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■
行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第95号/2007/1/1>■
1.はじめに
2.「
会社法務編/中小企業・
ベンチャー経営者&
起業予定者のための“
会社法”等のポイント(39)」
3.「市
民法務編/ビジネスに役立つ“
民法”の基礎(22)」
4.編集後記
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1.はじめに
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あけましておめでとうございます。
行政書士の津留信康です。
いよいよ、2007年の幕開けですね。
12/30現在の週間天気予報では、ここ宮崎のお正月3が日は、「曇り時々雨」。
残念ながら、ハッキリしない天気のようですが、
皆様のお住まいの地域ではいかがでしょうか?
何はともあれ、本年もよろしくお願い申し上げます。
それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
★「平成19年度
行政書士試験」を受験予定の皆様へ
2007/1/5(金)まで、TAC出版(CyberBookStore)にて、
「
行政書士まずは知ってみよう!フェア」が開催されています。
詳しくは、こちら(※)をご覧ください。
※)
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/19_7157.html
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2.「
会社法務編―中小企業・
ベンチャー経営者&
起業予定者のための“
会社法”等のポイント(39)」
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★「2006/10/1発行の第89号」より、
「平成18年度
司法書士試験問題(※1)」の解説を通じて、
“
会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
本号は、「
株式会社の計算等」に関する問題です。
※1)平成18年度
司法書士試験問題(法務省Webサイト)
午前の部
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/SHOSHI/H18-AM/am-all.pdf
午後の部
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/SHOSHI/H18-PM/pm-all.pdf
なお、同試験では、午前の部で、「
会社法等が8問(No.28~35)」、
午後の部で、「商業
登記法等が8問(No.28~35)」、出題されています。
※2)実際の問題は、すべて組み合わせ問題ですが、
便宜上、単純な正誤問題に変更してありますので、ご了承ください。
<午前の部・第28問/
株式会社の計算等>
■
株式会社の計算等に関する次の1~5の記述のうち、正しいものはどれか。
1.
資本金の額を減少するには、
債権者保護手続きをとる必要があるが、
資本準備金の額の減少については、
債権者保護手続きをとる必要がない場合がある。
□正解 ○
□解説
会社法第448条および第449条第1項・第2項を参照のこと。
2.
資本金の額を減少するには、
併せて、株式の消却または併合を行わなければならない。
□正解 ×
□解説
資本金の額の減少(
会社法第447条第1項)に際して、
株式の消却(同法第178条)または株式の併合(同法第180条)
を行う必要はありません。
3.
資本金の額を減少するには、
株主総会の決議が必要であるが、
資本準備金の額の減少については、
取締役会設置会社にあっては、
取締役会の決議により行うことができる。
□正解 ×
□解説
資本金の額の減少または
資本準備金の額の減少を行う場合には、
原則として、
「
株主総会の決議」が必要です(
会社法第447条第1項・第448条第1項)が、
一定の場合には、
「
取締役の決定(
取締役会設置会社にあっては、
取締役会の決議)」
によって行うことができます(同法第447条第3項、第448条第3項)。
4.株式の無償割当てをする場合には、
当該無償割当ての対象となる株式の価額の2分の1に相当する額
の
資本金を増加させなければならない。
□正解 ×
□解説
株式の無償割当ての場合には、
株主による新たな払込みはなされない(
会社法第185条第1項)ので、
資本金が増加することはありません(会社計算規則第39条第1項)。
5.
債務超過の状態にある
特例有限会社であっても、
定款を変更して、その
商号中に、
株式会社という文字を用いる
商号の変更をすることができる。
□正解 ○
□解説
特例有限会社は、
定款を変更して、
通常の
株式会社に移行することができますが、
当該手続きは、
会社法施行前の組織変更手続きと違い、
「その
商号中に
株式会社という文字を用いる
商号変更手続き」
に拠る(※整備法第45条)ため、
債務超過の状態であっても、行うことが可能です。
※整備法=
会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
★次号(2007/1/15発行予定の第96号)は、「組織再編」に関する問題です。
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3.「市
民法務編―ビジネスに役立つ“
民法”の基礎(22)」
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★本号では、「
民法(全5編/全1044条)」のうち、
「第3編
債権―第1章 総則―第2節
債権の効力」の概要について、
ご紹介します。
■
債権の効力(第412条~第426条)
□
債権には、「
債権者が、
債務者による“一定の行為(給付)”、つまり、
債権の目的である“
債務の
履行”を受領できる」という効力がありますが、
民法には、その他、次のような「
債権の効力」が規定されています。
□
債務不
履行時における、
債権者の対抗手段
1.
