団塊世代のサラリーマンは、
有給休暇も取らず、毎日まいにち何十年もの間
欠かさず会社へ通い続けました。たとえ身を切られる様な辛いことに出会っても
歯を食い縛って耐え、私生活を犠牲にしてでも仕事最優先で、黙々と働いて来ました。
そして、“何のため?”と聞かれれば、ほとんどのサラリーマンは、“家族のため”と
答えたものでした。
そんな企業戦士にも
定年が到来して、職場を去る日が来てしまいました。
人生の最も盛んな時期を過ごした職場を、後ろ髪を引かれる思いで去ったことでしょう。
そして
退職した翌日、朝起きて一瞬“あれっ”という戸惑いに気づくのです。
“もう会社へは行けないんだ”ということに気づいたとき、
“じゃあ、これから俺は、何をすればいいんだろうか?”と、
前に経験したことのない難問に直面します。
──多少の
退職金と、仕事で築いた多少の人脈と、「寂寥感」と「夢」の残骸を
抱えて、一体何をすべきなんだろうか?・・・・
──
退職後の退屈な生活に対する備えもなく、突然膨大な「自由時間」を与えられ、
何を励みに生きて行けばいいんだろうか?・・・・
等々の不安で胸が一杯になってしまうのです。
他方、家庭では、こんな不安一杯で
定年後の人生を歩みだしたご主人に対して、奥様は、
先ずは尊敬と感謝の気持ちで迎えてくれるでしょう。“今まで長い間、家族のために本当に
よく働いてくれました!
ご苦労様!”と心の底からの感謝の気持ちで迎えてくれるはずです。
───でも、残念乍らその感謝の気持ちは長続きしないのです。
退職後何日経っても、ご主人は朝からパジャマ姿のまま毛布に包まって、テレビの前でボーッと
座っているばかり。
そして昼になったら“メシはまだか”と偉そうに言うだけ。
こんな姿に変わってしまったご主人に、それこそ朝から晩まで接していると、奥様の心の
奥深いところでご主人に対する不快感が徐々に芽生えて行ってしまいます。
ここから、家庭内での夫婦二人の心の葛藤が始まってしまうのです。
では、
退職後を夫婦二人が心の葛藤に出会わず、円満に暮らして行くためには、
どうしたらよいのでしょうか?何かうまい方法があるのでしょうか?
方法はあります・・・。それは、古くから言われていることですが、・・・・
やはり、「亭主元気で留守がいい」のです。
そのためには、
定年退職後もご主人は家の外で活動の場を見つけなければなりません。
地域の町会活動、大学の聴講生、写真・俳句・絵画等趣味の学校や同好会等々沢山のメニューが、
そのために用意されております。中でも長い時間を過ごせてお金もそれほどかからないと人気なのが
ハイキング・史跡探索等身体の負担が軽くて、健康にも良い屋外活動なのだそうです。
私も仕事帰りの電車の中で、優先席を占拠しているハイキング帰りの高齢者グループによく出会います。
身体はピンピンしているのに高齢者だからと優先席でふんぞり返っている姿に、一寸鼻白む思いを
しながら・・・・・
前回の「勝手に辞めた社員への給与支払い」についての話、如何でしたでしょうか。
今回は、「飲酒運転による
退職金不支給」についての話をします。
──────────◆ 目 次 ◆──────────────
○ 「飲酒運転による
退職金不支給」
───────────────────────────────
京都市の中学校の元教頭(52歳)が2010年4月に自宅で飲酒した後に自家用車で
外出し、さらに車内でも飲酒し、物損事故(車に追突)を起こしました。
その後、この元教頭は「
懲戒免職、
退職金全額不支給処分」となりましたが、
この不支給処分の取消しを求めて訴訟を提起しました。
一審(京都地裁)では、原告側が勝訴(全額不支給処分は取消し)となりました。
然し、この訴訟の
控訴審判決で、大阪高裁は、原告側勝訴となった上記の一審判決を
取消し、元教頭の請求を棄却しました(平成24年8月24日判決)。
そして、請求棄却の理由として、大阪高裁は、「飲酒運転の内容は極めて悪質・危険であり、
これに対する非難は大きく、公教育全体に対する信頼を失墜させた」とし、
更に「学校教育に貢献して勤務状況が良好だったことを考えたとしても、処分に裁量権の
乱用があったとはいえない」と判断しました。
本件は、高裁レベルながら、飲酒運転事故を理由とする
懲戒解雇とそれに伴う
退職金全額
不支給処分が、重大な人身事故だけではなく、物損事故にも認められたのが留意点です。
昨今、飲酒運転事故に対し、社会の目は厳しさを増していますので、社員(特に業務上
車両を運転する社員)には、飲酒運転不可を改めて厳しく指導しておくことをお勧めします。
ご質問等がある場合は、弊事務所にご照会下さい。
ご質問いただいた内容については、メールマガジンを通してご回答させて頂きます。
ご質問・ご意見は
info@node-office.comからどうぞ。
当事務所のホームページを更新しております。
ご興味のある方は、
http://www.node-office.com/index/index.html
