簿記の話~その12~ 「
現金」
前回の総論の話、どうでした?今日からは、各論です。
「
現金」は世間一般で言うところの「お金」ですね。簿記の世界の「
現金」は、
少し違いますので注意が必要です。
通貨
他人が振り出した
小切手
送金
小切手
郵便為替証書
株式
配当金領収証
支払期日の到来した公
社債の利札等
たくさんあるでしょ?共通点は「ただちに、通貨に引き換えることができる」
点です。通貨代用証券(つうかだいようしょうけん)と呼ばれます。「
現金」
とは、通貨および通貨代用証券を言います。
ここで、「他人」振出
小切手が出てきました。では、「自分」振出
小切手はど
うなりますか?
小切手の振出は、その
小切手を振り出した銀行の口座(当座
預金)から引き落
とされるので、「当座
預金」となります。
小切手での支払いは、当座
預金の減
少です。
自分振出
小切手を受け取ったということは、当座
預金から引き落とされること
がなくなりました。
小切手を銀行へ持ち込む他人がいない訳ですから。
しかし、振り出したときに当座
預金を減らす仕訳をしているのです。
(
経費) 200 / (当座
預金) 200
近い将来、当座
預金から引き落とされることを見越して仕訳を切ります。実際
に引き落とされるのは、受け取った他人が銀行へ持ち込んだときです。
ですから、振出時にした仕訳を元に戻します。
(当座
預金) 200 / (
経費) 200
または、
(当座
預金) 200 / (
未払金) 200
ここで2通りの仕訳を切りましたが、それは、自分振出
小切手を受け取った理
由によります。今日のところは、当座
預金の方だけを見てくださいね。
今週は、ここまで。
実務の話~その12~ 「島流しご赦免!?の
小切手」
この「実務の話」のコーナーでは、経理実務に関することを思いつくまま
に書いていきます。
前回のいやらしい話は、どうでしたか。
今回も、いやらしい話です。
小切手で買掛金を支払う。
小切手で仕入代金を支払う。
小切手で新聞代を支払う。
小切手はあらゆる
決済において、
現金の受け渡しではなく「
小切手」を受け渡
す、というとても便利なところがあります。
支払いのために
現金を用意する必要がないのです。便利です。もらう方もお札
を数える必要がありません。
小切手に一円単位まで細かく記載しても、一枚で
OK。便利です。
さらに、便利な面があります。
小切手の左上の角に2本線を引きます。ボールペンで書いても、「銀行渡り」
という、ゴム印を押印してもいいです。
「銀行渡り(ぎんこうわたり)」という新しい単語が出てきました。あなたが
振り出した
小切手が人手に渡るのではなく、銀行へ渡ることを意味しています。
「銀行渡り」の
小切手は、即座に受取人の
預金へ入金されます。もう、さらに
人手に渡ることがないのです。もう旅に出ないのですね。
ちょっと、表現がむずかしいですか?
具体例を書きます。ひょっとしたら、余計にわからなくなるかも、、、。
銀行の入口をよく見てください。○○銀行××支店と記されているその下に、
日本銀行
代理店・中小○○団
代理店、、、と記されています。これは、日本
銀行・中小○○団に対する支払いを受け付ける、という意味を持っています。
ほら、○○市など地方公共団体へ収める税金の納付書の裏面に支払いのできる
銀行名を書いているでしょ?そんなときは、○○市収納
代理店などと書いてい
ます。実際は、あまりに多すぎて書いてないのもあるでしょうね。全部書いて
たら入口の壁面が
代理店だらけで「ミミナシホーイチ」みたいです。
本題へ話を戻します。
私は、上に書いた、中小○○団への支払いのため、
小切手を振り出して、
代理
店をしていた大○銀行の○野支店の窓口へ提出しました。窓口の係りは、その
小切手を見るなり「お客様、銀行渡りは、困ります。今度から押さないで持っ
てきてください。」というんです。失礼でしょ?
「すみません。」と言って帰りました。そして次の月、また押してしまったん
です。銀行渡りを。
小切手用紙を無駄にできませんので、知らないふりをして
窓口へ出しました。また、同じことを言われました。同じ間違いをしたのです
から言われても仕方ありません。しかし、今度は理由を聞きました。
銀行渡りを押した
小切手は、提出された銀行の口座へ入金しなくてはなりませ
ん。今回の提出は中小○○団への提出ですから、銀行渡りでは「具合が悪い」
というのです。おそらく銀行側が別件で受け取ったことにして、
現金に交換し
てから○○団へ支払うのでしょう。その立替が面倒なんでしょうね。確かに小
切手も不渡りになるのですから、その分銀行側がリスクを負うことになります。
以後、気をつけることにしました。でも時々銀行渡り印を押してしまいます。
そんなときは、「すみません」といってから出しました。時代劇でよく見る島
がえりの罪人の片腕に2本線の入墨を入れられた気分で。
あ~、いやらしい!
編集後記
今回の紙面より、ちょっと書き方を変えてみました。気づいた方は、メールく
ださい。その変化に対する感想も書いてくださいね。
このメールをそのまま返信されますと私に届きます。
または、
asyl@zeus.eonet.ne.jp
にメールください。
必ずお返事します。
著者の氏素性は?
