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手間が増えるだけで固定残業代に利点は無い







2016年12月28日号 (no. 946)
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http://www.soumunomori.com/profile/uid-20903/





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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【手間が増えるだけで固定残業代に利点は無い】
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固定残業代を勤務手当と表現しカモフラージュ。


未だに固定残業代というものが存在する企業もあるようです。今では、「固定残業代」と聞いただけで、何だか怪しい、残業代の未払いがあるんじゃないか、サービス労働があるんじゃないかと勘ぐられるほど。

固定残業代という言葉に接すると、さも残業代に上限を設定し、いくらでも残業ができるかのように思わせますが、そのようなことはできません。

名称は何でも良いのですが、営業手当とか歩合手当、勤務手当など、残業代らしくない名称でカモフラージュしている会社もあります。


例えば、とある会社では、固定残業代(「勤務手当」という名称を使っていると仮定)を月1万円支払っており、この1万円が10時間分の割増賃金に相当する場合について考えてみましょう。


2016年7月に発生した残業が6時間30分。8月は11時間の残業が発生。さらに、9月は半期決算のため19時間の残業が発生した。

この会社では、毎月、1万円の勤務手当を支給しており、それが残業代として位置付けられ、それ以外には法定時間外労働に対する割増賃金を支払っていない。



7月から9月まで残業が発生しているが、どのような問題があるでしょうか。

なお、残業するための36協定はチャンと届け出ており、協定で決めた時間数を超えていないものとします。






残業代はパケ・ホーダイちゃいまっせ。


勤務手当は10時間分の割増賃金に相当するので、7月の残業は6時間30分ですから、割増賃金は足りています。むしろ、余分に支払っているのですから、すわ「この会社はホワイト企業か?」と思ってしまうところです。

しかし、8月と9月については話しが変わります。8月は残業時間が11時間ですので、勤務手当がカバーする時間を1時間オーバー。さらに、9月は、まぁ決算ですし、忙しかったんでしょうね、9時間オーバーです。


では、ここで会社はどのような対応をするか。



残業代はチャンと払ってるでぇ〜。勤務手当が付いとるやろ、それが残業代や」と言っちゃうのか、


それとも、


「ウチでは勤務手当を残業代として扱ってますけど、8月と9月は残業の時間が10時間を超えてますので、足りへん分は別に支払ってまっせ」


と言うのか。



対応として正しいのは後者です。前者のオッサンは、乱暴な感じの人ですね。関西風にしていますけれども、あくまで一例ですので悪しからずご了承ください。



固定残業代の話しをすると、残業代はそれ以上支払わなくてもいいんだと誤解する人が出てきます。しかし、割増賃金というのは、実態に合わせて支給するものですから、残業時間が11時間になれば11時間分の割増賃金が必要ですし、残業時間が19時間になれば19時間分の割増賃金が必要です。

ただ、固定した残業代を支払うことそのものは違法ではありません。上記の例だと、10時間分相当の勤務手当を支給していますが、この点は問題ありません。

問題があるのは、10時間を超えて残業が発生したときに、不足分を別途で支払わない点です。


残業代を固定で支払っても、給与を計算するときには、勤務時間を集計して、実際の法定時間外労働の時間数を把握し、その時間数に応じて割増賃金を支払います。そのため、あえて固定で残業代を支払っても、毎月の給与計算で精算するのですから、手間とリスク(残業代を未払いにしているんじゃないかと疑われる)を増やすだけで利点らしいものはありません。


常に多めに残業代を固定で支払い、実際の残業時間を上回る割増賃金を支払い続け、残業代に関する手間を省くのもアリですが、いずれにせよ給与を計算するわけですから、そのときに一緒に残業代の計算もすればいいだけです。





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内容の一例・・・
『定額残業代残業代は減らせるのか』
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半日有給休暇半日欠勤の組み合わせはダメ?』
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カードを使わないタイムカード Clockperiod のご紹介です。


タイムカードを使うときに負担なのは、専用の打刻機を用意しなければいけないし、
新しい紙のカードを毎月作らないといけない。さらに、カードを見ながら、電卓や
表計算ソフトで勤務時間を集計しないといけない。

しかも、給与の締め日から支給日までの短期間で集計作業をしないといけないので、
作業する人にとっては勤務時間の集計は悩みのタネですよね。

そんな悩みをどうやって解決するか。

そこで、電子タイムカードの Clockperiod が登場です。


Clockperiod は、紙のカードと打刻機を使わない電子タイムカードですから、
打刻機を用意しなくても勤務時間を記録できますし、給与計算のためにカードを
集める必要はありません。さらに、毎月、新しい紙のカードに社員全員の名前を
書いてカードストッカーに入れることもなくなります。


始業や終業、時間外勤務休日勤務の出勤時間を自動的に集計できれば勤怠集計
の作業は随分とラクになるはず。

Clockperiodは、出退勤の時刻をタイムカード無しで記録できます。タイムカード
出勤簿勤務時間を管理している企業にオススメです。
さらに、タイムカードのコピーをメールで送信して社員ごとに保存することができ
ますので、個人別に毎月の勤務記録を取り置くことができます。
また、勤務記録の改ざんや不正な打刻を把握できるログ機能もあります。

▽    ▽   < Clockperiodの利用はこちら >    ▽    ▽
https://www.clockperiod.com/Features?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_clockperiod_common_20161228_946




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残業で悩んでいませんか?

「長時間の残業が続いている」
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」

こういう悩み、よくありますよね。

ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。

法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。

とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?


毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。

例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。

でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。

「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。


『残業管理のアメと罠』
http://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_common_20161228_946




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