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コラムの泉

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標準報酬月額下限の引下げ

もう直ぐ師走です。春は桜が咲き誇る靖国道路の街路樹も今はすっかり黄色くなって、次々と
葉を落とすようになってしまいました。そんな木々を眺めながら、最近私は毎日のように
「本当に時間の経つのは早いなぁ!」とつぶやき乍ら、過ごしています。
時を経るにつれ、私の頭も段々とくたびれてきています。新しいことには一向にフル回転しないのに、
昔のことを思い出すときには一気にフル回転するようになってきました。
そんな頭で、もう年金生活に入っているサラリーマン時代の友人たちのことを、昔の顔を
思い浮かべながら“今は何をしてるんだろう”と時々思い出したりしています。

6年前に出版された渡辺淳一氏の「孤舟」は、そんな私の関心を引く一冊です。
あらすじは、こんな感じです。
「大手広告代理店の上席常務執行役員まで上りつめた主人公・威一郎は、第二の職場として
関連会社社長のポストを提示されたが、それには不満で、60歳で定年退職した。
本人は、「定年後は悠々自適、バラ色の人生が待っている」と思ってのことだった…………。
だが、待ち受けていた現実は、思いもよらなかった夫婦の亀裂だった。
威一郎の現役時代は、ほとんど仕事優先で家庭を省みる暇もそんな気持ちもなかった。
それに慣らされていた妻は、定年後も一日中家にいて、身の回りの世話を強いる威一郎に
ストレスを募らせる。会社以外に行くところもない主人公は、妻が外出するとなると、
行き先や帰宅時間を執拗に尋ね、「俺の食事はどうなっている?」と自分では、
インスタントラーメンすら作ろうとせずに妻に要求する始末。また妻が女友達と長電話
でもすると、あからさまに嫌な顔をする。そんな状況を受けて妻は典型的な
「夫在宅ストレス症候群」に陥ってしまった。
かくて妻は長女のもとに逃げ、威一郎は愛犬と二人だけで暮らすようになった。
 
一人暮らしを続ける内に主人公は、今まで家事のことは一切しなかったのに、
ある日、宅配便を気軽に受け取っている自分に気付く。家に戻った妻にそのことを
からかわれて、主人公は自省する…………。
「もしかして、一時、妻がここから出ていったのは、俺を自立させるための手段で
あったのか」「この際、しつけられたのだから、しつけられついでに料理でも習いに
行ってみようか。いつまでも大企業の役員のつもりでいても無意味である。
すべてが変わった以上、自分も変わらなければ生き辛くなるだけである」
…………とまあ、こんな小説なのです。

小説の後半は、如何にも作り物めいて、また定年後ぶらぶら中のご同輩に教訓を
垂れるような内容もあり、些か気に食わないのですが、実際にこの本を読んで
威一郎みたいに一念発起して料理を習い始める人がいるかもしれません。
何しろ世の中は広く、人それぞれですから…………。

でも「定年退職後の男は変わらなければならない」とか「もう仕事をしないのであれば、
家事を相応に分担しなければならない」なんてことは私からすれば当たり前のことで、
わざわざ大作家先生に教えてもらう程のことではありません。
何しろ私は、妻の亡き後もう1年半近くも「仕事をしながら家事(中途半端な家事ですが)
もするベテラン主夫」で過ごしていますから。そういう羽目になれば、誰にでも
出来ることです。
でもご安心下さい。皆様がベテラン主夫として活躍する日は、きっと来ないでしょう。
何故なら高齢(ともに65歳以上の)夫婦で、妻に先立たれる夫の確率は0.03%、
つまり10,000人に3人だという統計があります。真偽のほどは定かではありませんが、
少なくても私の知人・友人の皆様はもう大丈夫。何しろ統計上はもう私が代表して、
妻に先立たれた夫の人数計算に入ってしまっていますので…………。

 でも「夫在宅ストレス症候群(夫が家に始終いることによって妻が強いストレスを感じ、
身体に変調を来たすことだそうです)」は、些か重い感じがします。
有名な「亭主元気で留守がいい」や「粗大ごみ」とか「ぬれ落ち葉」とか夫をちゃかす言葉は
数々ありますけれど、ついに「精神疾患の原因」にまでされてしまっているとは驚きです。
現役時代には、家族のためにと、辛いこともグッと飲み込んで馬車馬のように働き、
やっと定年になってあの憎たらしい上司から解放されて、妻との楽しい老後が待っていると
一途に信じて引退したら、その安住の地のはずだった家庭で、妻から嫌がられ、
挙句の果てには「病気の原因」にさえなってしまう…………。
これじゃ、妻に先立たれなくても踏んだり蹴ったりの老後じゃないか!………。

「男にとっては妻の死は最大のストレスだが、女にとっては夫が生きていることが最大の
ストレスだ」(三好春樹著『なぜ、男は老いに弱いのか?』講談社文庫)と指摘する人も
います。これも必ずしも冗談ばかりとも言えないのが、恐ろしいところです。
何しろ、夫の死後、女友だちが集い、「花の未亡人」になったことを祝う内々の
「裏葬式」というのさえ、あるようなのですから………。 ご用心、ご用心!

前回の「「労働時間管理」の役員の責任」についての話は、如何でしたでしょうか。
今回は、「標準報酬月額下限の引下げ」についての話をします。
──────────◆ 目 次 ◆──────────────
○「標準報酬月額下限の引下げ」
────────────────────────────────
パートタイマーへの社会保険・適用拡大が10月1日より施行されています。
この社会保険適用拡大となる平成28年10月1日、同時に、
厚生年金保険標準報酬月額の下限が引下げられています。
具体的には、現在の第1等級(98,000円)の下に新たに第1級(88,000円)が
加わりました。
これにより、現在の第30等級(620,000円)は、第31等級に変更されることに
なりました。なお、新第1等級は、報酬月額が93,000円未満の場合に該当する
ことになります。

 社会保険の適用拡大については、まずは特定適用事業所に該当した場合に
対象となりますが、この標準報酬月額・下限の引下げは全事業所に適用される
こととなっており、更に経過措置として、施行日前に厚生年金保険被保険者
資格を取得し、施行日まで引き続き被保険者である人で、改正後の標準報酬月額等級
の第1級(報酬月額9万3千円未満)に該当する人については、厚生労働大臣が
標準報酬月額を職権で改定し、改定された標準報酬月額を、平成28年10月から
平成29年8月までの各月の標準報酬月額とする経過措置がされています。
この経過措置は平成28年9月下旬に公布され、平成28年10月1日に施行されて
います。提出してある被保険者資格取得届、算定基礎届等を確認の上、
対象者がいないかを確認されては如何でしょうか。


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