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平成28年分の贈与税の申告状況から

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          ~得する税務・会計情報~       第271号
           
           【税理士法人-優和-】  http://www.yu-wa.jp
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        平成28年分の贈与税の申告状況から

 5月末に国税庁は、「平成28年分の所得税等、消費税及び贈与税
確定申告状況等について」を公表しました。贈与税の状況について、気
になりましたので、簡単にご案内いたします。

1.全体
 ・申告書提出人員     50万9千人(△ 5.4%)
 ・内、納税額のある人員  37万1千人(△ 3.2%)
 ・申告納税額      2,252億円(△ 6.2%)
 平成20年分の34万7千人から前年まで増加し続けた人員が8年ぶ
りに減少しました。

 上記を暦年課税と相続時精算課税に分けると次のようになります。

2.暦年課税
 ・申告書提出人員     46万4千人(△ 5.2%)
 ・内、納税額のある人員  36万7千人(△ 3.3%)
 ・申告納税額      1,927億円(△10.8%)
 ・一人当たり税額       52万円(△ 7.8%)
 暦年課税に関しては、やや一人当たり税額の減少の影響が大きく、小
型化するとともに人員も減少したようです。
 一人当たり税額から概算で逆算しますと、一般税率と特例税率(直系
尊属から20歳以上の子・孫などへの贈与の場合)の違いはありますが、
納税額のある場合の贈与は、300万円~400万円位の贈与が平均的
に行われているようです。

3.相続時精算課税
 ・申告書提出人員      4万5千人(△ 9.3%)
 ・内、納税額のある人員     4千人(+ 3.9%)
 ・申告納税額        325億円(+35.0%)
 ・一人当たり税額      887万円(+30.0%)
 相続時精算課税は、人員は減少しているものの、税額は大幅に増加し
ています。一人当たり税額も大幅に増加しており、大型の贈与が
多かったようです。
 相続時精算課税は、納税額のある場合、税率は20%で一定です。
一人当たり税額から逆算すると、贈与の金額は4,435万円となりま
す。ばらつきが大きく、少数の大型の贈与が影響している可能性が高
いように思われますので、実際多く行われているゾーンは一段金額の低
いところにありそうです。
 相続時精算課税贈与税額を多額に納める場合、相続争いを防ぐため
か、財産及び贈与税相続税を勘案して有利であることを想定した場合
が考えられます。相続争い対策目的を含め、収益物件の早期移転、財産
の時価や評価額が上昇すると見込まれる財産の贈与が行われた件数が
4千件あると見てよいかと思います。

 その他には、住宅取得等資金の非課税の申告状況が明らかにされてい
ます。これは、上記暦年課税の申告書提出人員に含まれる内数と思われ
ます。

4.住宅取得等資金の非課税
 ・申告書提出人員         5万9千人(△11.3%)
 ・住宅取得等資金の金額    5,169億円(△20.6%)
 ・非課税の適用を受けた金額  4,766億円(△22.6%)
 消費税の税率10%への改正が延長されたことに伴い、非課税枠の拡
大(最大3,000万円)が平成31年4月1日からの契約に延長され
ました。すべての減少傾向には、その影響も少なからずあるかもしれま
せん。

 相続時精算課税で、申告納税額のある場合のその贈与対象についての
財産の内訳が知りたいところです。

 関連するところでは、平成29年税制改正において、平成29年1月
1日以降の贈与より、自社株式を取得し贈与税の納税猶予の適用を受け
る場合に、相続時精算課税制度との併用が可能となり、納税猶予の認定
が取り消された場合でも20%の一定率での贈与税納税となるリスク軽
減措置が図られました。自社株式の相続時精算課税制度による贈与を検
討する場合には、改めて贈与税の納税猶予についても検討してみること
が必要かもしれません。

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発行者 税理士法人優和 埼玉本部 飯野浩一(公認会計士税理士
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TEL:048(769)5501/ FAX:048(769)5510
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