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グローバル化は避けることはできない

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経営テクノ研究所
2013年11月18日第1・3週月曜日発行
発行人:舘 義之http://www9.plala.or.jp/keiei-techno/
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★★経営のパートナー★★経営学で企業を再生する
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<目次>
★グローバル化は避けることはできない
★ちょっと苦言:烏合(うごう)の衆(しゆう)
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★グローバル化は避けることはできない
1.商習慣が変化してきた
 市場原理主義は、グローバル化(経済活動の幅広さ)を推し進めます。こ
れは、避けて通ることはできません。

 日本は、非関税障害壁が多いといわれています。系列会社間のみで取引を
行う商習慣や日本特有の複雑な流通機構が、システムに慣れていない外国企
業を排除する結果につながっていました。

 そのため日本政府も、外国企業が日本市場に参入する際の規制を緩和する
など、障害撤廃に向けた取り組みを進めてきました。

 現在では、海外生産や販売拠点拡充など、個々の国の枠を超え、互いに連
鎖して1つの市場を形成するという経済的活動の幅広さのグローバル化が進
んできています。それに伴い企業の生産拠点が海外へ移転して、国内生産力
が衰退していく産業の空洞化が見られるようになりました。

 産業の空洞化のデメリットとしては、下請工場の倒産・失業者の増加・地
域経済への打撃などが挙げられます。一方メリットとしては、輸出依存型経
済からの脱却・国際分業化・産業構造の高度化などが挙げられます。

 とくに、国際分業の面に注目すると、単純作業は海外に移り、高度な技術
を要する部分は国内で行うシステムが出来上がりつつあります。また、第2
次産業である製造業が国内で減少すると、必然的にサービス産業など第3次
への就業人口が増える結果になります。

 したがって、失われた顧客を取り戻すといった消極的なスタンスでは、競
争に負けてしまいます。市場原理主義からいえば、顧客から選ばれる企業に
脱皮できなければ消えていく以外にないのです。

2.知識集約型の産業へ進化せよ
 経済のグローバル化が進むと、企業は自ら生き残るために、より合理的な
選択を模索するようになります。それは、知識集約型の新しい産業構造へと
進化することなのです。

 市場原理主義の時代の中で勝ち残っていくためにも、知的集約型産業への
転換を真剣に考えなければなりません。知識集約型産業としては、
(1)従来の所得弾力性
(2)生産性上昇基準
(3)過密・環境基準
(4)勤労内容基準
といった4つから決まりますが、一般に次のようなものが挙げられます。

(1)研究開発集約産業
●電子計算機●航空機●電気自動車●産業ロボット●電子力関連●集積回路
●ファイン・ケミカル●新規合成化学●新金属●特殊陶磁器●海洋開発

(2)高度組立産業
●通信機械●事務機械●数値制御工作機械●公害防止機器●家庭用大型冷房
器具●教育機器●自動倉庫●大型建設機械●高給プラント

(3)ファッション型産業
●高給衣類●高給家具●住宅用調度品●電気音響器具●電子製品

(4)知識産業
●靜報処理サービス●靜報提供サービス●ビデオ産業等教育関連●ソフトウ
ェア●システムエンジニアリング●コンサルティング

 もちろん、知識集約産業を支える既成基幹産業や消費産業においても、可
及的に知識集約度を高めることも必要です。知識集約産業の需要は、広範な
産業活動と、それによって維持された高度社会生活の中に多く見いだされる
ものです。

3.コーポレート・ガバナンスを強化せよ
 グローバル化に伴い、日本の株式市場にも、海外の機関投資家の参入が目
だって来ました。それらの投資家は、経営に口を出すことは当然の権利と考
えています。

 近年、企業の不祥事は、対外的な信用までも失墜させています。そして、
企業に対して、コーポレート・ガバナンス(企業統治)は、一体どうなって
いるのか、という批判・不信の声が上がってきました。

 不祥事の多くは、放漫経営によるもので、企業にとって恐るべき病原菌と
してゆるがせにできない問題です。第一の不祥事は、第二の不祥事を誘い、
たちまち企業を倒産に追い込んでいきます。