または、
http://www.humansource.co.jp/ へどうぞ
当事務所所長 野手 茂 著の「サラリーマン講座
退職金・年金編」が 文芸社
より、全国書店、ネット書店で販売中です。
団塊世代のサラリーマンは、有給休暇も取らず、毎日まいにち何十年もの間
欠かさず会社へ通い続けました。たとえ身を切られる様な辛いことに出会っても
歯を食い縛って耐え、私生活を犠牲にしてでも仕事最優先で、黙々と働いて来ました。
そして、“何のため?”と聞かれれば、ほとんどのサラリーマンは、“家族のため”と
答えたものでした。
そんな企業戦士にも定年が到来して、職場を去る日が来てしまいました。
人生の最も盛んな時期を過ごした職場を、後ろ髪を引かれる思いで去ったことでしょう。
そして退職した翌日、朝起きて一瞬“あれっ”という戸惑いに気づくのです。
“もう会社へは行けないんだ”ということに気づいたとき、
“じゃあ、これから俺は、何をすればいいんだろうか?”と、
前に経験したことのない難問に直面します。
──多少の退職金と、仕事で築いた多少の人脈と、「寂寥感」と「夢」の残骸を
抱えて、一体何をすべきなんだろうか?・・・・
──退職後の退屈な生活に対する備えもなく、突然膨大な「自由時間」を与えられ、
何を励みに生きて行けばいいんだろうか?・・・・
等々の不安で胸が一杯になってしまうのです。
他方、家庭では、こんな不安一杯で定年後の人生を歩みだしたご主人に対して、奥様は、
先ずは尊敬と感謝の気持ちで迎えてくれるでしょう。“今まで長い間、家族のために本当に
よく働いてくれました!ご苦労様!”と心の底からの感謝の気持ちで迎えてくれるはずです。
───でも、残念乍らその感謝の気持ちは長続きしないのです。
退職後何日経っても、ご主人は朝からパジャマ姿のまま毛布に包まって、テレビの前でボーッと
座っているばかり。
そして昼になったら“メシはまだか”と偉そうに言うだけ。
こんな姿に変わってしまったご主人に、それこそ朝から晩まで接していると、奥様の心の
奥深いところでご主人に対する不快感が徐々に芽生えて行ってしまいます。
ここから、家庭内での夫婦二人の心の葛藤が始まってしまうのです。
では、退職後を夫婦二人が心の葛藤に出会わず、円満に暮らして行くためには、
どうしたらよいのでしょうか?何かうまい方法があるのでしょうか?
方法はあります・・・。それは、古くから言われていることですが、・・・・
やはり、「亭主元気で留守がいい」のです。
そのためには、定年退職後もご主人は家の外で活動の場を見つけなければなりません。
地域の町会活動、大学の聴講生、写真・俳句・絵画等趣味の学校や同好会等々沢山のメニューが、
そのために用意されております。中でも長い時間を過ごせてお金もそれほどかからないと人気なのが
ハイキング・史跡探索等身体の負担が軽くて、健康にも良い屋外活動なのだそうです。
私も仕事帰りの電車の中で、優先席を占拠しているハイキング帰りの高齢者グループによく出会います。
身体はピンピンしているのに高齢者だからと優先席でふんぞり返っている姿に、一寸鼻白む思いを
しながら・・・・・
前回の「勝手に辞めた社員への給与支払い」についての話、如何でしたでしょうか。
今回は、「飲酒運転による退職金不支給」についての話をします。
──────────◆ 目 次 ◆──────────────
○ 「飲酒運転による退職金不支給」
───────────────────────────────
京都市の中学校の元教頭(52歳)が2010年4月に自宅で飲酒した後に自家用車で
外出し、さらに車内でも飲酒し、物損事故(車に追突)を起こしました。
その後、この元教頭は「懲戒免職、退職金全額不支給処分」となりましたが、
この不支給処分の取消しを求めて訴訟を提起しました。
一審(京都地裁)では、原告側が勝訴(全額不支給処分は取消し)となりました。
然し、この訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は、原告側勝訴となった上記の一審判決を
取消し、元教頭の請求を棄却しました(平成24年8月24日判決)。
そして、請求棄却の理由として、大阪高裁は、「飲酒運転の内容は極めて悪質・危険であり、
これに対する非難は大きく、公教育全体に対する信頼を失墜させた」とし、
更に「学校教育に貢献して勤務状況が良好だったことを考えたとしても、処分に裁量権の
乱用があったとはいえない」と判断しました。
本件は、高裁レベルながら、飲酒運転事故を理由とする懲戒解雇とそれに伴う退職金全額
不支給処分が、重大な人身事故だけではなく、物損事故にも認められたのが留意点です。
昨今、飲酒運転事故に対し、社会の目は厳しさを増していますので、社員(特に業務上
車両を運転する社員)には、飲酒運転不可を改めて厳しく指導しておくことをお勧めします。
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