企業の割合は、
45.3%となっています。
○ カジュアル衣料品の製造販売の最大手、ユニクロの
柳井社長兼
CEOは、2001年からCSR(企業の社会的
責任)の一環として、
全国の店舗に1人ずつ障害者(特に知的障害者)を
雇用していきました。
結果として、全国約1万1000人のうち障害者は890人、
雇用率は実に8.09%となりました(2年前の実績)。
障害者は健常者に比べて、動作・行動が遅いものです。
しかし、本人は時間を忘れ一生懸命に働きます。
それは仕事を通じて、役に立てる、頼りにされる、そして
働く喜びを実感できることからなのです。
その姿に、健常者も障害者を護り支え、その結果
職場に一体感、団結が生まれ良い効果・結果を生むといいます。
同じ人間として等しく働けるやさしい社会の構築こそ
時代の要請であると感ずる一人です。
では、また次号でお会いしましょう。
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★メールマガジン「経営・
労務管理ビジネス用語の
あれっ!これ、どうだった?!」
★発行責任者 小野寺 弘
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経営・労務管理ビジネス用語の
あれっ! これ、どうだった?!
第63回 年次有給休暇制度に関するQ&A(その6)
Q10.2か月契約の雇用を何回か更新し
6か月経過したら年休を付与すべきか?
Q11.当日の朝に申請された年休も
認めなければならないか?
<第83号> 平成23年12月19日(月)
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こんにちは!
メルマガ初訪問の皆さま、ありがとうございます。
1週間のご無沙汰でした。
亥年のアラ還、小野寺です。
本日も年休に係るQ&Aとして解説します。
Q10.2か月契約の雇用を何回か更新し6か月経過したら
年休を付与すべきか?
○ 年休付与の法定要件は、(1)6か月間の継続勤務と、
(2)その間の全労働日の8割以上出勤(勤務)の2点と
なっています(労基法第39条第1項)。
この質問の場合は(1)の継続勤務に関わっている問題です。
「継続勤務」という文言は、出勤を意味するようにも
考えられますが、年休発生の第二要件として出勤率が
規定されていることを勘案しますと、
第一要件としての継続勤務は出勤を意味するのではなく、
労働契約の存続期間、つまり事業場における「在籍期間」を
意味するものと解されます。
従って、例えば労働組合の専従者としての専従期間や
長期療養等のため休職している期間も
いずれも事業場に在籍していることから継続勤務期間として
取り扱わなければなりません。
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◆◆ 短期間の雇用契約の更新と継続勤務 ◆◆
○ 本条の継続勤務の捉え方については、
形式的にのみ判断すべきものではなく、勤務の実態に即し
実質的に判断すべきものと解されています。
質問の2か月の短期契約者の雇用契約を更新し、事実上、
6か月以上使用している場合は、
契約更新は単なる形式にとどまり、実質的には労働関係が
継続している、実態からみて引き続き使用されていると
認められる場合は継続勤務に該当する(昭63.3.14基発
第150号)と示しています。
○ また日雇の場合も上記に準じて考えるものとされているが、
多くの場合多かれ少なかれ休日以外の日に事実上、
就労しない日があり、
これによって継続勤務の事実が中断するかどうかが
問題となるが、もっぱら同一事業場の業務に従事していれば
休日以外に欠勤その他就労しない日が多少あったとしても
継続勤務の事実は中断されないと解されています。
また、休日以外の日に労働者が当該事業場に出勤せず、
他の事業場で働いていた場合は労働の継続は中断されますが
休日又は労働者の意思と関係なく就労できなかった日に
他の事業場で就労したとしても、これだけによっては
労働の継続は中断されないと解されます。
○ 特に、年休の請求資格があるか否かが問題となるような
6か月以上の長期間にわたって事実上使用されている
場合については、
ある月の勤務日数が常用労働者の1か月稼働日数である
21~22日を下回ることがあっても、
それが労働者自らが進んで他の事業場に就労したためのもので
ない限り、継続勤務の事実は中断されないと考えられます。
○ 短期契約労働者の場合について、契約更新をする場合に
直ちに更新せず、数日の間隔を置いてから契約を更新している
事業場もあるようですが、
このような場合に継続勤務の事実が中断したとみられるか
否かの判定に当たっては、日雇と同様の見解が当てはまり、
さらには契約更新時に間隔を置くことが年休の付与義務を
免れるための脱法的意図でなされているものかどうかも考慮し、
法令の適正な運用が測られるべきとしています。
この点に関連して解釈例規では、「公共事業に従事している
一般職の日日雇い入れられる非常勤職員」が、
「会計年度末に退職し、約10日間の離職期間があった後、
次会計年度の当初に特別職の職員として採用された」場合に
ついて、
前後を通じて同一の公共事業に雇用されている限り、
その職員の労働関係は、実質的に継続していると認めて
います(昭36.11.27基収第5115号)。
また、いわゆる競争事業従業員について、おおむね毎月
就労すべき日が存すること、かつ雇用保険法に基づく
日雇労働求職者給付金の支給を受ける等、
継続勤務を否定する事実が存しない場合に、継続勤務と
解されるとの解釈例規もあります(平元.3.10基収第140号)。
○ 以上から考えますと、日雇並びに短期契約労働者であっても
雇用契約の更新をして6か月経過した場合には
法所定の年休を付与しなければなりません。(なお、第二要件の
出勤率は充たしていることは当然ですが・・・・)(了)
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
Q11.当日の朝に申請された年休も認めなければ
ならないか?
