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移転価格税制に係る文書化制度FAQ

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.356-2016.10.31
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
こんにちは、エキスパーツリンクの紺野です。日本の会計基準は、今、IFRS
で揺れ動いています。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場準備会
社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。これ
らのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理担当者の皆さん向けに、
出来る限り分かりやすくお伝えします。何らかの「気づき」をご提供すること
が出来れば幸いです。仕事の合間に軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は私どもの私見にもとづきます。このメールマガジン
の情報をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等
にご確認ください。もちろん、エキスパーツリンクでもまずは無料で検討させ
ていただきます。
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ありましたら、こちらにどうぞ。紺野に直接届きます。
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]移転価格税制に係る文書化制度(FAQ)
2.[開示]決算短信四半期決算短信の様式に関する自由度の向上について
3.[税務]税理士法人損害賠償命じる
4.[税務]国際戦略トータルプラン-国際課税の取組の現状と今後の方向-
5.[編集後記]

===================================
1.[税務]移転価格税制に係る文書化制度(FAQ)
===================================
国税庁は、10月27日、「移転価格税制に係る文書化制度(FAQ)」を公表して
います。

http://www.nta.go.jp/sonota/kokusai/takokuseki/pdf/01.pdf

こちらで今一度ご確認ください。

目についたところをいくつか抜粋、要約しておきます。

*********************************************************************

問1 移転価格税制に係る文書化制度の概要を教えてください。

○独立企業間価格を算定するために必要な書類(ローカルファイル)
(作成期限)
確定申告書の提出期限まで

(当局への提出の態様・提出期限)
当局の要請に基づき提出(45日以内の当局が指定する日。
※ローカルファイル以外の関連事項等については、60日以内の当局が指定
する日)

(提出義務者)
調査対象法人

(適用除外)
前期の取引合計額50億円未満、かつ、無形資産取引合計額3億円未満
※個々の国外関連者等毎に判定

○国別報告事項
(当局への提出の態様・提出期限)
・最終親会社等が内国法人の場合
最終親会社等の会計年度終了後1年以内に提供

・最終親会社等が外国法人の場合
 原則として提出義務なし(情報交換により入手)
 (限定的な場面で)子会社等に提供義務を課す

(提出義務者)
内国法人である最終親会社等
・(限定的な場面で)外国法人である最終親会社等の在日子会社(又は在日
PEを有する外国法人)

(適用除外)
連結グループ収入1,000億円未満

○事業概況報告事項(マスターファイル)
(当局への提出の態様・提出期限)
最終親会社等の会計年度終了後1年以内に提供

(提出義務者)
グループの内国法人(又は在日PEを有する外国法人)

(適用除外)
連結グループ収入1,000億円未満

*********************************************************************

個人的に気になったのは、以下です。ローカルファイルの同時文書化義務の
免除基準の1つとして、無形資産取引の合計金額が3億円未満であるというこ
とがありますが、以下の点に注意が必要かと思います。

*********************************************************************

問73 国外関連者からの経営管理料の受領は、同時文書化義務の免除基準に
おける無形資産取引に含まれますか。
問74 当社は、外国にある親会社から企業グループ内役務提供(IGS)を受
け、その対価を支払っています。この支払は無形資産取引の対価に含
まれますか。
問75 当社は、国外関連者との間で、研究開発に係る費用分担契約を締結し、
その契約に基づいて費用分担額を負担しています。この支払は無形資
産取引の対価に含まれますか。
*********************************************************************

これらの答えは基本的に同じで、

*********************************************************************
取引科目の名称いかんに関わらず、無形固定資産その他の無形資産の譲渡、
貸付け、権利の設定、使用許諾又はこれらに類似する取引は、同時文書化義
務の免除基準における無形資産取引に含まれます。
*********************************************************************

という答えが用意されております。無形資産の使用料の支払などの名目では
なくとも、実質的にこれに該当するということであれば、文書化義務が課さ
れることになります。

無形資産に該当するかどうかについては、各通達や事務運営指針を参照すべき
旨記載されていますので本文をご参照ください。

===================================
2.[開示]決算短信四半期決算短信の様式に関する自由度の向上について
===================================

平成28年10月28日、東京証券取引所は、「決算短信四半期決算短信の様式
に関する自由度の向上について」を公表しています。

http://www.jpx.co.jp/rules-participants/public-comment/detail/d1/nlsgeu000002016p-att/20161028-1.pdf