債務不
履行には、次の3種類があります。
(1)
履行遅滞(第412条)
(2)
履行不能
(3)不完全
履行
(※)
債権者が、
債務の
履行を受けることを拒み、または、
受けることができないときは、「受領遅滞」となります(第413条)。
2.
債権者の対抗手段には、次の2種類があります。
(1)
履行の強制(第414条)
(2)
損害賠償請求(第415条~第422条)
□
債権者による、
債務者の財産の保全手段
1.
債権者代位権(第423条)
債権者は、原則として、自己の
債権を保全するため、
債務者に属する権利を行使することができます(同条第1項本文)。
2.
詐害行為取消権(
債権者代取消権/第424条~第426条)
債権者は、原則として、
債務者が
債権者を害することを知ってした
法律行為の取消しを、
裁判所に請求することができます(第424条第1項本文)。
★次号(2007/1/15発行予定の第96号)では、
「第1章 総則―第3節 多数当事者の
債権および
債務」について、
ご紹介する予定です。
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4.編集後記
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■「
行政書士・津留信康の法務サポートblog」の最近の記事より
□必見!
相続の知恵「最新・
相続虎の巻」
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_337d.html
※私の東京時代の師匠、
行政書士・鎌田寛二先生もご出演されています。
□「2007・次期通常国会」に向けて
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_208f.html
※提出予定の「戸籍法&
住民基本台帳法」改正法案に注目しています。
■第95号は、いかがでしたか?
次号(第96号)は、2007/1/15発行予定です。
■編集責任者:
行政書士 津留信康
□津留
行政書士事務所
http://www.n-tsuru.com
□
行政書士・津留信康の法務サポートblog
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/
□ご連絡専用アドレス
n-tsuru@mbr.nifty.com
■当メルマガの発行は、「まぐまぐ(
http://www.mag2.com/)」を利用しており、
購読の解除は、「
http://www.mag2.com/m/0000106995.html」からできます。
■当メールマガジンの無断転載等を禁じます。
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■行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第95号/2007/1/1>■
1.はじめに
2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
起業予定者のための“会社法”等のポイント(39)」
3.「市民法務編/ビジネスに役立つ“民法”の基礎(22)」
4.編集後記
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1.はじめに
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あけましておめでとうございます。行政書士の津留信康です。
いよいよ、2007年の幕開けですね。
12/30現在の週間天気予報では、ここ宮崎のお正月3が日は、「曇り時々雨」。
残念ながら、ハッキリしない天気のようですが、
皆様のお住まいの地域ではいかがでしょうか?