 そこで、次のような内容について監査チェック・システムを作成しておく
必要があります。           
(1) 経営方針の徹底                   
(2) 組織および職務権限の明確化         
(3) 販売計画の実施条項についてのもの    
(4) 購買計画および管理についてのもの   
(5) 生産計画の実施条項についてのもの   
(6) 労務管理についてのもの    
(7) 外注計画についてのもの  
(8) 事務管理らついてのもの
(9) 財務管理についてのもの
(10)合的計数管理についての
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ちょっと苦言:烏合(うごう)の衆(しゆう)
 からすのように、ただ大勢集まって、がやがや騒ぐだけの規律も統一もな
い群集のことで、数ばかり多くてだらしのない兵隊のことをいう場合もあり
ます。

 後漢書(こうかんしょ)によると、前漢(ぜんかん)の末、外威の(おう
もう)は自分が天子になって国号を新(しん)と改めましたが、政治に失敗
して天下は大混乱におちいりました。

 このとき後漢(ごかん)の光武帝となった劉秀(りゅうしゅう)らが立ち
あがり、各地で王莽の軍を破って、これを滅ぼし、劉玄(りゅうげん)を皇
帝に立てて、再び漢の世に戻しましたが、天下はなお麻の如く乱れ群集が各
地に割拠しました。

 このとき河北省の上谷(じょうこく)の太守の耿況(こうきょう)は、か
ねてから劉秀の人格を慕っていたので、子の耿?(こうえん)をその部下に
つかせようと思いました。

 耿?はたいそう俊敏で思慮深く兵法の好きな青年でそのとき二十一歳でし
たが、父と同意見で早速劉秀のところへ向かいました。

 ところが途中までくると王朗(おうろう)というものが、邯鄲(かんたん)
で兵をおこし「われこそは漢の成帝(せいてい)の子の劉子輿(りゅうしし
ょ)である」といって天子と称しているとの噂を聞きました。

 すると耿?の主だった部下の孫倉(そんそう)と衛包(えいほう)が「劉
子輿は漢の正しい血統の人だから、この人のところへ行くべきだ、どうして
遠い長安の劉秀のところに行く必要があろう」と言い出しました。

 耿?は二人をひきすえ剣を抜いて言ったのです。「王朗は劉子輿の名をか
たって、人民をたぶらかし兵をあげた人間だ。自分が長安に行って劉秀と手
をにぎり、それから上谷、漁陽(ぎょよう)の軍勢をひきつれ、よりすぐり
の突撃隊をつっこませれば、王朗の軍のような烏合の衆などは枯れ木をへし
折るようなもので、ひとかたまりもない。お前らが物の道理も知らずに王朗
の仲間になったらたちまち敗亡して家族まで皆殺しされるぞ」と諭しました。

 しかし、二人はとうとう王朗の下へ逃げ去ってしまいました。烏合の衆と
は王朗たちのようなものを指していうのですが、曾子(そうし)も「烏合の
衆は、はじめは相歓ぶが、後には必ず相咋(くら)う」といい、また「部分
なきなり」といって、烏合の衆はまったくの寄合世帯だとしています。

1.グループ・ダイナミックス(集団力学)を実践する
グループ・ダイナミックスとは、人間関係における集団性の力学的な動的
性質を明らかにし、それをコントロールして、計画的変化へと導き、人々に
満足と幸福を与えようとする技術体系です。

 グループ・ダイナミックスは、集団機能や集団成員の相互関連性のなかに
主題を把握しょうとする方法です。個人と個人、個人と集団、集団と集団が
集まると互いの間に相互作用が生まれて両方が影響を受けて、伸びる場合も
あり、縮む場合もあります。

 わが国の集団を考えても、自己の利益ばかりを考えて、疑集力が小さく、
モラールが低く、よく離合集散、内部抗争をする党があります。これとは逆
に個人より集団の意識が強く、結束も固く、命をかけてもグループのために
抵抗する党もあります。

 グループ・ダイナミックスとは、主として小集団において直面する人々の
相互作用によって起こる過程であるといえます。それは、委員会、会議、そ
の他ビジネスの会合等で起こる過程です。

