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その懲戒処分は妥当か

━━☆━━━━━━━━━━━━━━ その懲戒処分は妥当か ━━━━━━━━━━━━━━━
         
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┏┏    ◇ 就業規則の規定が必要 
┏┏    ◇ 懲戒処分の注意点
┏┏    ◇ 無断欠勤などの勤務懈怠
┏┏      ・他の懲戒処分と一線を画している
┏┏      ・懲戒事由に該当した無断欠勤    
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                 就業規則の規定が必要
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使用者労働者懲戒するには、あらかじめ就業規則懲戒の種類および事由を定めておかなけ
ればならない。
逆に言えば、就業規則懲戒に関する事項を定めておけば、「そのような行為をしたときは懲戒
処分を受けてもいいですよ」と社員が同意したことにもなる。
注意したいのは、就業規則に定めていない事由による懲戒処分は無効になるということである。
しかし、懲戒事由というのはそれこそ千差万別であるから、それらを具体的に全部書き出すこと
は不可能である。こういった事態を防ぐために、懲戒事由の最後に「その他前各号に準ずる行為
のあったとき」と包括的な規定を設けておくと良いであろう。特殊なケースにもほぼ対応するこ
とができる。

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                   懲戒処分の注意点
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懲戒処分を行うときは、会社が一方的に処分を決定するのではなく、本人に弁明の機会を与える
ことが必要とされる。
また、会社で定めた手続上のルールがあれば、これを遵守する必要もある。特に定めがなかった
としても、諭旨退職懲戒解雇といった、最も重い懲戒処分をしようとする場合には、弁明の機
会を与えることが最低限必要とされるので注意されたい。
手続が就業規則等で定められているのに、それに違反した場合、あるいは特に定めがなくても適
正な手続を経ないでなされた処分は、懲戒権の濫用として無効とされることもある。
すなわち、労働契約法第15条は、
使用者労働者懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者
行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当で
あると認められない場合は、その権利を濫用したものとして当該懲戒は、無効とする。」(懲戒
権の濫用法理)
と定めているのである。

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                  無断欠勤などの勤務懈怠
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●他の懲戒処分と一線を画している

懲戒処分の根拠規定が就業規則に定められている場合であっても、該当性を判断する際には合理
的な限定解釈がなされなければならない。
勤務懈怠が懲戒事由として就業規則に明記されていてもそれ自体は単なる債務履行であって、
勤務懈怠のために労働者が被る不利益は、原則として賃金の不支給や通常解雇等にとどまるべき
であろう。
債務履行上の責任を超えて勤務懈怠が懲戒処分の対象となり得るのは、それが就業に関する規
律に反したり、職場秩序を乱したと認められる場合に限られる。
(三菱重工業事件・長崎地判、日本気象協会事件・東京地判)

労働者が企業秩序違反行為を行った場合、実務上は、まずその労働者との雇用を継続できるのか
ということが問題となるであろう。
懲戒処分の対象となり得るとしてもその有効性は裁判所でも非常に厳格に判断されている。
労働者に与える影響という点でも他の懲戒処分と一線を画しており、実務上解雇の有効性をめぐ
ってトラブルになる可能性も低くはない。したがって、懲戒解雇諭旨解雇を選択するのは、非
常に慎重な判断を要する。

懲戒事由に該当した無断欠勤

過去の判例では、
「欠勤した者についての補充その他の労働力の配置変更等の処置が速やかに取れず、日常の生産
活動に支障をきたす場合」に限られると解釈されてきた(三菱重工業事件・長崎地判)。

また、会社の承認が得られなかった欠勤についても、無断欠勤となりうるが、会社は欠勤の承認
について自由な裁量を持つわけではなく、あくまでも社会通念上是認できない理由によるものと
認められる欠勤についてのみ、会社はこれを承認しないで無断欠勤として取り扱うことができる
(炭研精工事件・最高裁判決)としている。

さらに欠勤の手続きについても、必ずしも使用者の定める手続きに従う必要はなく、場合によっ
ては、休暇の理由および休暇の日数等を手紙で知らせれば足りる(コスメイトリックスラボラト
リーズ事件他)、とした裁判例もあるほどだ。

懲戒事由であると認められた無断欠勤の判例としては、事前に電話あるいは同僚に言付ける等で
連絡すべきであったところ、再三の注意にもかかわらず、事前の届け出なしに遅刻や欠勤を繰り
返した(半年間に遅刻24日、欠勤14日)という事案(東京プレス工業事件・横浜地判)、
セクハラ被害を受けた労働者が、その後の会社側の対応が適切であったにもかかわらず、性的安
全性の確保がなされていないとして欠勤を続けた事案(名古屋セクハラ事件・名古屋地判)があ
る。


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名無し

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