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役員給与の見直し

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.365-2017.01.31
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
こんにちは、エキスパーツリンクの紺野です。日本の会計基準は、今、IFRS
で揺れ動いています。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場準備会
社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。これ
らのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理担当者の皆さん向けに、
出来る限り分かりやすくお伝えします。何らかの「気づき」をご提供すること
が出来れば幸いです。仕事の合間に軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は私どもの私見にもとづきます。このメールマガジン
の情報をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等
にご確認ください。もちろん、エキスパーツリンクでもまずは無料で検討させ
ていただきます。


◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[最新J-GAAP]「債券の利回りがマイナスとなる場合の退職給付債務等の計
算における割引率に関する当面の取扱い(案)」の公表
2.[NEWS]決算情報の重複なくす
3.[税務]役員給与等の見直し
4.[NEWS]AIが決算記事を完全自動配信、日経が開始
5.[編集後記]


===================================
1.[最新J-GAAP]「債券の利回りがマイナスとなる場合の退職給付債務等の計
算における割引率に関する当面の取扱い(案)」の公表
===================================
まあ、今までのものと変わらないのですが、

退職給付債務等の計算において、割引率の基礎とする安全性の高い債券の支払
見込期間における利回りが期末においてマイナスとなる場合、

“利回りの下限としてゼロを利用する方法”



“マイナスの利回りをそのまま利用する方法”

のいずれかの方法による。

とされています。

“この点、信用リスクが存在しない状態において、市場では将来の価値が現在
の価値よりも低くなると評価していることから、金銭的時間価値は時の経過
に応じて減少するものとして、信用リスクフリーレートはマイナスになり得
るとの意見が聞かれる一方で、現金を保有することによって現在の価値を維
持することができることから、金銭的時間価値は時の経過に応じて減少する
ことはないものとして、信用リスクフリーレートの下限はゼロになるとの意
見が聞かれる。”

マイナス金利って、本当によくわかんないですよね。特にこの「金銭的時間価
値」という話についていえば、

「今使えるお金と将来使えるお金では今使えるお金のほうが価値が高い。」と
いうのは、直観的に理解できますよね。明日死んでしまうかもしれないわけで
すから。

では、「今使えるお金のほうが価値が低い。」というのはどういうことなんで
しょう?将来相対的に価値が上がってたくさん物が買えるということなんでし
ょうか。

それは時間価値とは違う話のような気もするのですが。

“国際的な動向も踏まえる必要があると考えられるが、欧州における議論でも、
現時点において統一的な見解は定まっていない。”

という状況です。

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2.[NEWS]決算情報の重複なくす
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未来投資会議で決算開示の見直しを議論するという記事が日経新聞に出ました。

日経有料記事
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS26H3B_W7A120C1PP8000/

“政府は上場企業が開示する決算情報の重複をなくし、投資家が使いやすいよ
うにする。現在は証券取引所のルールや法律ごとにそれぞれ開示を義務づけ
られているが、記載内容を整理して一体的に開示できるしくみを検討する。
重複に伴う企業側の負担を減らすと同時に、経営ビジョンや分析など投資家
が求めている情報の拡充を促す。”

“27日に開く未来投資会議で決算開示の見直しを議論する。上場企業は決算
短信、有価証券報告書、事業報告書などの開示書類の提出を四半期や半期ご
とに義務づけられている。ただ似たような内容で重複も多いため、開示する
情報の整理・合理化を進める。具体的にどのような内容を共通化したり、簡
素化したりするかは今後、検討する。”

未来投資会議は、”日本経済再生本部の下、第4次産業革命をはじめとする将
来の成長に資する分野における大胆な投資を官民連携して進め、「未来への投
資」の拡大に向けた成長戦略と構造改革の加速化を図るため、産業競争力会議
及び未来投資に向けた官民対話を発展的に統合した成長戦略の司令塔として、
未来投資会議(以下「会議」という。)を開催する。会議は、「日本再興戦略
2016」(平成28年6月2日閣議決定)における「第4次産業革命官民会
議」の役割も果たす。”というものです。


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3.[税務]役員給与等の見直し
===================================
平成29年税制改正のうち、役員給与等についてみてみたいと思います。

(1)定期同額給与
 定期同額給与の範囲に「税及び社会保険料の源泉徴収等の後の金額が同額で
ある定期給与」が追加されます。手取りが同額であるものということですね。

(2)事前確定届出給与
以下のものを対象に加えます。
・所定の時期に確定した数の株式を交付する給与
・所定の時期に確定した数の新株予約権を交付する給与
※これらは、市場価格のある株式又は市場価格のある株式の取得の基因とな
るもので、役務の提供を受ける法人又はその法人発行済株式の50%を直
接若しくは間接に保有する法人が発行したものに限ります。

