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履歴書とジョブカード。





2012年11月4日号 (no. 707)
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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【履歴書とジョブカード。】
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■詳しい履歴書 ≒ ジョブ・カード。


知らない人も多いかもしれないけれども、2008年の4月からジョブ・カード制度(http://www.mhlw.go.jp/bunya/nouryoku/job_card01/index.html)というものが実施されていて、就職する際の資料として活用するためのカードのようです。2008年頃に、ニュースか新聞かで聞いたかもしくは見たか記憶があるように思うのですが、ハッキリとは覚えておらず、最近になって「ジョブ・カード」という言葉に触れたので、「あぁ、そういえばそんなモノがあったよなぁ」と思い出しつつあります。

ジョブ・カードについて調べていると、「履歴書と比べて何がどう違うのか」という点が疑問になった。上記の厚生労働省のウェブサイトにアクセスして、ジョブカードのサンプルを見ていただくと分かるかと思いますが、履歴書に似ているんですね。

履歴書よりも記入欄はタップリあって、さらに教育訓練の結果を記載した評価シートを作成するため、ジョブ・カードは履歴書よりも情報が多い。

しかし、情報量が多いとしても、「履歴書だけじゃ不十分なの?」という疑問は払拭しにくい。私だけじゃなく、「ジョブ・カード ≒ 詳しい履歴書」というイメージを抱いてしまう人は多いのではないかと思う。

大学生だと、エントリーシートというモノがあって、これも履歴書やジョブ・カードに似ている。ちなみに、学生用のジョブ・カードもあって、「あえて別の書類を作らずに、エントリーシートに一本化してしまえばいいんじゃないの?」と私は思う。学生のキャリアといっても、アピールできるほどのキャリアはありませんからね。バイト、サークル、部活動、ボランティア、JICAの活動に参加した、何かのコンクールで入賞したとか。実際の職業経験は少ないので、ジョブ・カードよりもエントリーシートに集約する方が都合がいいかもしれない。

制度を設計した人も実際にジョブカードを作成した人も、「ジョブカードを作ると、より就職しやすくなる」と考えているのかもしれない。暇つぶしに作るものではないでしょうし、役に立たないと思って作るものでもない。「就職しやすくなる」という点が最も大きな動機なのではないかと思います。

では、ジョブ・カードを作ると、本当に就職しやすくなるのかどうか。知りたいのはこの点です。






■安心は情報の多さで決まる。


何かを選ぶとき、人は事前に情報を集める。例えば、クルマを買うときに、何にも事前情報を集めず、クルマの販売店に行って、「コレください」と言う人は少ないはず。クルマを衝動買いするお金持ちもいるかもしれないけれども、ほとんどの人は勢いでクルマを買ったりはしない。

まずは、ネットでどんなクルマがあるのかをザッと調べて、どこのメーカーがいいか見当をつける。トヨタにするか、それともホンダにするか。それとも、海外のメーカーにするか。どれくらいの大きさのクルマがいいか、何人乗りか、色は無難に黒にしようか、デザインはシンプルな方がいいか、予算は230万円以内で。あとは、どこにクルマを保管するか。駐車場を契約するか、自宅の敷地内に駐車するか、ガレージに入れるか。

思いつきで書いても、クルマを買う前に考えることは沢山ある。調べれば調べるほど、クルマを欲しくなり、もうクルマに乗らないという選択肢は無くなる。

もう十分に調べ尽くしてオナカいっぱいになったとき、クルマを買いにお店に行く。何も知らないところに、「このクルマを買ってください」と言われると躊躇するけれども、自分で十分に情報を集めて納得したときには、「このクルマを買ってください」と言われるまでもなく、「このクルマをください」と自ら言ってしまう。

人は、情報が少ないと不安になるが、情報が十分に集まると安心して行動する。これはクルマを買う場面だけでなく、その他の場面でも同様です。

人を採用するときも、情報は少ないよりも多いほうがいい。履歴書だけよりジョブ・カードもあったほうがいい。

ただ、ジョブ・カードが採用の決定打になるかどうかはチョット心もとない感じです。


相手に情報を伝えるという方法は、履歴書やジョブ・カードに限らない。

例えば、今ならば、ブログやFacebook、Twitterが採用の参考にできる。応募者の名前を検索で調べる採用担当者は結構いるんじゃないだろうか。匿名でウェブサービスを使っている人だと調べにくいかもしれないけれども、実名で使っているならば、応募者のネットコンテンツを調べて、その内容を選考情報の一部として使うかもしれない。書類や面接では分からない別の顔が分かるかもしれないので、採用者は興味を持つはず。

