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日本一社員に優しいお菓子のデパート吉寿屋の理念!

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       シリーズ「企業のパワーを倍増するためにやるべきこと!」

  <第487回>(第12話)「日本一社員に優しいお菓子のデパート吉寿屋の理念!」

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要性に
ついて、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは「企業のパワーを倍増するた
めにやるべきこと!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事を紹介してい
きます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の方、管理者の方、人事
担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】社員5人で船出した吉寿屋(よしや)とは!
【3】社員が稼いだ利益だから社員に還元する!
【4】商売繁盛のための数々のアイディア!
【5】編集後記

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吉寿屋(よしや)は元はと言えばお菓子の卸問屋だったが創業22年目に小売に参入し
た。つまり卸と小売の2足のわらじを履くようになったのだ。卸として全国のスーパ
ーやコンビニなどに卸す。通常の卸はお菓子から上がる経常利益は平均0.66%だ。
つまり100円のお菓子から得られる利益は1円にも満たない。ところが吉寿屋は3.5%
も稼ぎ出している。

それは創業者神吉武司氏の弟秀次会長(69歳)の仕入の手腕が貢献している。他社は
消費期限切れが近づいても売れ残ったお菓子はメーカーに返品する。古くからの商習
慣だと言う。だが吉寿屋は一切返品しない。もし売れ残るようなら半値にしてでも売
り切ってしまうのだ。菓子メーカーにとってはありがたい。だが、秀次会長は業者か
ら「値切りの秀次」と呼ばれている。値切ると言ってもほんの数円だ。メーカー各社
は喜んで応じてくれる。

そのほかにも高利益体質を維持している施策はいくつもある。

利益の6分の1は報奨金やその他景品などで社員に還元する。その金額は年間7000万円
にも達する。利益の約半分(6分の3)は税金で持っていかれる。6分の1は社内留保し、
6分の1は先行投資資金に当てる。これが創業者武司氏と弟秀司会長の一貫した考え方
だ。



【1】心に刻んでおきたい言葉

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創業以来赤字は1度もない。52年間で景気がよかったのはたった5年だけで後は必ず
なんかかんかあった。経営は景気に左右されては身が持たない。初心を忘れず改革
を続けてきたから今日がある。


       神吉武司


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【2】社員5人で船出した吉寿屋(よしや)とは!

吉寿屋の本社は摂津市にある。創業者の神吉武司氏(75歳)は根っからの叩き上げ
だ。中学を出て1956年に15歳で菓子メーカーに就職する。23歳のとき取引先の問屋
から店を引き継いで欲しいと頼まれ、吉寿屋を操業する。たった5人での船出だっ
た。

武司氏は弟秀次会長とともに誰よりも働くことを理念に掲げている。人より早く店
を開け、年中無休にした。だから卸値をよそよりも少し安くできたためたくさん売
れたのだった。

操業22年目の1986年にお菓子のデパート「よしや」1号店を大阪市北区に開店したと
ころたちまち繁盛店となる(よしや天満店)。現在は関西地区に101店舗を運営し年
商121億円を叩き出すまでに成長した。

弟秀次会長の朝は早い。秀次会長は朝3時過ぎには出社する。倉庫での仕事始めは
「お菓子の皆様 おはようございます。今日も一日よろしくお願いいたします」と言
う挨拶だ。それからお菓子の箱を開梱し、中のお菓子を整然と並べて取り出しやすく
する。5時になると創業者の武司氏が出社し、同じ祝詞を唱えてから開梱作業に入る。
2人で500箱を開梱する。2人は早起きが商売繁盛の秘訣と考えているのだ。

8時半になるとパートさんたちが出勤し、ピッキング作業を開始する。開梱が済んで
いるから作業がはかどる。

朝礼がユニークだ。「願う 従業者の幸福」とみんなで唱和し、仕事開始だ。顧客先
へのお菓子は武司氏と秀次会長の2人が開梱した空のダンボールをそのまま使うから
費用が節約される。このダンボールは倉庫と顧客先の間を数回往復し、くたびれれば
いよいよ空き箱として回収業者に販売する。年間200万円も稼いでくれるからありが
たい。



【3】社員が稼いだ利益だから社員に還元する!

吉寿屋では提案制度があり、誰もが所定の用紙を使って提案できる。提案を出せば直
ぐに200円がもらえ、採用されれば等級に応じて2万円から20万円もの賞金がもらえる。

報奨制度の一部を紹介する。

1.年間MVP社員には年棒3000万円

2.優秀社員には世界一周旅行をプレゼント

3.開店時間を2時間早めて売上を3割アップした店長には500万円のご褒美

4.阿弥陀大会では500万円相当の金の延べ棒をプレゼント

5.毎月のジャンケン大会では各種家電品が複数の社員に当たる

6.マイホームを持った社員には祝い金100万円を支給

7.大学生を持つ社員には正社員に月10000円、準社員に5000円支給

などがある。これらの年間総額は7000万円にもなる。給料やボーナスとは別枠だ。

社員の勤続年数が長いから教育効果が出やすい。転職を考える社員など一人もいない
のだ。



【4】商売繁盛のための数々のアイディア!

菓子袋には値段ラベルを貼り付けない。商品をいくつかの郡に分け、郡は全て同じ値
段にしてある。だからラベル貼りのコストが浮く。

お菓子は平台に積み上げる。台の高さは子供の目線に合わせて低く設定してある。子
供が目ざとく見つけてバスケットに入れるのだ。この陳列方法で売上が3割もアップし
た。

待合室には菓子メーカーの営業マンが待機している。目利きでしかも値切りの秀次会
長が味見をしながら買う、買わないを即決する。「よそで売れています」という営業
マンの言葉は一切信用しない。例えばよそで売れていなくとも旨くて高いお菓子は買
うと決め、店頭の目立つ場所に特設コーナーを設ける。するとすぐさまヒット商品に
化けると言うのだ。

前述したように一切メーカーに返品をしないから値切りにも応じてもらいやすい。大
量仕入だから数円の値切りが大きいのだ。メーカーにとっても吉寿屋にとってもWin
Winだ。

創業者の武司氏は「経営者だから一番よく働いて、一番よく工夫する」を理念にして
いる。



【5】編集後記

社員から搾取して利益を上げている会社は多い。当然社員の定着率は低い。教育して
も効果が出ないうちに辞められてしまう。ブラック企業とマスコミに叩かれる。居酒
屋ワタミの今を見ればそれは分かろうと言うものだ。

社員がバリバリ働いて生み出してくれた利益は社員のものだから還元するのは当然と
2人の経営者は涼しい顔で言う。こんな会社は間違いなくゴーイング・コンサーン
きる。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=

今回の記事は、テレビ東京の「カンブリア宮殿」も参考にさせて頂いた。



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コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp



次回に続く。


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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
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