○ 結論して言いますと、原則として時季変更権行使の判断が
不可能な当日の朝の年休申請は認めず、欠勤扱いとすることは
可能です。
ただし、病気やケガ等の止むを得ない場合も考えられる
ことから、就業規則等にその旨を明確に規定し、
年休取得を認め、事後速やかに手続処理すること等の
工夫も必要と考えられます。
○ 年休は、労基法第39条で定める一定の要件を充たす
ことにより、勤続年数に応じた日数が付与されるものであり、
これは週の所定労働日数の少ないパートタイマー等で
あっても一定の要件を満たせば、
それぞれの勤続年数と所定労働日数に応じた日数の
年休が付与されることになっています。
そして、その取得時季についても労働者に時季指定権を与え
使用者は労働者が指定する時期に出来る限り
年休が取得できるように配慮すべきものとしています。
○ ただし、使用者においても労働者が指定した年休の
請求日が「事業の正常な運営を妨げる場合」には、
他の日に変更できる時季変更権を認めています。
一般に事業場の就業規則等で、年休取得の手続として
年休取得の申出あるいは年休申請書を
取得日の前日もしくは前々日の終業時までに担当部署に
提出するように定めていることが多いのですが、
これは、時季変更権行使を判断する時間的余裕の
必要性からのことと言えます。
従って、当日の朝に年休の申出があった場合、
使用者において時季変更権行使の判断が不可能となることから
年休申請は認めずに欠勤扱いとしたとしても
直ちに違法とは言えません。
○ また、年休の付与単位の面から考えてみますと、
労基法では、年休は「労働日」つまり「1日」を単位として
付与されます。
そして、労働日とは暦日計算によるものとされ、
原則として午前0時から午後12時までの24時間を
「1労働日」としています(昭63.3.14基発第150号)。
そこで年休を取得した場合はその日の労働義務が
免除されますが、
時間的にみると、事業場の始業時刻から年休が
始まるのではなく、暦日計算によって
その日の午前0時から休暇が始まり、使用者は午前0時からの
24時間の休息を与えることによって「1労働日」の
年休を与えたことになります。
このことからも、年休申請がその日の始業時刻前で
あったとしても、すでに午前0時を過ぎているため
「労働日」が始まってからの事後の申請であることになり
この点からも欠勤扱いとすることには合理性があります。
この点に関連して本メルマガ第81号のQ6の最後に引用した
最高裁の判決を再度、参考として記載しておきます。
○ 年休の時季指定が、例えば当日の所定就業時間の
直前に行われた場合に、
使用者の時季変更が、休暇の途中又は事後に行使された
事案について最高裁は、次のように判示しています。
「労働者の年次有給休暇の請求(時季指定)に対する
使用者の時季変更権の行使が、
労働者の指定した休暇期間が開始し又は経過した後に
された場合であっても、
労働者の休暇の請求自体が、その指定した休暇期間の始期に
きわめて接近してされたため使用者において時季変更権を
行使する時間的余裕がなかったようなときには、
それが事前になされなかったことのゆえに直ちに
不適法となるものではなく、
客観的に右変更権を行使しうる事由が存し、かつ、その行使が
遅滞なくされたものである場合には、
適法な時季変更権の行使があったものとして、その効力を
認めるのが相当である。」(「此花電報電話局事件」昭57.3.18
最高裁第一小法廷判決)としています。
◆◆ 労働者の便宜上、病気等の場合の特例も大事 ◆◆
○ ただし、病気やケガなど、止むを得ない理由で、
当該労働者が出勤の予定でいたが、発熱と懈怠感のため
出勤しても仕事にならないと判断し、当日の朝に年休の申出を
することも日常的に起こり得ることです。
そういう場合にまで厳格に対処することは、
労働者の反発と不信を生むことにもなりかねません。
従って、就業規則等において原則としては認めないこととして
止むを得ない場合で使用者が認めた時に限り年休を認め
事後速やかに手続処理する旨の規定を設けておくことも
必要な措置と考えるものです。(了)
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■■ 編集後記 ■■
きょうも最後までお読みいただきありがとうございます。
最初にご報告させていただきますが、
本メルマガは今月一杯(12月26日付通算第84号)で
終了することになりました。
長期間のご愛読、大変にありがとうございました。
詳細は、最終号で述べさせていただきます。
○ 先日、障害者雇用人数が過去最高になったとの
厚労省の発表がありました。
すなわち、企業で働いている障害者の人数が過去最高の
36万6199人(本年6月1日時点)になったのです。
障害者雇用率は全体で1.65%となったとともに、
1.8%の法定雇用義務を満たしている企業の割合は、
45.3%となっています。
○ カジュアル衣料品の製造販売の最大手、ユニクロの
柳井社長兼CEOは、2001年からCSR(企業の社会的
責任)の一環として、
全国の店舗に1人ずつ障害者(特に知的障害者)を
雇用していきました。
結果として、全国約1万1000人のうち障害者は890人、
雇用率は実に8.09%となりました(2年前の実績)。
障害者は健常者に比べて、動作・行動が遅いものです。
しかし、本人は時間を忘れ一生懸命に働きます。
それは仕事を通じて、役に立てる、頼りにされる、そして
働く喜びを実感できることからなのです。
その姿に、健常者も障害者を護り支え、その結果
職場に一体感、団結が生まれ良い効果・結果を生むといいます。
同じ人間として等しく働けるやさしい社会の構築こそ
時代の要請であると感ずる一人です。
では、また次号でお会いしましょう。
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★発行責任者 小野寺 弘
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