2012年3月25日号 (no. 669)
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本日のテーマ【同業他社に転職できないならは、どこに就職するのか。】
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■同種の業務を営む企業への転職に制約がある。
会社によっては、「
退職した後、同じような商売を営む会社へ転職してはいけない」という類のルールが
就業規則に書かれているところがあるのではないでしょうか。もし、ルールに反した場合は、損害を賠償させるという内容も一緒に書かれていたりする。
就業規則に同業他社に移動するときの制約があり、ルールに反した場合は
退職金を支給しないとか、後から同業への転職が判明した場合は返還させるというのもあるようです。
退職後、1年間なり1年間は同業への転職はダメとか。企業によって決め方は様々です。
就業規則の雛形をどこからか持ってきて、その雛形で
就業規則を作っている会社だと、上記のようなルールがあるかもしれませんね。競業避止や秘密の保持のために、転職に制約を課しているようです。
確かに、自社と同じような商売を営んでいる会社へ転職されると、仲間が競合相手に変わるわけですし、デキる人が競合企業に行ってしまうと、その会社のパワーがアップする可能性もある。あとは、引き抜き防止という目的もあるのかもしれない。それゆえ、同業他社への転職は制約したい。
また、自社が何か独特な商売上のノウハウを持っている場合も、自社の社員が同業へ転職するのは都合が悪いかもしれない。コンピューターのCPUを製造する技術とか、ラーメンスープの作り方とか、特殊なインクを作るための原料の内容や配分割合とか、外に出ると困る技術や知識は色々とあります。
しかし、憲法の職業選択の自由に代表されるように、人には仕事を自由に選べる権利がありますので、理想を言えば全く制約を受けないで転職できるのがベストではあります。ただ、憲法上の権利といっても無制約に自由であるわけではなく、一定の制約を受けます。
ちなみに、憲法上の自由には2種類あって、「精神的な自由(思想信条の自由や表現の自由など)」と「経済的な自由」がその2つです。職業選択の自由も憲法上の自由の1つで、これは経済的な自由に該当する。この自由ですが、憲法上の自由だからといって何も制約を受けないわけではなく、精神的な自由も経済的な自由も制約を受けます。法律の実務では、精神的な自由はなるべく制約を課さないようにして、経済的な自由は精神的な自由よりも制約を受けやすいとされています。
企業は自社のノウハウや秘密を外部に出したくない。一方で、その企業で働いている人は制約を受けずに転職したい。
そこで、「職業を選択する自由」と「秘密やノウハウを守りたいという企業の要求」の二者の利益が衝突するため、これをどうやって調和していくかが問題となります。
■トラックの運転手がクレープを作るのはヘン。
同業他社への転職を自由に制限できるというのは行き過ぎですし、一方で、制約なく転職できると考えるのもちょっとバランスが悪い。それゆえ、一定の条件を付けて、その条件の範囲内だけ転職を制約して、その条件に反しないなら転職を制約しないように、アクセルとブレーキを踏み分けるようなルールを設けていく。これが多くの企業での実務ではないかと思います。ある程度は自由に、ある程度は制限する。
労務管理を煮詰めると、このような結論に至りやすいですよね。
転職を制約すると、「職業選択の自由を侵害している」という主張が展開されるときがあります。憲法では職業を自由に選択できると書かれているのだから、同業他社への転職といえども制約してはいけないと言う。
ただ、憲法22条1項は、政府が職業選択の自由を制限してはいけないという意味であって、個人や企業が職業選択の自由を制限しても憲法の範囲外であるという解釈もあります。つまり、政府が転職の自由を制約しているならば、それは職業選択の自由を侵害していると言える。しかし、企業が社員の転職の自由を制約しても職業選択の自由を侵害していないと考えるわけです。憲法は国家を規制するものだから、企業と社員間のトラブルでは使えませんよという解釈のようです。
転職の制約については、法律に決まりがあるわけではないので、どこまでがOKで、どこからがNGなのかは確実には言いにくい。どこまで制約していいのか、どこからはもう制約してはいけないのか。この相場が分かりにくいため、実務でも判断しにくいところです。過度な制約はダメなのかもしれないけれども、どれほどの程度で過度と判断するのか。そこに主観が入ってしまう。だからといって、転職について法律を作るのも行き過ぎた感じもする。
また、何をノウハウや秘密とするのかも物議を醸すところ。人材管理の方法、原材料の配分割合、生産過程を効率的にする方法、考えれば、何でもノウハウや秘密になり得る。見たこと聞いたこと全てがノウハウとは言い切れないし、秘密にすべきこととも言いにくい。もしそうなってしまうと、職場で起こったことを家族に話すだけでも
