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有期雇用契約の無期転換と高年齢者の特例について

平成30年3月15日 第174号
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人事のブレーン社会保険労務士レポート
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有期雇用契約の無期転換と高年齢者の特例について

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1.はじめに

労働契約法が改正され、平成25年4月1日以降に新たに締結された有期雇用
契約及び更新された有期雇用契約について、同一の使用者との有期労働契約
5年を超えた場合には、労働者からの申し出があれば無期転換をしなければな
らないという制度ができ施行から5年を経過した平成30年4月1日以降に無
期転換の該当者が出てきますので対策が必要となってきます。

2.無期転換とは
(1)労働条件の中の労働契約期間だけが変わる
非正規社員の労働条件向上の目的で無期転換制度が労働契約法に盛り込まれま
した。
これは数ある労働条件の中で「雇用契約期間」のみを「有期」から「無期」に
するものであり、無期転換の際に他の労働条件を引き上げなければならないと
いうものではありません。
ましてや正社員にすることなど求められていないわけです。

(2)雇い止めの法理と無期転換
 我が国では判例において有期雇用契約を更新しない場合には解雇相当の事由
が無ければ雇い止めが出来ないという「雇い止めの法理」が確立されています。
ですから有期雇用契約労働者が「解雇しやすい労働者である」ということは
間違いであり、何故この様な立法がなされたのか疑問です。
学校の非常勤講師などが今まで長年にわたって有期雇用契約を更新してきまし
たが、この法改正により5年を超えて契約が更新されることはないという使用
者側の措置もあり、逆に労働者雇用を不安定にさせた結果となりました。
それ故に学校の教員やプロジェクトに従事する高度専門職、定年退職後の労働
者に対する特例を設けることとなり、実務の上では混乱を生じることとなりま
した。

(3)無期転換対象者の労働者とは
 有期労働契約労働者については前述の通り、その雇用契約期間満了により
直ちに雇用関係が終了するということにはなりません。
 雇用契約書等で更新に関する特記事項を設けている等の例外があれば別です
が基本的には雇い止めの法理により実態として「期間の定めのない労働契約
に準じた取扱になります。
この様な中、5年間働いてきた労働者が無期転換されて困る理由はどこにある
のか。
 人材不足の中、5年間働き続けた労働者については今後も必要な人材という
ことが想定でき、無期転換により他の労働条件を引き上げる必要はありません
ので実務上はあまり大きな問題となることは考えられません。

3.無期転換の注意点
(1)定年の設定
無期転換に際して注意することは2点です。
第一は定年の設定です。
正社員には定年の設定をされているとは思いますが、正社員以外の社員につい
ては定年の設定を設けている企業は少ないと思います。
無期転換により期間の定めのない労働契約となりますのでしっかりと定年の規
定を入れなければなりません。
しかし前述の通り、有期雇用契約においても雇い止めの法理により契約の更新
をしなければならない為に、無期転換によりという視点ではなく、定年の設定
は必要であると従来からお話をさせて頂いております。

(2)休職期間の設定
有期雇用契約においても休職の規定は必要と考えますが、無期転換に際しては
休職に関する規定は設けるべきです。

(3)契約の更新の上限
 無期転換を避けるために契約の更新の上限を設けている企業がいます。
私的自治の原則の中、当事者の合意によりこの様な規定を設けることは問題あ
りません。
しかし人材不足の中、5年間継続して働いている労働者の取扱についてはしっ
かりと社内で議論をして考えるべきでしょう。
 この労働者契約の上限の規定を厳格に適用するが、この労働者は素晴らし
いから上限の適用はしないという恣意的な運用は「契約更新の上限」は形式的
であり無効な取り決めと判断される可能性があり出来ません。
 問題ある社員については無期転換の制度を利用して退職を促すということは
実務上無理がありますので、しっかりと当該社員と話し合って結論を出すこと
をおすすめいたします。