 グループの性質はそれを形成している個々の者の性質とは異なるときがあ
ります。グループが組織され、有効に活動をはじめ、ふさわしい事態にてき
よう個々の者の性質とは異なるときがあります。

 グループが組織され、有効に活動をはじめ、ふさわしい事態に適用される
と、いろいろな貢献をします。すなわち、それらは権威の統合、よい決定、
モチベーション、創造的思慮、かわった展望と態度、問題の公平な分析、同
格の行動やよいコミュニケーション等です。

2.グループ・ダイナミックで用いられる概念を定着させる
 グループは複雑で、柔軟なものですから、スムースに動いているときはよ
いのですが、衝突がはじまると、火は内外から燃えあがります。グループの
会合で、賛同を得るということは容易ではありません。

 そこには普通、
(1)事実を集めること
(2)その説明をすること
(3)決定する
という、三つの段階があります。この段階をくずすとグループ会合は混乱す
ることになります。

 このために、グループの大きさ、効果的なタスク(仕事・配分)、社会的
リーダーシップ、環境、行動、参加、コミュニケーション等を考慮しなけれ
ばなりません。

 そこで、グループ・ダイナミックで用いられる概念には以下の四つが挙げ
られます。

(1)集団独自の意見や行動様式を尊重する
 集団が形成されると、共通の意見や行動様式ができ上がり、成員の行動を
それよりはみ出さぬようコントロールする圧力を持つようになります。

(2)集団目標をはっきりさせる
 成員間には相互依存性があり、集団目標が設定されると互いにエキサイト
してよりいっそう協力的となります。集団目標がはっきりしないと集団の生
産性は、著しく低下することになります。

(3)集団の疑集力を高める
 集団には誇りがあり、成員をその集団にとどまらせる力があります。疑集
力が大きい集団では意見の一致度が大きくなります。

(4)集団全体で計画変更をする
 経営には計画の変更がつきものですが、その変更は、なかなか抵抗があり
ます。しかし、成員全体で変更を決定すれば、スムースに事が運ばれます。
つまり、抵抗は少なく変更の実施ができることになります。

3.ワンマン経営から脱却する
 経営者には、部下に対して、ああしろ、こうしろと一方的に指示する権限
があります。このような管理のしかたは昔から軍隊組織では当然のことで、
従業員は組織に入ると無条件に服従することを求められます。

 このような軍隊的管理方法は、規律の維持という点で自己の手腕に誇りを
感じているワンマン的な管理者には好まれます。そしてこの管理方法は、短
期間はうまくいくようにみえることもあります。

 しかし、中小企業に多く見受けられるワンマン的経営組織ではグループ・
ダイナミックによる運営は考えられません。その仕事のすべてがワンマンで
行われます。つくられる商品もワンマン・ブランドです。だから、個人的な
サービスの段階を出ません。したがって、事業も伸びません。

 社長を補佐する人間が一人もいません。誰も信用しないかわりに、信用さ
れないのです。彼自身のもつ最大の罪は自分だけが働くことに趣味を感じて、
生きるための仕事と考えているからです。企業というものの本質はそうでは
ないのです。

 大勢の人間のチームワークによって、多くの人のためになる商品を安く提
供し、誰をも犠牲にしません。つくる人も儲けます。企業主も得をします。
それを買うお客さんも喜びます。だが、中小企業のワンマンにはそれができ
ません。そうであるかぎりは、いつまでたっても大企業にはなれないのです。

経営者といえども完全無欠ではありません。部下が指示に対して自由にそ
の欠点を指摘し、改善のために意見を反映できるような組織風土をつくらな
ければ、仕事の結果は、経営者の期待とはほど遠いものとなるでしょう。

経営者が部下の考えや希望といったものを尊重しなければ、部下はその潜
在能力を最大限に発揮してまで働くことはけっしてなく、その場しのぎのこ
とだけしか行わなくなります。
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★舘 義之のポジション
 人事・IE・VE・マーケティングコンサルタント
 人事・IE・VE・マーケティングの三輪で企業体質の仕組みを構築して、
厳しい経営環境の中で勝ち残っていく会社にすることを第一に支援します。
舘 義之への問い合わせstudy@agate.plala.or.jp
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