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「今日は仕事がないから、休みにして」と言われたら。







2018年7月26日号 (no. 1133)
3分労働ぷちコラム バックナンバーはこちら
http://www.soumunomori.com/profile/uid-20903/





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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【「今日は仕事がないから、休みにして」と言われたら。】
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当日になって、急に仕事が休みになる。

そんな経験をした方もいらっしゃるのでは?


例えば、

木曜日に、

10:00から15:00まで、
5時間の勤務シフトだったとしましょう。


そして、

当日の木曜日、

10時少し前、9:41に職場に着いた。


そこで、
「今日は仕事がないから、休みにして」
と言われる。


もし、自分自身がそう言われたら、どう思うか。


「いやいや、もっと早く伝えてよ」

「当日、しかも出勤してから休みにするなんて、困る」


仕事をするつもりで準備してきているのでしょうし、
当日、出勤してから休みと言われても、
そりゃあ納得できないもの。


こういう場合、どのような対応をするか。

 

 


■出勤する日を一方的に休みにしたら、「休業」になる。

木曜日の当日になって、

「今日は休みにして」と伝えると、

これは「使用者の責任による休業」として扱われます。


使用者の責任で休業させると、

給与の6割以上を支払わないといけなくなります。


10時から15時まで、5時間働いて10,000円だとすると、
その6割以上、つまり6,000円以上を会社は本人に払わないといけません。

 

「休みになって、仕事をしてもらっていないのに、給与を払うの?」
と思う方もいらっしゃるでしょうが、

会社の都合で一方的に従業員を休ませると、

休みであっても、給与を払わないといけないんです。

 

 

休業手当は「雇用契約違約金」のようなもの。

労働基準法の26条(以下、26条)には、
先ほどの休業手当に関する決まりが書かれています。

26条
 使用者責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。


一方的に、「今日は休みにして」と伝えると、
給与の60%以上を払わないといけないんですね。


なぜこのような条文があるのかというと、

「買うと約束したものをドタキャンさせないため」

です。


「木曜日の10時から15時まで、
この5時間の労働力を使用者は購入します」
雇用契約で決めているのですから、

 

当日になって、
「やっぱ要らないわ」
と言われたら、

契約の相手方は困ります。


木曜日に働けると期待しているわけですから、
この期待を保護しないといけない。

そこで、

使用者側から一方的に仕事を休みにされた場合に
対処するため、

26条が用意されているんです。


会社も従業員も、
雇用契約で決めた内容を履行します。

週4日勤務で契約したならば、
1週間に4日は働けるようにしないといけない。

1日5時間勤務と契約で決めているならば、
1日に5時間は働けるようにしないといけない。

それが雇用契約なのです。


この点は、雇用契約に限ったことではなく、
他の契約でも同じです。

 


例えば、

ホテルの宿泊をインターネットで予約し、

宿泊日当日になってキャンセルすると、
キャンセル料が発生しますよね。


当日キャンセルだと、キャンセル料は100%。
3日前だと50%。
7日前までにキャンセルすれば、0%。

というように、

宿泊施設の予約にはキャンセル料が設定されています。


雇用契約における休業手当もこれと同じ、
キャンセル料のようなものと考えていただければ良いでしょう。


買うと約束したものを、
後から「やっぱり要らない」とは言えない。

商売ですからね。


余裕を持ってキャンセルすれば話は別ですが、
ドタキャンのようなことをすれば、
相手から違約金(キャンセル料、休業手当など)を請求されるのが当然です。

 

 


■どうしても休みにしたいときは、どうするの?