バックナンバーHPで暴露しています。
http://bokithankyou.livedoor.biz/
この「簿記3級めるまが」の登録・解除は、
http://www.mag2.com/m/0000160203.html
簿記を身近なものにするため、第13号もがんばります。また来週、お伺いし
ます。
(裏)編集後記
書き方の変化に気づかれても、賞品は出ません。
簿記3級めるまが「簿記3級の僕が凄腕
会計コンサルタントと呼ばれるワケ」
http://www.mag2.com/m/0000160203.html
発行人:
有限会社 アジール
会計コンサルティング部門担当
監査役 谷口和喜
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会計コンサルタントと呼ばれるワケ
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簿記の話~その12~ 「現金」
前回の総論の話、どうでした?今日からは、各論です。
「現金」は世間一般で言うところの「お金」ですね。簿記の世界の「現金」は、
少し違いますので注意が必要です。
通貨
他人が振り出した小切手
送金小切手
郵便為替証書
株式配当金領収証
支払期日の到来した公社債の利札等
たくさんあるでしょ?共通点は「ただちに、通貨に引き換えることができる」
点です。通貨代用証券(つうかだいようしょうけん)と呼ばれます。「現金」
とは、通貨および通貨代用証券を言います。
ここで、「他人」振出小切手が出てきました。では、「自分」振出小切手はど
うなりますか?
小切手の振出は、その小切手を振り出した銀行の口座(当座預金)から引き落
とされるので、「当座預金」となります。小切手での支払いは、当座預金の減
少です。
自分振出小切手を受け取ったということは、当座預金から引き落とされること
がなくなりました。小切手を銀行へ持ち込む他人がいない訳ですから。
しかし、振り出したときに当座預金を減らす仕訳をしているのです。
(経費) 200 / (当座預金) 200
近い将来、当座預金から引き落とされることを見越して仕訳を切ります。実際
に引き落とされるのは、受け取った他人が銀行へ持ち込んだときです。
ですから、振出時にした仕訳を元に戻します。
(当座預金) 200 / (経費) 200
または、
(当座預金) 200 / (未払金) 200
ここで2通りの仕訳を切りましたが、それは、自分振出小切手を受け取った理
由によります。今日のところは、当座預金の方だけを見てくださいね。
今週は、ここまで。
実務の話~その12~ 「島流しご赦免!?の小切手」
この「実務の話」のコーナーでは、経理実務に関することを思いつくまま
に書いていきます。
前回のいやらしい話は、どうでしたか。
今回も、いやらしい話です。
小切手で買掛金を支払う。
小切手で仕入代金を支払う。
小切手で新聞代を支払う。
小切手はあらゆる決済において、現金の受け渡しではなく「小切手」を受け渡
す、というとても便利なところがあります。
支払いのために現金を用意する必要がないのです。便利です。もらう方もお札
を数える必要がありません。小切手に一円単位まで細かく記載しても、一枚で
OK。便利です。
さらに、便利な面があります。
小切手の左上の角に2本線を引きます。ボールペンで書いても、「銀行渡り」
という、ゴム印を押印してもいいです。
「銀行渡り(ぎんこうわたり)」という新しい単語が出てきました。あなたが
振り出した小切手が人手に渡るのではなく、銀行へ渡ることを意味しています。
「銀行渡り」の小切手は、即座に受取人の預金へ入金されます。もう、さらに
人手に渡ることがないのです。もう旅に出ないのですね。
ちょっと、表現がむずかしいですか?
具体例を書きます。ひょっとしたら、余計にわからなくなるかも、、、。
銀行の入口をよく見てください。○○銀行××支店と記されているその下に、
日本銀行代理店・中小○○団代理店、、、と記されています。これは、日本
銀行・中小○○団に対する支払いを受け付ける、という意味を持っています。
ほら、○○市など地方公共団体へ収める税金の納付書の裏面に支払いのできる
銀行名を書いているでしょ?そんなときは、○○市収納代理店などと書いてい
ます。実際は、あまりに多すぎて書いてないのもあるでしょうね。全部書いて
たら入口の壁面が代理店だらけで「ミミナシホーイチ」みたいです。
本題へ話を戻します。
私は、上に書いた、中小○○団への支払いのため、小切手を振り出して、代理
店をしていた大○銀行の○野支店の窓口へ提出しました。窓口の係りは、その
小切手を見るなり「お客様、銀行渡りは、困ります。今度から押さないで持っ
てきてください。」というんです。失礼でしょ?
「すみません。」と言って帰りました。そして次の月、また押してしまったん
です。銀行渡りを。小切手用紙を無駄にできませんので、知らないふりをして
窓口へ出しました。また、同じことを言われました。同じ間違いをしたのです
から言われても仕方ありません。しかし、今度は理由を聞きました。
銀行渡りを押した小切手は、提出された銀行の口座へ入金しなくてはなりませ
ん。今回の提出は中小○○団への提出ですから、銀行渡りでは「具合が悪い」
というのです。おそらく銀行側が別件で受け取ったことにして、現金に交換し
てから○○団へ支払うのでしょう。その立替が面倒なんでしょうね。確かに小
切手も不渡りになるのですから、その分銀行側がリスクを負うことになります。
以後、気をつけることにしました。でも時々銀行渡り印を押してしまいます。
そんなときは、「すみません」といってから出しました。時代劇でよく見る島
がえりの罪人の片腕に2本線の入墨を入れられた気分で。
あ~、いやらしい!
編集後記
今回の紙面より、ちょっと書き方を変えてみました。気づいた方は、メールく
ださい。その変化に対する感想も書いてくださいね。
このメールをそのまま返信されますと私に届きます。
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必ずお返事します。
著者の氏素性は?
バックナンバーHPで暴露しています。
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簿記を身近なものにするため、第13号もがんばります。また来週、お伺いし
ます。
(裏)編集後記
書き方の変化に気づかれても、賞品は出ません。
簿記3級めるまが「簿記3級の僕が凄腕会計コンサルタントと呼ばれるワケ」
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会計コンサルティング部門担当
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