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採用をめぐる問題 ━━━━━━━━━━━━━━━
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労働契約における
債権・
債務
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労働契約の成立
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労働契約における
債権・
債務
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債権と
債務という考え方は当然、
労働契約関係においても存在します。
使用者労働者の関係では、
使用者は、
労働者に対して
労務給付請求権を持ちます。
労働者は、労働義務を負います。
労働者は、
使用者に対して、
賃金請求権を持ちます。これに対して、
使用者は
賃金支払
債務を負います。
労働力の利用のために
使用者が
労働者に対して有する
労務給付請求権には、
使用者の指揮命令権が予定され、
労働者もその指揮命令に服す義務があります。
また、継続的な
契約関係であることから、両当事者間における信頼関係が極めて重要であり、1回的な
契約関係に比べより信義則、信義誠実の関係が重視されることになります。
例えば、
使用者は、
労働者が就労するに当たり、
労働者の生命や健康を守るべく配慮する(
安全配慮義務。
労働契約法第5条参照)、あるいは職場でハラスメント等が生じないよう職場の環境を整備する(職場環境整備義務)等の配慮義務を負っていると考えられています。
他方、
労働者も、職務上知り得た営業秘密を開示しない義務(営業秘密の保持義務)、
使用者の名誉・信用を棄損しない義務、競業避止義務等を負っていると考えられています。
使用者には、
業務命令権、
人事権として配置、異動や秩序維持のための
懲戒権などの権利も認められます。
また、組織的労働において
労働条件、待遇について公平な取扱いや規律の設定は不可欠ですから
就業規則が必要となり、一般に、
労働契約書に記載しきれない内容を
就業規則に委ねルール化しています。
この
就業規則による規律は、
労働契約関係ならではであり、
就業規則の規定は重要といえます。
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労働契約の成立
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契約とは、当事者間の
意思表示が合致することにより成立する法的拘束力のある合意のことをいいます。申込みの
意思表示と、承諾の
意思表示が合致することによって、成立します。
これを労働関係に当てはめてみて、一番問題になりやすいのは、内定の場面です。かつて、
採用内定とは、その時点で
契約成立とはせずに
契約締結の準備段階であるという学説もあったのですが、最高裁は、
採用内定の時点で
契約が成立しているのだと判断したのです。
企業からの募集を、
労働契約成立に向けた申し込みの誘引、
労働者が応募したことを
労働契約の申込み、これに対する企業からの
採用内定の通知を、その申込みに対する承諾と捉え、申込みと承諾の
意思表示が合致したとして
採用内定の時点で
労働契約が成立したと捉える考え方です。
採用内定の時点で
契約が成立しているとはいえ、まだ入社していません。大学4年生のたとえば12月に
採用内定となったとして、4月1日の入社日までは、どういった法律関係になるのでしょうか。
そこで、
採用内定の法的性質が問題になってくるのですが、これは、始期付解約権留保付
労働契約の成立という考え方がとられています。
採用内定により
労働契約は成立するが、その効力発生は入社日以降である、あるいは効力関係では就労に関する部分以外の拘束関係は
採用内定から生じているが就労関係が入社日以降に生じる、いずれの考え方も最高裁で
採用されています。
最高裁が異なる考えを示しているのは、会社によって、
採用内定のありかたが異なるからです。
多くの企業では、内定を出しても、入社日までは
労働契約の効力は生じないということになっていると思います。
一方、入社日前の研修を義務としている企業もあります。効力が入社日以降に発生するという場合、入社日前の研修は、あくまで任意で行うことになります。しかし、労働についての効力は入社日以降だが、それ以外の効力は発生しているとなると、入社日前でも研修を義務付けることができます。
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┏┏ ◇ 労働契約における債権・債務
┏┏ ◇ 労働契約の成立
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労働契約における債権・債務
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債権と債務という考え方は当然、労働契約関係においても存在します。
使用者労働者の関係では、使用者は、労働者に対して労務給付請求権を持ちます。労働者は、労働義務を負います。労働者は、使用者に対して、賃金請求権を持ちます。これに対して、使用者は賃金支払債務を負います。
労働力の利用のために使用者が労働者に対して有する労務給付請求権には、使用者の指揮命令権が予定され、労働者もその指揮命令に服す義務があります。
また、継続的な契約関係であることから、両当事者間における信頼関係が極めて重要であり、1回的な契約関係に比べより信義則、信義誠実の関係が重視されることになります。
例えば、使用者は、労働者が就労するに当たり、労働者の生命や健康を守るべく配慮する(安全配慮義務。労働契約法第5条参照)、あるいは職場でハラスメント等が生じないよう職場の環境を整備する(職場環境整備義務)等の配慮義務を負っていると考えられています。
他方、労働者も、職務上知り得た営業秘密を開示しない義務(営業秘密の保持義務)、使用者の名誉・信用を棄損しない義務、競業避止義務等を負っていると考えられています。
使用者には、業務命令権、人事権として配置、異動や秩序維持のための懲戒権などの権利も認められます。
また、組織的労働において労働条件、待遇について公平な取扱いや規律の設定は不可欠ですから就業規則が必要となり、一般に、労働契約書に記載しきれない内容を就業規則に委ねルール化しています。
この就業規則による規律は、労働契約関係ならではであり、就業規則の規定は重要といえます。
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労働契約の成立
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契約とは、当事者間の意思表示が合致することにより成立する法的拘束力のある合意のことをいいます。申込みの意思表示と、承諾の意思表示が合致することによって、成立します。
これを労働関係に当てはめてみて、一番問題になりやすいのは、内定の場面です。かつて、採用内定とは、その時点で契約成立とはせずに契約締結の準備段階であるという学説もあったのですが、最高裁は、採用内定の時点で契約が成立しているのだと判断したのです。
企業からの募集を、労働契約成立に向けた申し込みの誘引、労働者が応募したことを労働契約の申込み、これに対する企業からの採用内定の通知を、その申込みに対する承諾と捉え、申込みと承諾の意思表示が合致したとして採用内定の時点で労働契約が成立したと捉える考え方です。
採用内定の時点で契約が成立しているとはいえ、まだ入社していません。大学4年生のたとえば12月に採用内定となったとして、4月1日の入社日までは、どういった法律関係になるのでしょうか。
そこで、採用内定の法的性質が問題になってくるのですが、これは、始期付解約権留保付労働契約の成立という考え方がとられています。採用内定により労働契約は成立するが、その効力発生は入社日以降である、あるいは効力関係では就労に関する部分以外の拘束関係は採用内定から生じているが就労関係が入社日以降に生じる、いずれの考え方も最高裁で採用されています。
最高裁が異なる考えを示しているのは、会社によって、採用内定のありかたが異なるからです。
多くの企業では、内定を出しても、入社日までは労働契約の効力は生じないということになっていると思います。
一方、入社日前の研修を義務としている企業もあります。効力が入社日以降に発生するという場合、入社日前の研修は、あくまで任意で行うことになります。しかし、労働についての効力は入社日以降だが、それ以外の効力は発生しているとなると、入社日前でも研修を義務付けることができます。
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