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コラムの泉

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やってはいけない労務管理。法令違反事例から。







2017年12月16日号 (no. 1042)
3分労働ぷちコラム バックナンバーはこちら
http://www.soumunomori.com/profile/uid-20903/





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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【やってはいけない労務管理。法令違反事例から。】
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厚生労働省のウェブサイトで掲載されている、労働基準関連の法令に違反した事例からピックアップして、何をすると法令違反になるのか、公表事例から調べてみましょう。


http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/170510-01.pdf
労働基準関連の法令に違反した事例


【はいの崩壊を防止する措置を講じることなく労働者に作業を行わせたもの】

まず読んで抱くのは、「はい」って何? という疑問。「はい」というのは、重たい物を積み上げた状態を表現し、金属部品だとか木材だとか、ガラスなど、工事現場などでドッサリと積み上げた状態を見かけますが、あれが「はい」というものです。そういうことです、はい。


重たい物が煮崩れしないように安全策を講じておかないといけないところ、それをしていなかったので労働安全衛生法に違反となった事例です。

荷崩れというと、色々な職場で起こりそうなことです。例えば、ダンボールに入った荷物を高く積み上げたりすれば、同じようなことが起こり得ます。



【高さ6.8mの屋根の端に手すり等を設けることなく請負人の労働者に作業を行わせたもの】

高い場所で作業する場合は、安全具を装着したり、手すりを付けたりして墜落しないようにします。それを怠ると、労働安全衛生法違反となります。



【高さ8mの屋根上で安全帯を使用させることなく労働者に雪下ろし作業を行わせたもの】

雪下ろしなので、降雪地域である北海道の事例です。高さ8mで雪下ろししていれば、足を滑らせて落下する可能性がありますから、こういう場合にも安全策が必要なのですね。

 


【食品加工用圧縮機に覆い、囲い等を設けることなく労働者に作業を行わせたもの】

食品を圧縮して加工するとなると、プレスする部分があって、そこに手が入ってしまうような状態だったということでしょう。手を挟んで怪我をする可能性があるならば、そこに手が入らないようにカバーを付けるとか、手が入らないように何かで囲う必要があります。

危なそうな場所があれば、何らかの安全策を講じる。これだけのことですが、メンドクサイとか、手間がかかる、時間がかかるなどの理由で怠るのでしょうね。

 


労働者6名に、2か月間の定期賃金合計約280万円を支払わなかったもの】

これは給与の未払いです。未払賃金立替払制度という仕組みがありますが、これを利用できるのは、会社が倒産しているのが条件です。会社は存続しており、数ヶ月間、給与が支払われていない場合だと立て替え払い制度は使えませんので、最低賃金法違反で対処します。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shinsai_rousaihoshouseido/tatekae/index.html
未払賃金立替払制度の概要と実績



【トラクター・ショベルの運転を無資格の労働者に行わせたもの】

OJTでチョチョイと教えて、「もう動かせるからいいだろう」と資格や免許なしに機械を動かすと、これも労働安全衛生法に違反するのですね。

高校生の頃、運送会社で夏休みに働いていた経験がありますが、庫内作業で活躍するフォークリフトの操作も一定の教習みたいなものが必要とのことでした。勝手に乗って操作した高校生(私ではない)がいましたが、パレットに乗ったワインを落として割っていたのを覚えています。




【架空電線に近接する場所で感電防止措置を講じることなく労働者に作業を行わせたもの】

感電する可能性がある場所には、カバーを付けたり、ゴム製の材料で被覆したりします。他にも、被覆部分が破れて電線がむき出しになっているものを放置すると、これも労働安全衛生法違反となります。

物が倒れないように。液体が溢れないように。積荷が崩落しないように。感電しないように。熱中症にならないように。挟まらないように。引火して爆発しないように。などなど、安全に関する部分で対策を講じていないと労働安全衛生法に違反すると考えておくべきです。

 


労働災害の発生状況を偽った労働者死傷病報告を提出したもの】

労災が発生すれば、労働者死傷病報告という書類を作成しますが、ウソを書いちゃダメ。



【ボイラーの取扱いの作業を無資格の労働者に行わせたもの】

ボイラーというのは湯沸かし器の類で、これを取り扱うにはボイラー技士という国家資格が必要です。

作業そのものは免許無しでできた(OJTなどで作業方法を習得)としても、免許などが必要な部分で無免許だと、これも労働安全衛生法違反になります。


 

【換気装置を設けることなく練炭を燃焼させた構造物内に労働者を立ち入らせて作業を行わせたもの】

物が燃えると二酸化炭素が発生しますけれども、燃焼に使う酸素が不足してくると、一酸化炭素が発生します。一酸化炭素中毒で死亡する人もいますから、何かを燃やしたりする職場では換気が必須です。

火を使う時は換気する。家庭の台所でもこれは当たり前のことですから、職場でも同じです。

 


【ロープウェイの滑車の清掃作業を行わせるに当たり、作業者以外の者がロープウェイを運転しないよう起動装置を施錠する等の措置を講じなかったもの】

メンテナンス中にいきなり動き出したら大惨事ですからね。スキー場のリフト、マンションのエレベーター、ショッピングセンターや駅のエスカレーターなど、似たような場面は他にもあります。

メンテナンス中は装置が動作しないように確実に安全策を講じる。エレベーターを点検しているときに、カゴが上から降りてきたら恐怖です。

 