これによると、

2017年3月末日以後最初に終了する通期決算又は四半期決算の開示から、

「当取引所が定める短信の様式のうち、本体である短信のサマリー情報につい
て、上場会社に対して課している使用義務は、これを撤廃します。」

「これに伴い、本体である短信のサマリー情報については、付属資料である短
信の添付資料と同様、短信作成の際の参考様式として、上場会社に対しその
使用を要請するに止めることとします。」

とのことです。これでどの程度の自由な開示が広がるのでしょうか。楽しみで
す。

===================================
3.[税務]税理士法人損害賠償命じる
===================================
T&Aマスターからご紹介です。
http://www.lotus21.co.jp/ta/1610ddld/664_40.pdf

「顧問先法人で発生した不正な資金流出をめぐり、顧問先法人税理士法人
対し損害賠償を請求していた事件で、税理士法人が一部逆転敗訴する控訴審判
決が下されていたことが明らかとなった(平成28年9月14日判決)。東京高裁
は、不正な財務会計書類を作成した税理士法人に顧問契約上の義務違反があっ
たと認めたうえで、不正な資金流出に関する損害が発生した最大の要因は顧問
法人側にあったなどと指摘。損害額(約1,528万円)の8割を過失相殺した後の
金額(約305万円)から未払報酬の残額(約240万円)を差し引いた約65万円につ
いて、税理士法人に対し損害賠償を命じた。」

なんか論点がずれているような気がするのですが、そこがポイントなのかもし
れません。

コメントが難しい気がしますので控えます。

===================================
4.[税務]国際戦略トータルプラン-国際課税の取組の現状と今後の方向-
===================================

国税庁は、国際戦略トータルプラン-国際課税の取組の現状と今後の方向-と
いう資料を公表しています。

https://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2016/kokusai_kazei/index.htm

項目並べますと、
(情報リソースの充実)
1.国外送金等調書の活用
2.国外財産調書及び財産債務調書の活用
 3.租税条約等に基づく情報交換
 4.CRS(共通報告基準)による金融口座情報の自動的交換
 5.多国籍企業情報の報告制度の創設

(調査マンパワーの充実(専門体制の整備・拡充))
 1.専門部署の取組等
 2.今後の体制整備等

(グローバルネットワークの強化(外国当局との協調等))
 1.租税条約等に基づく情報交換(上掲)
 2.CRS(共通報告基準)による金融口座情報の自動的交換(上掲)
 3.国際的な枠組みへの参画
 4.徴収共助制度の活用
 5.相互協議の促進

といったところです。

うち、’CRS(共通報告基準)による金融口座情報の自動的交換’を詳しく
みてみましょう。

CRSとは、Common Reporting Standardの略ですが、2014年にOECDから公表さ
れた非居住者の金融口座情報を税務当局間で自動的に交換するための国際基準
です。

今後、各国の税務当局はこの基準に基づき、

(1)自国に所在する金融機関等から非居住者が保有する金融口座情報(氏名・
  住所、個人番号・法人番号、口座残高、利子・配当等の年間受取総額等)の
報告を受け、
(2)租税条約等の情報交換規定に基づきその非居住者の居住地国の税務当局との
間でその情報を提供し合う

こととなります。

日本では、平成29年1月1日より導入されます。

平成29年1月1日以後、新たに金融機関等に口座開設等を行う者等は、金融機
関等へ居住地国名等を記載した届出書の提出が必要となります。

また、国内に所在する金融機関等は、平成30年以後、毎年4月30日までに特
定の非居住者の金融口座情報を所轄税務署長に報告し、報告された金融口座情
報は、租税条約等の情報交換規定に基づき、各国税務当局と自動的に交換され
ることとなります。

もう、がんじがらめですね。

CRSに関する詳細はこちらでどうぞ
https://www.nta.go.jp/sonota/kokusai/crs/index.htm

===================================
5.[編集後記]
===================================
とうとう眼鏡作りました。人生初の眼鏡です。老眼です。老眼。
眼科でみてもらって、さらに眼鏡屋さんでもみてもらったのですが、遠くは相
変わらずよおく見えるのですが、近くはぼやけます。結果+1とのことですの
で、本当に大したことはないのだと思いますが、やはり集中力が落ちますので
ブルーライトカットのもので作りました。先週後半からつけているのですが、
よくみえますね。集中力があがった気がしていいです!これで電車のなかでの
スマホも問題なくみえます。なくしそうで怖いですけど。

公認会計士紺野良一事務所のHPを作りましたので、是非ご覧ください。

トップページ
http://kaishaho-kansa.com/
個人会計士による会社法監査
http://kaishaho-kansa.com/audit/personal/

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士税理士・公認内部監査人(CIA)inactive 紺野良一
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