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ビジネスに直結する実践的判例・法律・知的財産情報
弁護士
法人クラフトマン 第181号 2016-10-04
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法律相談ご案内
http://www.ishioroshi.com/btob/soudan_firstb.html
顧問弁護士
契約(
顧問料)についての詳細
http://www.ishioroshi.com/btob/komon_feeb.html
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前書き
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
本稿を執筆しております弁護士の石下(いしおろし)です。いつ
もご愛読ありがとうございます。
前書きは前回の続きです。一見自分でできるように思える
契約書
の作成やチェックについて、コストを掛けて専門家に依頼する企業
が少なくないのはなぜか、という問題提起をしました。
この点まず、自社で
契約書の作成・チェックを行うということは、
例えるならば地雷が埋まっているかもしれない土地を地雷の有無を
専門家にチェックさせることなく購入することに似ているといえる
かもしれません。つまり、大きなリスクを抱えたまま、しかもその
リスクを知らずに取引や事業を行うことになる、ということです。
また、きちんとした
契約書を専門家に作成してもらう、または専
門家のチェックを受けることは、自動車を運転する前に
任意保険に
入っておくこととも似ています。多くの人は万一の事故のために自
動車保険に入りますが、何年も
保険料を支払ってもその間一度も保
険を使わないことが多いといえます。でも、多くの人は、支払った
保険料を無駄とは考えません。
別の言い方をすれば、
契約書を作らずに、またはそれらしい
契約
書だけで取引をしてトラブルが生じなかったから良かったと考える
ことは、
費用を惜しんで
任意保険に入らなかったがたまたま交通事
故を起こさなかったので保険に入らなくて良かった、と考えること
と似ているといえるかもしれません。
しかし、そのような考えは企業経営上のリスク管理として妥当か
と問いかけることは間違った問いかけではないと思います。そのた
め、健全な判断をする多くの経営者にとっては、取引や事業に伴う
リスクを避け・軽減するためには、事前に専門家にコストをかけ契
約書を整えることは、自動車保険と同様の必要
経費と見られている
のです。
長くなりましたので、上の「リスク」にはどんなものが含まれて
いるか、といった具体論は、この続きとして次の機会に申し上げた
いと思います。
なお、本稿の末尾には、弊所取扱案件として英文
契約実務(M&
A編についてご紹介しています。ご関心があればこちらもご覧くだ
さい。
では、本文にまいります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1 今回の事例 長期間更新された
有期雇用契約と雇い止め
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
横浜地裁平成27年10月15日判決
A氏は、平成10年にB社のパートタイム社員として入社して以
来、104の番号案内業務を担当し、15年7か月にわたり期間1
年又は3か月の
雇用契約を約17回更新してきました。
しかし、平成25年、B社は、104業務が縮小している中A氏
の業務遂行能力が十分ではないなどの理由により、A氏を雇止めに
しました。
そこで、A氏が、この雇止めは客観的に合理的な理由を欠き、社
会通念上不相当であると主張して、B社に対し、
雇用契約が更新さ
れたものとして自身が
雇用契約上の
労働者の地位にあることの確認
を求めました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2 裁判所の判断
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
裁判所は以下のように判断し、A氏の請求を認めました。
● B社の104業務は、規模の縮小はあるもののB社の恒常的・
基幹的業務であり、A氏の勤務条件は
賃金水準等を除けば一般常用
労働者と同様であった。
● A氏の勤務年数は約17回の更新を経て15年7か月であり、
更新については
契約期間終了前後にロッカーに配布される
契約書へ
の署名押印という形骸化したものであった。
● これら事情からは、本件の雇止めは、
労働契約法19条1号に
より無期
雇用契約における
解雇と同視できる。そしてB社は整理解
