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『1万時間』のウソとホント;職業倫理を踏まえた情報の取り扱い

総務の森』コラムをご覧のみなさま


こんにちは! 合同会社5W1Hの高野潤一郎と申します。

プロフィールとバックナンバーは、こちらからご覧いただけます。
http://www.soumunomori.com/profile/uid-97755/

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また、株式会社産労総合研究所様のご厚意により、月刊『企業と人
材』誌(2015年6月号)に掲載された、高野の紹介記事を公開でき
るようになりましたので、興味をお持ちの方は、こちら↓も併せて
ご覧ください。

●『人財を伸ばし、束ね、組織能力を高める』
  http://www.5w1h.co.jp/resource/kigyotojinzai_Jun2015.pdf
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本コラムでは、弊社Facebookページに公開した記事(2015年10月12
日投稿)の一部を改変してシェア差し上げます。 今回のタイトル
に興味をお持ちいただけた方は、是非、お役立てください。

<以下、抜粋記事となります。その旨、予めご了承くださいませ。
 なお、システム上、本コラムでご紹介できない『画像』などを含
 めた『全文』は、後述のリンク先より、無料で、何の登録手続き
 もなく、ご覧いただけますので、ご安心ください。>

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■『1万時間』のウソとホント;職業倫理を踏まえた情報の取り扱い

専業コーチの方にコーチングしているとき、たまに、「おかしなこ
とを言っているなぁ」と感じて、より掘り下げた話をすることがあ
ります。 そして、そういったケースには、大きく3種類あります。


●1つ目は、「一次情報に当たっていない」場合です。

例えば、あるコーチは、マルコム・グラッドウェル(Malcolm
Gladwell)さんの書籍『天才!成功する人々の法則』で有名になっ
た『1万時間の法則』について、「マルコム・グラッドウェルとい
う人が、新分野のスキルを習得して、世界に通用するレベルになる
には、1万時間かかることを発見した」のだと、他の人々に伝えて
いらっしゃったようです。

これには、2つの確認不足が含まれています。

1つ目は、『1万時間の法則』を広く普及させた立役者は、確かに
マルコム・グラッドウェルさんなのですが、その考え方の元々の提
唱者は、フロリダ州立大学のアンダース・エリクソン教授(Prof.
and Dr. K. Anders Ericsson)(※1)です。

※1 大組織の経営行動と意思決定に関する研究でノーベル経済学
賞を受賞したハーバート・アレクサンダー・サイモン(Herbert
Alexander Simon)教授の下で、プロのスポーツ選手、世界的な音
楽家、チェスの名人などを研究し、「Deliberate Practice」(綿
密に検討された練習・実践)理論を確立した人物です。


2つ目は、アンダース・エリクソンさんの主張は、「極めて競争が
激しい分野の、限定されたテーマで、トップになるためには、1万
時間かかる」といった内容だった(…研究対象となったのは、既に
その分野で優秀だと認められていた人々だった)にもかかわらず、
『伝言ゲーム』のようにして広がったことで、「新分野のスキルを
習得して、世界に通用するレベルになるには、1万時間かかる」と
いう内容を信じる人が多くなっているということです。

どちらも、『一次情報』(※2)の確認不足です。

※2 『一次情報』とは、自分の経験(現場調査・取材など)から
得た/生み出した情報;専門誌や学協会誌に掲載される論文、特許
情報などのオリジナルな情報のことです。 一方、『二次情報』と
は、他者がそういっていた・一般書籍や新聞にそう書いてあったな
ど、他者(の解釈)を通して得た情報;抄録誌や索引誌のように一
次情報へのアクセス手段のために編集された情報のことです。

コーチングであれ、コンサルティングであれ、仕事として何らかの
情報や知識を扱う役割を担うのであれば、誤った情報・知識を広め
る側の人間にならないよう、極力、一次情報に当たるように努める
責務があるのではないでしょうか。

会社の経営方針・事業戦略や、人生設計などにも影響を及ぼすコー
チングが、社会的に信用を得ていくには、「誰でも簡単にコーチに
なれます!」といった形で、「安易にコーチを量産する風潮」が大
きな障害となっているように感じています。


●2つ目は、「情報を多角的に捉えていない」場合です。

(特に、権威者・有名人から)何か確からしい話を聴くと、それを
鵜呑みにしてしまうこと(クリティカル・シンキングの欠如)があ
ります。

詳しくなろうと思っていない分野であれば、問題はないのかもしれ
ませんが、自分の仕事などに直接影響する内容であれば、「反対意
見は出ていないのか?」などについて状況を把握・多角的に検討し
たうえで、情報・知識を取り扱う必要があるのではないでしょうか?

