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『部下の問題行為を理由に上司を懲戒』することはできますか?

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「人の問題解決チーム」 本日のQ&A

 脇淳一社労士事務所(http://sr-waki.com/

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Q.『部下の問題行為を理由として上司を懲戒』することはできますか??



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A.部下の非行行為について、上司の管理職に対しても『指導監督義務違反』の責任を問うことは可能と考えます。


しかし、監督責任はあくまで『過失』であるので、非違行為を行った部下よりも、重い処分はできないものと考えられますね。


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社員が問題行為を行った場合は、懲戒処分を受けることになりますが、これを指導監督する上司に対して責任を問うことはできないのでしょうか。


結論から言えば、部下の問題行為について、一定の地位と権限を与えられ、それに見合った処遇を受けている上司である管理職に対しても、指導監督義務違反という責任を問うことはでき、懲戒処分は可能だと考えられます。


そこで問題となるのが、その「処分の程度」です。


指導監督責任義務違反は、故意によるものではなく、あくまで過失の範疇です。したがって、懲戒解雇といった重い処分を行って、トラブルになれば、懲戒権の濫用したものとして無効になる可能性が極めて高いでしょうね。


部下の横領行為に対して、上司が指導監督責任に問われ、会社が当該上司を懲戒解雇した事例では・・・


●部下の横領行為をあきからに知っていたとは言えないが、確認を行っていれば容易に発見できる状況であったこと

●横領した年下の部下は月19万円程の給料にもかかわらず、親密な関係にあった当該上司は、多数回に渡って

●飲食代金を部下に支払わせ、さらに贈与まで受けていたにもかかわらず、横領行為を放置したこと


などを認定し、懲戒解雇を有効としました。(関西フェルトファブリック事件大阪地裁平8.3.15)


しかし、これは上司自身が横領行為を行ったものに準じて考えられていると思いますので、鵜呑みにするのは危険です。それに反対に言えば、『ここまで悪質でないと重い処分には問えない』ということですね。


結局どのような処分とするかについては・・・

●会社への貢献度は?

●顧客への影響はあったか?

●会社の社会的信用を低下させたか?

●部下の問題行為を知り得たか?放置したものか?


などを考慮し、当該部下が受ける処分よりも軽い処分の範囲内で行うことが妥当でしょう。


なお、懲戒処分就業規則等の根拠が原則的に必要となりますが、通常、就業規則懲戒規定等に上司の指導監督責任を問う規定はあまり見受けられません。これから就業規則を作成する場合には、服務規定や懲戒規定にその旨を規定おいた方がよいわけですが、規定がない場合は、『その他会社が懲戒を必要と認めたとき』といった包括的な規定を根拠を懲戒処分を行うことになります。


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脇淳一社労士事務所
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