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コラムの泉

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簡易な移転価格項目

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.298-2015.08.11
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
こんにちは、エキスパーツリンクの紺野です。日本の会計基準は、今、IFRS
で揺れ動いています。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場準備会
社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。これ
らのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理担当者の皆さん向けに、
出来る限り分かりやすくお伝えします。何らかの「気づき」をご提供すること
が出来れば幸いです。仕事の合間に軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は私どもの私見にもとづきます。このメールマガジン
の情報をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等
にご確認ください。もちろん、エキスパーツリンクでもまずは無料で検討させ
ていただきます。

◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[NEWS]業務停止命令!
2.[NEWS]それでも新任トップは新日!
3.[NEWS]きちんとして欲しい
4.[最新J-GAAP]100%子会社に対する無対価吸収分割会計処理と意思決定機関
5.[税務]簡易な移転価格項目
6.[IFRS]収益認識基準の明確化の提案
7.[編集後記]

**********************************************************************
移転価格文書の作成、更新はお済ですか?
・移転価格文書の作成、どうすればいいかわからない。
・一度作成してあるけど、その後、更新していない。
など、移転価格に関するご相談は税理士法人エキスパーツリンクにどうぞ!
http://expertslink-tax.jp/manager/transfer-price/
**********************************************************************

===================================
1.[NEWS]業務停止命令!
===================================
どこまで本当なんでしょうか。疑問ですが、、、。

http://biz-journal.jp/2015/08/post_11016.html

「関係者によると、オリンパス損失隠し事件を告発した証券取引等監視委員
会のある委員は、東芝事件の概要報告を受け、「また新日本か」と嘆いたと
いう。」

「新日本に対し、金融庁は業務改善だけでなく、「一定期間の業務停止命令」
を視野に入れて事態の推移を静観しているもよう」(関係筋)。「第三者委員会
報告がまとまった現在、早くも監査法人の責任追及と現在の
監査制度改革を求める声が広まっている。」

「また中央青山か」と言われた時期がありましたが、あれから約10年、今度
は「また新日本か」になってしまったようですね。

「関係筋」というだけですから、どこまで信憑性があるのか。読者の方もご
存じの方が多いか思いますが、中央青山は業務停止命令を受けて、顧客の流
出がとまらなくなりました。

===================================
2.[NEWS]それでも新任トップは新日!
===================================
帝国データバンクが、上場監査法人の異動状況調査の結果を公表しているよう
です。
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p150804.html

2015年1月から7月の間に監査法人が異動したことを開示した上場企業60社の
市場や異動した監査法人の名称、異動の理由などを調査してくれています。

・JASDAQが一番多い。
・退任監査法人トップはトーマツ
 新任監査法人トップは新日本
・異動理由では任期満了がトップ

ということのようです。ご参考ください。

===================================
3.[NEWS]きちんとして欲しい
===================================
麻生大臣もおっしゃってます。

http://jp.reuters.com/article/2015/08/04/aso-coin-idJPKCN0Q901C20150804

「麻生担当相は会見で「(監査法人による監査が)きちんとされていないとい
うことは、マーケットの信頼をなくす。その企業に限らず、日本の東京マーケ
ット自体に対する信頼にも関わるので、きちんとしてほしい」と述べた。ただ
、個別の監査法人への具体的な対応は言及しなかった。」

個々の会計士さんたちはきっとまじめに頑張っていたんだと思います。少なく
ともそう信じたいです。

===================================
4.[最新J-GAAP]100%子会社に対する無対価吸収分割会計処理と意思決定機関
===================================
以下、あくまで「会計上」の話をします。「税務上」ではないので誤解のない
ようにお願いします。

“親会社の事業の一部を100%子会社に分社型吸収分割で移転する場合の会計
 理”

これちょっと心得のある方なら、100%で共通支配下の取引で分社型だから、分
割会社では、資産負債が取り崩されて、対価として関係会社株式が認識される
んだろうなという感覚になるのではないでしょうか。

 関係会社株式 ××× / 諸資産 ×××
 諸負債    ×××

というイメージですね。

ただ、100%子会社であった場合、対価が支払われないことがあるんですよね。
つまり、100%子会社がいくら株式を発行してもあまり意味がないので、株式を
発行しないという選択をするケースがあるんです。この場合、仕訳はどうなり
ますでしょうか。株式を発行していないわけですから、借方は”関係会社株式”
にはなりません。