上述の『1万時間の法則』の例で言えば、プリンストン大学のブル
ック・マクナマラ助教(Brooke N. Macnamara)らの研究(※3)
などが有名です。

ブルック・マクナマラさんたちの研究では、「クラシック音楽やチ
ェスなどのように、『ルールが大きく変わることのない分野』の競
争においては、『綿密に検討された練習・実践』を繰り返し積み重
ねることが非常に大きな意味を持つのに対して、ロックンロールや
ビジネスなどの、絶対的なルールがなく、時として固定概念を打ち
破ることで高い評価を受ける分野においては、1万時間の法則が有
効とは言えない」といった主張がなされています。

※3 「Deliberate Practice and Performance in Music,
Games, Sports, Education, and Professions: A Meta-Analysis」,
Brooke N. Macnamara, David Z. Hambrick, and Frederick L.
Oswald, Psychological Science 0956797614535810, first
published on July 1, 2014


●3つ目は、「情報の使い方について考えていない」場合です。

一次情報に当たり、多角的な検討を加えていたとしても、クライア
ントさんの置かれた状況や環境の変化などに合わせて、クライアン
トさんの望む目的の達成や問題解決に適うよう、情報や知識を(編
集して)用いることが大切です。

コーチングと言えば、「教わった通りにこの手順で話を進めなけれ
ばならない」「GROWモデルに当てはめれば必ずうまくいく」
「これで思った通りに動かないのであれば、彼(女)が問題社員だ」
などといった硬直化した思考でいるようでは、せっかくのコーチン
グが逆効果となってしまいかねません。

「正解のない時代」「VUCAワールド」(※4)では、「正解がある
状況下で『指導』する」のとは異なり、適宜「情報を加工したり、
ツール自体に変更を加えたり」しながら、『協創』していく『対話』
が求められているのではないでしょうか? あなたはどう思われま
すか?

※4 『VUCA』は、混沌として先が読めない世界;Volatility(変
動性), Uncertainty(不確実性), Complexity(複雑さ),
Ambiguity(曖昧さ)の頭字語です。


私は、上述のような経験を踏まえ、「部下に対する傾聴ばかりが強
調されがちなコーチング」との差別化を図るため、『目的達成・問
題解決を進める過程で、自己を従来とは異なる視点から眺めて刷新
していく』といった特長を持つ弊社流のコーチングには『協創対話』
を当てることが多くなってきています。

あなたは、『一次情報に当たり、多角的に検討し、状況に応じて用
い方を工夫する』といった形で、普段接する情報を適切に扱えてい
そうでしょうか?

もし、『自分を取り巻く利害関係者からの期待に応えるうえで有用
な専門サービス』『マネジメント力や人財育成能力の向上を図るう
えで有用な専門サービス』として、弊社流のコーチングの活用に興
味をお持ちでしたら、下記をご覧になってみてください。

●エグゼクティブ・コーチング
http://www.5w1h.co.jp/ec/tt.html

●パーソナル・コーチング(ライフ・コーチング)
http://www.5w1h.co.jp/pl/coaching.html

(後略)
============================================================


冒頭でご案内差し上げましたように、本記事の『全文』は、下記
よりご覧いただけます。上記抜粋記事をご覧になった上で、詳細
についてお知りになりたい方は、是非ご活用くださいませ。

●弊社Facebookページ投稿記事(2015年10月12日投稿)
『1万時間』のウソとホント;職業倫理を踏まえた情報の取り扱い
 → http://ow.ly/TjOOd


以上、何か少しでも、『総務の森』コラムをご覧のみなさまの
お役に立てることがあれば幸いです。

お忙しいところ、目を通していただき、ありがとうございました!

               高野潤一郎@合同会社5W1H

P.S.1
●10月23日(金)
チームで人財を育成する
『ファクト・ベイスト・フィードバック』セミナー
http://www.5w1h.co.jp/pl/feedback.html

●11月4日(水)開始!【平日夜の研究会】
リーダー、コーチ、コンサルタント向け「変化促進研究会」
実務に役立つ内容を英語で学ぶ!
http://www.5w1h.co.jp/pl/CLV.html

●11月19日(木)~20日(金)
フレームワーク質問力(R)
http://www.5w1h.co.jp/pl/saimf.html
「この内容が身につけば、他のコミュニケーション系の研修は一切
不要!」という受講者も!!

●その他、今後のイベント一覧です。
http://www.5w1h.co.jp/event.html


P.S.2
もし『図表』を用いた解説も多い弊社発信情報にご興味をお持ち
いただけたようでしたら、下記もご覧になってみてください。

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 「自律共栄の納得人世」の実現に向け、
 「人財と組織の育成を支援」する 合同会社5W1H

         代表 高野 潤一郎 [ 博士(先端科学技術) ]

合同会社5W1Hウェブサイト 】 http://www.5W1H.co.jp/

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