例えば、

大雨が降ってお客さんが少ない、

台風がやってきて、お店がガラガラ、

こういう状況だと、

お店を閉めたいと思うのが人の気持ちです。


そういう場合はどうすればいいのか。


「お客さんがいなくてガラガラでも、
強引に営業しなさい」

と言ってしまっては、
何の解決策にもなりません。

 

もし、休みにしたいときは、
他の日と振り替えるのが現実的な解決方法です。


先ほどの例だと、

木曜日の10時から15時までの勤務シフトを
休みにしたわけですから、

それを休みの予定だった土曜日に振り替えて、
土曜日の10時から15時に出勤する。

こうすれば、

木曜日は休みになりますが、
その代わりに土曜日に出勤できます。


出勤日を休みに変えても、
他の日に振り替えるならば、

雇用契約の内容を履行できますし、
休業手当も必要ありませんから、
セーフです。


木曜日を休みにして、
何の補填策も講じずに、
そのままにするのはダメです。

週4日出勤のはずなのに、
木曜日が休みになって、
出勤日が週3日になった。

これだと、休業手当が必要になります。

 

 


■早退のときも振り替えで補填。

丸1日、出勤日を休みに変えた場合だけでなく、

例えば、

2時間早く早退させた場合も、

他の日に、勤務時間を2時間延長して振り替える
方法があります。


勤務シフトが木曜日の10時から15時までのところ、
当日は13時に終わってもらい、

翌日の金曜日に2時間延長して、
10時から17時まで働いてもらう。

このような振り替えもあります。


ただ、
このような振り替えは
あまりやらないようにしたいところ。

契約違反とまでは言えないですし、
違法でもないですが、

コロコロと勤務シフトが変えられてしまうと、
スケジュール調整がシンドイですからね。


あまり頻繁に勤務シフトを振り替えていると、

「こんなに勤務シフトがコロコロ変わるならば、
もう辞めます」

と言う人が出てきてもおかしくない。


便利な道具も、
その使い方次第で、

良い効果をもたらすか、

それとも、

良くない効果をもたらすか

が変わります。

 

 



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合格率0.07%を通り抜けた大学生。


今、私はこうやって社労士という職業で仕事をしているわけですが、子供の頃からなりたかった職業というわけではなくて、大学生の頃に遭遇したきっかけが始まりです。

子供の頃になりたい職業というと、男の子ならば、警察官やスポーツ選手、パイロットというのが良くあるもの。女の子だと、スチュワーデス(今はキャビンアテンダント)、花屋さん、ケーキ屋さん、保育園の先生とか。そういう社会的に広く認知されたものが選ばれるので、小学生や中学生が社労士になりたいなんてことはゼロではないのでしょうが、極めて稀でしょう。

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。だって、簡単そうなイメージがするでしょ、社労士なんて。チョチョッと勉強すれば、スルッと合格できるだろう。そう思っている人も少なくないはず。

「よく知られている資格 = 難しい」、「あまり知られていない資格 = 難しくない」。こういう判断基準があって、社労士は後者に該当するため、難しくないだろうと思われてしまうわけです。

私もそうやってナメていたクチですから、不合格になったんです。

実際は、想像しているよりも難易度は高くて、大学生の頃に約1年ほど時間を投じて、やっとこさ合格したのが本当のところ。


どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

とはいえ、学生の人が社労士に興味を持つというのはやはりレアで、何らかのきっかけが無ければ出会えないでしょうね。ただ、珍しいといっても、毎年、1割弱ほどは学生の受験者がいるので、受験者の総数を5万人と仮定すると、その1割弱なら3,000人から4,000人ぐらいは学生がいます。

そういう方の役に立つならば、私の経験も使っていただきたいですね。


http://www.growthwk.com/entry/2017/02/28/121910?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_common_20180726_2
大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡




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残業で悩んでいませんか?

「長時間の残業が続いている」
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」

こういう悩み、よくありますよね。

ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。

法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。

とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?


毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。

例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。

でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。

「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。


『残業管理のアメと罠』
http://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_common_20180726_3





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決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。


一例として、

Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
Q:残業しないほど、残業代が増える?
Q:喫煙時間は休憩なの?
Q:代休振替休日はいつまでに取ればいいの?


このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

▽    ▽   『仕事のハテナ 17のギモン』    ▽    ▽
http://www.growthwk.com/entry/2017/05/23/132023?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_clockperiod_common_20180726_4



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