守秘義務違反になるのですからね。
転職について考えてみると、転職は同業他社に就職するのが普通であって、異業種に転職するのは稀ではないでしょうか。例えば、トラックを運転していた人が、転職してスイーツショップでクレープを作っていると想像するのは難しいですよね。また、大根を売っていた人が、転職して新薬開発に携わるというのもちょっと考えにくい。たこ焼きを焼いていた人が商社に転職するのもあり得なさそうです。
中途
採用市場では、未経験者の転職は思っているほど簡単ではないのです。「中途
採用=経験者」という慣習にようなものがあって、中途で
採用されるのは以前に同様の仕事で経験がある人がほとんどなのではないでしょうか。人材募集の情報を見ていただければ分かりますが、未経験OKでフルタイム社員を募集している企業は少ないです。
実際に同業へ転職したかどうかを知るには、転職者を追跡する必要がある。しかし、追跡するといっても、どうやって追跡するのは不明ですし、同業他社同士で社員の情報を交換するとも思えない。さらには、転職した本人も転職先についてはおそらく話さないでしょうね。
現実には、
就業規則で転職を制約できるものではなく、実際に何らかの損害が発生したら、民事で
損害賠償を請求するにとどまるのではないかと思います。
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残業代は減らせるのか』
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勤務時間は切り捨て?』
『4週4日以外の
変形休日制度もある』
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『管理職は週休3日が理想』
『日曜日=
法定休日と思い込んではいけない』
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半日有給休暇と
半日欠勤の組み合わせはダメ?』
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賃金or贈り物?』
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カードを使わないタイムカード Clockperiod のご紹介です。
タイムカードを使うときに負担なのは、専用の打刻機を用意しなければいけないし、
新しい紙のカードを毎月作らないといけない。さらに、カードを見ながら、電卓や
表計算ソフトで
勤務時間を集計しないといけない。
しかも、給与の締め日から支給日までの短期間で集計作業をしないといけないので、
作業する人にとっては
勤務時間の集計は悩みのタネですよね。
そんな悩みをどうやって解決するか。
そこで、電子タイムカードの Clockperiod が登場です。
Clockperiod は、紙のカードと打刻機を使わない電子タイムカードですから、
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集める必要はありません。さらに、毎月、新しい紙のカードに社員全員の名前を
書いてカードストッカーに入れることもなくなります。
始業や終業、
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Clockperiodは、出退勤の時刻をタイムカード無しで記録できます。タイムカード
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勤務時間を管理している企業にオススメです。
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また、勤務記録の改ざんや不正な打刻を把握できるログ機能もあります。
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残業で悩んでいませんか?
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こういう悩み、よくありますよね。
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残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。
法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、
割増賃金が必要になります。
とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?
