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パワハラとは?

今回は「パワハラ(=パワーハラスメント)」についてレポートします。

パワハラが実際に行われた場合、例えば次の3つのダメージをもたらすこととな
り、会社にとっても従業員にとってもマイナス効果をもたらします。
1)従業員の心身へのダメージ
2)職場環境へのダメージ
3)会社・組織へのダメージ

ところが、そもそもパワハラとはどのうようなもので、どのようなケースで該当
するのか?が一般的に理解されていません。

そこで今回は、パワハラとはどのようなものなのか?

また、パワハラによって労働トラブルに発展しないための注意点などについてま
とめてみましたので、ぜひ日常労務管理の参考にして頂ければ幸いです。

=【目次】===============================

A.パワハラの定義
B.判断基準
C.法的責任(例)
D.具体的事例
E.部下へ接する場合の注意点
F.情報・噂を察知した際の対応法

====================================

A.パワハラの定義

パワハラ(=パワーハラスメント)には、実は法令等による定義は現在ありませ
ん。いくつかの定義が存在しているのですが、ここでは国の外郭団体である21
世紀職業財団の例をご紹介します。
↓↓↓
職場において、職務上の地位や影響力に基づき、相手の人格や尊厳を侵害する言
動を行うことにより、その人や周囲の人に身体的・精神的な苦痛を与え、その就
業環境を悪化させること

====================================

B.判断基準

パワハラに該当するかどうかは、当事者間の主観に左右される部分もありますの
で、一概には判断しづらいところですが、過去の裁判例では次の点がポイントと
なりました。

1.業務上必要な行為か
2.業務上必要であっても、その表現、回数、態様などが一般的に必要な範囲か
3.人格や尊厳を傷つけていないか
(東京地裁H16.12.1三井住友海上火災保険上司事件)

====================================

C. 法的責任(例)

実際にパワハラが起きた起きたときは、次のように加害者のみならず、使用者
も法的責任が追及される場合が考えられますので十分な注意が必要です。

1.刑事上 → 傷害罪、暴行罪、過失傷害、脅迫罪、侮辱罪など
2.民事上 → 不法行為使用者責任債務履行責任など
3.労働上 → 安全配慮義務違反など

====================================

D. 具体的事例

具体例として、どのような言動がパワハラに該当する可能性があるのか21世紀
職業財団「職場におけるパワーハラスメントの防止のために」で示されています
のでご紹介します。

休日に携帯電話に電話をして、平日の仕事の失敗を長時間責める。
・上司の指示・意向により、チームメンバーが特定の人を無視する。
・「存在が目障りだ、いるだけでみんなが迷惑している。お前のカミさんの気が
 知れん。お願いだから消えてくれ」と言う。
・「お前は会社を食い物にしている、給料泥棒」と言う。
・「肩にフケがベターとついている。お前病気と違うか」と言う。
・大声で怒鳴る、ゴミ箱をける、机をたたく、灰皿を投げる。
・営業部に配置転換されたばかりの若手に、特に営業が困難な地域を担当させ業
 績が上がらないことを責める。
・「お前なんて、いてもいなくても同じだ」と言う。

====================================

E. 部下へ接する場合の注意点

上司が部下に接する場合に「パワハラではないか?」と疑われないためにはどの
ような点に注意しなければならないのでしょうか・・・

ポイントは次の通りです。

1.感情的にならない
2.必要以上に大きな声を出さない
3.くどくど同じ注意を繰り返さない など

また、次のような言動にも注意が必要です。

1.人格を傷つける言動
例)無視する、「バカ」「いるだけでムカつく」などの暴言
2.行き過ぎた教育指導
例)違法行為の強制、達成不可能なノルマ、「こんなこともできないのか」など
3.不適切な指示命令
例)仕事・必要な情報等を与えない、「売れるまで帰ってくるな」など
4.雇用不安を与える言動
例)「辞めてしまえ」「お前の代わりはいくらでもいる」など

====================================

F. 情報・噂を察知した際の対応法

パワハラが起きているとの情報や噂を察知した場合、会社や労務担当者はどのよ
うな点に注意して対応しなければならないのでしょうか?

次にそのポイントを例示します。

1.事実関係を確認し、できる限り具体的に記録しておく。(被害者への配慮を
  怠らず)
2.事実であれば、加害者に直ちに止めるよう指導する。 など

この種の問題解決には、事実(いつ、どこで、どのようなことがあったのか等)
と当事者の認識(加害行為・被害行為があったという認識)が不可欠です。

事実関係の確認が行われるだけでも抑止力があるとされていますので、噂だと放
置せず、まずは事実関係の把握に努めましょう。

====================================

~あとがき~

上司が部下の成長を願うあまり、時には行き過ぎた指導?と捉えられかねないケ
ースがあるのではないでしょうか・・・

また、同じようなような形で指導したとしても、受け方によってパワハラが問題
になったり、ならなかったりしてきます。

筆者はこの境目は、上司と部下の信頼関係であったり、上司の部下に対する愛情
(成長を願う心)ではないかと考えています。

そういった意味では、パワハラ防止で一番大切なことは「日頃から信頼関係を築
いておく!」ことだと言えます。

逆に言うと、この信頼関係が崩れたときに、不幸にして労働トラブルへ発展しま
うと思われますので、その辺に十分ご留意いただけたらと思います。

なお、今回のレポートは、上場企業における管理職研修や、有料セミナーなどで
お話している内容をもとに作成してみました。(ご参考まで・・・)


執筆・監修:特定社会保険労務士 中薗 博章


=【関連サイトのご紹介】========================

中薗総合労務事務所HP http://homepage2.nifty.com/nakazono/

中薗博章の最新!社労士ニュース http://blog.livedoor.jp/nakazonobiz/

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