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管理職には年俸制を採用せよ

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経営テクノ研究所
2014年8月4日第1・3週月曜日発行
発行人:舘 義之http://www9.plala.or.jp/keiei-techno/
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★★経営のパートナー★★経営学で企業を再生する
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<目次>
★管理職には年俸制採用せよ
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★管理職には年俸制採用せよ
1.成果主義賃金制度の典型的は年俸制 
 年俸制は、成果主義賃金制度の典型的であるといえます。年俸制は、企業
が管理者の能力や実績の評価をもとに、年間の賃金を決定する制度です。個
々の管理者が次年度における自分の目標を設定し、年度末に達成度の評価を
受けて、企業との交渉のうえ、翌年の年間賃金が決定される方式が一般的です。

(1)導入……定着に時間をかける。現行制度と調和を図る
(2)対象……管理者に限定
(3)年俸……労働基準法24条2項により最低月1回の支払が必要になりま
       すので、年を分割して毎月(賞与月に多く振り分けることあ 
       る)支払うことになる。
(4)評価……目標管理と自己申告だけでなく、プロセス評価なども実施し
       本人の納得性をあげる。  
(5)格差……業績部分の査定幅を大きくする。

2.目標設定のプロセスを重視せよ 
 各管理職の目標を設定するには、その職位について職務記述書が作成され
ていなければなりません。成果主義を強調する以上、まず各職位の責任事項
が明らかにされていなければなりません。

 もちろん、職務記述書といっても、一定のフォームどおり作らなければな
らない、というわけではありません。職位の目的を達成するために必要な、
主な業務を列挙したものであればよいでしよう。

3.職務に対する業績基準を明確にせよ
 もともと、管理職について職務記述書を作成したのは、アメリカの企業で、
第二次世界戦争の末期頃から、企業の管理職位の不足に悩むようになって、
管理職をいかにして開発教育するかが問題となってきました。

 その解決のためには、ただ自然発生的に有能者の出現を待つのではなく、
積極的に教育訓練する必要があることが明らかとなり、管理者開発のための
各種の方法が考えだされました。

 その一つが職務記述書であり、管理者の仕事とは何かを明らかにし、その
資格要件を明確にして、育成に役立たせようとしたのです。

 職務記述書により、管理職位の職務内容が明らかになりましたが、職務権
限および諸関係を詳細に記述するだけでは不十分で、その職務に対して期待
されている責務を果たしているかどうかを明らかにする業績基準が必要にな
ってきたのです。

 業績基準とは、職務が立派に達成された時に存在する状態のことで、維持
的基準といえます。そういった意味で業績基準は、職務を形成しているすべ
ての業務について設定することを原則としています。

 業績基準は、その職務が設けられた以上、少なくとも、この程度の結果を
あげてもらいたい、という最小限度、または標準的な達成水準のことで、過
去のデータを中心に定めるか、あるいは工学的手法によって定められます。

 これに対して、目標は、仕事を現状以上に改善しようとする発展的基準で
あり、大いに改善の可能性があって、効果のあがる仕事を取り上げて、これ
について具体的な成果目標を立てることを言います。すなわち、業績基準に
ついて、何らかの改善を加えようとする狙いをもつものです。

 したがって、目標は、一定期間に限る狙いであるのに対し、業績基準は、
改正されるまで同じものが持続される性質のものです。

4.スタッフ職位の職務には質的業績基準もある
 スタッフ職位の職務などについては、質的基準も存在するのは当然のこと
です。

5.目標による管理を通して年俸制を管理する
 だいたいどんな仕事でも、職務記述書のように明確に記述されると、今度
は固定化し、その担当者の仕事ぶりは、とかく現状維持的で、最小限度の成
果に甘んじるようになるものです。

 今日、企業がおかれている環境は、変化の激しいきわめて厳しいものであ
って、これに即応したダイナミックなマネジメントが強く要請されています。

 その時その時に応じて、企業の目的を達成するのに不可欠な戦略と戦術が
実行されなければなりません。仕事を常に重点的に行わざるを得ないのです。
管理職の職務は、まさにこうした性質のものです。

 したがって、目標による管理は、新しい仕事、新しい手続や方法をどんど
ん目標として採用する必要があります。

 では、どの程度の目標を設定して、これを任すことができるかは、目標の
達成度からみた部下の習熟と上司による統制の範囲とによって決まります。

 つまり、上司の統制の範囲は、部下の目標について面倒をみることができ
る範囲によって決まるのです。

 しかし、職務をいかに明確にし、業績基準や目標を設定しても、その基準
や目標が達成されなければ意味がありません。したがって、業務遂行の結果
を判定することもまた、重要なことがらです。ここに、目標による管理の重
要な役割があるのです。