何気なく利用していたウェブサービスが見られてしまうのですから、見られる方にしてみれば「えっ! そんなものまで見られちゃうの?」と気恥ずかしい感じがする。

ソーシャルメディアがジョブ・カードや履歴書の役割を果たす可能性がある。ネットには性格が表れるようで、言葉の使い方、ボキャブラリー、感情の起伏、趣味、好きな食べ物など、公開している情報を使って応募者本人をプロファイリングできるのではないか。さらには、自作の動画をYouTubeにアップロードする人もいるので、動画だと話し方やキャラクターがよく分かる。動画には面接と似た効果があるのではないかと思う。

他にも、Facebookにジョブ・カードのフォーマットを入れ込んで、自分のページにジョブ・カードを表示したらどうか。ネットにそこまで個人情報を公開するのは勇気がいるので、そう簡単には実現しないかもしれないけれども、Facebookを電子名刺のような自己紹介ツールとして使っている人もいるんじゃないだろうか。

相手を知るために履歴書やジョブ・カード、エントリーシートを使うならば、ネット上の情報も相手を知るために使えるはず。


書類とは別に課題を出すのも良いかもしれない。

実際に応募の際に課題を出す企業もあって、応募者のふるい分けに効果を発揮しているようです。課題を出すと、「とりあえず応募しとくか」という気軽な人たちは来なくなるので、どうしてもこの環境じゃなきゃイヤという人が来る。そのため、大量の応募者を先行する作業を省くことができるので、企業側には都合がいいようです。応募者も、履歴書やエントリーシート、面接などで淡白にに選考されないので、他の人との差を示しやすい。

課題の例としては、論文形式で、「電車の優先席は必要か否か」、「飲食店の喫煙席は必要なのか」、「男性の育児休暇取得率を上げるにはどうしたらいいか」など、人によって答えが変わるテーマを出すといいかもしれない。

もちろん、課題は論文ではなくてもいい。何かを作るという課題でも良さそうです。最近の流行に合わせるならば、プログラミングでiOS用(iPhoneやiPadで動くOS)のアプリを何か作ってもらうとか、Android用のアプリを1つ作ってもらう。今ならば、こんな課題もアリかもしれない。これはネット企業の採用方法に限定されるけれども、実際にアプリ作成を人事採用に組み込んでいる企業はありそうですよね。


あと、人的なコネクションも有効です。親のツテ、先輩が勤めている会社、親戚の紹介などを利用して就職する方法です。

見知らぬ人が書類を持って応募してくる場合と、自分が良く知っている人から応募者を紹介される場合とを比べた場合、採用する側の気持として後者の方が安心できますよね。「おっ! 後藤さんから紹介された佐々木君だね。いやぁ~、後藤さんは私の恩師でね、色々と教えてもらったんだよ」という流れでコネ採用される。これは典型的なタイプ。採用側と応募者は始めて合った者同士なのだけれども、さも昔から知っているかのような雰囲気が作り出される。

人脈を利用すると、書類なしで採用される場合もあるでしょうね。履歴書は不要、エントリーシートも不要。ジョブ・カードも不要。そんな採用もあるはずです。

ただし、書類なしの採用は良いことばかりではない。採用時に書類を作らないため、雇用条件が曖昧になったり、労務管理でおかしな所があっても、コネで採用されているために、指摘しにくくなる。例えば、親のコネだと、妙なことを言うと、親に迷惑がかかると思ってしまいますよね。

コネは就職しやすいけれども、弱みを握られてしまう。一長一短の方法です。とはいえ、書類を使った就職よりは人脈を使った就職のほうがずっと簡単です。アッサリと就職や転職をしてしまう人はコネを使っている人が私の知る限りでは多いように思います。

他の手段としては、事前に働いている会社でそのままフルタイム勤務に切り替えるのもいい。学生の時から働いている会社で卒業後にそのままフルタイム勤務に切り替えるとか。この方法だと、おそらく採用作業は省略されるのではないでしょうか。

相手に情報が多いと、採用もスンナリと進みますね。知らない人を採用するには時間がかかりますけれども、自社で就業経験がある人を採用するとなれば、事前にその人について知っているわけですから、採用は容易です。

何らの接触もなかった企業に、履歴書やエントリーシートを送って、面接を受ける。これが普通なのでしょうが、これは難易度の高い道です。その企業で働いた経験があるとか、インターンシップに参加したとか、親や親戚、先輩のコネがあるとか、他の人とは違うポイントがあると就職の難易度が変わるのですね。

ここまで読むと、「相手先の組織で働くために履歴書やジョブ・カードを作っているんじゃないの?」、「相手先に就職してもいないのに、先に経験を持ち出すことはできないんじゃないの?」そう思うところです。