雇を理由としているので、人員削減の必要性、雇止め回避努力、人
選の合理性、手続きの相当性という4要素の観点から検討する。
● B社においては人員削減の必要性の程度が弱く、相応手厚い雇
止め回避措置が期待される。しかし、B社は、雇止め後の円滑な他
業務での従事のために雇止め通告前から調整を図る等、より真摯か
つ合理的な努力をしたとはいえない。
● B社がA氏に紹介した他業務転出も、改めての
採用面接で適性
がなければ
採用されないから、雇止め回避策としては不十分である
し、その紹介等は雇止めの通告後であるから雇止め回避策ではない。
● そのほか、A氏を対象とした人選の合理性や、A氏への雇止め
通告までの手続の相当性も不十分だった。よって本件雇止めは、客
観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められず、
A氏とB社は従前と同一の条件で
雇用契約を更新したものとみなさ
れる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
3 解説
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(1)
有期雇用契約とは
有期雇用契約とは、
雇用期間の定めのある
契約であり、有期
雇用
契約は期間の満了とともに終了するのが原則です。
解雇が厳しく制
限される我が国の労働法において、
有期雇用契約は、期間満了とと
もに
契約を当然に終了させることができるもので、多く利用されて
います。
しかし実際は、「有期
契約」であっても、人員調整を容易にする
ための便宜上使われていることも多く、更新の手続がルーズかつ機
械的に行われたり、更新手続さえされずに、長期間
雇用されるケー
スも少ないとはいえません。
それで、裁判所は、期間の定めが一応あっても、更新することへ
の期待ができる事情があるときは、安易な更新拒絶(雇止め)は許
されず、期間の定めがない
契約における
解雇と同様、合理的な理由
が必要となる、と判断してきました。また、場合によっては、もと
の
雇用契約が、実質的には「
期間の定めのない契約」とみなされる
場合もあります。
(2)
有期雇用契約の雇止めに関する
労働契約法の改正
そしてこの判例法理を敷衍し、
労働者を保護する趣旨から、改正
労働契約法19条に、
有期雇用契約に適用される「雇止め法理」(
雇止めを制限する法理)の規定が新設されました。
具体的には、以下のいずれかに該当する場合に、雇止めが有効と
なるためには、
解雇と同様の合理性が必要であり、そうではない場
合には、従前と同一の条件で更新したものとみなす、という規定で
す。
[1] 過去に反復して更新されたことがある有期
労働契約で、そ
の雇止めが無期
労働者を
解雇することと社会通念上同視で
きると認められるもの(19条1号)
[2]
労働者において有期
労働契約の期間満了時に当該
契約が更
新されるものと期待することについて合理的理由があると
認められるもの(19条2号)
今回は、このうち1号に該当すると判断された事例と評価できま
す。
(3)雇止めを有効なものとするための措置
以上の
労働契約法の考え方を踏まえれば、
有期雇用契約を利用す
る企業としては、安易な雇止めは避けるべきといえます。
しかし、いざ真に必要な場合にも、更新拒絶(雇止め)が無効と
されてしまうことも避ける必要があります。それで、この点を防ぐ
ためにも普段から手を打っておく必要があります。
この点、平成12年9月11日労働省
労働基準局監督課発表の「
有期
労働契約の反復更新に関する調査研究会報告」は、参考となり
ます(*)。
同報告によれば、以下の状況が全て認められる有期
労働契約は、
無期
雇用契約とみなされる可能性は低いとされています。
[1] 業務内容や
契約上の地位が臨時的であること又は正社員と業
務内容や
契約上の地位が明確に相違していること
[2]
契約当事者が有期
契約であることを明確に認識していると認
められる事情が存在すること
[3] 更新の手続が厳格に行われていること
[4] 同様の地位にある
労働者について過去に雇止めの例があるこ
と
そこで、企業としては、以上の要素を踏まえ、自社において締結
されている
有期雇用契約の内容や有期
契約社員の処遇等を見直すこ
とは、将来のリスクの軽減に役立つと思われます。
少なくとも更新の手続を形骸化させない工夫、例えば、都度面談
を行い、正式な
契約書を交わすようにしたり、次回更新する・しな
いの判断は、会社の経営状況、期間満了時の業務量により判断する
旨を明記し、当該判断を記録に残すといった措置が取れるかもしれ
ません。
この点で、時代とともに変動する判例法理にあわせたアドバイス
を得るために、労働法に精通した弁護士のアドバイスも活用できる
と思われます。
(*) なおこの報告内容は
