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「モデル就業規則」の改訂

あるテレビ番組で「出世した組」と「その他一般組」に分かれて話し合う企画が行われましたが、
各グループの話し合いを聞いていると、とても興味深いことがありました。
それは会社の中で地位が高い人ほど、老後に対して大きな不安を持っているということです。
一般的に考えれば、役員や部長、支店長といった職責を経験した人は、それなりの処遇を受け
金銭的な余裕もあるでしょう。
人的なネットワークも一般社員に比べたら格段に豊富なはずなのに、一体どうして
そうなるのでしょうか?                                         

まず、部長クラス以上のグループの議論は盛り上がりません。「定年になったら一体何を
やればいいんだ」「それほど蓄えもないし、退職金ってどれぐらい貰えるんだろうか?」……。
話し合いの内容はそんな愚痴ばかりです。どこまで本音なのか分からない部分もありますが、
こうした人たちの中には、高い報酬を貰っていた割には余り蓄えがない人がいるのは
事実かもしれません。    
公的年金どころか企業年金の制度についてもよく知らない人が結構います。
また、仕事上のネットワークはあっても、仕事を離れて付き合える人脈を持っていない人も
多いようです。                           
これに対して、一般社員の議論は楽しそうでした。「早く会社を辞めて今やっている趣味の
活動を広げたい」「今は会社勤めなので出来ないけど、ボランティア活動を積極的にやりたい」……。 
その会話からは定年を待ち焦がれている感じがよく伝わってきました。
どう見ても充実しているのです。一般社員は、金銭的な面でもしっかりしているようです。
若い頃からコツコツと資産形成をしている人も多く、日本年金機構から毎年誕生月に
送られてくる「ねんきん定期便」で自分の年金額をしっかり把握している人も少なからず
いるようでした。
                        
両者の違いは何かというと、「自立意識」ではないかと思います。確かに地位が高い人は
組織の中で頑張ってきたことでしょう。こうした人たちは、会社のために働き、会社業績に
貢献することで高い地位を得ることを行動規範にしてきた人です。
まず会社組織が、自分の人生の中で最重要だったわけです。
退職によってそれがなくなったときに、何をしていいか分らないという不安が頭をもたげてくる
のは当然です。言い換えれば、仕事に打ち込み過ぎて仕事が無くなったあとの生活の意味を
真に考えたことがなかったのかもしれません。
逆に早々に出世レースから外れた人は、人生の軸を早くから「自分や家族」に置いてきたのでしょう。
だから、定年を前にしても不安があまりないのだろうと思います。                                   
サラリーマンとしてどちらが良いのかは一概にいえませんが、一つだけはっきりしていることが
あります。それは、いつまでも「会社に居続けることはできない」ということです。
オーナー経営者でない限りいくら偉くなってもいつかは会社を離れざるを得ません。会社を離れたら
サラリーマン時代の地位は何の関係もありません。
だから高い地位にあった人ほど、定年によって感じる喪失感は大きいものかもしれません。
結局それは、人それぞれの価値観ということになりますが、「余り出世しなくても、
定年後は楽しめる」…………。                    
そう考えると、今の肩の重みが少しは軽くなるとは思いませんか?    


前回の「裁量労働者への半休付与」についての話は、如何でしたでしょうか。
今回は、「「モデル就業規則」の改訂」についての話をします。

──────────◆ 目 次 ◆──────────────
○「「モデル就業規則」の改訂」
───────────────────────────────
常時10人以上の従業員を使用する使用者は、労働基準法の規定(第89条)により、
就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署長に届け出なければならないと
されています(就業規則を改定する場合も同様です)。
厚生労働省では、各企業が実情に応じた就業規則を作成できるよう、
同省ホームページにおいて「モデル就業規則」を公開していますが、この度、
これの改定が行われました。
企業は、この「モデル就業規則」通りに規程を定めることを要求されるわけ
ではありませんが、規程作成の際の参考にはなります。
今回改定された主な規定は、以下の通りです。
(1)「マタニティ・ハラスメント」等の禁止規定(第14条)を新設
【規定例】
妊娠・出産等に関する言動及び妊娠・出産・育児・介護等に関する制度又は措置
の利用に関する言動により、他の労働者の就業環境を害するようなことをしてはならない。
(2)「その他のハラスメント」の禁止規定(第15条)を新設
【規定例】
第12条から前条までに規定するもののほか、性的指向・性自認に関する言動によるもの
など職場におけるあらゆるハラスメントにより、他の労働者の就業環境を害するような
ことをしてはならない。
(3)「副業・兼業」についての規定(第67条)を新設
【規定例】
1 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。
3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、
 これを禁止又は制限することができる。
 イ 労務提供上の支障がある場合
 ロ 企業秘密が漏洩する場合
 ハ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
 ニ 競業により、企業の利益を害する場合
※なお、「労働者の遵守事項」(第11条)の規定から、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」
が削除されています。
 ホ 「家族手当」についての規定(第33条)から「配偶者手当」を削除


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