何はともあれ、本年もよろしくお願い申し上げます。
それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
★「平成19年度行政書士試験」を受験予定の皆様へ
2007/1/5(金)まで、TAC出版(CyberBookStore)にて、
「行政書士まずは知ってみよう!フェア」が開催されています。
詳しくは、こちら(※)をご覧ください。
※)
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/19_7157.html
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2.「会社法務編―中小企業・ベンチャー経営者&
起業予定者のための“会社法”等のポイント(39)」
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★「2006/10/1発行の第89号」より、
「平成18年度司法書士試験問題(※1)」の解説を通じて、
“会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
本号は、「株式会社の計算等」に関する問題です。
※1)平成18年度司法書士試験問題(法務省Webサイト)
午前の部
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/SHOSHI/H18-AM/am-all.pdf
午後の部
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/SHOSHI/H18-PM/pm-all.pdf
なお、同試験では、午前の部で、「会社法等が8問(No.28~35)」、
午後の部で、「商業登記法等が8問(No.28~35)」、出題されています。
※2)実際の問題は、すべて組み合わせ問題ですが、
便宜上、単純な正誤問題に変更してありますので、ご了承ください。
<午前の部・第28問/株式会社の計算等>
■株式会社の計算等に関する次の1~5の記述のうち、正しいものはどれか。
1.資本金の額を減少するには、債権者保護手続きをとる必要があるが、
資本準備金の額の減少については、
債権者保護手続きをとる必要がない場合がある。
□正解 ○
□解説
会社法第448条および第449条第1項・第2項を参照のこと。
2.資本金の額を減少するには、
併せて、株式の消却または併合を行わなければならない。
□正解 ×
□解説
資本金の額の減少(会社法第447条第1項)に際して、
株式の消却(同法第178条)または株式の併合(同法第180条)
を行う必要はありません。
3.資本金の額を減少するには、株主総会の決議が必要であるが、
資本準備金の額の減少については、
取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議により行うことができる。
□正解 ×
□解説
資本金の額の減少または資本準備金の額の減少を行う場合には、
原則として、
「株主総会の決議」が必要です(会社法第447条第1項・第448条第1項)が、
一定の場合には、
「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」
によって行うことができます(同法第447条第3項、第448条第3項)。
4.株式の無償割当てをする場合には、
当該無償割当ての対象となる株式の価額の2分の1に相当する額
の資本金を増加させなければならない。
□正解 ×
□解説
株式の無償割当ての場合には、
株主による新たな払込みはなされない(会社法第185条第1項)ので、
資本金が増加することはありません(会社計算規則第39条第1項)。
5.債務超過の状態にある特例有限会社であっても、
定款を変更して、その商号中に、
株式会社という文字を用いる商号の変更をすることができる。
□正解 ○
□解説
特例有限会社は、定款を変更して、
通常の株式会社に移行することができますが、
当該手続きは、会社法施行前の組織変更手続きと違い、
「その商号中に株式会社という文字を用いる商号変更手続き」
に拠る(※整備法第45条)ため、
債務超過の状態であっても、行うことが可能です。
※整備法=会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
★次号(2007/1/15発行予定の第96号)は、「組織再編」に関する問題です。
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3.「市民法務編―ビジネスに役立つ“民法”の基礎(22)」
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★本号では、「民法(全5編/全1044条)」のうち、
「第3編 債権―第1章 総則―第2節 債権の効力」の概要について、
ご紹介します。
■債権の効力(第412条~第426条)
□債権には、「債権者が、債務者による“一定の行為(給付)”、つまり、
債権の目的である“債務の履行”を受領できる」という効力がありますが、
民法には、その他、次のような「債権の効力」が規定されています。
□債務不履行時における、債権者の対抗手段
1.債務不履行には、次の3種類があります。
(1)履行遅滞(第412条)
(2)履行不能
(3)不完全履行
(※)債権者が、債務の履行を受けることを拒み、または、
受けることができないときは、「受領遅滞」となります(第413条)。
2.債権者の対抗手段には、次の2種類があります。
(1)履行の強制(第414条)
(2)損害賠償請求(第415条~第422条)
□債権者による、債務者の財産の保全手段
1.債権者代位権(第423条)
債権者は、原則として、自己の債権を保全するため、
債務者に属する権利を行使することができます(同条第1項本文)。
2.詐害行為取消権(債権者代取消権/第424条~第426条)
債権者は、原則として、
債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを、
裁判所に請求することができます(第424条第1項本文)。
★次号(2007/1/15発行予定の第96号)では、
「第1章 総則―第3節 多数当事者の債権および債務」について、
ご紹介する予定です。
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4.編集後記
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■「行政書士・津留信康の法務サポートblog」の最近の記事より
□必見!相続の知恵「最新・相続虎の巻」
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_337d.html
※私の東京時代の師匠、行政書士・鎌田寛二先生もご出演されています。
□「2007・次期通常国会」に向けて
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_208f.html
※提出予定の「戸籍法&住民基本台帳法」改正法案に注目しています。
■第95号は、いかがでしたか?
次号(第96号)は、2007/1/15発行予定です。
■編集責任者:行政書士 津留信康
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