労働者23名に、36協定の締結・届出なく違法な時間外・休日労働を行わせたもの】

1日8時間、1週40時間を超えて仕事をするには、36協定を締結して、労働基準監督署へ届け出る必要がありますが、これを怠ると労働基準法32条違反になります。


労働者11名に、36協定の延長時間を超える違法な時間外労働を行わせたもの】

36協定では、法定労働時間を超えて残業できる時間の上限を設定していますが、これを超えて残業すると、労働基準法違反になります。協定で決めた内容を知らず、もしくは忘れて残業しているケースも考えられます。そのため、1日あたり何時間まで残業できるのか。1ヶ月あたりでは何時間まで残業が可能なのか。その時間数を分りやすく掲示しておくと良いでしょう。

これと同様の違反は多いですので、36協定で決めた延長時間が何時間なのか確認してみましょう。この延長時間が、残業ができる時間の限度ですので、従業員の方にも周知するようにしたいところです。

 


【入院約50日を要する労働災害が発生したにもかかわらず、遅滞なく労働者死傷病報告書を提出しなかったもの】

労災が発生したら、労働者死傷病報告を出す。これは基本のキホンです。

労災病院に行って、そこで労災関連の手続きをしたら終わりというわけではなく、それらの手続きとは別に、労働基準監督署労働者死傷病報告を出す必要があります。労災の給付は労働基準監督署から出ますので報告がいるんですね。



【木材伐採現場において、路肩で車両系木材伐出機械を用いて作業を行う際に、誘導者を配置しなかったもの】

誘導者というと、工事現場で交通整理をする人を思い浮かべます。現場にトラックが出入りするときには、大きな声で「オーライ、オーライ」と周りの人に聞こえるように誘導しています。

あのような安全対策をしなければ、これまた労働安全衛生法に違反するんですね。



【関連法人事業場と共謀のうえ、外国人留学生の労働者6名の意思に反して、労働を強制させたもの】

これは強制労働というもので、労働基準法5条に違反し、罰則は最も重いものになります。奴隷のようなものですから、厳しい対応をしています。



 

1.安全関連で対策を講じていない。
2.免許や資格なしに重機などを動かしている。
3.36協定の手続き、延長時間オーバー。
4.労働者死傷病報告が未提出。
5.給与未払い。

この5パターンが多いですね。


http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/170510-01.pdf
労働基準関係法令違反に係る公表事案

 




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メールマガジン【本では読めない労務管理の"ミソ"】のご紹介


内容の一例・・・
『定額残業代残業代は減らせるのか』
『15分未満の勤務時間は切り捨て?』
『4週4日以外の変形休日制度もある』
『長時間残業を減らす方法は2つある』
『管理職は週休3日が理想』
『日曜日=法定休日と思い込んではいけない』
半日有給休暇半日欠勤の組み合わせはダメ?』
『寸志は賃金or贈り物?』
『ケータイは仕事道具か遊び道具か』

など、その他盛りだくさんのテーマでお送りしています。

本に書いていそうなんだけど、書いていない。
そんな内容が満載。



【本では読めない労務管理の"ミソ"】
▽    ▽   <登録はこちら>    ▽    ▽
http://www.growthwk.com/entry/2008/05/26/125405?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_common_20171216_1




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合格率0.07%を通り抜けた大学生。


今、私はこうやって社労士という職業で仕事をしているわけですが、子供の頃からなりたかった職業というわけではなくて、大学生の頃に遭遇したきっかけが始まりです。

子供の頃になりたい職業というと、男の子ならば、警察官やスポーツ選手、パイロットというのが良くあるもの。女の子だと、スチュワーデス(今はキャビンアテンダント)、花屋さん、ケーキ屋さん、保育園の先生とか。そういう社会的に広く認知されたものが選ばれるので、小学生や中学生が社労士になりたいなんてことはゼロではないのでしょうが、極めて稀でしょう。

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。だって、簡単そうなイメージがするでしょ、社労士なんて。チョチョッと勉強すれば、スルッと合格できるだろう。そう思っている人も少なくないはず。

「よく知られている資格 = 難しい」、「あまり知られていない資格 = 難しくない」。こういう判断基準があって、社労士は後者に該当するため、難しくないだろうと思われてしまうわけです。

私もそうやってナメていたクチですから、不合格になったんです。

実際は、想像しているよりも難易度は高くて、大学生の頃に約1年ほど時間を投じて、やっとこさ合格したのが本当のところ。


どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

とはいえ、学生の人が社労士に興味を持つというのはやはりレアで、何らかのきっかけが無ければ出会えないでしょうね。ただ、珍しいといっても、毎年、1割弱ほどは学生の受験者がいるので、受験者の総数を5万人と仮定すると、その1割弱なら3,000人から4,000人ぐらいは学生がいます。

そういう方の役に立つならば、私の経験も使っていただきたいですね。


http://www.growthwk.com/entry/2017/02/28/121910?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_common_20171216_2
大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡




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残業で悩んでいませんか?

「長時間の残業が続いている」
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」

こういう悩み、よくありますよね。

ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。

法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。

とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?


毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。

例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。

でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。

「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。


『残業管理のアメと罠』
http://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_common_20171216_3





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決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。


一例として、

Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
Q:残業しないほど、残業代が増える?
Q:喫煙時間は休憩なの?
Q:代休振替休日はいつまでに取ればいいの?


このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

▽    ▽   『仕事のハテナ 17のギモン』    ▽    ▽
http://www.growthwk.com/entry/2017/05/23/132023?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_clockperiod_common_20171216_4



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