毎日8時間の時間制限があると、柔軟に
勤務時間を配分できませんよね。
例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。
仕事に合わせて、ある日は
勤務時間を短く、ある日は
勤務時間を長くできれば、便利ですよね。
でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。
「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。
『残業管理のアメと罠』
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会社によっては、「退職した後、同じような商売を営む会社へ転職してはいけない」という類のルールが就業規則に書かれているところがあるのではないでしょうか。もし、ルールに反した場合は、損害を賠償させるという内容も一緒に書かれていたりする。
就業規則に同業他社に移動するときの制約があり、ルールに反した場合は退職金を支給しないとか、後から同業への転職が判明した場合は返還させるというのもあるようです。退職後、1年間なり1年間は同業への転職はダメとか。企業によって決め方は様々です。
就業規則の雛形をどこからか持ってきて、その雛形で就業規則を作っている会社だと、上記のようなルールがあるかもしれませんね。競業避止や秘密の保持のために、転職に制約を課しているようです。
確かに、自社と同じような商売を営んでいる会社へ転職されると、仲間が競合相手に変わるわけですし、デキる人が競合企業に行ってしまうと、その会社のパワーがアップする可能性もある。あとは、引き抜き防止という目的もあるのかもしれない。それゆえ、同業他社への転職は制約したい。
また、自社が何か独特な商売上のノウハウを持っている場合も、自社の社員が同業へ転職するのは都合が悪いかもしれない。コンピューターのCPUを製造する技術とか、ラーメンスープの作り方とか、特殊なインクを作るための原料の内容や配分割合とか、外に出ると困る技術や知識は色々とあります。
しかし、憲法の職業選択の自由に代表されるように、人には仕事を自由に選べる権利がありますので、理想を言えば全く制約を受けないで転職できるのがベストではあります。ただ、憲法上の権利といっても無制約に自由であるわけではなく、一定の制約を受けます。
ちなみに、憲法上の自由には2種類あって、「精神的な自由(思想信条の自由や表現の自由など)」と「経済的な自由」がその2つです。職業選択の自由も憲法上の自由の1つで、これは経済的な自由に該当する。この自由ですが、憲法上の自由だからといって何も制約を受けないわけではなく、精神的な自由も経済的な自由も制約を受けます。法律の実務では、精神的な自由はなるべく制約を課さないようにして、経済的な自由は精神的な自由よりも制約を受けやすいとされています。
企業は自社のノウハウや秘密を外部に出したくない。一方で、その企業で働いている人は制約を受けずに転職したい。
そこで、「職業を選択する自由」と「秘密やノウハウを守りたいという企業の要求」の二者の利益が衝突するため、これをどうやって調和していくかが問題となります。
■トラックの運転手がクレープを作るのはヘン。
同業他社への転職を自由に制限できるというのは行き過ぎですし、一方で、制約なく転職できると考えるのもちょっとバランスが悪い。それゆえ、一定の条件を付けて、その条件の範囲内だけ転職を制約して、その条件に反しないなら転職を制約しないように、アクセルとブレーキを踏み分けるようなルールを設けていく。これが多くの企業での実務ではないかと思います。ある程度は自由に、ある程度は制限する。労務管理を煮詰めると、このような結論に至りやすいですよね。
転職を制約すると、「職業選択の自由を侵害している」という主張が展開されるときがあります。憲法では職業を自由に選択できると書かれているのだから、同業他社への転職といえども制約してはいけないと言う。
ただ、憲法22条1項は、政府が職業選択の自由を制限してはいけないという意味であって、個人や企業が職業選択の自由を制限しても憲法の範囲外であるという解釈もあります。つまり、政府が転職の自由を制約しているならば、それは職業選択の自由を侵害していると言える。しかし、企業が社員の転職の自由を制約しても職業選択の自由を侵害していないと考えるわけです。憲法は国家を規制するものだから、企業と社員間のトラブルでは使えませんよという解釈のようです。
転職の制約については、法律に決まりがあるわけではないので、どこまでがOKで、どこからがNGなのかは確実には言いにくい。どこまで制約していいのか、どこからはもう制約してはいけないのか。この相場が分かりにくいため、実務でも判断しにくいところです。過度な制約はダメなのかもしれないけれども、どれほどの程度で過度と判断するのか。そこに主観が入ってしまう。だからといって、転職について法律を作るのも行き過ぎた感じもする。
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転職について考えてみると、転職は同業他社に就職するのが普通であって、異業種に転職するのは稀ではないでしょうか。例えば、トラックを運転していた人が、転職してスイーツショップでクレープを作っていると想像するのは難しいですよね。また、大根を売っていた人が、転職して新薬開発に携わるというのもちょっと考えにくい。たこ焼きを焼いていた人が商社に転職するのもあり得なさそうです。
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実際に同業へ転職したかどうかを知るには、転職者を追跡する必要がある。しかし、追跡するといっても、どうやって追跡するのは不明ですし、同業他社同士で社員の情報を交換するとも思えない。さらには、転職した本人も転職先についてはおそらく話さないでしょうね。
現実には、就業規則で転職を制約できるものではなく、実際に何らかの損害が発生したら、民事で損害賠償を請求するにとどまるのではないかと思います。
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例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。
仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。
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