どうなるかというと、”株主資本”になるんですね。

 株主資本 ××× / 諸資産 ×××
 諸負債  ×××

これは、「企業結合会計基準及び事業分離会計基準に関する適用指針」
203-2(2)に規定があります。この株主資本って具体的にはなんなの?と疑問に
なるわけですが、これは、「会社法の規定に基づき計上する」とされています。

それで、会社計算規則第38条第3項に行きますと、

「前2項の場合の吸収分割会社における吸収分割に際しての資本金、資本剰余
金又は利益剰余金の額の変更に関しては、法第2編第5章第3節第2款の規定そ
の他の法の規定に従うものとする。」

と言っています。

この法第2編第5章第3節第2款は、
第1目 資本金の額の減少等
第2目 資本金の額の増加等
第3目 剰余金についてのその他の処分

ということになっていますので、基本的に株主総会決議が必要ということにな
ります。

とすると、100%子会社に対する吸収分割で規模の小さいものであれば、簡易
分割でやろうという場合も多いかと思いますが、総会決議が必要になってしま
うということになりそうです。

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5.[税務]簡易な移転価格項目
===================================
簡易な移転価格項目とは、移転価格の事務調査ではなく、一般の税務調査にお
いて調査される移転価格項目のことです。海外子会社に対する役務提供の対価
や貸付金の金利設定などが該当します。

これらは移転価格項目ですから、本来移転価格の調査で行われるべきですが、
役務提供の場合はコストプラス、貸付金の金利は金融市場のデータなどから、
比較的容易に独立企業間価格が確認できるため、法人税の調査において指摘さ
れる項目です。最近は海外取引の規模にかかわらず、海外取引のある会社中堅
企業も質問を受ける事例が増えています。

これらの項目について対価の徴収が行われていない場合、国外関連者に対する
寄附金として課税されることがありますので注意が必要です。

また、海外出向者給与の格差補填金、親会社が負担する広告宣伝費や市場調査
費についても、法人税の調査で調査される項目です。

===================================
6.[IFRS]収益認識基準の明確化の提案
===================================

IASBは、IFRS15「顧客との契約から生じる収益」の明確化と移行にあたっ
ての救済策を提案する公開草案を発行しました。

http://www.ifrs.org/Alerts/PressRelease/Pages/IASB-proposes-clarifications-to-revenue-Standard.aspx

これは、

契約上の履行義務を特定する方法」
「取引の当事者が、主たる当事者(財やサービスの提供を行う者)であるか、
 代理人(財やサービスが顧客に提供されるよう調整する者)であるか、を特定
 するか方法」
「ライセンスが、顧客に無形資産へのアクセス権を提供しているのか、使用権
 を提供しているのかを特定する方法」

を提案しており、さらに、移行にあたっての2つの救済策を提案しています。

===================================
7.[編集後記]
===================================
監査制度を改革しろという声が強まるのでしょうか。
そうは言っても、監査をする対象から報酬をもらうという監査制度の根幹自体
は全世界的に共通する話ですから、これ自体は変えづらいのではないでしょう
か。それよりも、私は大事だと思うのは、国民の意識ではないかと思います。
残念なことに日本では粉飾が大犯罪であるということについての意識、これ自
体が非常に低いと言わざるを得ないのではないでしょうか。もっと罰則を強化
して、大罪であるという認識を社会全体が深く認識しなおさなければ決してな
くならないように思います。言ってしまえば、監査法人が行う監査手続をなめ
てる、ってことなんじゃないでしょうか。やや刺激的な言葉でしたが、つぶれ
監査法人出身会計士のぼやきということでご容赦ください。

「さらなる『チャレンジ』が必要な日本企業」って、どうなんでしょうか。
ちょっとこのタイミングだと、、、。
http://www.shinnihon.or.jp/shinnihon-library/publications/issue/info-sensor/pdf/info-sensor-2015-08-01.pdf
言葉は選ぶべきと思いますね。

公認会計士紺野良一事務所のHPを作りましたので、是非ご覧ください。

トップページ
http://kaishaho-kansa.com/
個人会計士による会社法監査
http://kaishaho-kansa.com/audit/personal/

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
*URL: http://www.expertslink.jp
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