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ワタシの給与が未払いに。チャンと払ってもらえる?







2018年6月12日号 (no. 1089)
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http://www.soumunomori.com/profile/uid-20903/





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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【ワタシの給与が未払いに。チャンと払ってもらえる?】
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■給与支払いの遅延を経験した。

大学生の頃の話ですが、給与を1ヶ月遅れて支払われた経験があります。

会社の財務に何らかの問題があったわけではなく、私が勤めていたお店の店長がタイムカードを本部に送り忘れて、給与が計算されず、支払いもなかったんです。

つまり、人的なミスが原因で給与が支払われなかったというわけ。

 

タイムカードを本部に送るときには枚数や名前を確認するはずですし、本部の方でも在籍者とタイムカードをすり合わせてチェックするはずです。この二重のチェックがあるにもかかわらず、タイムカードが送られていない状態が発覚しなかったんですね。もしかして、そんなチェックなんてしていなかったのかもしれません。

チェーン展開する飲食店ですから、それなりにチャンとしているように思っていましたけれども、そういう会社でも雑な部分はあるのかなと。


その後、翌月分の給与で2ヶ月分をまとめて支給されました。

 

 

 

 

■給与の支払いが遅れたら、遅延損害金を請求できる。

私のように、在職中に給与の支払いが遅延すると、年6%の利率で遅延損害金を請求できます。

当時は大学生でしたから、労務管理のことはほとんど知らなかったのですけれども、あの頃のように給与の支払いが1ヶ月遅れたら、その分だけ遅延損害金を請求できたんです。

仮に、給与が月10万円だとして、その支払が1ヶ月遅れ、遅延損害金の利率が6%だとすると、1ヶ月あたり500円が遅延損害金の額になります。

10万円の6%で6,000円。これを12ヶ月で割ると500円になります。

金額としてはたったの500円ですけれども、大学生ならば昼食1回分ぐらいにはなります。


遅延損害金利息は、在職時と退職後で違いがあります。

在職中だと年6%(商法514条)。
退職した後は、年14.6%(賃金支払確保法6条)になります。

 

ちなみに、遅延損害金を請求できるのは毎月の給与の支払いが遅延した場合です。退職後に支給される退職金は対象外です。退職金は会社が決めた時期に支払えば、それで足ります。


給与で遅延損害金を請求されるなんて、どこの会社でも起こることではなくて、1度もこのようなケースを経験した事が無い人の方が多いでしょう。

給与の支払いが遅れると、「この会社、大丈夫か?」、「もうすぐ潰れるんじゃないか?」と働いている人に不安を感じさせますから、会社としては重大インシデントです。

会社に対する働いている人の見方が変わってしまうほどのインパクトがありますからね。

 

 

 

■給与が未払いになったら付加金も請求できる?

労働基準法114条には、付加金というものについて書かれています。

付加金とは、支払わなかった額と同じだけの額を上乗せして支払うもの。仮に、未払いになった額が3万円あるとして、そこに付加金が付くと、合計で6万円になるんですね。

 

ただし、この付加金を支払う対象になるのは、以下の4つの賃金です。

解雇予告手当。
休業手当
残業代(法定時間外労働に対する割増賃金)、休日勤務や深夜勤務への割増賃金
有給休暇を取った日の給与。
この4つが未払いになると、付加金の対象になります。

 

ただし、本人から会社に請求してもダメなんです。付加金の支払いを命じるのは裁判所ですから、本人から直接には請求できないのですね。


例えば、簡易裁判所経由で未払い残業代を請求する時に、合わせて付加金も請求するという形ならばOKです。


解雇予告手当はチャンと支払う。
休業したら手当をチャンと支払う。
割増賃金有給休暇を取った日の給与もチャンと支払う。

当たり前のことを当たり前のようにやっていれば、会社が付加金を請求されることはありません。

残業代を未払いにしてツケを貯めていると、裁判で倍返しされるんですね。怖い、怖い。

 

 