労働契約法制定前のものですが、制
定後も引き続き有用なものではないかと考えます
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
4 弊所取扱案件紹介~英文
契約実務(
M&A編)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
近年では多くの企業が海外取引に積極的に取り組んでいます。海
外取引・国際取引では英文
契約はまさに自社を守る必須のツールと
いえます。
また国内ビジネスであっても、海外企業の
代理店になるとか、海
外企業と取引する場合には英文
契約の締結が必要となる場合が少な
くありません。
そして弊所では、英文
契約業務に積極的に取り扱い、多くの企業
の国際化を支援しています。
これまで弊所が作成・レビューとして取り扱ってきた英文
契約は
多種多様ですが、今回は特にM&A関係のものをピックアップする
と、以下のようなものがあります。
弊所では海外取引・国際
契約をご検討の方のご相談を歓迎します
。詳細は以下のURLをご覧ください。
http://www.ishioroshi.com/biz/kaisetu/keiyaku/eibun_keiyaku/
・販売店
契約書
(Distributorship Agreement、Reseller Agreement)
・
代理店契約書(Representing Agreement)
・
売買契約書(Purchase and Sales Agreement)
・フランチャイズ
契約書(Franchise Agreement)
・業務提携
契約書
(Alliance Agreement、Affiliation Agreement)
・購買
契約書(Purchasing Agreement)
・取引条件に関する合意書
(Agreement of Trading Terms)
・
業務委託契約書・
役務提供
契約書(Services Agreement)
・エージェンシー
契約書(Agency Agreement)
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本稿の無断複製、転載はご遠慮ください。
ただし、本稿の内容を社内研修用資料等に使用したいといったお申
出については、弊所を出典として明示するなどの条件で、原則とし
て無償でお受けしています。この場合、遠慮なく下記のアドレス宛
、
メールでお申出ください。
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【執筆・編集・発行】
弁護士・弁理士 石下雅樹(いしおろし まさき)
東京事務所
〒160-0022 東京都千代田区丸の内1-5-1
新丸の内ビルディング11階
弁護士
法人クラフトマン東京国際
特許法律事務所
TEL 03-6267-3370 FAX 03-6267-3371
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TEL 045-276-1394(代表) FAX 045-276-1470
mailto:
info@ishioroshi.com
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弊所取扱分野紹介(
契約書作成・
契約書チェック・英文
契約)
http://www.ishioroshi.com/btob/jisseki_keiyakub.html
(弁護士
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弊所取扱分野紹介(英文
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前書き
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本稿を執筆しております弁護士の石下(いしおろし)です。いつ
もご愛読ありがとうございます。
前書きは前回の続きです。一見自分でできるように思える契約書
の作成やチェックについて、コストを掛けて専門家に依頼する企業
が少なくないのはなぜか、という問題提起をしました。
この点まず、自社で契約書の作成・チェックを行うということは、
例えるならば地雷が埋まっているかもしれない土地を地雷の有無を
専門家にチェックさせることなく購入することに似ているといえる
かもしれません。つまり、大きなリスクを抱えたまま、しかもその
リスクを知らずに取引や事業を行うことになる、ということです。
また、きちんとした契約書を専門家に作成してもらう、または専
門家のチェックを受けることは、自動車を運転する前に任意保険に
入っておくこととも似ています。多くの人は万一の事故のために自
