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親切経営で値段が高いのに行列、“ねぎし”の決定権委譲経営!

        ◆◆コンピテンシーを磨けば仕事のできる人になれる◆◆

     <第364回>賢人のコンピテンシーをベンチマークする!<その57>

   ==■「親切経営で値段が高いのに行列、“ねぎし”の決定権委譲経営!」■==

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人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れとなり、成
果に結び付けられない人が実に多いのです。
「賢人のコンピテンシーをベンチマークする」と題して分かりやすく解説していきます。
コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ・管理者・
社員の皆様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す学生さんにも是非ともお読みいただ
きたいと思います。

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■忙しい人はとりあえず流し読みして下さい。後でゆっくり読み直していただくと理解が一
 層深まります。(コンピテンシー宣教師より)■

<今回のメニュー>
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【1】ライバル新店にスタッフ全員引き抜かれる!
【2】現場の人材力が全てであることを学ぶ!
【3】34年で34店舗と言う超スロースピード出店!
【4】社長は自働化経営の仕組みを後押しするだけ!
【5】賢人から学ぶべきこと!
【6】編集後記

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賢人と呼ぶにふさわしい人は、すばらしい「行動特性」を持って行動している。だからすば
らしい仕事の結果を出すことができるのだ。我々は賢人のコンピテンシーをベンチマークし
ない手はないのだ。



【1】ライバル新店にスタッフ全員引き抜かれる!

都心を中心に43店舗。横浜に2店舗あるようだが埼玉県にはまだない。ランチの平均価格は
1200円以上だが連日大行列だ。お客様の7割以上はリピーターだと言う。

ほとんどの外食産業が苦戦する中、“ねぎし”は稀有な勝ち組と言っていいだろう。“ねぎ
し”を率いるのは根岸栄治社長だ。年齢は私の推定で65歳前後と思われる。ネットで調べた
が経歴などの個人情報は公開されていなかった。

資本金は5000万円で、年商は約56億円、社員数125名でアルバイトは約1000名、年間の来客
数は427万人だそうだ。

出身大学は不祥だが商学部を卒業して東京の百貨店で働いていたが、父が事業に失敗して倒
産。やむなく仙台で畑違いの飲食店を始めた。東京でヒットしている飲食店のビジネスモデ
ルを真似たところ、結構繁盛した。ところがあるとき、店へ顔を出すとスタッフ全員がエス
ケイプ(脱走)し、店はもぬけの殻。同じ業態でオープンした新店に全員が引き抜かれてし
まったのである。



【2】現場の人材力が全てであることを学ぶ!

この一件で根岸社長は、短期的な利益を追求しても結局現場の人材力がなければ店は長続き
しないことを悟った。

「ねぎしフードサービス」の本社を仙台から東京新宿に移し、1981年に歌舞伎町の一店舗か
ら地に足を付けて歩み始めたのである。

<ねぎしの経営理念>
お客様に おいしさを
お客様に まごころを
ねぎしはおきゃくさまのためにある
そして
お客様の喜びを自分の喜びとして
親切と奉仕に努める

<共に誓い>
共に学び、共に築き、共に進もう。そして共に幸せになろう。

自ら考えて行動できる力を発揮するのが“ねぎし”の社員たちだ。全員が「ねぎし大学」で
学び、切磋琢磨している。



【3】34年で34店舗と言う超スロースピード出店!

以来34年間で34店舗。出店は極めてスローペースだ。その理由に付いて根岸社長は「人材が
育たないのに新店を次々オープンしてもお客様を満足させることができないから失敗に終わ
る。だから出店を焦らない」とおっしゃる。出店戦略一本やりの経営者に聞かせてあげたい
言葉だ。

根岸社長は、自社を「人材共育型企業」と称している。そして人は人財であり、“ねぎし”
と共に成長できる自由闊達な風土作りに日夜努力しているのだ。

育った人材を新店の店長やスタッフに登用するからアルバイトの教育もスムーズに行く。ス
ロースピード出店だが、出店した店舗はみんな盛況だ。



【4】社長は自働化経営の仕組みを後押しするだけ!

ねぎしでの超目玉は「牛タン とろろ 麦めし」だ。1480円とちょっと高いが絶大な支持を
得ている。

焼き加減が絶妙だ。社内で考案した「焼き師」制度がうまく機能している。合格した人でな
ければ牛タンを焼くことはできない。まさに職人技だ。

“ねぎし”の売りは接客にある。カギは「親切」だ。お客様が薬を取り出せば即座に水が出
てくる。女性のお代りにはあえて声を出さない。まるでサッカーの守備範囲を決めているか
のようにお客様の一挙手一投足を見逃さない。

毎年の経営方針も店長たちが会議を開いて決定する。たとえばクリーンプロジェクトがあり、
新宿界隈の清掃をみんなで実施する。店舗のきれいさを競う「クレンリネスコンテスト」も
あり、店長同士がチェック評価する。「経営の主体は現場」、つまり店長に意思決定の権限
を委ねているのだ。社員もアルバイトもモチベーションが高い所以でもある。やらされ意識
はない。



【5】賢人から学ぶべきこと!

人材の育成は企業として当たり前のことだ。だが言うのは易しいが実行となると難しい。そ
れを根岸社長は実現している。「親切」はシンプルでわかりやすい。分かっているのにお客
様に親切でない企業は多すぎる。

意思決定の権限を店長に委ねているが、意識の低い店長たちに権限を委譲してしまえばベク
トルが合わず、大変な混乱を招く。ここまでくるのに10年、いや20年は掛かったことだろう。

“ねぎし”では「日本経営品質賞」を2011年に受賞している。2012年には「農林水産大臣賞」
を受賞している。「牛タンとろろ麦めし」では大和芋の産地である千葉県多古町の農家に協
力を要請し、大和芋を安定供給してもらえるように会社として支援していることなどが評価
されているようだ。

根岸社長の「人間力」全体が学びの対象になると絶賛を送りたい。



【6】編集後記

新宿の本社は質素な雑居ビルにある。築30年以上の狭い4階のフロアだけだ。社長の席は窓際
で立ち上がるとき椅子を引くことすらできないほど狭い。本社のことを「サポートオフィス」
と呼び、店舗を支援する存在と位置付けており、「ねぎしフードサービス」の経営の本質を
見るような気がする。動画を拝見した結果では、本社のスタッフもみんな明るく、元気溌剌だ。



<今回は、テレビ東京のカンブリア宮殿も参考にさせて頂いた。>


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次回に続く


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