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懲戒解雇と弁明の機会

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ビジネスに直結する実践的判例・法律・知的財産情報
弁護士法人クラフトマン 第169号 2016-03-01

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法律相談ご案内
http://www.ishioroshi.com/btob/soudan_firstb.html

顧問弁護士契約顧問料)についての詳細
http://www.ishioroshi.com/btob/komon_feeb.html
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前書き 弊所新宿事務所の移転のお知らせ(再掲)
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 本稿を執筆しております弁護士の石下(いしおろし)です。いつ
もご愛読ありがとうございます。

 さて、前回もご案内のとおり、弊所新宿事務所は、来る2016
年3月7日(月)から、東京丸の内に移転することとなりました。
具体的な場所は以下のとおりです。

 新事務所名 弁護士法人クラフトマン東京国際特許法律事務所
 東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング11階
 [電 話] 03-6267-3370 [FAX] 03-6267-3371

 地図  http://www.ishioroshi.com/#map

 新事務所は東京駅から至近のところにあり、東京以外の地方の方
々も含め、弊所へのアクセスは容易になると思います。今後ともよ
ろしくお願いいたします。

 また、メルマガ読者限定無料相談も引き続き継続中です。末尾の
ご案内もご覧ください。

では、本論にまいります。





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1 今回の判例  懲戒解雇と弁明の機会
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

宇都宮地裁 平成27年6月24日判決

 A氏は、自動車エンジンの金型や設備製造等の製造を営むB社の
従業員でしたが、B社から懲戒解雇を受けました。

 これに対しA氏は、懲戒解雇事由がないこと、懲戒解雇手続が違
法であること等を理由に懲戒解雇が無効であると主張しました。




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2 裁判所の判断
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 裁判所は懲戒解雇を有効と判断しましました。以下、主として本
稿のテーマである手続的側面を中心に判断の理由をご紹介します。

● A氏は、上司からの度重なる業務命令に従わず、36日間無断
欠勤を継続したなど、懲戒事由の程度は重大であった。

● B社の就業規則においては弁明の機会を与える旨の規定は置か
れておらず、懲戒をするに当たっては労使の代表者で構成する賞罰
委員会を開くこととされており、就業規則上の手続は履践されてい
た。

● このような場合、A氏が主張するような、弁明の機会を付与し
ないことをもって直ちに懲戒手続が違法であるということはできな
い。




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3 解説
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(1)懲戒処分の有効性の要件

 企業がその従業員懲戒処分にする場合であって、従業員がこれ
を争う場合、その有効性が問われることとなります。

 一般に懲戒処分が有効となるためには、以下の要件が必要と考え
られています。


 a)懲戒事由に該当する事実・就業規則上の懲戒事由の存在
 b)懲戒処分の相当性(平等性、違反事実と処分のバランス等)
 c)適正手続

 このように、懲戒処分の有効性の根拠としては、内容面(懲戒
分事由や相当性)だけでなく、手続面における履践も重要視されま
す。

 そのため、実務上は、懲戒処分にあたっては、本件のような賞罰
委員会といった制度、労働組合との協議といった取決めのほか、本
人の弁明の機会の付与が定められていることも珍しくありません。
そして、懲戒処分をするにあたっては、就業規則上定められた手続
を履践することは重要であるといえます。



(2)弁明の機会の付与と懲戒処分

 では、就業規則上「弁明の機会」が定められていない場合、この
弁明の機会は懲戒にあたっては必須なのでしょうか。

 この点確かに、本件でも、また少なからぬ他の裁判例でも、弁明
の機会がないからといって懲戒処分が無効とはならないとしていま
す。しかし、弁明の機会の付与は常に不要、と解することはリスク
があると考えます。

 それは、前述のとおり、裁判所が、懲戒処分にあたっては、会社
が当該処分に至るまでいかなるプロセスを経てきたかという手続的
側面を重要な要素と見るという姿勢は変わらず、実際、弁明の機会
が付与されていないことを理由に懲戒処分の効力を否定した例も少
なくないからです(例 東京地裁平成24年11月30日判決日本
通信事件)。実際、会社が拙速に走って「問答無用」で懲戒処分
するならば、裁判所に与える心証は良いものとはいえないという場
合は少なくありません。

 それで、就業規則上弁明の機会を付与すべき旨の定めがある場合
はもちろん、そうでない場合も、被懲戒者に対する弁明の機会をで
きる限り付与することは望ましいことではないかと考えられます。
懲戒解雇といった重い処分を予定している場合や、懲戒対象者が懲
戒事由に関する事実を争っている場合には特にそうです。

 また、弁明の機会を与えたといっても立証できなければその意味
は半減します。それで、当該弁明の場のやりとりや弁明の内容をき
ちんと記録化・証拠化することも重要と考えられます。




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4 メルマガ読者限定・初回30分無料相談サービスの開始
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 弊所では、弊誌のご愛読の感謝として、メルマガ読者限定で、初
回30分無料相談を実施しています。弊所に相談したいと思っている
ものの、相談実績がなく、社内決裁をいので社内で予算が取りにく
いといった方、是非ご活用くだされば幸いです。


<相談要領>
   a 相談日時   申込者のご都合にあわせ、日程調整の上
            決定
   b 相談場所   弊所東京事務所又は横浜事務所
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   d 相談後の義務 何もありません。ご安心ください。


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「申込可能な方」 初めて弊所に相談される方に限ります
         法人の相談に限ります

「申込期間」   いつでも可能です

「相談可能分野」 以下をご覧ください
       http://www.ishioroshi.com/biz/soudan_first/

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出については、弊所を出典として明示するなどの条件で、原則とし
て無償でお受けしています。この場合、遠慮なく下記のアドレス宛、
メールでお申出ください。
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〒160-0022 東京都千代田区丸の内1-5-1 
新丸の内ビルディング11階
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