動車保険に入りますが、何年も保険料を支払ってもその間一度も保
険を使わないことが多いといえます。でも、多くの人は、支払った
保険料を無駄とは考えません。
別の言い方をすれば、契約書を作らずに、またはそれらしい契約
書だけで取引をしてトラブルが生じなかったから良かったと考える
ことは、費用を惜しんで任意保険に入らなかったがたまたま交通事
故を起こさなかったので保険に入らなくて良かった、と考えること
と似ているといえるかもしれません。
しかし、そのような考えは企業経営上のリスク管理として妥当か
と問いかけることは間違った問いかけではないと思います。そのた
め、健全な判断をする多くの経営者にとっては、取引や事業に伴う
リスクを避け・軽減するためには、事前に専門家にコストをかけ契
約書を整えることは、自動車保険と同様の必要経費と見られている
のです。
長くなりましたので、上の「リスク」にはどんなものが含まれて
いるか、といった具体論は、この続きとして次の機会に申し上げた
いと思います。
なお、本稿の末尾には、弊所取扱案件として英文契約実務(M&
A編についてご紹介しています。ご関心があればこちらもご覧くだ
さい。
では、本文にまいります。
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1 今回の事例 長期間更新された有期雇用契約と雇い止め
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横浜地裁平成27年10月15日判決
A氏は、平成10年にB社のパートタイム社員として入社して以
来、104の番号案内業務を担当し、15年7か月にわたり期間1
年又は3か月の雇用契約を約17回更新してきました。
しかし、平成25年、B社は、104業務が縮小している中A氏
の業務遂行能力が十分ではないなどの理由により、A氏を雇止めに
しました。
そこで、A氏が、この雇止めは客観的に合理的な理由を欠き、社
会通念上不相当であると主張して、B社に対し、雇用契約が更新さ
れたものとして自身が雇用契約上の労働者の地位にあることの確認
を求めました。
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2 裁判所の判断
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裁判所は以下のように判断し、A氏の請求を認めました。
● B社の104業務は、規模の縮小はあるもののB社の恒常的・
基幹的業務であり、A氏の勤務条件は賃金水準等を除けば一般常用
労働者と同様であった。
● A氏の勤務年数は約17回の更新を経て15年7か月であり、
更新については契約期間終了前後にロッカーに配布される契約書へ
の署名押印という形骸化したものであった。
● これら事情からは、本件の雇止めは、労働契約法19条1号に
より無期雇用契約における解雇と同視できる。そしてB社は整理解
雇を理由としているので、人員削減の必要性、雇止め回避努力、人
選の合理性、手続きの相当性という4要素の観点から検討する。
● B社においては人員削減の必要性の程度が弱く、相応手厚い雇
止め回避措置が期待される。しかし、B社は、雇止め後の円滑な他
業務での従事のために雇止め通告前から調整を図る等、より真摯か
つ合理的な努力をしたとはいえない。
● B社がA氏に紹介した他業務転出も、改めての採用面接で適性
がなければ採用されないから、雇止め回避策としては不十分である
し、その紹介等は雇止めの通告後であるから雇止め回避策ではない。
● そのほか、A氏を対象とした人選の合理性や、A氏への雇止め
通告までの手続の相当性も不十分だった。よって本件雇止めは、客
観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められず、
A氏とB社は従前と同一の条件で雇用契約を更新したものとみなさ
れる。
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3 解説
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(1)有期雇用契約とは
有期雇用契約とは、雇用期間の定めのある契約であり、有期雇用
契約は期間の満了とともに終了するのが原則です。解雇が厳しく制
限される我が国の労働法において、有期雇用契約は、期間満了とと
もに契約を当然に終了させることができるもので、多く利用されて
います。
しかし実際は、「有期契約」であっても、人員調整を容易にする
ための便宜上使われていることも多く、更新の手続がルーズかつ機
械的に行われたり、更新手続さえされずに、長期間雇用されるケー
スも少ないとはいえません。
それで、裁判所は、期間の定めが一応あっても、更新することへ
