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「労働時間管理」の役員の責任

「アレリーマン」という言葉をご存知でしょうか?
「アレ、何だったかな」、「アレアレ!アレだよ」とアレを連発する中高年サラリーマン
(因みに、「アレの連発」は何もサラリーマンだけに特有なことではありません。
私なんかも、誰にも引けを取らない立派な「アレリーマン」です。ただ、サラリーマンは
有業人口の8割以上を占め、そこでの出来事は社会一般的なことと、みんなの共感を得やすいため、
何かとサラリーマンがよく引き合いに出されます)を指す言葉だそうです。
確かに年齢を重ねると、物や人の顔ははっきりと頭に思い浮かぶのに、その固有名詞がなかなか
出てこないということがよく起こるようになります。

職場で、家庭で、あるいは友達などとの会話の中で、話題にしたい人の名前がどうしても出て来ず、
もどかしい思いをする中高年世代は結構多いだろうと思います。
そんな時に「アレだよ、アレ」という言葉がつい口から出てしまうのですが、本人以上にもどかしい
思いをするのは、それを聞かされる側かもしれません。

某雑誌で中堅メーカー勤務の30代社員のこぼす声(笑い話?)が出ていました。
「50代の部長からの指示は『アレ、出しといて』とか、『アノ人によろしく』ばかり。話の内容から
想像して“○○報告書はすでに提出しました”、“承知しました。取引先の○○課長ですね”と
答えるのですが、ひどい時は『アレを、アノ人に、アレしといて』ですから、禅問答ですよ(苦笑)」と。
更に、商社に勤める20代の社員からは、こんな話が披露されています。
「ウチの部長は、究極の「アレリーマン」なんです。人に何かを話す時………『この間のアレ、コレで
いい?? 』とか『先週のアレ、出来た??』とか、何を言っているのか分かりません。
こちらが『アレとかコレでは、分かりませんよ』って言うと、
『君ぃ、「功名が辻(平成18年の大河ドラマ、“山内一豊の妻”の千代が、ここという大事な場面で、
誰も思いつかないような機転で夫を助けたことで有名)」観たことないのぉ? 千代は、アレとコレで
旦那の言ってることが分るんだからさぁ。少し千代を見習ったらぁ?』と返してくる始末。
 『フザケンナ!!、俺はお前の奥さんじゃねぇぞーーーーーーーー!!』
と叫びたくなりました」とのこと。

私も上の話の部長さん達と同じような立派な健忘症状を見せるのですが、この話を読んだとき
「これはひどいアレリーマンだ。これじゃ部下は大変だなぁ」と自分のことは棚に上げて思ったもんでした。
 私の場合は、余り「アレ、アレ」とかは言わないんですが「固有名詞を思い出せない」ということでは、
全く変わりはありません。そこで出てこない言葉を説明するために、冷や汗をたらし乍ら余計な回りくどい
話をして、「話し相手」に「あぁ○○さんのこと」と何とか思い出して貰おうとするのです。
でも、よく考えれば、会話の途中で回りくどい話を織り込むのは相手にとっては、却ってえらい迷惑
なのかもしれません。

歳を重ねるにつれてどんどんと増える「アレ」                 
食卓の醤油瓶も、朝ドラのヒロインの名前も、仕事に欠かせない大事な書類も、次から次へと「アレ」に
“改名”されて行きます。
この“改名”もついつい“年齢のせいだからしょうがない”とか“伝わっていれば問題ない”とかで
片付けがちですが、実は「アレだよ、アレ」は危険なサインの場合もあるそうです。

 専門家は、“アレ”や“ソレ”といった指示語は誰でも瞬間的に使いますが、問題は時間が経っても
“アレ”が何を指しているのかを思い出せない場合だと指摘します
  数分後、数時間後であっても思い出せる場合は、自然な老化現象としての記憶力低下だそうで、
いうなれば“良性の物忘れ”と表現できるそうです。しかしいつまで経っても“アレ”のままだったり、
さらに深刻なケースとして自分が“アレ”を連発していたこと自体を忘れてしまったりするようなら
認知症を疑う必要も出てくるだろうと説明しています。
      ……… うーん、私の場合は未だ前者だから、大丈夫かな? ………

  数年前のサラリーマン川柳に、「オレオレと  アレアレ増える  高齢化」
というのがありました。
サラリーマンを卒業して私ぐらいの年代になると、友人との飲み会などで、「あの、この前、俺が言ってた
アレがさ、ほらアレだよ!アレアレ!……えーと何だっけ?」。
……… こんな会話が増えるようになりました。

前回の「雇用保険の適用拡大」についての話、如何でしたでしょうか。
今回は、「「労働時間管理」の役員の責任」についての話をします。
──────────◆ 目 次 ◆──────────────
○「「労働時間管理」の役員の責任」」
────────────────────────────────
(1)過労死の責任を問う全国初の「株主代表訴訟」が提起
銀行の行員だった男性が過労からうつ病を発症し、投身自殺をした事件で、男性の妻が
銀行を訴え、熊本地裁は、銀行が注意義務を怠り、行過ぎた長時間労働をさせたと認定し、
慰謝料など1億2,886万円の支払いを命じました(2014年10月)。
同事件では、労基準監督署が発症直前の時間外労働時間が207時間に及んでいたと認定
していました。そして今年9月、この妻が、銀行の株主としての立場で、当時の役員ら11人
に対し、過労死を防ぐ体制づくりを怠り銀行に損害を与えたとして、約2億6,400万円の
損害金の支払いを求める株主代表訴訟を提起しました。
(2)株主代表訴訟で追及される役員の責任とは?
役員は、会社に対し忠実義務を負っており(会社法355条等)、違反すると任務懈怠責任
会社法423条1項)を負います。株主代表訴訟では、役員の任務懈怠により会社が損害を
被ったとして責任追及がなされますが、過労死や過労自殺について任務懈怠責任を問う
株主代表訴訟は初めてとのことです。
(3)過労死・過労自殺で役員個人の責任を認めるケースが相次ぐ
従業員の過労自殺について役員個人の責任を認めた事件として有名なのが、2011年
5月の大庄(日本海庄や)事件における大阪高裁判決です。同事件は、役員の第三者に対する
損害賠償責任を定める会社法429条1項の規定が、過労死・過労自殺の事案でも適用されること
を明らかにしました。
2015年12月に和解が成立したワタミ過労自殺訴訟でも、原告側によれば、和解条項で、
創業者について「最も重大な損害賠償責任を負う」ことを確認したとされています。
経営者による長時間労働の放置は、厳しい責任追及の対象となり得ると言えるでしょう。

 NTTデータ経営研究所/ NTTコムオンライン・マーケティング・ソリューションの調査に
よると、長時間労働の抑制に取り組む企業の割合が2015年の「22.2%」から2016年の「32.1%」
に増加し、既に多くの経営者が長時間労働の是正に向けて動き出しています。

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