応募するのが先で、経験するのが後という考えです。そうですよね。経験するにはまず採用されないといけないんだから、順番を逆にはできないだろうというわけです。

しかし、これを逆にしたらどうか。どうやったら先に経験を持ち出せるか。バイトで入り込む方法もありますし、どうしても経験を得られないならば、人からの紹介を経験の代わりにすることもできるのではないでしょうか。コネは経験以上に効果があるときもあるように思います。未経験でも誰かからの紹介を経由すれば、アッサリと採用されたりするもんです。「実力を評価されて採用されるんだ」と思い込んでいる人には意外に思えるかもしれないけれども、現実ってそんなもんです。


料理店に行ったとき、料理を注文するためにお品書きやメニューを見るはず。その時に、2つのタイプのお品書きがあるとしたら、あなたはどちらを選ぶだろうか。

1つ目は、メニュー名と価格だけ書かれているお品書き。

もう1つは、メニュー名と価格は当然のこと、さらに、料理の写真、料理の材料が何なのか。どこで採れた野菜なのか。どこの海で泳いでいた魚なのか。どこの農園で採れた果物なのか。どうやって調理したのか。どんな人が野菜を育てたのか。どんな人が調理しているのか。どんな包丁を使っているのか。どんな鍋を使っているのか。「えっ? こんなことまでイチイチ書くの?」と思うぐらい色々と書いているお品書き。

どちらのお品書きを見たいか。おそらく、後者のお品書きを見たいと思うのではないか。シツコイほどの情報が書かれているほど、料理の内容をイメージしやすいですからね。

「枝豆:180円」と書かれているだけよりも、茹でたての枝豆から湯気がモワモワと上がっている写真を見れば美味しそうに感じる。さらに、枝豆の中身を取り出して、ツルツルして新鮮な感じがする枝豆の表面をデジカメの接写機能で写真を撮って、それをおしながきに載せれば、もっと食べたくなる。


情報という衣を纏ったとき、ただの枝豆が特別な枝豆になる。情報(書類、面接、課題の出来栄え、人的なコネクション)という衣を纏ったとき、ただの応募者が特別な応募者になる。




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メールマガジン【本では読めない労務管理の"ミソ"】のご紹介


内容の一例・・・
『定額残業代残業代は減らせるのか』
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『4週4日以外の変形休日制度もある』
『長時間残業を減らす方法は2つある』
『管理職は週休3日が理想』
『日曜日=法定休日と思い込んではいけない』
半日有給休暇半日欠勤の組み合わせはダメ?』
『寸志は賃金or贈り物?』
『ケータイは仕事道具か遊び道具か』

など、その他盛りだくさんのテーマでお送りしています。

本に書いていそうなんだけど、書いていない。
そんな内容が満載。



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※配信サンプルもあります。


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カードを使わないタイムカード Clockperiod のご紹介です。


タイムカードを使うときに負担なのは、専用の打刻機を用意しなければいけないし、
新しい紙のカードを毎月作らないといけない。さらに、カードを見ながら、電卓や
表計算ソフトで勤務時間を集計しないといけない。

しかも、給与の締め日から支給日までの短期間で集計作業をしないといけないので、
作業する人にとっては勤務時間の集計は悩みのタネですよね。

そんな悩みをどうやって解決するか。

そこで、電子タイムカードの Clockperiod が登場です。


Clockperiod は、紙のカードと打刻機を使わない電子タイムカードですから、
打刻機を用意しなくても勤務時間を記録できますし、給与計算のためにカードを
集める必要はありません。さらに、毎月、新しい紙のカードに社員全員の名前を
書いてカードストッカーに入れることもなくなります。


始業や終業、時間外勤務休日勤務の出勤時間を自動的に集計できれば勤怠集計
の作業は随分とラクになるはず。

Clockperiodは、出退勤の時刻をタイムカード無しで記録できます。タイムカード
出勤簿勤務時間を管理している企業にオススメです。
さらに、タイムカードのコピーをメールで送信して社員ごとに保存することができ
ますので、個人別に毎月の勤務記録を取り置くことができます。
また、勤務記録の改ざんや不正な打刻を把握できるログ機能もあります。

▽    ▽   < Clockperiodの利用はこちら >    ▽    ▽
https://www.clockperiod.com/Features?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_clockperiod20160308HT



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残業で悩んでいませんか?

「長時間の残業が続いている」
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」

こういう悩み、よくありますよね。

ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。

法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。

とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?


毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。

例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。

でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。

「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。


『残業管理のアメと罠』
http://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm20160308HT



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