■未払いの給与を立て替える制度。

給与が未払いになっているとき、条件を満たすと、給与を立て替え払いしてくれる制度があります。これを「未払賃金立替払制度」と言います。

未払賃金立替払制度
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shinsai_rousaihoshouseido/tatekae/index.html

ただし、この制度を利用するには、会社が倒産している必要があります。

 

倒産には2種類あって、法的に倒産した場合、事実上倒産している場合、この2つがあります。

まず、法的に倒産した場合というのは、破産、特別清算、民事再生、会社更生、このいずれかに会社の状態が該当したときです。

他方、事実上倒産した場合というのは、事業活動が停止し、再開する見込みはなく、賃金を支払う能力も無いときです。

 

2018年1月の成人式でトラブルを起こした某着付け会社の場合、成人式の日に事業活動が停止しており、再開する見込みは無いですし、賃金を支払う能力も無いようですから、事実上倒産している状態に該当するように思えます。

もし、給与が未払いになっているならば、未払賃金立替払制度で対応できそうですので労働基準監督署で相談するといいでしょう。


厄介なのは、給与を未払いのまま事業を継続しているケースです。これだと倒産していないため、未払賃金立替払制度の対象になりません。

「給与を払ってくれるまで働きません」と言えば、「働いてもらわなければ、過去の分の給与まで払えなくなる」と切り替えしてくる会社もあるでしょうね。

 

 


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メールマガジン【本では読めない労務管理の"ミソ"】のご紹介


内容の一例・・・
『定額残業代残業代は減らせるのか』
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『管理職は週休3日が理想』
『日曜日=法定休日と思い込んではいけない』
半日有給休暇半日欠勤の組み合わせはダメ?』
『寸志は賃金or贈り物?』
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http://www.growthwk.com/entry/2008/05/26/125405?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_common_20180612_1




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合格率0.07%を通り抜けた大学生。


今、私はこうやって社労士という職業で仕事をしているわけですが、子供の頃からなりたかった職業というわけではなくて、大学生の頃に遭遇したきっかけが始まりです。

子供の頃になりたい職業というと、男の子ならば、警察官やスポーツ選手、パイロットというのが良くあるもの。女の子だと、スチュワーデス(今はキャビンアテンダント)、花屋さん、ケーキ屋さん、保育園の先生とか。そういう社会的に広く認知されたものが選ばれるので、小学生や中学生が社労士になりたいなんてことはゼロではないのでしょうが、極めて稀でしょう。

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。だって、簡単そうなイメージがするでしょ、社労士なんて。チョチョッと勉強すれば、スルッと合格できるだろう。そう思っている人も少なくないはず。

「よく知られている資格 = 難しい」、「あまり知られていない資格 = 難しくない」。こういう判断基準があって、社労士は後者に該当するため、難しくないだろうと思われてしまうわけです。

私もそうやってナメていたクチですから、不合格になったんです。

実際は、想像しているよりも難易度は高くて、大学生の頃に約1年ほど時間を投じて、やっとこさ合格したのが本当のところ。


どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

とはいえ、学生の人が社労士に興味を持つというのはやはりレアで、何らかのきっかけが無ければ出会えないでしょうね。ただ、珍しいといっても、毎年、1割弱ほどは学生の受験者がいるので、受験者の総数を5万人と仮定すると、その1割弱なら3,000人から4,000人ぐらいは学生がいます。

そういう方の役に立つならば、私の経験も使っていただきたいですね。


http://www.growthwk.com/entry/2017/02/28/121910?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_common_20180612_2
大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡




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残業で悩んでいませんか?

「長時間の残業が続いている」
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」

こういう悩み、よくありますよね。

ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。

法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。

とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?


毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。

例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。

でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。

「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。


『残業管理のアメと罠』
http://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_common_20180612_3





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決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。


一例として、

Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
Q:残業しないほど、残業代が増える?
Q:喫煙時間は休憩なの?
Q:代休振替休日はいつまでに取ればいいの?


このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

▽    ▽   『仕事のハテナ 17のギモン』    ▽    ▽
http://www.growthwk.com/entry/2017/05/23/132023?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_clockperiod_common_20180612_4



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