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単式簿記の問題点と公会計の課題

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     ~得する税務・会計情報~          第149号
           
           【税理士法人-優和-】   http://www.yu-wa.jp
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単式簿記の問題点と公会計の課題

1、単式簿記の問題点
単式簿記では、財産の増減の原因別計算をするためには、簿記組織の
「外」で、つまり個々の取引に遡って損益に関する取引を拾い上げて、
別個に行う必要があります。
複式簿記に慣れた人からすると、二度手間という感じです。単式簿記は
利益の原因計算というより、財産の管理が主目的です。これは地方公共
団体の予算編成の持つ機能とも関連してきますので結果としての利益の
原因別把握よりも財産管理が主目的になることは当然かもしれません。
現金ベースの予算統制と会計の間には限界があり、それを補うものとし
て出納整理期間、特別会計、基金、予算の繰越など様々な手法が出現し
ています。
単式簿記の何が問題なのかというと、勘定への帳簿記録をすることに
よって組織的・自動的・継続的に損益の原因別計算をする仕組みがあ
らかじめ用意されていない点です。

2、なぜ、公会計に複式簿記なのか?
財産増減の原因を示す収益費用の勘定である名目勘定が出現した過程は、
別稿(徒然泣き!人生Vol.20 下記*1参照)で説明しました。
ひとつの取引、つまり財産の増減には原因と結果の両面の事実があると
いうことの気づきから、やがて名目勘定が出現し、この原因と結果の因
果関係を同時に把握する方法・技術を体系化し、損益計算書と貸借対照
表を同時に作成できるようにしたのが、複式簿記です。
単式簿記の場合、結果としての財産計算はできても、その原因計算をする
ためには、単式簿記の計算構造とは別に、わざわざ損益取引の「拾い上げ
計算」をしなければなりません。しかし複式簿記は、結果計算と原因計算
を、同時に自動的にできる仕組みが組み込まれているのです。
その計算のやり方は、私の別稿徒然泣き!人生vol.10(*2参照)とvol.11
(*3参照)をご覧ください。
複式簿記の本来的特質は、実体勘定の損益の結果計算に加えて、同時に日々
の取引を貸借複記で記録し続けることにより、損益の原因計算が自動的、
組織的、継続的に行えるシステムが前もって準備されているという点に
あります。前述別稿(*4参照)で説明した貸借平衡の原理や自己検証能力
そして訴求可能性・説明容易性といった複式簿記の特長も、この本来的特
質から導き出されるのです。

3、現金主義最大の欠陥
現金主義最大の欠陥はなんだとお考えですか?「減価償却」制度とその
持つ機能の「忘却」なんです。イギリスの産業革命は複式簿記による固
資産会計というインフラのおかげではないかと勝手に推測しています
が、それほど重要な「減価償却」の概念なのです。
地方公共団体に住む住民は、減価償却費を設備や資産の使用の対価と
考えていません。まあこれは当然かもしれません。
更新資産準備率(=投資性金融資産減価償却累計額)という考え方が
あります。
地方公共団体と民間企業のその率を比較すると、愕然とする実態が浮か
びあがります。 
地方公共団体の設備更新問題こそ、いま大きな注目を浴びています。
この辺の詳細は、来月発刊予定の「Bplus仕事を楽しむWEBマガジン・
徒然泣き!人生」24年6月号をご覧ください。
【拙稿・Bplus24年4月号5月号(*5*6参照)公会計にも複式簿記を!より抜粋】

*1 http://www.business-plus.net/business/1109/269401.shtml
*2 http://www.business-plus.net/business/1011/182701.shtml
*3 http://www.business-plus.net/business/1012/191001.shtml
*4 http://www.business-plus.net/business/1011/182701.shtml
*5 http://www.business-plus.net/business/1204/333801.shtml
*6 http://www.business-plus.net/business/1205/344201.shtml

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