また、いわゆる「パフォーマンスシェア」に該当する特定譲渡制限付株式を
事前確定届出給与の対象から除外します。

→特定譲渡制限付株式とは、役務提供の対価として個人に生ずる報酬債権
の給付と引き換えに交付され、一定期間の譲渡制限と無償取得事由の定
めがある株式をいいます。

→「パフォーマンスシェア」とは、中長期的な業績目標の達成度合いによ
って交付される株式による報酬をいいます。

「パフォーマンスシェア」は利益連動給与として認められるようになります
ので、この事前確定給与からは除かれることになります。

(3)利益連動給与
算定指標に「株式の市場価格の状況を示す指標」及び「売上高の状況を示
す指標」が加えられます。損金経理要件について所要の見直しを行うとさ
れています。

→現行制度では、「利益の状況を示す指標」に限られています。

・「パフォーマンスシェア」が追加されます。

→業績連動指標を基礎として算定される数の市場価格のある株式を交付す
る給与で確定した数を限度とします。

同族会社のうち非同族法人との間に完全支配関係がある法人の支給する給
与が追加されます。

→上場会社の完全子会社も対象になります。

新株予約権による給与で事前確定届出給与又は利益連動給与の損金算入要
件を満たさないものは全額を損金不算入となります。

→現行では、一定の新株予約権の給与は定期同額、事前確定、利益連動に
該当しない場合でも不相当に高額な部分を除き、損金算入が認められて
います。

・利益連動給与の対象に以下のものを追加します(市場価格のある株式を発
行するものに限ります。)。

 業績連動指標を基礎として算定される数の新株予約権を交付する給与で確
定した数を限度とするもの

 業績連動指標を基礎として行使できる数が算定される新株予約権による給


退職給与で利益その他の指標(勤務期間及び既に支給した給与を除く。)
を基礎として算定されるもののうち利益連動給与の損金算入要件ほ満たさな
いものは全額が損金不算入とされます。

→現行では不相当に高額な部分を除き、損金算入が認められます。

(4)譲渡制限付株式を対価とする費用の帰属事業年度の特例
役務の提供を受けた法人以外の法人が交付するものを対象に加えますので、
この場合でも損金算入が認められることになります。

損金算入のタイミングについて、「原則として、譲渡制限が解除すること
が確定した日の属する事業年度」とします。

→現行では、「譲渡制限が解除された日」です。

非居住者に付与する場合にも損金算入が認められます。

(5)新株予約権を対価とする費用の帰属事業年度の特例
役務の提供を受けた法人以外の法人が交付するものを対象に加えますので、
この場合でも損金算入が認められることになります。

非居住者に付与する場合にも損金算入が認められます。

(6)適用時期
上記の改正は、退職給与に係る部分、譲渡制限付株式に係る部分及び新株予
約権に係る部分は平成29年10月1日以後に支給又は交付に係る決議(その決
議がない場合には、その支給又は交付)をする給与について適用し、その他の
部分は同年4月1日以後に支給又は交付に係る決議(その決議がない場合には、
その支給又は交付)をする給与について適用されます。

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4.[NEWS] AIが決算記事を完全自動配信、日経が開始
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これ、すごいですね。

日経ビジネス有料記事
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/012500553/?P=1

“1月25日午後3時30分、東京・渋谷の複合ビル「ヒカリエ」27階のLINE本
社で出澤剛社長らが出席する決算説明会が始まろうとしていた。「ちょうど
決算短信が開示されたようなので、皆さんにもお配りします」。広報担当が
そう言って紙を配る。”

“その3分前の午後3時27分。日本経済新聞の電子版には既に、「LINEの16年
12月期、最終損益75億円の黒字」と題された記事が公開されていた。上場
会社が適時開示に使う「TDネット」でLINEの決算短信が配信されたのは記
事配信のわずか2分前。記事を“書き”、“投稿”したのは人間ではなく、
「AI(人工知能)」である。”

時代はすごい勢いで変化していますね。確かにこのような仕事はAIに任せた
ほうがいいのかもしれません。

シンギュラリティ(技術的特異点。人口知能が人間の能力を超える時点といっ
てもいいんじゃないですかね。)って、かなり近い将来なのかもしれませんね。

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5.[編集後記]
===================================
私たちが子供の頃は日本に恐竜はいないと聞いていたのですが、そんなわけな
いですよね。今や日本で恐竜の発掘が相次いでいます。日本で学名がついてい
る恐竜が7種類いるのをご存知でしょうか。

ニッポノサウルス・・・1936年命名 現ロシア領南樺太
ワキノサウルス・・・1992年命名 福岡県宮田町
フクイラプトル・・・2000年命名 福井県勝山市
フクイサウルス・・・2003年命名 福井県勝山市
フクイティタン・・・2010年命名 福井県勝山市
タンバティタニス・・・2014年命名 兵庫県丹波市
コシサウルス・・・2015年命名 福井県勝山市
フクイベナートル・・・2016年命名 福井県勝山市

8種類?ニッポノサウルスは樺太、今のサハリンですから7種類ということにな
るそうです。
特に福井が多いですよね。手取層群という地層があり、この地層には恐竜の化
石が多く出るんだそうです。正直、存じあげませんでした。どれもかっこいい
名前ですね。


公認会計士紺野良一事務所のHPを作りましたので、是非ご覧ください。

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個人会計士による会社法監査
http://kaishaho-kansa.com/audit/personal/

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士税理士・公認内部監査人(CIA)inactive 紺野良一
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