 年俸制のもとでの目標による管理は、各管理者が、毎年の目標を設定して、
年度の終わりにその達成度を評価することになります。

 客観的な業績判定は、年俸制の査定に利用できるし、業績を通して判定さ
れた能力の伸び具合は、一方において昇進に結びつき、他方、教育訓練の基
礎資料となります。そのためには、目標記述書によって運営されていくこと
になります。

6.これからは欧米型年俸制が強まる
 年俸制は、大別すると欧米型年俸と日本型年俸とに分けられます。  

(1)欧米型年俸
 欧米型年俸制は、賞与がない業績に応じた総額一本、すなわち、基本給
みでの賃金決定のタイプで、大幅なアップ・ダウンがあります。

 この方式は、役職階層と個人業績別に年俸が設定されるので、毎年、年俸
が上下する洗い替え方式で決定されるものです。

 年俸額の水準については、全産業平均を下回っていれば、全く魅力はあり
ません。したがって、少なくとも全産業平均を最低ベースに、業績考課によ
ってアップ・ダウンを決めていく必要があります。

(2)日本型年俸
 日本型年俸制は、基本給賞与といったタイプで、最初に年俸を決め、そ
の後で基本給賞与を決めていきます。

 いずれの方式にしても、業績評価によって年俸に格差が出ますので、先に
述べた業績基準の明確化と評価制度の運営に公正さが求められます。

 しかしながら、ここで注意を要することは、業績のみで判定してはならな
いということです、業績の背後にある本人の努力と客観的な条件をも検討す
ることです。

 つまり、目標の達成努力を通して、目標自体の困難度、努力度、または日
常業務に対する業務遂行能力といった面を含めて評価することが、より大切
になります。

7.客観的な業績評価基準をつくれ
 業績評価に当って何よりも大切なことは、あくまでも客観的に、しかも組
織対する貢献度を尺度にしなければならないということです。

 したがって、目標はできるだけ定量的であるか、具体的につかめる表現が
望ましいのです。何%達成といった評価が一番容易だからです。

 つまり、本人の潜在能力がどれほどあっても、業績として示されないもの
を考慮してはならないのです。あくまで成果主義を貫くことです。

 それと同時に、目標の達成によって組織に貢献したかを、これも具体的に
何百万円といった評価が望ましいのです。もし、金銭に換算できない場合は、
業績の影響力を詳しく具体的に示す必要があります。

 客観的な業績評価は、年俸の査定に利用できるし、業績を通して判定され
た能力の伸びぐあいは、上級役職への登用に結びつき、他方教育訓練の基礎
資料となります。

 また、本人の適正、あるいは能力に起因して業績が向上しない場合は、ロ
ーテーションその他、人事上の措置を考える必要があります。さらに、環境
や各種の条件が本人の能力発揮を制約している場合は、職務の配分その他組
織の変更が取上げられるようになります。

8.プロセス評価はコンピテンシーが効果的
 コンピテンシーとは、ハイパフォーマー(高業績者)が高い成果を生み出
すための特徴的な行動特性のことです。

 ハーバード大学の心理学者マクレランド教授が、1970年代から研究を
始めたものです。ハイパフォーマーの特性をベンチマーク(指標化)し、採
用や昇格、人材起用などの場面で活用行くというのが基本的な考え方です。

 コンピテンシーは、各職務を担当する高業績者が持続的に高い業績をあげ
る能力を行動特性(特徴)によって表現したもので、従来の能力を評価する
制度と異なり、その能力が成果に密接につながるかどうかを明確にして評価
や育成の基準としていこうとするものです。成果主義のキーワードとしても
活用されています。

 職能資格制度は、能力を評価していましたが、コンピテンシーは、行動を
評価するものです。したがって、コンピテンシーは、潜在的能力よりも、能
力がどのように発揮されたか、という側面を重視しています。

 コンピテンシーは、社員1人ひとりの行動特性や業務の遂行能力を意味し、
ある成果を生むためにどんな行動をとったかを社員ごとに分析することで、
業務内容や役職に応じて企業が社員に期待する、あるべき人材の姿と比較し、
社員の正確な評価につなげるというものです。

 コンピテンシーを評価基準にすれば、誰にどんな能力が不足しているかも
把握できるため、人材開発にも役立つという利点があります。

 セールスマンの場合、一般的には販売実績などを評価基準として採用する
企業がほとんですが、これでは結果だけしかわかりません。コンピテンシー
を利用すれば、なぜそうなったのか、といった営業活動のプロセスも追求で
きるので、より具体的な人材開発にも結びついていきます。

 したがって、収集した情報やインタビューなどから、コンピテンシーの項
目を参考にしながら役職別にモデル構築を行っていきます。
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★舘 義之のポジション
 人事・IE・VE・マーケティングコンサルタント
 人事・IE・VE・マーケティングの三輪で企業体質の仕組みを構築して、
厳しい経営環境の中で勝ち残っていく会社にすることを第一に支援します。
舘 義之への問い合わせstudy@sky.plala.or.jp
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