の期待ができる事情があるときは、安易な更新拒絶(雇止め)は許
されず、期間の定めがない契約における解雇と同様、合理的な理由
が必要となる、と判断してきました。また、場合によっては、もと
の雇用契約が、実質的には「期間の定めのない契約」とみなされる
場合もあります。
(2)有期雇用契約の雇止めに関する労働契約法の改正
そしてこの判例法理を敷衍し、労働者を保護する趣旨から、改正
労働契約法19条に、有期雇用契約に適用される「雇止め法理」(
雇止めを制限する法理)の規定が新設されました。
具体的には、以下のいずれかに該当する場合に、雇止めが有効と
なるためには、解雇と同様の合理性が必要であり、そうではない場
合には、従前と同一の条件で更新したものとみなす、という規定で
す。
[1] 過去に反復して更新されたことがある有期労働契約で、そ
の雇止めが無期労働者を解雇することと社会通念上同視で
きると認められるもの(19条1号)
[2] 労働者において有期労働契約の期間満了時に当該契約が更
新されるものと期待することについて合理的理由があると
認められるもの(19条2号)
今回は、このうち1号に該当すると判断された事例と評価できま
す。
(3)雇止めを有効なものとするための措置
以上の労働契約法の考え方を踏まえれば、有期雇用契約を利用す
る企業としては、安易な雇止めは避けるべきといえます。
しかし、いざ真に必要な場合にも、更新拒絶(雇止め)が無効と
されてしまうことも避ける必要があります。それで、この点を防ぐ
ためにも普段から手を打っておく必要があります。
この点、平成12年9月11日労働省労働基準局監督課発表の「
有期労働契約の反復更新に関する調査研究会報告」は、参考となり
ます(*)。
同報告によれば、以下の状況が全て認められる有期労働契約は、
無期雇用契約とみなされる可能性は低いとされています。
[1] 業務内容や契約上の地位が臨時的であること又は正社員と業
務内容や契約上の地位が明確に相違していること
[2] 契約当事者が有期契約であることを明確に認識していると認
められる事情が存在すること
[3] 更新の手続が厳格に行われていること
[4] 同様の地位にある労働者について過去に雇止めの例があるこ
と
そこで、企業としては、以上の要素を踏まえ、自社において締結
されている有期雇用契約の内容や有期契約社員の処遇等を見直すこ
とは、将来のリスクの軽減に役立つと思われます。
少なくとも更新の手続を形骸化させない工夫、例えば、都度面談
を行い、正式な契約書を交わすようにしたり、次回更新する・しな
いの判断は、会社の経営状況、期間満了時の業務量により判断する
旨を明記し、当該判断を記録に残すといった措置が取れるかもしれ
ません。
この点で、時代とともに変動する判例法理にあわせたアドバイス
を得るために、労働法に精通した弁護士のアドバイスも活用できる
と思われます。
(*) なおこの報告内容は労働契約法制定前のものですが、制
定後も引き続き有用なものではないかと考えます
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近年では多くの企業が海外取引に積極的に取り組んでいます。海
外取引・国際取引では英文契約はまさに自社を守る必須のツールと
いえます。
また国内ビジネスであっても、海外企業の代理店になるとか、海
外企業と取引する場合には英文契約の締結が必要となる場合が少な
くありません。
そして弊所では、英文契約業務に積極的に取り扱い、多くの企業
の国際化を支援しています。
これまで弊所が作成・レビューとして取り扱ってきた英文契約は
多種多様ですが、今回は特にM&A関係のものをピックアップする
と、以下のようなものがあります。
弊所では海外取引・国際契約をご検討の方のご相談を歓迎します
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・販売店契約書
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・代理店契約書(Representing Agreement)
・売買契約書(Purchase and Sales Agreement)
・フランチャイズ契約書(Franchise Agreement)
・業務提携契約書
(Alliance Agreement、Affiliation Agreement)
・購買契約書(Purchasing Agreement)
・取引条件に関する合意書
(Agreement of Trading Terms)
・業務委託契約書・役務提供契約書(Services Agreement)
・エージェンシー契約書(Agency Agreement)
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