4.高年齢者の特例

(1)申請方法
有期雇用契約が5年を超えて更新された場合には無期転換の申し出を労働者
することが出来ます。
60歳定年で、有期雇用契約で5年間更新をして嘱託社員として再雇用されて
いた社員が引き続き65歳以降もその企業で働く場合に無期転換の申し出が出
来ることと成り65歳以降の高年齢者の雇用に影響が出ることが予想されます。
そこで特例を設け、都道府県労働局に計画を申請することにより定年以降の有
雇用契約において無期転換をさせる必要が無いという特例措置を受けること
が出来ます。
労働局に申請をして認定を受けなければなりません。

この認可を受けるためには以下のいずれかの措置をとる必要があります。

・高年齢者雇用安定法第11条の規定による高年齢者雇用推進者の選任

 この高年齢者雇用推進者とは、高年齢者雇用確保措置を推進するため、作業
施設の改善その他の諸条件の整備を図るための業務を担当する者として、知識
及び経験を有している者の中から選任する努力をする事となっているものです。

・職業能力の開発及び向上の為の教育訓練の実施等

 高年齢者の有する知識、経験等を活用できるようにするための効果的な職業
訓練として、業務の遂行家庭外における「教育訓練の実施」まはた「教育訓練
の受講機会の確保」

・作業施設・方法の改善

身体的機能や体力等が低下した高年齢者の職業能力の発揮を可能とするための
「作業補助具の導入を含めた機械設備の改善」「作業の平易化等作業方法の改
善」「照明その他作業環境の改善」「福利厚生施設の導入・改善」

・健康管理、安全衛生の配慮

身体的機能や体力等低下を踏まえた「職場の安全性確保」「事故防止の配慮」
「健康状態を踏まえた「職場の安全性の確保」「事故防止への配慮」「健康状
態を踏まえた適正な配置」

・職域の拡大

身体的機能の低下等の影響が少なく高年齢者の能力、知識、経験等が十分に活
用できる職域を拡大するための企業における労働者の年齢構成の高齢化に対応
した職務の再設計などの実施

・知識、経験等を活用できる配置、処遇の推進

「高年齢者の知識、経験等を活用できる配置、処遇推進のための職業能力を評
価する仕組み」「資格制度、専門職制度」等の整備

賃金体系の見直し

高年齢者の就労機会を確保するための能力、職務等の要素を重視する賃金制度
の整備

勤務時間制度の弾力化

上記のいずれかの制度を設ければよく、申請書に行うべき措置をチェックすれ
ば足りますのであまり難しく考える必要は無いと思います。

(2)高年齢者等雇用安定法による年齢を理由とする退職との整合性
 高年齢者等雇用安定法では年齢を理由とする退職は65歳未満では行っては
いけないとなっています。ですから60歳定年後の再雇用が65歳までとなっ
ているのです。
 ですから65歳以降引き続き再雇用する際の上限年齢については任意に設定
することが出来ます。
 65歳以降に雇用契約を行う場合には本人の希望や体力等を勘案して年齢に
よる上限を設けることは問題ないのです。
 仮にこの申請をせずに65歳以降無期転換となった場合でも年齢による雇用
関係の終了は雇用期間の長さによる無期転換と別の問題ですので、対応できる
のです。
 無期転換がなされても「68歳に達した日の属する雇用契約が満了した場合
には当該契約を持って終了することとする」という一文は労働契約法上問題あ
りません。
 特例申請をせずに、この方法によることも出来るのです。
むしろ有期雇用契約についても雇い止めの法理により契約期間満了による退職
が高いハードルとなっている我が国においては無期転換の有無にかかわらず65
歳以降の雇用については体力等を勘案して年齢による上限を設けるべきと考え
ます。

5.まとめ
労働者のためになると思って設けた「無期転換制度」が結果として労働者の雇
用を不安定にさせていることは立法過程からお話をしてきました。
しかし雇い止めの法理が確立されている我が国では無期転換による影響は少な
いと考えます。
情報が多い中、本質的な取り組みをして頂きたいと思います。

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